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会場:セガ本社1号館
■ 最後の1枠を賭けて熱戦が繰り広げられた最終予選 決勝大会の前に行なわれた最終予選には、合計で102名ものプレーヤーたちが集まった。この中には、「お手並み拝見4 FINAL」の覇者「ジン」選手(KA)を筆頭に、「ホノルル」選手(LA)、「ムッキー晶」選手(AK)、「栗田」選手(VA)など、店舗予選で惜しくも代表の座を勝ち取ることはできなかったが、全国レベルでその実力を高く評価されている強者も多数参戦。AからDまでの4つのブロックにわかれて、各地で開催された店舗予選に勝るとも劣らないハイレベルな戦いが繰り広げられた。 「負けたら終わり」という最終予選独特のピリピリとした緊張感が漂う中、Dブロックの1回戦で、「ムッキー晶」選手vs「栗田」選手という好カードが早くも実現。勝ったほうがDブロックを制するかに思われたが、「ムッキー晶」選手を下した「栗田」選手は2回戦で姿を消すという波乱含みの展開に。その後も、Aブロックの準決勝で「ホノルル」選手が、Cブロックの決勝戦で「ジン」選手が相次いで敗れるなど、本命と思われていた4人が全滅する驚きの結果となった。
結局、各ブロックを制して最終予選全体のベスト4に名乗りを上げたのは、Aブロックから「単純」選手(SH)、Bブロックから「かめ」選手(LE)、Cブロックから「祐天寺」選手(LA)、Dブロックから「しべ」選手(SH)の4人。準決勝、決勝ともに、一瞬でも隙を見せると手痛い連係を決められる、まさに最終予選と呼ぶにふさわしい好勝負の連続であった。そんな中、これが最後のチャンスという強烈なプレッシャーをはねのけ、見事最後の1枠を勝ち取ったのは、Cブロックの決勝戦で「ジン」選手に勝利した「祐天寺」選手だった。
■ 現時点での最強プレーヤーは「ふ~ど」選手に決定!! 全国大会常連組の強さが光った決勝大会
決勝大会に勝ち進んできた選手たちの使用キャラの内訳は、カゲが8人、ジャッキーが7人、パイが4人、ラウとリオンが3人ずつ、ウルフが2人、アキラ、シュン、アオイ、レイフェイ、アイリーンがそれぞれ1人ずつという構成。「お手並み拝見4 FINAL」と比較すると、若干パイが増えたが、あとはカゲとジャッキーが圧倒的に多いなど、あまり変化は見られなかった。それでも、新キャラのアイリーンが1人勝ち上がってきており、稼動開始から4カ月しか経っていないのに、よく全国レベルで通用するところまでキャラのスペックを引き出したものだと正直驚いた。 参加選手たちの緊張感が伝わったのか、会場に詰め掛けた多くの観客たちも固唾をのんで見守る中、ついに「お手並み拝見5」決勝大会がスタート。厳しい予選を勝ち上がってきた選手ばかりが揃っているだけあって、1試合目から決勝大会と呼ぶにふさわしい、ハイレベルな戦いが展開された。 1回戦では第6試合に「千人斬り」選手(KA)vs「ちび太」選手(LI)という屈指の好カードが実現。ファイナルセットまでもつれる一進一退の攻防を制したのは、「千人斬り」選手だった。 1回戦の対戦の中で、応援以外で場内がもっとも盛り上がったのは「K・爺」選手(SH)vs「矢永」選手(PA)。「K・爺」選手はクラブセガ金山の代表ということもあり、この大会に向けて「矢永」選手の家に泊めてもらっていたらしく、対戦前のマイクパフォーマンスで「矢永」選手が「2、3日前から家に泊めてあげているので勝てると思います」と一宿一飯の恩をちらつかせた。これに対し「K・爺」選手は、対戦前のキャラ紹介画面に表示されるPR欄で「洗濯ありがとうございます。次はあなたを洗濯します」と反撃。これを見た観客たちが(もちろん筆者も)大爆笑していた。気になる結果のほうは、洗濯機の中に腰まで入れられた「矢永」選手が強引に抜け出し、逆に「K・爺」選手を頭から洗濯機に放り込む(3-2で矢永の逆転勝ち)ことに。いろんな意味で会場を盛り上げてくれた名(迷?)勝負だった。 準々決勝では、第3試合の「矢永」選手vs「まるお」選手(JA)以外は、すべてファイナルセットまでもつれこむ緊迫した対戦が繰り広げられた。特に、第4試合目の「こえど」選手(KA)vs「たかピー♪」選手(PA)戦では、「こえど」選手が先に2本先取された後に2本取り返すという展開。ファイナルセットでは、「こえど」選手が一気に残り体力3分の1程度のところまで追い込まれたが(「たかピー♪」選手の体力はほぼ満タン)、ここから優勝候補の本命に挙げられた男が意地を見せ、じわりじわりと盛り返す。そして「たかピー♪」選手の体力を残り約4分の1まで削ったところで刀霞(3P+G)からダウン攻撃を入れ、見事逆転勝利を決めたと思われたが、「たかピー♪」選手も1ドット残り、互いに技を決められたほうの負けという大接戦に。最後は、「今は俺の流れだ!!」と言わんばかりの気合が感じられた、「こえど」選手の肘打ち(6P)が見事に決まって勝負アリ。間違いなく、今大会のベストバウトの1つに数え上げられるだろう。このほかの試合も、どちらが勝ってもおかしくない紙一重の好勝負ばかりだった。 準決勝に駒を進めたのは、「ふ~ど」選手(LI)、「千人斬り」選手(KA)、「矢永」選手(PA)、「こえど」選手(KA)の4人。第1試合の「ふ~ど」選手vs「千人斬り」選手では、「ふ~ど」選手が安定した強さを見せて3-0で勝利した。続く第2試合で、またもや会場内が大爆笑の渦に包まれるマイクパフォーマンスが展開された。仕掛け人はやっぱり「矢永」選手。「これまでたくさんご飯をおごってあげたので勝てるでしょう」と、一瞬デジャビュ? と思ってしまうナイスコメントで場内を沸かせれば、負けじと「こえど」選手も「今日は、お疲れ様でした」と、これで家に帰るのは俺じゃない!! という発言で大爆笑を誘う。1回戦では仕掛け人の「矢永」選手が勝利を収めたが、今回は試合前の舌戦で相手をうまくいなした「こえど」選手が、対戦でもいい動きを随所に見せて3-1でコメントキング(対戦も相当強いですよ)「矢永」選手を退けた。 見所満載のトーナメントを勝ち上がり、見事決勝まで上り詰めた「ふ~ど」選手と「こえど」選手。筆者が見たところでは、2人の間に大きな実力の差はない。試合前のマイクパフォーマンスもなく、緊迫した面持ちで対戦台に向かう両名。その緊張感を察したのか、会場内もこれまでにない静寂に包まれた。 異様な雰囲気の中、いよいよ「バーチャファイター5」での初代チャンピオンが決定する、「お手並み拝見5」決勝戦が始まった。互いにガードが固く、なかなか技が決まらない中、浮かせ技や崩し技が決まったときに、確実にコンボで追撃して体力を削りあうハイレベルな攻防が展開された。
「ふ~ど」選手の0-1、1-1、1-2と互角の戦いが続く中、迎えた4本目。残り体力が、「ふ~ど」選手約3分の1、「こえど」選手約4分の1というところで、「ふ~ど」選手の繰り出した磨盤手(ディフェンシブムーブ中P+K)を、しゃがんでかわした「こえど」選手が弧延落(64P+G)を決める。空中コンボで追撃すれば、「こえど」選手の勝利が確定すると思われた(「ふ~ど」選手も、やられたぁという表情をしていた)が、わずかに体力が残り、一瞬ゆるんだ場内の空気がまた再び張り詰めた。そしてこの後、「こえど」選手の下段攻撃を読んだ(と思われる)「ふ~ど」選手が、旋風腿(8K)でそれを潰し、掛統腿(8KK)へと繋げて逆転でこのセットを奪取したのである。これで勝利の女神を大きく自分のもとに引き寄せた「ふ~ど」選手が、その勢いのままファイナルセットも勝利。見事、「お手並み拝見5」の覇者となった。
■ 特別称号は「天龍」!! 次回の全国大会「格闘新世紀4」も発表
優勝は、優勝候補と目される選手たちの中でも特に「VF4 EVO」時代から頭角を現わし、前評価の高かった「ふ~ど」選手となったが、筆者が見る限りでは、ベスト4に勝ち残った選手たちの実力は拮抗している。微妙に傾く試合の流れを逃さず掴めるかどうか、そして少しの運を味方につけたほうが勝利したのではないかと感じた。 さて、閉会式のメインイベントといえば、やっぱり特別称号の授与式。会場が、今日初めてといっていいほど落ち着きのないざわざわとした雰囲気となる中、「お手並み拝見5」の覇者「ふ~ど」選手に「天龍」という称号が贈られた。
そして、いよいよ閉会式もクライマックスというところで、次なる大会「格闘新世紀4」が12月中旬からスタートすることが発表された。あと1カ月足らずでの始動となる次のビッグイベント。今大会の優勝者「ふ~ど」選手を倒す者が現われるのか、今から非常に楽しみだ。
(2006年11月6日) [Reported by 中野信二]
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