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利用料金:無料(アイテム課金制)
今回、正式サービスに先がけて、電遊社の東京支社にて、電遊社代表取締役社長 林省吾氏による「ソーサリアンオンライン」の説明会が行なわれた。本稿では説明会の内容を元に、「ソーサリアンオンライン」の基本コンセプトを紹介したい。
■ 名作アクションRPGのコンセプトを受け継ぐオンラインゲーム
「ソーサリアン」には独立した15本のシナリオが収録されている。1本のシナリオは1~2時間ほどでクリアできるものだが、それぞれ凝ったシナリオと仕掛け、モンスターとのバトルが楽しめる。ミステリーの要素があったり、神話風だったり、トラップだらけのキツイダンジョンだったりと、シナリオのコンセプトは非常に多彩で、さらに「追加シナリオ」が発売され、最終的には50本近くのシナリオが楽しめる大作になった。 この他にもキャラクタが年を取り、やがて寿命を迎えるという、世代交代まで考えた時間の概念や、アイテムにかけた「星魔法」によって効果を発揮する100以上の呪文、スキルシステムなど、従来のゲームとは一線を画す作品となっていた。このため、「難解すぎる」という批判を受けることもあったが、熱狂的なファンを生み出す作品となった。日本ファルコムによるリメイク作品は作られたが、残念ながら追加シナリオのリメイクは行なわれていない。 「ソーサリアンオンライン」は電遊社の開発チームにより、原作の持っていた魅力を受け継ぎ、更にオンラインゲームとして新しい楽しさを生み出す、というコンセプトで開発が進められている。プレーヤーはMMOスペースである街で仲間を募り、MOの入り口となる「ルーム」を作成する。そこにプレーヤーを呼び込んでゲームをスタートさせるというMMO+MOのスタイルを採用したオンラインゲームになっている。 プレーヤーが挑戦するのは「消えた王様の杖」と「ルシフェルの水門」という2本のシナリオ。この2つは「ソーサリアン」に収録されていたシナリオで、ゲームの展開もまたオリジナルを彷彿とさせる場面が多数あるという。ユニークなのはこの2本のシナリオは非常に難易度が高くなっていて、1回ではクリアできず、プレーヤーがこのシナリオをクリアするためには、経験値稼ぎをしたりと、何度も何度も挑戦する必要があるところだ。 ゲーム展開が全く同じになってしまうのを防ぐためにランダムに発生する「クエスト」によって、シナリオがクリアできなくても目的を持ったプレイが可能となっている。クエストはルーム作成者のみが対象となるためソロプレイになりがちだが、「ボスを倒せ」というようなパーティープレイが必須のものも用意されている。シナリオそのものは「チャプター」というチェックポイントが設定されていて、これをクリアしていくことでシナリオがクリアできる。チャプターはログアウトしても記録に残るが、クエストはログアウトするとクリアされてしまう。 さらにシナリオ要素がなく純粋にモンスターとのバトルが楽しめる「ダンジョン」も用意されている。まずダンジョンをプレイしたり、クエストに挑戦して、キャラクタを一定レベルまで鍛え上げてから、一気にシナリオをクリアする、というのがメインのゲーム展開となりそうだ。そこからさらにモンスターが落とすレアアイテムを目当てに何度も挑戦する、という取り組み方も可能だ。仲の良い友達とじっくりシナリオに取り組むのも、ルームに飛び込み即席のパーティーで戦うこともできる。ギルドシステムも実装されており、より親密なコミュニティーを作ることも可能だ。
本作はゲームが進行するのはMO部分のため、キャラクタを鍛える際には1人でルームを作り黙々と敵を倒すプレイになりがちだ。この問題に対処するため多数のプレーヤーが参加できる、運営側がホストとなる特別なルームを現在開発中だという。そこではMMORPGのように多くのプレーヤーがゲームを進めている風景を見ることができるという。
■ 多彩なキャラクタ、モンスターとの駆け引きを楽しむ戦闘システム
「ソーサリアンオンライン」の“戦闘”はスタッフが最も注力している部分だという。プレーヤー達はそれぞれの能力を駆使し、モンスターの行動に対処しながら戦闘を進めることとなる。協力要素と、スキルや魔法を発動させるタイミングが重要になる、駆け引きが楽しめる戦闘システムにしたいとのことだ。この作品ではパーティーは最大4人、通常のルームでは8人のプレーヤーを招待できる。シナリオへの途中参加も可能だ。仲間達だけでゲームを楽しみたい場合はパスワードによってルームをロックしてしまえばいい。 さらに太陽、火、水、木、月、土、金という7つの“星魔法”を武器や防具に付与して効果をもたらす要素や、フィールドでハーブを採取し組み合わせて秘薬を作る要素などオリジナルの「ソーサリアン」を彷彿とさせる要素が多数盛り込まれる。 インターフェースに関しては「ソーサリアンオンライン」ではあえてオリジナルの方式を採用している。テンキーで移動、テンキーの0でターゲットをロック、エンターでNPCと会話をする。攻撃はZキー、Dキーで遠距離攻撃、Cキーでガードを行なう。正式サービス時にはジョイパッドの対応も予定している。 今後の展開としては、シナリオは順次追加し、最終的にはオリジナルの15本のシナリオをすべて実装する予定だという。次に実装される予定は「失われたタリスマン」。原作では密林の中の遺跡や、巨大な地下洞窟などフィールドは変化に富んでいて、巨大な昆虫型のモンスターが行く手を阻むシナリオだった。このシナリオをどうアレンジするかは気になるところだ。 音楽に関しても特筆しておきたい。オリジナルの「ソーサリアン」は古代祐三氏を筆頭に、数名のミュージシャンが作曲を手がけており、ファルコムファンの間では現在も評価が高い。「ソーサリアンオンライン」ではこれらの曲をアレンジした楽曲が提供されている。オリジナルを知っているプレーヤーにはたまらない要素である。
今回説明を聞いて感じたことは、社長の林氏を含め、スタッフがオリジナルの「ソーサリアン」を深く理解し、その上で新しい作品を生み出そうとしているその強いこだわりだ。もちろん、この作品はオリジナルのファンだけではなく、若いユーザー、初心者に向けて作られている。説明会では、「手軽さではなく、ゲーム性の強い、駆け引きの楽しめる本格的なゲームにしたい」というスタッフの気合いが伝わってきた。原作をどうアレンジし、そして昇華していくのか、期待したい。
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□エキサイトのホームページ (2006年10月5日) [Reported by 勝田哲也]
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