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【PS2「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」】 10月26日 発売
価格:7,140円
コミックスの累計発行部数は7,000万部を超える「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのゲーム化は、過去に数社でゲーム化されている。最近では、株式会社カプコンが第3部にあたる「スターダストクルセーダーズ」を格闘ゲームとしてアーケード、プレイステーション、そしてドリームキャストでゲーム化。さらにプレイステーション 2で第5部にあたる「黄金の旋風」をゲーム化してきた経緯があるが、今回バンダイナムコゲームスによってシリーズの原点である第1部「ファントムブラッド」がゲーム化される。
また、「ファントムブラッド」が来年2~3月公開予定の映画として制作されていることも明らかになった。ほかにも、2007年にはバンダイより「カードダス」でカードゲーム化されることも公表された。
発表会には、マスコミ各社と集英社の「ウルトラジャンプ」の読者から選ばれた招待客が多数詰め掛けた。編集長・伊東健介氏の「今日はマスコミの方々もいち『ジョジョ』ファンとして楽しんでほしい。その楽しい気持ちを読者に伝えてほしい」という挨拶を皮切りに、ゲーム、そして映画のプレゼンテーション、さらに、コンビ名も「ジョジョ」からとったお笑いコンビ「スピードワゴン」のお2人と、原作者の荒木飛呂彦氏、そして映画版「ファントムブラッド」の監督である羽山淳一氏によるトークショーが行なわれた。 ■ 「波紋」の使い方がキーになるPS2「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」 主人公、清い魂と独特の呼吸法でエネルギーを蓄積し、攻撃や防御に使う「波紋法」を習得した紳士、ジョナサン・ジョースター、そして、アステカより伝わる謎の「石仮面」によって吸血鬼と化した闇の帝王、ディオ・ブランドーの物語である「ファントムブラッド」は、独特の世界観、演出、ストーリー、構図、擬音といった様々な魅力で多くのファンを魅了。その後のシリーズの方向性を強烈に印象付けた1作だ。 吸血鬼、そして吸血鬼に血液を吸い取られたゾンビを倒すために必要な「波紋」をどう表現するのか、そしてどこまでストーリーラインを再現できるのかがゲーム化にあたって注目されるところだが、これがなかなかユニークなゲームに仕上がっている。
ゲームは3Dアクションゲームで、1対多の戦いがメイン。左アナログスティックで移動、□で弱、△で強攻撃(弱からコンビネーションになる)、R1でチャージ攻撃(押している長さで威力が3段階に変化)、○で回避(攻撃を受けたときに押すとメガクラッシュ)という操作系。さらに、×ボタンで波紋の呼吸(弱攻撃からつなげるとポージング)、R2で覚醒技(シグナル点等時のみ使用可)という独特の操作システムが導入されている。 とくに、弱攻撃から×ボタンのポージングが重要で、ポージングすることで、戦闘中に攻撃力アップ、スピードアップ、防御力アップ、回復力アップといった能力を強化できる(□×、□□×、□□□×といった連携になる)。また、ジョナサンの場合、○△で波紋アッパー、○○△で波紋回し蹴りなどなど、波紋の技が弱攻撃からのコンビネーションで使える。ジョナサンのチャージ攻撃はズームパンチ。そして覚醒技は山吹き色の波紋疾走(サンライトイエローのオーバードライブ)だ。
ストーリーの再現度もなかなかのもの。少年期、青年期、そしてディオが吸血鬼となった後の数々の戦いと見せ場が多い第1部だが、少年期のディオとジョナサンの出会いのボクシング、青年期のスピードワゴンとの出会い、さらにゾンビと化した過去の英雄ブラフォード、タルカスとの戦いなどもしっかりゲーム化されている。 また、波紋使いとしてジョナサンに波紋法を伝授するツェペリ男爵、ツェペリの師匠であるトンペティ、波紋使いの仲間であるダイアー、ストレイツォの姿も確認できた。ツェペリによる波紋の修行などがどこまで再現されるのかは非常に楽しみだ。ちなみに、「仙道」をジョナサン達に見せるため、ツェペリ男爵がカエルごと岩を強打するシーンは「メメタァ」のあの擬音とともにプレゼン映像で確認できた。 波紋使いもプレーヤーキャラとして使用できるだけでなく、ディオのためのオリジナルストーリーモードの存在も明らかになっている。ブラフォード、タルカスも使用キャラとして遊べるようだ。
さらに、本作のコマーシャル映像も上映された。街中を疾走した多数の人々(聞いたところ、バンダイナムコゲームスの社員さんたちもエキストラ出演しているそうだ)が、女の子と「だるまさんが転んだ」を遊んでいるという内容なのだが、「だるまさんが~転んだ」で動きを止めるときにいちいちいわゆる「jojo立ち」のポージングを繰り返す。これが思わずクスリとしてしまう程よくできている。ぜひご覧になっていただきたい。
「周りから敵が攻めてくるので、ポーズしなきゃいけないのがわかっているんだけど、『ポーズしている場合じゃないだろう』という恐怖心が先に立つんですよ。慣れてくれば変わってくると思うんですが、いい緊張感を持って遊べそうですね」と興味津々。
アフレコに関しては「大変でしたね。アフレコまではそわそわしていて。戦うシーンが多くて、戦闘シーンは喉にはけっしてよくないんですが……。自宅でチェックしてたときや漫画を読んでいたときに感じていた『音』に近い芝居がやりたいと思って、叫びのシーンを自分からリトライさせてもらったりとか。久しぶりに喉の奥に血の味を感じました」と並々ならぬ気合の入れようを感じさせてくれた。 ■ 小沢氏の「ジョジョ」マニアぶりが遺憾なく発揮されたトークショー
コンビ名の「スピードワゴン」は小沢氏の命名だそう。「『スピードワゴンはクールに去るぜ』とか言葉遣いがいい。言い回しが全部好きなんですよ。あと、街のチンピラになりたかったんですよ」とネーミングの由来を皮切りに、ジョジョに対する熱い思いが前面に出たトークショーとなった。 「20年経っていると、他人の作品みたい。キャラクタとか忘れているし。1部のポスターとか書いてくれと言われると本当に困る」と荒木氏が暴露ネタを披露すると、井戸田氏が「このコメント掲載されるんですかね?」とつっこんでみたりしている間に、すかさず「魔少年ビーティーの“BT”は何の略なんですか?」と小沢氏がさりげなくマニアックな質問を入れる、といった具合に進行。ちなみに先ほどの質問は「コブラ」の「寺沢武一」氏から取ったものだそうだ。 ほかにも「手塚賞をもらって、すぐに賞状を壇上で丸めて片付けてしまったって本当なんですか?」、「仙台からまだ(ネームの)FAXを送ってるんですか?」、「白土三平が好きなんですよね?」といった個人的質問をバリバリと投げていた。 さらに、「『セックスピストルズ』は正義の味方なのに、僕の好きな『クラッシュ』は敵ですよね?」という質問には「バンドの好き嫌いではなくて、名前の意味がキャラクタの生き方にあっているかどうかで決めています」と荒木氏がニコニコしながら応えるなど、とどまるところを知らない質問攻めが続いた。
荒木氏も、小沢氏も、シリーズ中一番気に入っているのが「第4部」(小沢氏は5部もお気に入り)と共通していたり、とにかく小沢パワーが炸裂。数々の質問に「一番マニアックな人と話をするのが困る」と言いながら笑顔で答えていた荒木氏が印象的だった。
小沢「俺はこの映画とかゲームは見ないほうがいいよ」
お2人の羽山監督と荒木氏におねだりしていた映画の声優での出演をお祈りしつつ(ワンチェンでもいいから出演させてほしいと言っていた)、おあとがよろしいようで。
□バンダイナムコゲームスのホームページ (2006年9月13日) [Reported by 佐伯憲司]
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