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【WILD ARMS the Vth Vanguard】
当日は2,500通以上の応募が殺到した中から抽選で選ばれた300名が出席。なお、このイベントの模様はアニバーサリーDVDとして「WILD ARMS the Vth Vanguard」の予約特典に収録される予定となっている。 イベントは冒頭、制作を担当しているメディア・ビジョン エンタテインメントの代表取締役社長兼CEOの福島孝氏が壇上に立ち挨拶を行なった。福島氏は「本当にいつも応援してくださってありがとうございます。開発スタッフは『WILD ARMS the Vth Vanguard』」の製作のためにがんばっておりますが、これからも皆さんに楽しんでいただける『WILD ARMS』にしていきたいと考えておりますので、応援をよろしくお願いいたします」と挨拶。今後も製作を続ける意向を示した。 続けて、シリーズの製作を担当しているSCEJの本村健太郎氏が挨拶。本村氏は「皆様方に支持していただけたからこそ10周年を迎えることができました。ありがとうございます。わたしは1作目から製作に関わってきましたが、こうやって10周年を迎えられたことを嬉しく思います」と感慨深そうだった。
さらに「WILD ARMS 2nd IGNITION」、「ワイルドアームズ アドヴァンスドサード」においてボーカルを披露した麻生かほ里さんが登場。麻生さんは音楽に関わったことについて「(音楽を担当した) 成毛美智子さんとゼロからのスタートで、途中からは友達のように、一緒に音楽を朝まで録音したり、本当にじっくりとやらせていただいた。感慨深いです。映像と一緒になったときの想いは、いま思い出しても胸がいっぱいになる」と振り返り、ゲームの映像をバックに「alone the world」と「どんなときでも、ひとりじゃない」の2曲を歌い上げた。
■ イベント前半では参加声優さんを囲みこれまでの10年を振り返る イベントの前半は、過去の作品からこれまでの10年の歴史を振り返ろうという企画。SCEJの本村健太郎氏と、「WILD ARMS Altercode:F」から咲野俊介さん、小林沙苗さん、若本規夫さん、「WILD ARMS the 4th Detonator」からは白石涼子さんと高橋広樹さんが参加した。 声優さんが参加したことから自然とキャラクタや声の話題が中心となったが、初めて声の収録が行なわれたのが「WILD ARMS Altercode:F」。本村氏によれば声を入れるというアイディアはずっと前からあったそうだが、なぜこの作品で入れることを決意したかというと、それまでの作品との差別化が理由のひとつにあったという。また、海外で発売するにあたり声の入った作品をリリースしたいと言う意向があったためだという。 「WILD ARMS Altercode:F」では、プレイステーション 2になり音質が向上し、キャラクタのモデルを細かく表現することが可能となったことから、ドラマチックな演出が可能になったと作品を振り返った。 ちなみにこの作品においてはボイスは戦闘シーンだけ。そういった意味では出演陣はかなりの苦労を強いられたようだ。ゲームの音声収録は基本的に一人で行なうことが多く、全体像はもとより、他のキャラクタとの絡みがどうなるかも掴みにくいという。 ザック・ヴァン・ブレイスを演じた咲野俊介さんは、「強い攻撃を与えたときの声、弱い攻撃を与えたときの声などを収録しました。苦労したと言えば、ジャンプしたときの声を収録した後に、『次はもう少し高くジャンプしてください』と言われ、『さっきのが1メートルだったら今度は3メートルくらいジャンプした感じで』と言われ、じゃ、2mはどうなんだ(笑)」とゲームならではの収録の難しさを語った。 一方、セシリア・レイン・アーデルハイドを演じた小林沙苗さんは「品よく、可愛らしくを心がけて収録した」振り返ったが、ゲームがリリースされたあと子安さんから「可愛いときと可愛くないときがあったよ」とだめ出しされたというエピソードを披露した。 ジークフリードを演じた若本さんは「ボスキャラは、どうしても紋切り型の台詞になってしまって演じるのが難しいんです。だからいつも役を壊していこうという方向でやっている」とコメント。ジークフリードの時も同様のことを考えながら演じたのだとか。 そして話題は「WILD ARMS the 4th Detonator」へ。作品は戦後が舞台となっており、戦争を知らない子供達と戦争を起こしてしまった大人達がそれぞれの平和を模索し対立する物語で、「物語としては敷居が高い (本村氏)」という。この作品では戦闘シーンだけでなくドラマ部分でも音声が収録されるようになった。 ゲームの映像を見ながら、「WILD ARMS the 4th Detonator」ではガウン・ブラウディアを演じた若本さんが「(こういうアクの強いキャラクタは) 注意しないと薄っぺらになってしまう。ちらっとリアルなところを出せれば」とコメント。子供達とは敵の立場なのに子供達に肩入れしてしまうという難しい役所だったようだ。
このあとシナリオ等を担当するメディア・ビジョンの金子彰史氏のイラストが賞品となったクイズ大会を開催。来場者全員参加ということで、楽しいひとときとなった。 ■ 後半では「WILD ARMS the Vth Vanguard」を詳しく紹介、そして……
永野氏は同作について「“Vanguard”には先駆者という意味合いがあり、『WILD ARMS』シリーズも10年経ち新しい世界に踏み出していこうという意味合いから名付けられた」と説明。どういったところが新しいのかという点については「キャラクタデザイン、シナリオなど新しい制作者を起用して作っている」という。これまでシナリオなどを担当してきた金子氏は監修兼プロデューサーとして関わっている。 ストーリーの流れは、これまでのシリーズ作品同様、自分を見失うことなく突き進み、旅を通じて大人になる階段を登り始めるといった形となっている。永野氏はさらにストーリーのイメージ的な部分として、“先住民のいるアメリカ大陸に対して入植者が入ってくる”といった状況に似たものがあり、テーマは「独立」だという。 キャラクタのグラフィックスだが、メインキャラクタデザインについては佐々木知美さんを起用。CGっぽいリアルな質感ではなく、これまでのシリーズと同様に、柔らかく、暖かい雰囲気を大切にイラストを忠実に再現するよう心がけているという。イベント会場では未公開のキャラクタについても貴重なデータが公開された。 ここで永野氏は製作中のゲーム画像を公開。街中に関してはカメラ視点を変更することが可能となっており「微妙なところにアイテムが隠されているので、カメラを回して探してみて欲しい」とヒントを公開。インフィールドでのアクションがこれまで以上に充実しているのが特徴的。しゃがみからのスライディング。そしてジャンプからジャンプアタックを行なうことで、足元の木箱なども破壊可能。このほかにも様々なアクションがあるという。 そして重要なのは、主人公のディーンがARMを装備することで様々なアクションが可能になる点。ARMは切替が可能で、障害物を破壊することなどに使用する「スタンダード」、対象物を燃やす「ファイアバレッド」、逆に凍らせる「フリーズバレッド」、フックを発射し高いところにぶら下がったり遠くのものを引き寄せることができる「アンカーフック」などがある。 たとえば格子戸の向こうに宝箱がある場合スタンダードで破壊して手に入れたり、遠くにスイッチがある場合「ファイアバレッド」などで火を付けたり、様々なアクションを駆使することでフィールドのトラップをクリアしていくこととなる。 バトルはエンカウントすることで発生。「WILD ARMS the 4th Detonator」から引き続きHEXバトルを基本システムとして引き継いでいるが、ブラッシュアップが施されており、敵によって若干位置変更などが行なわれるなど、様々なアイディアが投入されているようだ。3人一組のチームで戦闘に参加することになり、ランダムエンカウントにより戦闘に突入する。 イベントには主人公のディーン・スタークを演じる下野紘さんと、レベッカ・ストライサンドを演じる水樹奈々さんが登場。下野さんはディーンについて「僕もよく人から突っ込まれるので、比較的自分に近いディーンは演じていてそれほど苦労はなかったですね」とコメント。そんな自分に似ているという下野さんでも「皆さんゲームをプレイされると判るんですが、ディーンは突っ走りすぎですよね。レベッカの話を全然聞いていない」とディーンの“突っ走りっぷり”に突っ込んでいた。水樹さんは自分の役柄について「わたしも感情をストレートに表現するので、世話焼きお姉さんというか、レベッカという役にすんなりとはいることができた」という。 水樹さんは「WILD ARMS the Vth Vanguard」においてオープニング主題歌「Justice to Believe」を歌うことが決まっている。主題歌に決まった経緯としては、プロデューサー金子氏が「これまでとは一線を画す作品としたい。とはいえこれまでのシリーズ作品のいいところに手を加えて行くことは大変なことでハードルが高い。それでも水樹さんとお仕事がしたいと思った。水樹さんの現わす世界観が好き」とのコメントが読み上げられた。イベントでは前日に収録されたばかりという「Justice to Believe」を披露。会場も大いに盛り上がった。
これまで「WILD ARMS the Vth Vanguard」の発売日は「冬」とされてきたが、イベント最後に12月14日発売予定として制作が進められていることが明らかにされた。永野氏によれば「がんばって製作しているので、発売は大丈夫。この冬は皆さんに楽しんでもらいたい」とアピール。さらに、PSP版「WILD ARMS XF (ワイルドアームズ クロスファイア)」の製作が行なわれていることが明らかにされた。こちらの内容については一切明らかにされなかったが、まだまだ「WILD ARMS」の世界は広がっていきそうだ。
(C)Sony Computer Entertainment Inc.
□ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ (2006年9月4日) [Reported by 船津稔]
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