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会場:COEX太平洋ホール
入場料:無料
オンラインゲームプラットフォームと呼称し、通常のゲームポータルと差別化を図る理由は、各タイトルで別々のコミュニティを成立しがちなゲームポータルと異なり、「STYLIA」というプラットフォームにコミュニティの中心が存在していることだ。これを可能にしているのが画期的なアバターシステムの存在だ。ユーザーの好みによって作成したキャラクタが「STYLIA」を通じて各コンテンツのキャラクタとして登場し、プレイできる。 プレーヤーはアバターを使って友達とチャットを楽しみ、「今日はここに遊びに行こう」という形で各コンテンツにアクセス、使用していたアバターがそのままゲームキャラクタとして活躍する。自分の分身であるアバターがそのままゲームの世界で縦横無尽に活躍する姿は新鮮かつ魅力的で多くのユーザーを集めている。新タイトルの充実が他コンテンツへの集客に直結しやすい点で非常に斬新なポータルのあり方だ。現在、多くの韓国ユーザーから注目されているコンテンツだ。
■ お茶の間からテレビの中のエンターテイメント空間に吸い込まれる実感
モールでは男性キャラと女性キャラ向けで品揃えが変わる。各ゲームでのアイテムや消費アイテムについは後々取り揃えていくとのこと。また、ゲーム内で使用できるキャラクタは現在1キャラのみに限られているが、こちらも追加でキャラクタを販売していく予定とのこと。「STYLIA」のショッピングモールの通貨はVolt。1Volt=1ウォン(約0.12円)で購入できる。商品のラインナップではテーマごとに帽子から靴まで揃えられ、1週間レンタルで1箇所400ウォン(約50円)~900ウォン程度。無期限で購入することもでき、その場合は1週間400ウォンの商品で2400ウォン。購入した商品価格の10%がmileとしてプールされ、mileでしか買えないプレミアムアイテム専用モールもあるなど、差別化が図られている。
今回「STYLIA」ブースでは「TV Boyz」(アクション)、「不良ドッジボール」(ドッジボール)、「Storm Fighter」(アクション)、「Love Forty」(テニス)の4タイトルが出展された。サービス状況としては「不良ドッジボール」がクローズドβテスト中で、他3タイトルはオープンβテスト中となっている。また次期実装コンテンツとして「Diver Star」(スカイダイビング)がオープンβテストを間近に控えている。プラットフォームの「STYLIA」自体はアバターアイテム販売による商用化が行なわれている。出展された上記4作品を紹介する。
■ カジュアル性と奥行きある戦略性を重視したアクション「Storm Fighter」
ゲームモードは相手チームの全滅を目指すラウンド制と、制限時間内に何度倒したかを競うデスマッチ制の2系統のモードが用意され、マルチ対戦を前提としたゲーム設計がなされている。ユーザーは盾を持ち防御力に優れたKnight、攻撃力の高いWizard、遠距離からも敵を攻撃できるArcherの3種類からジョブを選択し、それぞれの特徴を活かしながら相手チームを協力して殲滅する。将来的にはFighterやEsperといった職業も追加される予定だという。 今回プレイしたマップは「天空の船」という空中に浮かぶ船のマップだったが、序盤は両端からArcherやWizardによる遠距離攻撃が主体で、中盤以降は相手側の陣地に突っ込んだキャラクタを中心にコンボ技の応酬という展開となった。Knightは盾で弓攻撃を防御できるため、コツをつかめば距離を詰める駆け引きが非常に熱い。 さらに戦闘シーンを面白くする要素として「変身」がある。マップに落ちている“?”アイテムを拾うことで、キャラクタは「ドラゴン」や「巨人」、「鴨」に一定時間変身することができる。ドラゴンや巨人は高い攻撃力を誇り、無敵になったような気分が味わえるが、反面動きが鈍くなり、背後に回り込まれやすいという欠点もある。鴨は攻撃力がない無力な存在になってしまう「はずれ」の変身だが、鴨の状態でもう1つアイテムを取ると、炎をはくことができるようになる。この炎はドラゴンの炎より射程が長く、強い。一発逆転のチャンスも秘めた変身なのである。
デスマッチモードでは倒されると10秒後に自陣からリスポーンする。仲間との連携、立ち回り、アイテムを使うタイミングといった点でやりこみ要素は十分だ。
■ 何でもアリの格闘ドッジの世界「不良ドッジボール」
「不良ドッジボール」では、単にボールを投げあうばかりでなく、中央のライン付近での蹴りあいが面白い。インターフェイスは方向キーとキャッチボタン、蹴りボタンとシンプル。飛んできたボールを蹴り返すと、ボールをキャッチするモーションよりすばやくはじき返すので、連続攻撃となりやすい。ボールをキャッチする場合には、投げ返す時に必殺ショットを撃てるというメリットがある。 本作はコートの中にいるキャラクタと共に、外野のキャラクタを操作できるのが特徴で、外野にパスをして敵キャラクタの背後から攻撃を加えるような操作が可能になっている。「跳弾」のような、ボールが三角形の軌跡を描く攻撃はなかなか爽快だ。ゲームではプレーヤースキルが如実に反映され、うまいプレーヤーは中央付近で敵に当たって跳ね返ってきたボールを次々に蹴り返してヒットさせていく。ボールが向こう側に行ってしまった場合にはライン越えのジャンプキックで相手プレーヤーを追い込んでいた。 相手に攻撃をヒットさせるとコインが飛び散り、それらを集めることで必殺技やスキルを繰り出すことができる。スキルツリーは「不良ドッジボール」のオプション画面から編集可能で、必殺技の魔球には天、地、気、幻の系列があり、各々稲妻シュート、ジジャシュート、炎シュート、暗鬼シュートがある。これら4つのコンセプトでレベルに応じて種類を増やすことができる。必殺技が発動した際にはカットインが入り、巨大な雷、斧がプレーヤーに向かって襲い掛かる。とてもそれがボールだったとは思えない、MMORPGの大魔法のようなド派手な迫力だ。 「不良ドッジボール」で印象的だったのは、アウトになってしまった後からだ。プレーヤーは外野には行くことができないため、体力が0になるとそのままベンチに直行となる。試合が終わるまでの時間を飽きさせないため、次にヒットさせる方を当てるミニゲームが用意されており、予想が当たると少しだけ経験値を貰える。もちろん目を離していても困ることはないが、プレーヤーの視線を画面に引き付け、手元にキーボードがある限り常に何らかのエンターテイメントがあるというカジュアル性を追及したスタンスだ。
実際に「STYLIA」に触れてみると、現状の粒ぞろいのコンテンツに限らずこれから投入予定の豊富なラインナップにも大変期待させられた。これから「STYLIA」キャラクタ達がどんなゲームでどんな活躍をしてくれるのだろうか? ひょっとしたら、ゲーム以外でもキャラクタを活用できるかもしれない。今後どんな新しい遊び場に連れていってくれるか楽しみなところである。
□Gravityのホームページ (2006年8月13日) [Reported by 三浦尋一]
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