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会場:ホテルオークラ
■ ソフトバンクとキャメロットがタッグを組んだ次世代オンラインエンターテインメント
「Gプラネット構想」とは、「笑顔あふれるインターネット」を基本コンセプトに、両社の事業の核となるオンラインエンターテインメントサービスのことを指す。広義でのゲームポータルであり、インターフェイスであり、ビジュアルロビーである。「ゴルフだいすき!」は、「Gプラネット構想」にぶらさがる有料コンテンツのひとつとなるカジュアルオンラインゴルフゲームだ。 イレブンアップとしては、「ベルアイル」、「真・三國無双BB」に続く第3弾コンテンツということになるが、「Gプラネット構想」は1コンテンツとして数えるにはあまりに規模が大きく、広がりが見込める事業だ。ちなみに既存の2コンテンツは「Gプラネット構想」には組み込まれない。前者はあくまでオンラインゲーム配信事業、後者はゲームポータルとカジュアルオンラインゲーム事業となる。 ポータルとコンテンツの開発は、日本を代表するヒットメーカーとして知られるキャメロットが担当。キャメロットといえば、ソニー・コンピュータ・エンターテインメントの初代「みんなのゴルフ」を皮切りに、任天堂の「マリオゴルフ」シリーズや「マリオテニス」シリーズなど、日本のスポーツゲームの基本デザイン方向性を決定づけたメーカーとして知られる。 よく知られているように、韓国産のカジュアルオンラインゲームにも深く影響を及ぼしており、カジュアルゲーム分野におけるそのブランド力は計り知れない。今回の発表は、いわば本家本元のオンライン事業への本格参入であり、かつ国内大手同士がタッグを組んだ、国産のカジュアルオンラインゲームとしては史上最大級の大型コンテンツとなる。 また、その背景として決定的に重要なのは、「マリオゴルフ」と「マリオテニス」の両輪で、任天堂陣営の中核となる有力コンテンツを提供してきたキャメロットが、ソフトバンクグループ陣営へ鞍替えしたことだ。質疑応答でも高橋社長自ら「今後は『Gプラネット構想』と『ゴルフだいすき!』、Gプラネット上のさまざまな遊びを提供していくことに専念する」と明言している。
■ 月額300円程度でインターネット総人口7,000万人を対象にした大規模なビジネスを展開
オープンスペース部分は、カジュアルなMMORPGのようなクォータービューの視点で、バーチャル空間を歩き回りながら、ゲームを始めとしたさまざまなコンテンツが楽しめるビジュアルロビーとなっている。Webブラウザではなく、専用の3Dクライアントを用いるところが新しい。 特徴的なのは視覚的に現実世界と直結しているところで、たとえばYahoo!の広告に触れると、そのままウェブブラウザが起動してYahoo!のトップページが表示されたり、スクリーンにはソフトバンクホークスのCM映像が流れていたりする。片山氏の話によれば、Yahoo!オークションやジャパネットたかたのようなTVショッピング的なビジネスも展開可能という。Webブラウザベース、テキストベースの既存のゲームポータルビジネスとは明らかに一線を画する非常に高いポテンシャルを持つゲームポータルだ。 一方、第1弾コンテンツとなる「ゴルフだいすき!」のビジネスモデルについては未定としているが、基本的に月額制を想定。しかも、携帯アプリ程度、つまり月額300円程度という、ソフトバンクグループらしい戦略価格に設定することを検討しているという。当然その上で、アバターやグッズなど、プラスオンのビジネスも行なっていく。プロモーションや販売、課金決済に関しては、すべてヤフーと提携し「Yahoo! ゲーム」での展開を検討しているという。既存の「ベルアイル」や「真・三國無双BB」とは異なるスキームで展開されるビジネスとなる。 現時点で見えている動きとしては、周辺機器メーカーのHORIと共同開発した「ゴルフだいすき!」マウスが挙げられる。発表会で上戸彩さんが握った見た目は何の変哲もないUSB接続の光学式有線マウスだが、バイブレーション機能が付いており、20種類の振動バリエーションを組み合わせ、ゲーム内のアクションに合わせて多様な振動を発生させる機能を備えている。イレブンアップでは手始めに、このマウスと、「Gプラネット構想」関連アプリケーションが入ったDVD-ROMやプレイ権チケットなどを付けたスターターキットの販売を予定。同社の施策は、若年層や女性などライトユーザーを念頭に置いたマスを強く意識しているのが大きな特徴となっている。 こうしたビジネスモデルを下支えするのが、日立の総合サービスプラットフォームである「ブレードシンフォニー」である。同サーバーシステムの採用は、日立とハンビットと合弁会社であるハンビットユビキタスエンターテインメントが展開するMMORPG「Granado Espada」に続いて2度目となる。
「Gプラネット構想」のポータルとなるオープンスペース部分の最大同時接続者数は不明だが、いずれにしても1つのバーチャル世界では収まりきらないため、複数のミラーを用意してマルチチャンネルでサービスされることが予想される。「ブレードシンフォニー」の特徴は、動的な負荷分散機能をシステム側で保有していることにあり、不意の高負荷でもシステム側で切り替えることで、高トラフィックと高信頼性を維持できる。大規模なサービスを前提としたビッグプロジェクトといえる。
■ カジュアルなインターフェイスながら、テクノロジー非常にリッチな「ゴルフだいすき!」
その最大の特徴は、ゲームデザインよりむしろ、インターフェイスにある。ハードウェアの部分は、マウス1本のみで、タイミングを合わせてクリックすることでショットを行なう。さらに、振動機能にも対応するというコンシューマライクなオーソドックスなスタイルだが、おもしろいのはゲーム画面のほうだ。 フルスクリーン表示とウィンドウ表示の切り替えはもちろんのこと、ウィンドウサイズを横長でも縦長でも自由に換えることができ、もっともコンパクトにまとめると、320×240ドット程度まで小さくできる。 どのようなサイズに変更してもメニューアイコン等のゲーム内インターフェイスもその都度調整される仕組みで、さらにさまざまな視点、モードが映し出された複数の画面を同時に表示させるマルチモニタ機能にも対応。これらのテクノロジーは現在特許出願中とのことだが、PCプラットフォームならではの強味を活かした素晴らしい機能である。 発表会では、広告キャラクタの上戸彩さんが登場し、「ゴルフだいすき!」の体験プレイを行なった。上戸さんは、「マリオゴルフ」は経験者だが、日頃はあまりPCには触れないらしい。可愛らしい女性キャラの「あやちゃん」に対するは、片山氏が操るスペシャルキャラ「孫正義」。キャディーにコスプレしたキャメロット副社長高橋秀五氏のアドバイスを受けながら、1ホールを回りきった。 上戸氏は、いかにもビギナーらしくとまどいつつも、マウス数クリックでショットをこなし、なんとかバーディーを獲得。一方の片山氏は、ウィンドウサイズを切り替えたり、マルチモニタを駆使しつつ、手慣れた感じでバーディーを獲得した。ゲームの熟練度に応じた遊び方が用意されている懐の深いオンラインゴルフゲームだ。 ゲームモードは、相手のショットを待たずにどんどん打っていけるコンペモードを選択。このほかにもさまざまなゲームモードが用意されているようだ。また、マウスだけでなく、キーボードを併用したプレイも可能となっている。具体的なゲーム内容については、追ってβテスト等を通じて詳しくお伝えするつもりだ。 冒頭でも触れたように、サービススケジュールは、8月4日から先行限定テストの募集を開始し、8月下旬にも先行限定テストを開始する。オープンβテストは秋頃、正式サービスは年内としている。240万本のセールスを記録した国民的ゴルフゲーム「みんなのゴルフ(初代)」を生み出したキャメロットの新作に大いに期待したいところだ。
(C) ELEVEN-UP Inc.
□イレブンアップのホームページ (2006年8月1日) [Reported by 中村聖司]
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