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ガンホー、「エミル・クロニクル・オンライン SAGA 4:興国の風」体験レポート
視点開放で深みのある新エリア、新ジョブはマシンナリーのロボに注目

7月21日実装予定



 ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は、「エミル・クロニクル・オンライン(以下、「ECO」)」にて、7月21日に最新アップデート「SAGA 4:興国の風 Wind from Rising Nation」を実装する。

 このアップデートでは今まで明らかにされていなかった西の地域、「モーグ」と、新ダンジョン「光の塔」。さらに既存の職業とはひと味違う11の「二次職テクニカルジョブ」などが実装される。本稿では先行体験会で撮影したスクリーンショットと共に、新要素を紹介しよう。


■ 失われた「キカイ」文明に深く関わる「光の塔」と、炭坑の街「モーグ」

今回ついに西の地域が明らかになり、東西南北すべての都市が揃った
モーグでは視点が開放されているため、すり鉢状にできたユニークな街を見上げたり、見下ろしたりして観光できる
 「モーグ」は、元々はアイアンサウスの連合都市として長い歴史を共にしていたが、この世界で唯一採掘できる「モーグ炭」の価値を背景に、徐々に発言力を強め、独立を果たした新興国家だ。炭坑都市としてデザインされているモーグは、街自身が巨大な採掘場となっており、中央にはモーグ炭を掘り出す炭坑が広がっている。

 この街はファーイースト同様、視点が開放されており、どんより曇った空を見上げたり、のぞき込んだり、すり鉢状になっている街を下までのぞき込むことができるようになっている。街の中央であり、“底”にある炭坑では、真っ黒な木が落ちていて、タタラベの「鉱石知識」を持っていれば、これを破壊し、モーグ炭を手にいれることができる。

 モーグ独立の鍵を握るモーグ炭は、現在はただNPCに売るだけしか使い道のないアイテムとなっているが、売り方に一工夫がある。買い取り所はモーグに2つあり、それぞれ買い取り値が一定時間で変動する。モーグ炭に関しては、今後のアップデートで生産の材料になるのだろうか? 期待したい要素だ。

 モーグには、炭坑を横切り向かい側に移動できるリフトがある。また街では「政治」に関わるストーリークエストも体験できる。他に街外れの場所にいる老婆からは、光の塔にまつわる悲しいエピソードを聞くこともできる。

 今回のアップデートで、「ECO」は東西南北すべての都市が揃うことになる。中央のアクロポリスシティに駐留する騎士団のバックボーンが明らかになることで、4つの都市の力関係や、役割のようなものも表現できるようになる。「ECO」の世界でストーリーが本格的に動き始めるのはこれからかもしれない。期待したいところだ。

 今回、背景世界をより一層深めてくれそうなのが、新ダンジョン「光の塔」だ。モーグから飛空庭に乗って行けるこの塔は、かつて栄えていた文明の産物「キカイ」が動いている謎の遺跡だ。3つの塔が連なる構造だが、現在は1つが根本から倒壊しており、他の2つもあちこちが崩壊している。

 内部には強力なモンスターがひしめいていて、高レベルキャラクタでも前衛職の護衛なしには、生き残ることは難しいだろう。このダンジョンにはSFをテーマにしたような多脚ロボットが多数ひしめいている。また、「宝箱」にあたるオブジェクトが、エンジンのような脈動する機械の部品だったり、雰囲気も他と大きく異なっている。

 何より興味が惹かれるのが、塔そのもののデザインが、現代の鉄筋コンクリートの建造物にも通ずるファンタジーとはかけ離れた意匠になっているところだ。中に入っても薄暗く、ここが何故「光の塔」と呼ばれるかさっぱりわからない。とても興味が惹かれるポイントだ。また、光の塔の各所には、さまざまなNPCも点在している。一度訪れてみるといいだろう。

 今までバックストーリーで語られるのみだった古代文明の遺産キカイ。今回は、光の塔だけでなく、ガンナーの銃や、マシンナリーのロボットなども登場し、その存在感を大きく増した。「ECO」の世界でキカイはどんな存在なのか、今後この設定も更に掘り下げられていきそうだ。

【モーグ】
鉱山の街モーグ。街の中央はモーグ炭の採掘場になっており、炭坑上空には街を横断できるリフトがある。新興の街らしく活気にあふれているが、裏ではきな臭い事件が進行中との噂も……
【光の塔】
その名前の割に陰鬱な印象を受ける光の塔。フロアには複数の階段や接続口があり、冒険者を迷わせる。キカイのモンスターを始め、強力な敵がひしめいており、高レベルの冒険者向けダンジョンとなっている


■ プレイの幅を大きく広げるテクニカルジョブ。より個性的なキャラクタを育成可能に

セージマスターの前でジョブスイッチングを行なう。画面はテクニカルからエキスパートにチェンジしているシーン。リザーブスキルのシステムや、記憶の砂が必要なことなどが確認できる
マシンナリーのロボット。仕草の1つ1つに制作者のこだわりが感じられる。現在はこれ1機種とのことだが、カスタマイズ性や、他の職業への開放も期待したいところだ
 「ECO」には12の個性的な基本職業があり、さらにその上級職として二次職が用意されている。今回追加された「テクニカルジョブ」は、もうひとつの二次職である。プレーヤーは「ジョブスイッチングシステム」により、テクニカルジョブに就くことが可能となった。

 今回実装されるのは、マーチャントの二次職テクニカルジョブ「ギャンブラー」をのぞいた全11職。PvPなど特殊な状況でのみ使用可能なスキルが多い、かなりアクが強い特殊なイメージを受けるジョブが目白押しだ。ジョブスイッチングには、「禁断の書」というアイテムが必要となる。最初のスイッチングは、アクロポリスシティのセージマスターの部屋で行なう。

 最初にエキスパートジョブからテクニカルジョブへスイッチングを行なった時点では、レベル1からスタートする。この時、キャラクタは「リザーブスキル」として、エキスパートジョブが所持しているスキルの中からいくつかを持ちこすことが可能だ。

 2度目以降のスイッチングには「禁断の書」とは別に、「記憶の砂」というアイテムが必要となる。もしこのアイテムを持っていない場合、エキスパートジョブに戻る際、キャラクタのジョブレベルが下がるというペナルティがある。ちなみに禁断の書、記憶の砂の入手方法は明らかにされていない。記憶の砂の入手は決して容易なものではないという。スイッチングは、ある程度のリスクを覚悟して行なうことになりそうだ。

 現在、テクニカルジョブのレベル上限は30に設定されている。今後も多彩なスキルが実装される予定だ。リザーブスキルにより、プレーヤーは自由度の高いキャラクタメイキングが可能になる。エキスパートジョブをメインにするか、テクニカルジョブをメインにするか、どのスキルを持ち越すか、プレーヤー間で、この議論が活発になっていくだろう。

 テクニカルジョブの中にはPvPに特化しているスキルを多く持つジョブもある。しかし、現在の所「ECO」では大規模PvPである「騎士団演習」くらいしか、そのスキルを発揮できないのが現状だ。今後はギルド戦のトーナメントや、個人のPvPなどを行なうシステムが実装されるのだろうか。

 今回実装されたテクニカルジョブの中で最大の注目は、マシンナリーのロボットだろう。背中に意味不明のプロペラがついていたり、ジャバラ状の腕を持っていたり、思わず他のジョブのプレーヤーが「ずるい!」といってしまいそうなほど凝った、新しい騎乗用ペットである。タタラベのキャラクタを新しく作るプレーヤーも多いだろう。

 今回の体験会では、この他にもいくつかの職業を体験できたが、「ECO」の場合は、憑依前提のジョブもあり、実際のスキルがどう使われるか短い時間では把握しきれなかった。7月21日以降、プレーヤー達がこのテクニカルジョブをどう受け止め、活用していくか、とても楽しみだ。

■ 「SAGA 4:興国の風」で追加される11のテクニカルジョブ

● バウンティハンター

 一次職ベースジョブ「ソードマン」の二次職テクニカルジョブ。エキスパートジョブはブレイドマスター。対人戦のスキルを多く持ち、憑依したアイテムを集中的に攻撃できる。

スキル(一部抜粋)
・「人間系ダメージ上昇」:人間系を攻撃する場合攻撃力が上昇する。

・「シールドスラッシュ」:盾を狙って攻撃する。

・「足払い」:敵の足を払う。成功すると、相手はしばらく動けなくなる。

● ダークストーカー

 一次職ベースジョブ「フェンサー」の二次職テクニカルジョブ。エキスパートジョブはナイト。闇属性の技を多く持ち、光の魔法を封じることができる。

スキル(一部抜粋)

・「呪縛」:対象の回復系スキルを一定時間使用できなくする。詠唱中の回復スキルを中断させる効果も。

・「ネクロリザレクション」:行動不能時に一定確率で復活できるパッシブスキル。

・「追い打ちの刃」:状態異常のキャラクタへのダメージが上昇するパッシブスキル。

● コマンド

 一次職ベースジョブ「スカウト」の二次職テクニカルジョブ。エキスパートジョブはアサシン。銃やグレネードを使い、更に連続攻撃によって敵に大ダメージを与える。

スキル(一部抜粋)
・「羽交い締め」:SPが切れるまで術者と対象を行動不能にする。この間、対象へ攻撃すると、術者に一部命中する。

・「コンビネーション」:足払い、サマーソルトキック、タックルを連続で発動する。出す技のスキルはすべて取得していなければならない。

・「チョーキングガス」:沈黙の罠を仕掛け、その場所にたった敵を一定時間沈黙状態にする。

● ガンナー

 一次職ベースジョブ「アーチャー」の二次職テクニカルジョブ。エキスパートジョブはストライカー。拳銃、ライフルの扱いに秀でている。2丁拳銃での攻撃力を増すことができるほか、グレネードも使う。

スキル(一部抜粋)
・「ハンドガンマスタリー」:短銃装備時に最低攻撃力を増加させる。

・「催涙弾」:周囲に催涙ガスを発生させる弾を撃ち込むことができる。触媒「催涙グレネード弾」が必要。

・「オーバーレンジ」:一定時間武器の最大射程を長くする。ただし、命中率は低下。

● セージ

 一次職ベースジョブ「ウィザード」の二次職テクニカルジョブ。エキスパートジョブはソーサラー。属性魔法を付与できるスクロールを作成できる。モンスターのフィギュアを作るためのスケッチ画を作成できるが、現在フィギュアを作る方法は未実装である。

スキル(一部抜粋)
・「火属性スクロール作成」:火属性魔法のスクロールを作成できる。

・「エナジーストーム」:地面の広い範囲に新生属性魔法を行なう。

・「危険回避」:憑依中の貫通攻撃を受ける確率を低下させる。

● エンチャンター

 一次職ベースジョブ「シャーマン」の二次職テクニカルジョブ。エキスパートジョブはエレメンタラー。仲間の能力をアップさせたり、場やモンスターの属性を変化させる支援色の強い職業。

スキル(一部抜粋)
・「アシッドミスト」:大地の力が宿っている範囲に強力な酸の霧を発生させる。

・「ファイアライズ」:一定時間、対象に炎の力を与える。

・「アースパワーサークル」:地面の広い範囲に、一時的に大地の力を宿らせる。

● バード

 一次職ベースジョブ「ウァテス」の二次職テクニカルジョブ。エキスパートジョブはドルイド。新しく入った「楽器スキル」により、仲間の力をアップさせる。

スキル(一部抜粋)
・「ミュージカルマスタリー」:音楽のスキルの効果を向上させるパッシブスキル。

・「ロックンロール」:範囲内の対象のクリティカル率を向上させる。

・「セッション」:範囲内の対象を混乱または睡眠状態にする。

● ネクロマンサー

 一次職ベースジョブ「ウォーロック」の二次職テクニカルジョブ。エキスパートジョブはカバリスト。死者を使役するほか、敵の憑依を強制解除させるスキルを持つ。

スキル(一部抜粋)
・「死霊召喚」:アンデッドモンスターを召喚する。スキルレベルでモンスターは変化。

・「リボーン」:モンスターにゾンビ状態を付加する。その状態で倒すとゾンビ状態で復活する。

・「ライフテイク」:対象に武器で与えたダメージの一部をHPとして吸収する効果を与える。

● マシンナリー

 一次職ベースジョブ「タタラベ」の二次職テクニカルジョブ。エキスパートジョブはブラックスミス。現在ロボットに乗ることができる唯一の職業。ロボットに乗っている際に使用できるスキルが多い。

スキル(一部抜粋)
・「機械組み立て」:機械の組み立てができる。

・「チャフ」:ロボット搭乗時に、一定範囲の敵の命中率を低下させる。

・「自爆」:ロボットを自爆させ、自分を中心とした広範囲の敵を攻撃。ロボットの親密度が1下がってしまう。

● マリオネスト

 一次職ベースジョブ「ファーマー」の二次職テクニカルジョブ。エキスパートジョブはアルケミスト。マリオネットを召喚したり、マリオネット憑依時に使うスキルを持つ。

スキル(一部抜粋)
・「マリオネットコントロール」:マリオネットをペット状態で呼び出し攻撃する。召喚中はプレーヤーは移動できない。

・「インソウル」:マリオネットコントロール中に移動が可能になるパッシブスキル。

・「サンドトルネード」:風属性マリオネット憑依時に、効果範囲に土属性マリオネットがいることで発動する複合魔法。

● トレジャーハンター

 一次職ベースジョブ「レンジャー」の二次職テクニカルジョブ。エキスパートジョブはエクスプローラー。罠を解除でき、鞭により、相手の装備品を解除する力を持つ。

スキル(一部抜粋)
・「罠発見」:自分の周りの罠を発見できる。

・「キャッチ」:鞭でモンスターを引き寄せる。

・「ウェポンキャプチャー」:相手の武器装備を外す。武器に憑依していた場合、解除される。

マシンナリーの「ミサイル一斉発射」。触媒「ミサイル」を消費する マシンナリーの「チャフ」。敵の命中率を下げる マシンナリーの「自爆」。ロボットが壊れるわけでなく、すぐに装備し直して使えるが、親密度が1下がってしまう
2丁拳銃をノリノリで構えるガンナー ガンナーの敵をスタンさせる「スタングレネード」 セージの攻撃魔法「エナジーストーム」。効果範囲が広い
セージはモンスターをスケッチできる。将来的にはこのスケッチを元に、飛空庭などに飾れるミニチュアが作成できる予定 ネクロマンサーの「死霊召喚」。スキルレベルによって召喚できるモンスターは変化する 「リボーン」によりゾンビ化したモンスターは術者の味方になる。ゾンビはHPが減り続け、ネクロヒーリングをかけないと倒れてしまう
トレジャーハンターの「アーマーキャプチャー」。装備品を強制的に解除する トレジャーハンターの「罠発見」のスキル。周囲にある罠を感知する マリオネストはもう一体マリオネットを召喚することで、特別な魔法を使える
モンスターを一定時間ペット化する「モンスターテイミング」 連続攻撃をたたき込むコマンドの「コンビネーション」 コマンドは体術と様々な武器で戦う。地雷や手榴弾を使った攻撃などもできる

※画面および情報は開発中のものです。実際のものとは異なる場合があります。
(C) 2006 BROCCOLI/GungHo Online Entertainment,Inc./HEADLOCK Inc.

□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ
http://www.gungho.jp/
□「エミル・クロニクル・オンライン」のページ
http://www.econline.jp/
□関連情報
【5月24日】ガンホー、MMORPG「エミル・クロニクル・オンライン」
「インスタンスダンジョン」システムを実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060524/eco.htm
【4月12日】ガンホー、MMORPG「エミル・クロニクル・オンライン」
2次職業専用装備第2弾を実装
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060412/eco.htm
【4月10日】ガンホー、MMORPG「エミル・クロニクル・オンライン」
限定アイテムなどを同梱した新パッケージを発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060410/eco.htm
【4月5日】ガンホー、MMORPG「エミル・クロニクル・オンライン」
超大型BOSS第2弾実装。お花見イベントも開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060405/eco.htm
【3月22日】ガンホー、MMORPG「エミル・クロニクル・オンライン」
いよいよ明日実装開始! 「SAGA 3」の詳細を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060322/eco.htm
【3月20日】ガンホー、MMORPG「エミル・クロニクル・オンライン」
新要素「騎乗ペット」と「飛空庭」など今後の展開を発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060320/eco.htm
【2005年12月14日】オンラインゲームレビュー「エミル・クロニクル・オンライン」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051214/eco.htm

(2006年7月日)

[Reported by 勝田哲也]



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