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会場:東京ビッグサイト西1~4ホール
入場料:無料
「東京おもちゃショー」は、'62年に「日本玩具国際見本市」として開催されて以来、開催され続けている。ここ最近の動きとしては、2003年に“バイヤーズデイ”と“ユーザーデイ”に分けて開催されたが、2004年と2005年は業界関係者に向けての展示会となっていた。一般公開日が設定されたのは3年ぶりとなる。さらに今回、初めて入場料が無料に設定されており、誰でも入場できるのが嬉しい配慮といえるだろう。
ここ最近のおもちゃの動向としては、2000年頃に流行ったロボット関連の玩具から技術的にも高度なおもちゃが市場を席巻。超小型モーターを使ったラジコンや、テレビに繋げるだけで体感ゲームなどが手軽に楽しめるゲーム機が登場し、最近ではiPodのヒットを受けて登場した、音楽機能をうまく取り込んだ玩具が多数登場している。 ■ “癒し系”トレンドは完全に定着 ここ数年、トレンドとなっていたキーワード“癒し”はすっかりと定着したようだ。あからさまに“癒し”を押し出した商品でなくても、そういった要素があちこちに見受けられる。 「東京おもちゃショー2006」において個人的に注目したのは、アリの巣を育てていくというバンダイナムコゲームスの「ants life studio (アンツ・ライフ・スタジオ)」。3インチの比較的大型な4階調液晶を持つトイで、リアルにアリの生態を再現。日本のどこにでいるクロヤマアリが主人公だ。 初めは女王アリ1匹でスタート。アリの巣穴も1部屋だけ。そこから働きアリが生まれ、巣穴を拡張。たとえば動物の死骸などのエサを画面外から引っ張ってきたとき、細かく小さくして巣穴に持ち込むなど、その生態は非常にリアルだ。 多数のイベントが用意されていて、他のアリやカエルやハンミョウ、地グモといった敵が攻めてくるときがある。これには、本体に備わっている震動センサーを使い、本体を揺すってやることで対応する。また、メニューから「置く」といったコマンドを使って角砂糖を置くなど、アリに介在することで巣穴を徐々に育てていくことが目的となる。しかし、ただ育てるだけではない。実は悪戯することもできる。子供の頃に誰もがやったことがあるかと思うが、木の棒を差し込んでみたりといったことがここで可能となっている。 最終的には2画面分の大きな巣穴に育つこともあり、そのバリエーションは100種類以上となっている。仲間が死ぬとお墓を作るなど、リアルなアリの生態については、「日本蟻類研究会」の監修を受けているということで、お墨付きだ。 「ants life studio (アンツ・ライフ・スタジオ)」には時計、カレンダー機能も搭載されており、季節のグラフィックスを表示しながら時計として使用することもできる。さらにはバックライトが用意されていて、ブルーにボゥっと光る様子は、展示されているのはモックアップだったが美しかった。こういったところからも20代半ばから40歳代の大人をターゲットとした癒し要素を含んでいるといえる。
11月中旬発売予定で、価格は7,980円。
セガトイズは昨年、家庭用プラネタリウム「HOMESTAR」を発売。10万台を突破し、大ヒットを記録したことは記憶に新しい。東京おもちゃショー2006では「HOMESTAR」をさらにバージョンアップした「HOMESTAR PRO」が発表された。これまでレンズ構成が4枚だったものが6枚となり、さらに解像度が増している。また光源は1w白色LEDだったが、PROでは3w白色LEDとなっている。こういったことから投影画像がより鮮明になった。 これ以外にも付属の恒星原板が、モノクロの「日本の星空」2枚から、カラーの原板になったほか、月が1枚プラスされている。また解説CDも約7分の「天文部の夏休み」から約38分収録の本格的なものにパワーアップしている。
発売は11月下旬を予定しており、価格は29,925円。従来製品から9,000円ほど高くなっているが、「PRO」なだけに、価格以上に機能が向上しているように感じた。
一方、癒し系の商品には、トイとの境目というかトイではない商品も見受けられる。タカラトミーグループのブースに展示されていたルームライト「ヒーリングムーン」は、月をリアルに再現したもの。ライトのカバーが月のクレーターなどを再現しており、さらに月の満ち欠けをライティングで現わしている。5秒ごとに12段階でライトが段階的につくことによって、月が満ちたり欠けたりしているように見せているわけだ。
ライトとしては使用できないが、部屋のインテリアとしてはこれまでにあまりみたことのない魅力的な商品だ。8月末発売予定で、7,140円。
■ ライトユーザー向けラジコンは車から飛行機、飛行機からヘリコプターへ ライトユーザー向けのラジコンとしてはこれまで、小型ラジコンがはやった時期があった。その後、様々な商品が登場し、トレンドとしてはここ1年くらい数多くの飛行機のラジコンが登場していた。 東京おもちゃショー2006でも相変わらず多くのラジコンが出展されていたが、ライトユーザー向けのラジコンとして比較的目に付いたのは、小型ヘリコプターのラジコン(赤外線コントロールのものも含む)だ。もちろん極限まで機体を軽くしなければならない都合上、いずれも室内で遊ぶことが前提のものだが、デモンストレーションを見て感じたのは、かなりのパワーだと言うこと。展示会の高い天井に当たるかもしれないと言うぐらいに、軽く10メートルくらいは上昇する。 価格的には5千円前後の価格帯であれば上昇下降、ホバリング、左右旋回といったコントロールが可能で、1万円前後の価格帯までいけば前進が可能となるようだ。そういった中で意欲的と感じたのがタカラトミーのブースに参考出展されていた、「エアロソアラ」シリーズの小型ヘリだ。小型飛行機の「エアロソアラ」は赤外線コントロールだが、小型ヘリはラジオコントロールを予定しているという。現状30分充電で10分遊ぶことができると言うが、製品版ではどうなるかは未定。5,000円前後という低価格を目指し、年内の発売を目指して開発中だという。 このほかにラジコンで意欲的だと感じたのは同じタカラトミーのチョロQラジコン「Q STEER」だ。赤外線コントロールだが、4バンド搭載していて、4台まででレースなどを楽しめる。コインの上に乗ってしまうほどの小ささであるにもかかわらず、ステアリングが素晴らしくキビキビと曲がるのが特徴。携帯電話で操作することも可能。
「Q STEER」においてさらにオドロキなのは、この小ささでバッテリー、モーター、ギア、タイヤ等のカスタマイズを行なうという点だ。カスタマイズでよりパワーアップ、チューニングして熱く楽しめる要素が増えそうだ。 ■ テレビに接続してすぐ楽しめるゲームも花盛り テレビに接続してすぐに楽しめるゲーム機が登場してずいぶん経つが、最初に始めたエポック社が今回も面白そうな作品を展示していた。ひとつは「SASUKE サスケ&筋肉バトル!! スポーツマンNo.1決定戦」。テレビ番組とのタイアップものだが、マットコントローラだけでなく、手で操作する「マッスルコントローラ」と組み合わせることで、27競技をリアルに再現している。 マッスルコントローラの使い方が面白く、ただ単に横にして振るだけでなく、たとえばロープを登るときであれば、このコントローラを縦に持ち替えて、ロープに見立てて縦に振るのだ。操作が煩雑になるという風に思えるが、雰囲気の再現度はバッチリだ。発売は間近に迫っていて、7月22日に7,480円で発売される。 エポック社ではさらに、ドラえもんの秘密道具「タケコプター」をコントローラーに見立てた「ドラえもん 体感タケコプター! ~空飛ぶ大冒険~」を出展していた。同社は「くうきほう」を商品化したこともあるので、ドラえもんの秘密道具シリーズ第2弾といえる。タケコプターは原作同様アタマに乗せるのだが、かぶったままでアタマを傾けると画面内でもその方向に飛んでいくことができるという仕組みになっている。 フィールドを自由に飛べるモードのほか、ステージを飛んでいき、敵と戦うモードや、レースモードも用意されている。レースモードでは一度後ろに首を振り前に持って行くことで加速するといったシステムも用意されている。発売は9月下旬を予定しており、価格は7,480円。
昨年以降、テレビに接続して楽しめるゲーム機を多数発表してきたバンダイナムコゲームスは今回もたくさん出展していたのが印象的だった。「Let's! TV プレイ」シリーズと銘打った中では、なりきり度が高かく好評だった「ドラゴンボ-ルZ」の続編に注目だろう。今回はカードダスに対応しており、カードリーダーも搭載されている。
■ 「脳力」開発系アイテムも多数登場
梶本氏によれば、「人間は60歳くらい以降まで生きるようできていなかったが、医学の進歩で長生きできるようになってしまった。むかしは脳がボケる前に死んでしまったから良かったが、今後どんどん脳の重要度が高まっていく」と脳のトレーニングが重要であると説明。 頭が疲れているときに鍛えても仕方ないということで、「アタマスキャン」では、脳のストレス度をチェックできたり、ミニゲームで気分転換できたり、トレーニングを行なうこともできるという。ちなみに9月14日にはセガからニンテンドーDS用ソフトが発売される。「アタマスキャン」は8月10日に5,775円で発売される予定。
このほかでは、バンダイナムコゲームスの「川島隆太教授監修予定 脳と体を鍛える体感頭脳ファミリーマットレ(仮)」が新しい。こちらは「Let's! TV プレイ」シリーズで、テレビに接続して遊ぶタイプのゲーム。これまでは脳の訓練と言えばタッチペンで行なうというイメージが大きかったが、この商品は文字通り体を使って行なう。コントローラはマットタイプで、たとえばジャンケンのグーが表示され「負けろ!」と出ればそれに対応したマットを踏むことになる。なかなか体が思うように動かないのが面白い。頭と体の両方を鍛えたい人にはうってつけだろう。
■ その他にも気になる新商品が多数登場
「東京おもちゃショー2006」では例年以上に個性的な商品が多数出展されていたこともあり、ここで、ひとつひとつ取り上げていきたい。従来からあるタイプのトイでもアイディアがプラスされており、興味深い商品も並んでいた。
ロボット系はあまり見掛けなかったが、タカラトミーのブースに出展されていた「ALIVE CHIMPANZEE APEMAN」と「ARMSTRONG」は強烈。「APEMAN」はハリウッドの映画で使用されているアニマトロニクスという技術を使用し、チンパンジーをめちゃくちゃリアルに再現。センサーを搭載しているため、手をかざすとまるで本当にモノを追うかのように目が動くなど、その動きには誰もが驚くだろう。10月発売予定で、29,400円。
一方、「ARMSTRONG」はロボットらしいロボットだが、元NASAの技術者が作り上げたと言うだけあって多彩な動きが魅力的。展示会場でも愛嬌を振りまいていた。かなり大きなロボットなので迫力満点。こちらも10月発売予定で、39,900円。
KONAMIが、一風変わった面白いアイテムを2種類展示していた。「デジリーマン」シリーズは、基本的には、ヒューマンウォッチ系のアイテムで、小型液晶にサラリーマンの悲哀が表示されていく。デジリーマンは人間と同じ時間帯で生活しており、朝になれば出社、昼になれば食事したり、たまには会社をさぼってパチンコ打ったり、夕方には合コンの準備をしたり……そういった生活をこちらから眺めるのがメインの楽しみとなる。 面白いのはちょっとひねりがきいているところ。たとえば朝、出社するなら電車で出社するのではなくて、「定期代使い込んだから歩いて出社」とか、ちょっとくすっと笑ってしまうネタが用意されている。 関連商品として「デジOL」、「デジシンガー」が予定されている。デジOLは恋に生きるOLさん、デジシンガーでは成功を夢見るミュージシャンが描かれる。単に眺めているだけでなく、彼らはアドバイスを求めてくるときがある。どう返答するかはユーザー次第で、選択によって2週間後のエンディングに変化が出てくるという。
11月23日発売予定で、価格は2,100円。
一方、「あっため研究所 (ラボ)」は、比較的正当な育成ゲーム。卵の形をしており、暖めるように包み込むことでキャラクタを育てる。卵の上の方には穴が空いていて、そこから中を覗くとキャラクタの様子を観察できる。 暖めるという点は非常に新しく、愛着が湧くシステムといえるだろう。ミニゲームなども用意されており、ポイント集めてアイテムを購入し、アイテムを掛け合わせることでDNAを作成。このDNAを使ってキャラクタを進化させていくという本格的なシステムで、なかなか侮れない。
11月9日発売予定で、2,940円。
試合中は、外野のファンの声援を流しておくことも可能だが、OFFにして実況中継だけを流すことも可能。音声は内蔵スピーカーから流れるようになっている。ちなみに「???」と言うコーナーがあるが、ここにはいるとヒットになったりアウトになったり、ランダムで様々な反応が返ってくる。
アナログな野球盤だが、実況がなかなかリアルで楽しめる工夫が施されている。10月末発売予定で、価格は7,980円。
USBでパソコンと接続すると自動的にソフトが起動。自分の名前と誕生日、家族の名前などを登録する。すると音声合成技術を使い、リカちゃんがユーザーの名前を読み上げてくれる。また、音声認識も可能となっているため、こちらから喋るとその会話をある程度認識して対応してくれる。たとえば「イヌとネコどちらが好き?」とリカちゃんから聞かれた時、「イヌが好き」と答えた場合、「リカもイヌが好き」といった反応を返してくるという。 子供がキチンと「イヌ」と答えられるかどうかは難しいところで、「ワンワン」と表現するかもしれない。しかし、辞書を搭載しており、ある程度の言葉には幅のある対応を取ることが可能だという。 このソフトには辞書の他、リカちゃんの声が大量に収録されている関係上CD-ROMには収まりきらずDVD-ROMが必須になっている。しかし、そのおかげで収録音声はかなりの量で、たとえば夜にリカちゃんに電話をかけると不機嫌な声で応答してきたりするのだと言う。
「リカちゃんテレビでんわ」は、ぶっちゃけてしまえば、USB接続によるマイクとスピーカーのセットと言うことになるが、アイディアひとつで面白い商品になると言うことの証明ともいえる。対応OSはWindows XP以上で、OSが走るマシンであれば問題なく動作するという。10月発売予定で、価格は7,875円。
エデュテイメントマシン「PICO」の上位機種として様々なソフトが発売されている「Beena」。今回の展示会ではカメラやカードリーダーの付いた商品が登場した。「おしゃれアカデミー(仮)」には鏡にカメラが付いており、自分の顔をBeenaに取り込むことができる。そこでアクセサリーを着けたりメイクアップすることも可能。さらに画面のキャラクタとユーザーの顔データを合成し、ミニゲームに登場させることもできる。なかなか高度なグラフィックス処理をサラリとやってのけている。11月18日発売予定で10,290円。
カードリーダーを搭載した「電車で冒険! カードリーダーで遊ぼう(仮)」と 「それいけ!アンパンマン カードでたのしく♪ABC」 の発売も予定されている。それぞれ付属の電車のカードとアンパンマンやアルファベットのカードを読ませることで、様々なパズルやクイズに挑戦することができる。「電車で冒険! カードリーダーで遊ぼう(仮)」は12月2日発売予定で6,279円。 「それいけ!アンパンマン カードでたのしく♪ABC」 は8月10日発売予定で6,279円。
また簡単なミニゲームも用意されており、それで勝てば同じ10万円を貯めハッピーエンドを迎えても、さらに良いことがある可能性があるという。ちなみに10万円を貯める前に開けてしまうとまた3畳一間から人生やり直すこととなる。11月発売予定で4,988円。
ちなみにアニメーションは上下左右にキャラクタをスクロールさせることが可能。ロケットなら上に向かってアニメーションさせ、歩いているのであれば左にスクロールさせるなどグラフィックに応じてスクロール方向が選択できる。ちなみにスクロールスピードも細かく設定可能。
9月1日発売予定で2,500円。
一人で恋愛タイプ診断に答えたり、今日のハニカミ占いを楽しむこともできる。10月上旬発売予定で価格は3,654円。
□社団法人 日本玩具協会のホームページ http://www.toys.or.jp/ □「東京おもちゃショー2006」のページ http://www.toys.or.jp/toyshow/ □関連情報 【2005年7月19日】「東京おもちゃショー2005」開幕 iPodなどを意識した“音楽系”おもちゃも登場 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050719/toy-s.htm (2006年7月13日) [Reported by 船津稔]
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