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株式会社NTTカードソリューションは、同社が提供しているプリペイド式電子マネー「ネットキャッシュ」のデータサーバーに、外部からの不正アクセスが行なわれ、81,105個の「ネットキャッシュID」が流出した可能性があることを発表した。被害総額は現時点で把握しているだけで327万円としており、今後利用者側の申告により、この数字はもっと拡大するものと見られる。利用者に対しては、電子マネーの残高がなくなっている、あるいは減っている可能性があるため、残高の確認を呼びかけている。 NTTカードソリューションは、テレホンカードやモバイラーズチェックなどプリペイドカードビジネスを専門に行なっているNTTグループの子会社。2002年からは電子マネー「カレット」(2004年に「ネットキャッシュ」に名称変更)のサービスを開始し、ネット上の課金決済事業者として、数多くのオンラインゲームパブリッシャーに課金決済サービスを提供している。 今回流出した「ネットキャッシュID」は、「ネットキャッシュ」を購入した際に発行される認証IDのこと。16桁の英数字で表記され、1,600円から10,000円の5種類が用意されている。 6月9日に利用者からの報告によって流出が発覚し、6月13日にアクセスログの解析の結果、不正アクセスが行なわれたことを確認し、そして6月16日にIDが不正にダウンロードされていたことを特定。本日6月20日に発表という流れになる。肝心のサーバーに侵入された日については現在調査中としている。 流出した可能性があるネットキャッシュID81,105個のうち、販売前のIDが50,419個、販売済みのものが30,686個。被害額としては、現在把握しているだけで販売前のものが316万円、販売済みのものが11万円としている。今後利用者の申告により、被害額は増えていくものと見られる。 NTTカードソリューションでは、販売済みで不正利用された分については、新しいIDを発行する形で全額補填を行なう方針。同時にログ解析を進め、結果がまとまり次第、警察当局へ被害届を提出する。現在、ネットキャッシュの販売についてはメンテナンスのため一時停止しているが、利用については不正アクセスへの対応は完了しているため、停止する予定はないとしている。
電子マネーの大量盗難というのはあまり例のないケースで、現時点では、システムを運用しているNTTカードソリューションと、サーバーを提供しているコムスクエアのどちらに責任の所在があるのかは明確ではないが、利用者の信頼を回復するためにも、しっかりとした情報開示が求められるところだ。
□NTTカードソリューションのホームページ (2006年6月20日) [Reported by 中村聖司]
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