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YNKジャパン、エキサイト、MMORPG「ROHAN」の戦略発表会を開催
クローズドβテストを6月中、オープンβテストを8月中に開始

6月9日開催

会場:秋葉原コンベンションホール

 株式会社YNKジャパンとエキサイト株式会社は、6月9日、秋葉原コンベンションホールにて、YNK Koreaが開発したMMORPG「ROHAN」の国内展開・戦略発表会を開催した。韓国では2006年3月から正式サービスを開始しており、日本では6月中にクローズドβテストを行ない、8月中にオープンβテストを行なう予定。「ROHAN」は韓国では月額課金制を採っているが、日本での課金システムなど詳細は明らかにしていない。

日本のユーザーと同じ目線で「ROHAN」をサービスしていきたいと挨拶をするYNKコリアの代表取締役社長ユン・ヨンソク氏
「ROHAN」からはユン社長の執念を感じた。と語るエキサイト代表取締役社長山村幸広氏
 「ROHAN」は、「Renaissance of Human and Nature(人と自然のルネッサンス)」を略したタイトル。韓国では初月売り上げが45億6千万ウォン(約5億6千万円)を記録し、好評を博している。ゲームの舞台となるのはヒューマン、エルフ、ハーフエルフ、ダンという4つの種族が住む世界で、プレーヤーはモンスターやプレーヤー同士で激しい戦いを繰り広げていく。ヒューマンは戦士系のナイト、ダンは隠密行動が得意なアサシンというように種族はそれぞれ職業も固定されている。

 本作の大きな特徴としては「ソリダリティシステム」というギルドシステムがある。これは創設者からピラミッド状にギルドの構成員が登録されていくシステムで、ギルド所属員同士で冒険に出ると、レベルが高い者は得られる金額が増え、レベルの低い者は多くの経験値を得ることができる。また、構成員が個人商店で利益を上げた際に、売り上げの数%がギルドのものになるなど、様々なポイントで自分がギルドの所属員であることを自覚させ、貢献を促すシステムとなっている。

 「リベンジPKシステム」というものもユニークだ。プレーヤーがPKされた場合、殺した相手がリストとして登録され、いつでも相手がどこにいるか確認できる。殺した相手の所にワープすることも可能で、その際、パーティーごとそのPKの場所に飛ぶことができる。仲間を募ってリベンジできるシステムだ。また、現在は未実装だが、自分たちのギルドで街を作ることができる「タウンシステム」なども導入されるという。

 挨拶を行なったエキサイト代表取締役社長山村幸広氏は、「韓国でもデベロッパーとパブリッシャーが別れている場合が多いが、YNKコリアは開発会社を傘下に置き、ユン社長自らが細かいところまで指揮を執って『ROHAN』を作っている。韓国では『リネージュII』以来、2年半それに代わるゲームが出てこなかったが、やっと出てきたのが『ROHAN』だ。日本の市場でも同じように盛り上げていきたいと思う」と語った。

 今回の発表会ではYNKコリアの企画室室長ナ・ソンヨン氏から今後のアップデート計画としていくつかのイラストが提示された。残念ながら撮影禁止だったが、キャラクターがまとうことができる衣装が数点公開された。デザインは韓服や中国服、和服のラインを取り入れたゆったりとしたイメージである。この他にもナイトが2刀流ができる様になったり、メールマガジンの小説に出てくるキャラクタがゲーム内にも登場するという。

 ナ氏は「韓国のゲームを日本で成功させるためには、韓国と日本のユーザーがゲームに求めるものが違うことをきちんと認識しなくてはならないと思う。日本のユーザーがどんなものを好むのか、βテストを通じ、多くの日本のユーザーの意見を取り入れていきたい。その意見によってゲームのすべて作り直すくらいの覚悟で臨みたい」と語った。

 今回の発表会では、この「ROHAN」のシステム面での説明が多く、本質的な部分での「このゲームは何をするゲームなのか」というものが伝わりにくかった。イメージとしてはPvPに特化した、ギルドの繋がりが強いMMORPGのように感じるのだが、プレーヤーに向かって大きく提示する目標が見えないために、何のために強いギルドを目指すかがわかりにくい。

 しかし、PKに仲間を募って逆襲するシステムや、個人商店の売り上げも還元するような密接なギルドシステムによってユーザーがどんな社会を形成するかは興味をそそられる。制作者が明確な目的を提示せず、プレーヤーにより密接な関係と戦いを促していくのは、とにかく「コミュニティ」を強調する韓国のゲームらしい所だろう。

 「ユーザーの意見によってゲームを全部作り替える覚悟がある」というナ氏の言葉はゲーム制作者の言葉としては非常に思い切った言葉だ。「テーマの提示」よりも、「要望に応える」、という姿勢で制作されるゲームがどんな姿になっていくのか、今後の展開に注目したい。

日本のユーザーのために色々な展開をしていきたいというYNKジャパンの代表取締役社長パク・ギウォン氏 今後の要素を説明するYNKコリア企画室室長ナ・ソンヨン氏 会場には試遊台は設置されていなかったが、流れているムービーのクライアントは日本語版のものだった

【二次職業】
レベル50で転職できるようになる2次職業。ヒューマンのDefender 大きな攻撃力を獲得するヒューマンのGuardian 回復魔法の強いエルフのPriest
攻撃魔法の得意なエルフのTemplar 弓に長けるハーフエルフのRenger ハーフエルフのscout
隠密能力に特化するダンのAvenger 攻撃力の高いダンのPredetor

【スクリーンショット】
乗り物も登場する日本版では更に種類が増えるという 眼鏡などの装備品も存在するようだ クエストなどのメッセージもすでに日本語化されている


■ 「ROHAN」開発者ショートインタビュー

 今回、発表会の後にYNKコリアの代表取締役社長ユン・ヨンソク氏と、企画室室長ナ・ソン・ヨン氏、グラフィック室室長チェ・ジュン氏の3人にお話をお聞きした。

左からグラフィック室室長チェ・ジュン氏、代表取締役社長ユン・ヨンソク氏、企画室室長ナ・ソンヨン氏
編: 「ROHAN」の特徴について教えてください。

ユン氏: この作品はグラフィックスよりもシステムに特徴を持たせたいと思っています。オンラインゲームの楽しさはユーザーがコミュニティを自分で作り出すことです。「ROHAN」は「ソリダリティシステム」に代表される様々なシステムで、組織の一員となる楽しさを今までの作品以上にもたらすことができます。

編: ユーザーに評価された部分はどこでしょうか。

ユン氏: 「バランス」です。「ROHAN」では常にユーザーの意見に耳を傾け、新しい要素が追加されてもゲーム内の様々なバランスを崩さないように努めてきました。このメーカーの努力が評価されています。

編: ゲームの目的は何でしょうか?

ソク氏: それはレベル30位までプレイしてもらえればわかってもらえるはずです。PKされても仲間と一緒にリベンジができたりと、「ROHAN」には他のゲームにはないシステムがある。個人対個人、ギルド対ギルドの戦いにも今までにない関係が生まれてきます。この「戦闘コミュニティ」は所属員全てに“責任感”を生み出していきます。

編: つまり、このゲームは、モンスターと戦いつつレベルを上げ、PvPを楽しむのが目的ということでしょうか?

ユン氏: “ご飯”だけでは食事がおいしくないように、その楽しさはあくまで一部分であって、今後様々な楽しさを盛り込んでいきます。

ナ氏: 戦闘コミュニティーはこの作品のシステムを楽しむための1つの手段として受け止めてほしいです。

編: ユーザーのターゲットとしてはどういったところを狙っているでしょうか。

ユン氏: 韓国では“大人”ですね。責任感が大事となりますから。ただ、日本ではテストを通じて皆さんの意見を学んでいこうと思います。その後でターゲットを決めていこうと思います。

編: 日本でも最近RMT(リアルマネートレード)が大きな話題として取り上げられるようになりましたが、「ROHAN」のRMTへの取り組みを教えてください。

ユン氏: 基本的には「それはいけない」という立場です。しかし、ユーザーが自分たちで裏でやってしまったため、被害が大きくなると言うことがありました。会社としてこれを見過ごすか、対策するかは、メディアの方にも聞きたいところですね。

 私達はこの問題に対処するためにいくつかのシステムを作りました。このシステムによって中国の「業者」を止めることができました。これができたのは、韓国では「ROHAN」だけ、という評価を得ました。「ROHAN」はアイテムの受け渡しや取り引きは多いですが、被害はほとんどない。このシステムは韓国の警察も認めています。

 ユーザー間での不正があったとしたらこれをなくしていくようにがんばります。RMTに関して、YNKは1ウォンも利益を得たことはありません。ユーザーさんが離れないのがYNKに対する評価の証拠だと思っています。これは韓国の話で、日本では今のところはRMTは認めない方針です。

編: つまり、「ROHAN」では業者を介したRMTは禁止であり、違反者に対しては厳しい取り締まりをしている。だから非常にクリーンな環境になっているという理解でよろしいですか。

ナ氏: 業者に対しては対策を行なっています。ゲームのバランスを崩すような人たちが入ってくるのをいつもモニタリングして、アカウントを停止するなど対策しています。ユーザーがお金を稼ぐのがいやなのではなく、それでバランスを乱す人を止めています。それは法律だから従っているのではなく、ユーザーが法律だと思っています。

編: 最後にユーザーへのメッセージをお願いします。

ユン氏: 個人的に私は任天堂の宮本茂さんを尊敬しています。宮本さんに恥ずかしくないようなゲームを作りたいです。

ナ氏: 今回お話ししたことは全て韓国での話で、日本のユーザーが望むならば、まったく違うゲームを作っていくつもりです。是非意見をいつでも寄せてください。

チェ氏: 日本のグラフィックスのレベルは高いです。日本のユーザーさんに気に入ってもらえるならば、全てのグラフィックスを描き直す覚悟で作り、それを韓国にももたらしていければと思っています。

□エキサイトのホームページ
http://www.excite.co.jp/
□YNKジャパンのホームページ
http://www.ynkjapan.co.jp/
□「ROHAN」のページ
http://www.rohan.jp/

(2006年6月9日)

[Reported by 勝田哲也]



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