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タカラトミー、「ゾイドオンラインウォーズ」プレスカンファレンスを開催
「ゾイドユニバース」でオンラインゲーム市場に本格参入

5月21日開催

会場:めいど in じゃぱん

 株式会社タカラトミーは、5月25日都内において、オンライン戦略シミュレーションゲーム「ゾイドオンラインウォーズ」の発表会を開催した。発表内容は、ゲームの紹介に留まらず、Webブラウザベースのゲームポータル「ゾイドユニバース」構想を明らかにし、タカラトミーとしてオンラインゲーム市場に本格参入する意向を明らかにした。本稿では同社のオンラインゲーム事業戦略について紹介し、ゲームの内容については別稿で詳しくご紹介したい。

 サービススケジュールを先に紹介しておくと、5月27日より1次βテストを開始する。募集規模は300名で、抽選ではなく先着順としている。6月5日をもって一端インターバルに入り、ユーザーの意見を参考に再開発に入る。その後6月15日より2次、3次のテストを行ない、7月より正式化に向けた再開発を実施。8月に正式サービスを実施する。


■ 旧トミーの人気フランチャイズ「ゾイド」をオンラインで再現

会場は秋葉原のメイドカフェで行なわれた。写真は、メイド服姿で紙芝居「リカちゃんに教わるゾイド劇場」を演じる野水伊織さん
タカラトミーのオンラインゲーム市場参入を宣言したフロンティア事業本部デジタルエンターテイメント事業部事業部長の森岡俊広氏
 「ゾイド」は、旧トミーが'83年から、20年以上に渡って展開している動物や恐竜をモチーフにしたロボットのおもちゃシリーズ。近年ではTVアニメ、カードゲーム、コンシューマゲームなど多角的な展開を果たしている。

 「ゾイドオンラインウォーズ」は、そうした「ゾイド」の20年にわたるフランチャイズ資産を、オンライン上で再現し、「ゾイド」ファンに対して、戦いの場とコミュニケーションの場を提供するWindows向けのオンラインゲームである。タカラトミーとしてはオンラインゲーム市場参入第1弾タイトルとなる。

 タカラトミーでは、「ゾイドオンラインウォーズ」の展開に合わせ、Webブラウザベースの総合ゲームポータル「ゾイドユニバース」を立ち上げる。「ゾイドユニバース」と「ゾイドオンラインウォーズ」を「ゾイド」オンラインフランチャイズの両輪として共に展開していくのが、同社のオンラインゲーム事業のユニークなポイントになっている。

 タカラトミーのオンライン事業の主体はゲームポータル「ゾイドユニバース」となっており、「ゾイドオンラインウォーズ」はそこにぶら下がるコンテンツのひとつとなる。ゲームポータル「ゾイドユニバース」の機能としては、詳しくは後述するが、アバターとゲームキャラクタを共有する連動システムをコアに、課金決済機能、アバター機能、コミュニティ機能、チャット機能などを持つ。

 中でもチャット機能は、MSNメッセンジャーのような個別のアプリケーションとして提供する予定としており、「ゾイドユニバース」と完全連動する。これにより、ゲーム、コミュニティポータル、チャットと3つのレイヤーで同時にコミュニケーションを取りながら、「ゾイド」を楽しむことができる。PCプラットフォームならではの楽しみ方といえる。

 タカラトミーではここまでを第1フェイズと定義し、第2フェイズ、第3フェイズでは、「ゾイドユニバース」のコミュニティビジネスのコアとなるアバター関連のアイテムやサービスを拡充しつつ、「ゾイドオンラインウォーズ」に続く、オンラインタイトルをリリースしていく方針としている。

 発表会冒頭で挨拶を行なったタカラトミーフロンティア事業本部デジタルエンターテイメント事業部事業部長の森岡俊広氏は、昔はメカメカしさゆえに主に男性の軍事ファンに受け入れられていたが、TVアニメ化、ゲーム化以降は、より広範な層に受け入れられ、20周年以降は、親子2代でゾイドを楽しむ層も増えてきた状況を振り返りつつ、今回のプロジェクトをもって「ゾイドが大好きな人に対して、コミュニティの場を提供すると共に、楽しい遊びの場を提供したい」と抱負を語った。

【ゾイドユニバース構想】
「ゾイドユニバース」のビジネスモデルは、月額課金というリミッターを設定したアバター課金が中心となる。すでに第3フェイズまで構想にあるようだが、肝心の「ゾイド」ファンがデジタルデータにどの程度価値を認めるかは未知数。βテストの反応を見たいところだ

【βテストスケジュール、課金体系】
早くも5月27日よりβテストが開始される。βテストは3次まで実施し、インターバルを挟んで8月より正式サービスとなる。利用料金はクレジットカードとウェブマネーなどオンライン決済のみとなる見込みだ

【ゾイドユニバース】
「ゾイドユニバース」のイメージ画面。左から、トップページのイメージ、ゾイド購入画面、パーツ購入画面、そしてアバターの髪型画面。トップページでは、本人に加えて、ゾイドの表示画面もある。300種類以上あるゾイドをコレクションするのも楽しみのひとつのようだ


■ アバターとゲームでキャラクタの完全連動を実現する「ゾイドユニバース」

「ゾイドユニバース」の構想を語るデジタルエンターテイメント事業部NA事業グループチームリーダーの岩崎正浩氏
発表会の途中で突然マスクド・ライガーDが、ゾイドガールを引き連れ乱入。マシントラブルにも負けず、旺盛なサービス精神でゾイドワールドの魅力をアピールした
 「ゾイドユニバース」の具体的な使い方について紹介すると、まずユーザーは、ユーザー登録、課金決済登録、キャラクタのカスタマイズ等を行なうことになる。「ゾイドユニバース」のユーザー登録が、実質的な「ゾイドオンラインウォーズ」を含む、ゲームコンテンツのパスポートとなっており、「ゾイドユニバース」の登録のみで、全コンテンツにアクセスできるようになる。

 登録後、ユーザーにはシンプルな衣装をしたアバターと、一定のポイントが与えられる。ユーザーはポイントを消費してお好みの衣装(アバターアイテム)を揃え、「ゾイド」ファンとのコミュニケーションを楽しむことができる。主役であるゾイドは、コレクター対象としての「アイテム」という扱いになっており、まずはベーシックなゾイドから入手し、追加パーツを購入して、自分好みのゾイド軍団を編成していく。

 そして、これらゾイド軍団の活躍の場が「ゾイドオンラインウォーズ」になる。「ゾイドオンラインウォーズ」では、「ゾイドユニバース」で手に入れたゾイドをそのまま持ち込んで戦いに参加させることができる。ゲームデザインは、3Dモデリングデータを2Dに落とし込んだ美しいゾイドキャラが、交互に攻撃を繰り返すというオーソドックスな2Dターンベースシミュレーションゲームになっており、低スペックPCでも楽々動作させることができる。ゲームポータルとオンラインゲームが直結し、相互補完関係にあるのが、同社のビジネスのユニークなところである。

 ビジネスモデルは、月額課金プラスポイント課金のハイブリッド方式を採用し、月額料金がまるまるポイントに換算して付与される。現時点での想定としては、「ゾイドオンラインウォーズ」を含む「ゾイドユニバース」の入会金、コンテンツダウンロード量として3,000円程度を登録時に徴収し、この3,000ポイントを持って、「ゾイドオンラインウォーズ」に参戦するための戦備を整えて貰う。

 入会後は、月額当たり1,000円程度で、定期的に拡充される新型ゾイドや、ゾイド用の武器やパーツ、あるいはアバターアイテムなどを購入しながら、仲間とのコミュニケーションや最大2対2のオンライン対戦を楽しむことができる。もし、そのポイントの枠以上に、アイテムが欲しい場合は、別途クレジットカードなどのオンライン決済手段を通じて、ポイントのみを追加購入するという仕組みである。

 利用料金はすべてポイントとして付与されるため掛け捨てにならず、月額課金が一種のリミットとして作用している。ゾイドは、少年向け雑誌への露出を中心とした低年齢層向けのコンテンツだが、そのことを強く意識した良心的な料金体系といえる。

 繰り返しになるが、今週5月27日14時より、第1次βテストを実施する方針。実施規模は300名で、“先着順”としている。会場で行なわれたデモンストレーションでは、プログラムが繰り返しフリーズし、ようやくプレイできるというレベルだったが、βテスターには無料でポイントが付与され、ゾイドの追加武器やパーツを試すことができる。「ゾイド」ファンは試してみてはいかがだろうか。

【アバター機能】
発表会の最後には、「ゾイドユニバース」のアバター機能のデモンストレーションが行なわれた。野水伊織さんとゾイドガールは実はめいど in じゃぱんの店員さんでもある

□タカラトミーのホームページ
http://www.takaratomy.co.jp/
□「ゾイド」の公式ページ
http://www.takaratomy.co.jp/products/zoids/
□「ゾイドユニバース」の公式ページ(5月27日オープン予定)
http://www.zoids-uni.com/

(2006年5月25日)

[Reported by 中村聖司]



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