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5月下旬 1号店開店予定
事業モデルとしては、現在行なわれているビデオや音楽CDのレンタル業と同じで、レンタル事業を行ないたい業者がコーエーネットからレンタル業務を行なうシステム一式を購入し、開店。このシステムはPOSシステム、バーコード管理、ユーザー管理などを統合したシステムで、ネットワークに接続し、様々な管理を手軽に行なうことができる。コーエーネット襟川恵子取締役名誉会長によれば「このシステムが一台あれば、誰でもレンタル店を始めることができる」という。 ユーザーはゲームを借りに店舗に足を運び、会員となることでゲームを借りることができる。レンタル料については「色々と設定できる」としているが、想定金額として発売1カ月から3カ月のソフトを“New”と位置づけ4泊5日で2,700円から2,800円としている。最もレンタルされると見ている発売3カ月から1年内のソフトは800円から900円程度を見込む。発売1年以上のソフトをクラシックとして4泊5日で500円を切る価格帯を設定できればとしている。 また、レンタル期間についても柔軟に対応。短期間試し借りをするユーザー以外に、ゲームをクリアまでプレイするユーザーを想定し、たとえば1カ月のレンタル期間なども設定しているという。この場合の金額設定だが、前述の“New”ソフトについては1カ月5,000円程度と考えているという。これは新品の20%値引きした価格と考えているようだ。このほかに店舗側のポイント割引など様々なサービスも考えられ、襟川氏も「一概には言えない」としており、価格設定は変動する可能性もある。 これまでメーカー側は中古市場について「メーカーやクリエイターに利益が還元されない」事を問題視してきたが、今回のレンタル事業については、10%~20%程度をコーエーネットの運営費に充て、45%程度を店舗側、残り45%程度をソフトメーカー側に配分する方式を採用。ゲームソフト制作側にも還元されるとしている。 スケジュールとしては、2006年5月下旬に1号店のオープンを予定。5月下旬から8月下旬までは12店舗程度でシステムの更なる練り込みを行ない、8月下旬からは多店舗展開を予定。2007年には1,000店舗、2008年には1,500店舗と広げていきたいという。襟川氏は「ユーザーの利便性を本当に上げるためには15,000店舗くらいは必要」としているが、ステップを踏んで市場規模を拡大させていくようだ。 レンタル店の開始当初は100アイテム程度からスタート。アイテム数を増やすと、ソフトの買い取り数が増えレンタル店側の負担が大きくなるため、アイテム数を絞ってスタートさせるという。レンタル店の設置場所については従来の店舗以外に、アミューズメントセンターに併設するなど、他のレンタル事業にはない展開も予定しているという。アミューズメントセンターへの併設については、「ゲームの好きな人が来る場所でレンタル事業を行なうことで、ゲームを利用するチャネルが増える。ゲームの裾野を広げると思う」としている。 レンタルを行なう店舗側としては、スタート時100アイテムでスタートし60%の稼働率で初期投資とイーブンとなり、2年から利益となる計算だという。レンタル料金の設定、ソフトごとのレンタル開始時期は設定可能なので、たとえばベスト版の発売を避けるといったことも可能としている。 たとえば新作RPGのレンタルが開始され、5本がレンタル店に入荷した場合、ユーザーがそれぞれ1カ月借りた場合、次回そのソフトの入荷は1カ月先になる。レンタル店側としてはここで機会損失が発生すると思われるため、人気タイトルの品揃えのみが充実していく可能性がある。また、試し借りしたいタイトルと人気タイトルとが同じ値段でレンタルされる場合、試し借りしたいタイトルのレンタル料金が割高に感じられる可能性もある。ゲームジャンルによっても細かくレンタル料金を設定するのか、それがユーザーにとってわかりやすいシステムになるのかなど問題点もあるだろう。
今回の発表は、レンタルシステムの概要発表に留まっているため、サービスのスタートと共にそういった問題にも答えが用意されるのだろう。ゲームの市場規模を押し上げる新しいチャネルの創出という点では期待されるシステムといえる。ユーザーとしても注目していきたいところだ。
□コーエーネットのホームページ http://www.koeinet.co.jp/ □ニュースリリース (PDF形式) http://www.koeinet.co.jp/ir/pdf/20060424.pdf (2006年4月25日) [Reported by 船津稔]
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