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【連載第56回】ゲームライフに役立つグッズをレポート

音の方向を察知して一歩上ゆくゲームプレイを!
8基のスピーカーを内蔵したサラウンドヘッドフォン「CORAL」


当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。



 現在では、Xbox 360はもちろんのこと、プレイステーション 2(以下、PS2)やゲームキューブでもサラウンドに対応するタイトルが増えてきた。サラウンドは臨場感を高めるだけではなく、効果音の発生方向も再現可能。例えば、敵の方向を音で判断できるというように、サラウンドはゲームプレイに直接影響する要素となっている。最大限にゲームを楽しむためにも、サラウンドの再生環境は是非とも整えておきたいところだ。そこで今回のゲームグッズ研究所は、8基のスピーカーを備えるというオールエイのサラウンドヘッドフォン「CORAL」をレポートしてみることにした。

 サラウンドヘッドフォンというと、ハウジング(イヤーカップ)の左右に1つずつ設けられたスピーカーで、仮想的にサラウンドを再現するバーチャルサラウンドヘッドフォンが主流だろう。今回レポートする「CORAL」は、ハウジングの左右に4基ずつ、計8基のスピーカーを備え、センター、フロント、リア、ウーファーを独立したスピーカーから出力するという、新設計のサラウンドヘッドフォンとなっている。ある意味単純でストレートな仕組みだ。この「CORAL」に加えて、ソニーのバーチャルサラウンドヘッドフォン「MDR-DS1000」使って、「ドルビーデジタル」の5.1ch出力対応タイトルをプレイし、サラウンドがゲームプレイに与える影響をチェックしてみた。



● 新設計のサラウンドヘッドフォン「CORAL」で音の発生方向を素早くキャッチ!

 オールエイの「CORAL」は左右のハウジングに合計8基のスピーカーを備えたサラウンドヘッドフォンだ。据え置き型の5.1chホームシアタースピーカーと同様、センター、フロント、リア、そしてウーファーが、独立したスピーカーから出力されるため、音の定位を認識しやすいのではないかという期待が高まるところ。そして、米ドルビーラボラトリーズの5.1chデジタルサラウンド規格「ドルビーデジタル」をダウンコンバートすることなく再生できるヘッドフォンとして、同社から正式に認証されている製品というのも見逃せないポイントだ。

「CORAL」(AL-DP100)

    メーカー:オールエイ
    価格:オープン(購入価格:15,800円)
    ヘッドフォンの重量:約452g(ケーブル含む)
    ヘッドフォンのケーブル長:約4m
    対応フォーマット:ドルビーデジタル、ドルビープロロジック
    スピーカー径:フロント40mm、センター/リア/ウーファー30mm
    インピーダンス:フロント64Ω、リア/センター32Ω、ウーファー80Ω
    周波数特性:フロント/リア/センター20Hz~20,000kHz、ウーファー20~120Hz
    付属品:AC電源アダプター、角型光デジタルケーブル(約1m)、同軸ケーブル(約1.1m)、ヘッドフォンマイク、ヘッドフォンマイク用延長ケーブル(約1.2m)


◆ 外観をチェック

 「CORAL」はヘッドフォンと、ゲーム機から出力された音声を処理するデコーダーボックスにより構成されている。ヘッドフォンは密閉型。柔らかなイヤーパッドは約1.7cmの厚みがあり、しっかりと耳にフィットする。ヘッドバンドの長さは左右共に3.7cmの範囲で10段階の調整が可能だ。

 ハウジングの内部には、30mm径のセンタースピーカー、40mm径のフロントスピーカー、30mm径のリアスピーカー、30mm径のウーファーを内蔵。また、重低音と連動する振動機能も搭載しており、爆発音などに合わせてハウジング全体が振動する。

 ヘッドフォンの重量は、ケーブルを垂らした状態で約425g。8基のスピーカーを搭載していることもあり、ワイヤード式のヘッドフォンにしてはやや重量感がある。ヘッドフォンから伸びるケーブルから約50cmの位置にはハンディーリモコンが設けられており、フロント、センター、リア、そしてウーファーの音量を、アナログボリュームによってそれぞれ調整可能。ゲーム中でも手軽に音量バランスを調整できるのは嬉しい点だ。

写真は「CORAL」のパッケージ内容。ボイスチャット用のヘッドフォンマイクが付属している こちらはハンディーリモコン。各ボリュームには1から10の数字がプリントされているため調整しやすい
1つのハウジングに4つのスピーカーを搭載しているが、サイズは一般的なヘッドフォンとほぼ変わらない。その分、密度が高く重量感はある
ヘッドフォンのハウジングは上方向に約90度、後ろ方向に約90度可動する。ヘッドバンドを長く伸ばせばこのようにコンパクトに収納できる

 次に、デコーダーボックスを見ていこう。サイズは縦12cm×横6.1cm×高さ2.3cmと非常にコンパクト。音声フォーマットは、「ドルビーデジタル」と「ドルビープロロジック」に対応。音声入力は、光デジタル入力、または同軸ケーブルによるデジタル入力のみに対応している。光ケーブル端子が存在しないゲームキューブでは利用することはできないのだが、PS2、Xbox、そしてXbox 360であれば、パッケージに付属している光ケーブル1本で接続できる。

 デコーダーボックスの側面には、4つのボタンと2つのスイッチが並んでいる。スイッチを「VOL/PL」側に切り替えると、4つのボタンは、音量調整、「ドルビープロロジック」のON/OFF、電源ON/OFFボタンとして機能する。「TD/DRC」側に切り替えると、時間遅延、ダイナミックレンジ圧縮のON/OFF、電源ON/OFFボタンとなる。ダイナミックレンジ圧縮は、小さい音のレベルを上げると同時に、大きい音のレベルを下げる機能だ。例えば、爆発音が大きすぎてセリフが聴き取りにくいと言う時に役立つ。

 時間遅延に関しては、入力フォーマットが「ドルビーデジタル」の場合、センターが0~5msecの範囲で1msec単位、サラウンドは0~15msecの範囲で1msce単位の調整が可能。「ドルビープロロジック」の場合は、センターが0~5msecの範囲で1msec単位、サラウンドは15~30msecの範囲で5msce単位の調整ができる。

デコーダーボックスの前面には、電源、「ドルビーデジタル」、「ドルビープロロジック」、ダイナミックレンジ圧縮のON/OFFを示す青色ランプを備えている 写真中右はヘッドフォン接続端子。ヘッドフォンを2つ同時に使用できる。写真中左は5.1ch出力に対応した外部スピーカー端子だ 写真中右は光ケーブルと同軸ケーブル用の入力端子。写真中左は音量や電源、ダイナミックレンジ圧縮、時間遅延などを操作するためのボタンとスイッチ、そしてACアダプター端子である

◆ 実際に使ってみる

画像は「PGR3」のレースシーンだ。後ろから迫るライバルカーをエンジン音で察知できる
 それでは、実際に「CORAL」を使ってゲームをプレイしてみよう。ここでは、「CORAL」の特徴である独立したスピーカーの効果をチェックするため、音が聴こえる方向に注目してレポートを進めていく。まずはじめにプレイしたのは、マイクロソフトゲームスタジオから発売されているXbox 360用のレースゲーム「プロジェクト ゴッサム レーシング 3」(以下、PGR3)だ。本タイトルは、「ドルビーデジタル」の5.1ch出力に対応していることはもちろんだが、サウンド関連の設定項目が充実している。

 ヘッドフォンモードは、オフ、オン、ドルビーヘッドフォンの3つを用意。「CORAL」はヘッドフォンではあるが、ここでモードを“オン”に設定すると、センター、フロント、リアの音声が全てフロントに集まってしまう。また、ドルビーヘッドフォン規格のデコーダーを搭載しているわけでは無いので、今回は“オフ”の設定にした。出力モードは“ホームシアター”だ。

画像はフロントスピーカーから出力される衝撃音を視覚化したもの。波形の幅が縦に広いほど音量が大きいのだが、左右のチャンネルでバランスが異なっているのがわかるだろう
 スピーカーの設定はフロントが30度、リアが310度という標準の位置設定が最適であった。「CORAL」は耳元にスピーカーが配置されることから、初めはフロントを耳に近い80度の位置に設定していたのだが、30度の時と比較すると、前方向への音の移動感が微妙に薄いことがわかった。例えば車体のフロント左側がコースの壁に激突した場合、80度のときは激突音が左チャンネルに90%程度集中するため、ほぼ真横から聴こえる。

 一方、30度の時の激突音は、左チャンネルが約70%、右チャンネルは30%程度とバランスが変化し、左斜め前方から聴こえるようになる。空間の広さは、大ホール、広い、普通、狭いの4種類から選べるが、大ホールや広いに設定すると、全体の音量がベースアップされると同時に、音像が若干ぼやけるように感じたため“狭い”に設定した。

 「PGR3」ではバックミラーやサイドミラーを備えているが、コース取りに集中しているとなかなか目に入らない。そんなとき、ライバルカーの接近を音で察知できれば嬉しいところだろう。そこで、ライバルカーの音を聴きやすくするため、サウンド設定ではライバルカーの音量を最大まで上げ、それ以外の音量を若干下げた。以上が、担当所員が最適だと感じた音の移動感を察知しやすいサウンド設定となる。

スピーカーの設定では、フロントとリアスピーカーの位置や、空間の広さも設定可能。さらに、効果音と音楽の他に、ライバルカー、環境音、そしてロードノイズの音量をそれぞれ調整できる。サラウンドの音作りにこだわりを感じるタイトル
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Developed by Bizarre Creations Limited.
(C)Bizarre Creations Limited 2005. All rights reserved.

 ライバルカーが後方から迫ってくると、そのエンジン音に耳の裏が若干ゾクゾクするような感覚が得られる。はっきりと真後ろから聴こえるわけではないが、横や前から聴こえている音ではないことは認識できる。そしてライバルカーが通り過ぎたとき、そのエンジン音が後ろから前へ移動したことをはっきりと感じ取れた。お伝えするのが難しいのだが、筆で耳を後ろから前へふわっと撫でられた感覚と言えば良いだろうか。確実にスピーカーを独立させた効果が発揮されている。ちなみに、ヘッドフォンを利用しているため当然と言えば当然なのだが、左右方向の音ははっきりと聴き分けることが可能だ。

「バトルフィールド2 モダンコンバット」の海外デモ版をプレイ。厄介なヘリコプターの位置は早めに把握しておきたいところ
2005 Digital Illusions CE AB. All rights reserved. Battlefield 2 and Battlefield 2: Modern Combat are trademarks of Electronic Arts Inc. in the U.S. and/or other countries. RenderWare is a registered trademark.Portions of this software are Copyright 1998-2005 Criterion Software Ltd.and its Licensors. All other trademarks are the property of their respective owners.EA is an Electronic Arts brand. This product contains software technology licensed from GameSpy industries, Inc. (C) 1999-2004 GameSpy industries, Inc. All right reserved.
 次に試したのは、エレクトロニック・アーツから発売予定のXbox 360用FPS「バトルフィールド2 モダンコンバット」の海外デモ版だ。このデモ版では、マップが1種類に限定されているものの、Xbox Liveで最大24人のネットワーク対戦プレイが可能。もちろん「ドルビーデジタル」の5.1ch出力に対応している。戦場のいたるところで発せられる銃声、爆発音、そして戦車やヘリコプターの動作音から敵の方向を察知できれば、ゲームプレイを有利に進められるはず。

 早速ゲームをプレイしてみると、戦車やヘリコプターといった、常にエンジン音やプロペラ音を発しながら接近してくる敵に関しては、継続して音の定位の変化を感じ取れるため方向を把握しやすい。しかし、単発の銃声や爆発音は瞬間的に発せられるだけなので、前方からの音なのか、それとも後方からなのか、理解するのが少々難しかった。

 本体験版は、「PGR3」のように細かいサウンド設定は用意されていない。そこで、ハンディーリモコンを利用し、センター、フロント、リアの音量バランスを徹底的に調整してみた。どうやら、センターとリアの音量に対してフロントを15%程度下げると、瞬間的な音に対しても前後の区別が付きやすくなるようだ。後方から砲弾の発射音を感じ取り、後ろを振り返ろうとした約1秒後、見事に吹き飛ばされるというのを体験したのも、スピーカーのバランスを調整した後からである。また、戦車やヘリコプターが発する音に関しても、その音が聴こえ始めた瞬間に、その方向を認識できるようになった。その結果、戦況をいち早く察知できるようになり、敵に倒される確率がずいぶんと下がったのだ。

 しかし、フロントの音量を下げると、音の方向がわかりやすくなる代わりに中音から低音域が弱くなる。フロントスピーカーはセンターとリアスピーカーに比べて中音から低音域の再現力が1ランク高い。これはハンディーリモコンを使って1つのスピーカー以外の音を消して聴き比べていくとはっきりわかる。よって、フロントスピーカーの音量を絞ると音に厚みがなくなってしまう。とはいうものの、ウーファーのボリュームを上げれば、低音の迫力によってそれほど気にならないレベルまでカバーできる。兎にも角にも、各スピーカーの音量を手軽に調整できるハンディーリモコンの存在は非常に大きい。そして、ゲームタイトルに合わせて音量バランスを調整することが、「CORAL」の効果をフルに発揮する秘訣といえる。

左ハウジングにヘッドフォンマイクを装着し、延長ケーブルでXbox 360用コントローラのヘッドセット端子に接続する
 さて、Xbox Liveでヘッドフォンを使うときに苦労するのが、ボイスチャット用のヘッドセットをどのように装着するかということ。ヘッドセットの上からヘッドフォンを装着してしまう方法もあるが、これでは左耳がヘッドセットのイヤーパッドで塞がれてしまい、音のバランスが悪くなるし、何より耳が圧迫されて痛みを感じる。不安定だが、ヘッドセットを首にかけてマイクを口元に伸ばすしかない。

 そこで活躍するのが、「CORAL」に付属しているヘッドフォンマイクだ。Xbox 360用のヘッドセットとは端子の形状が異なるものの、コントローラのヘッドセット端子にある2.5mmミニジャックへヘッドフォンマイクを差し込むことで利用できる。ヘッドフォンマイクの音質については担当所員自らチェックできなかったが、他のプレーヤーとボイスチャットを行なった限りでは、話の内容はしっかりと伝わっており、また、聴き取りにくさも感じられないとのこと。Xbox Liveで十分使えるレベルであることは確認できた。

振動の強さを水面の波紋でチェック。派手ではないが、くっきりとした波紋が発生するほどの振動が耳に直接伝わってくる
 そしてもうひとつ。ウーファーと連動する振動機能は、ハウジングそのものがウーファーの出力レベルに応じて振動する。この振動具合は、ハンディーリモコンのボリュームで調整可能。最大ボリュームにすると、特に爆発音では耳が痺れるほどの激しい振動が発生する。爆発時の地鳴りや空気の震えが再現されているわけだ。

 しかし、「バトルフィールド2 モダンコンバット」を1時間ほどプレイしていたところ、さすがに耳が疲れてきた。重低音のレベルと振動は完全に連動しているため、振動をカットしたいときは重低音のレベルを下げるしかない。できれば、振動のON/OFFがあれば嬉しかったところだ。

◆ 分解してみた

ヘッドフォンの右ハウジングを分解。各スピーカーの角度に注目して欲しい
 「CORAL」は、けっして大きいとは言えないハウジングの中に、40mmのスピーカー1つ、30mmのスピーカー3つをどのように配置しているのか非常に気になるところ。そこでハウジングを開き、内部をチェックしてみることにした。

 実際に確認してみたところ、ハウジングの上部にセンターとリアスピーカーが横に2つ並び、その下にフロントスピーカーが配置されていた。ウーファーに関しては、ハウジングの裏側に取り付けられている。また、センターとフロントスピーカーは前方に向けて約20度、リアスピーカーは後方に向けて約30度傾いており、ヘッドフォンという限られたスペースで音の移動感を再現しようという工夫が伺える。

 分解してみて初めてわかったことだが、このスピーカー配置の場合、フロントスピーカーの音が最も耳に届きやすいと言える。「バトルフィールド2 モダンコンバット」のデモ版をプレイしたときにわかった“センターとリアの音量に対してフロントを15%程度下げると音の前後が把握しやすくなる”というのも納得できるところだ。

◆ 比較してみる

 音の定位をしっかりと把握できた「CORAL」だが、気になるのは、2スピーカータイプのバーチャルサラウンドヘッドフォンとの差だろう。そこで、有線式のバーチャルサラウンドヘッドフォンとなるソニーの「MDR-DS1000」をチョイスし、「CORAL」と比較してみることにした。

「MDR-DS1000」

    メーカー:ソニー
    価格:オープン(購入価格:9,980円)
    ヘッドフォンの重量:約225g(ケーブル含む)
    ヘッドフォンのケーブル長:ヘッドフォンコード約2m
    対応フォーマット:ドルビーデジタル、ドルビープロロジックII、DTS
    周波数特性:12~22,000Hz
    付属品:ACパワーアダプター、角型光デジタルケーブル(1.5m)


写真は「MDR-DS1000」のパッケージ内容だ
 ソニーの「MDR-DS1000」は、同社のバーチャルホンテクノロジー「VPT」を採用したバーチャルサラウンドヘッドフォンだ。「CORAL」と同じく有線式で、ヘッドフォンとデコーダーボックスに分かれた構成になっている。ヘッドフォンは、左右のハウジングに1つずつ、計2つのスピーカーを利用した密閉型。ヘッドフォンの重さはコードを垂らした状態で約207gとなっており、「CORAL」に比べると約218g軽い。ヘッドバンドの長さは、左右共に4cmの範囲で10段階の調整ができる。

 デコーダーボックスは、光デジタル入力の他に、アナログ用の3.5mmミニジャックが用意されている。対応フォーマットは「ドルビーデジタル」、「ドルビープロロジックII」に加えて「DTS」にも対応。デコーダーボックス前面には定位感を高める「CINEMA」モードと、包囲感を高める「MUSIC」モードのエフェクトスイッチが設けられている。

写真は「MDR-DS1000」のヘッドフォン。イヤーバッドは後方のほうが高くなっており、イヤーパッド内に耳をすっぽりと収められる。圧迫感はほとんど感じることは無く、長時間装着していても疲れない
デコーダーボックスのサイズは縦12cm×横12cm×高さ3.9cm。前面には電源ボタン、エフェクトスイッチ、ボリューム、そしてヘッドフォン接続用の3.5mmミニジャックが2つ並んでいる。好みのヘッドフォンを利用できるのが嬉しい

 それでは早速、「MDR-DS1000」を使って「PGR3」をプレイしてみよう。今回は、定位感を重視するためエフェクトスイッチを「CINEMA」に設定した。また、「PGR3」のサウンド設定は「CORAL」をチェックしたときと同様だ。後方にライバルカーが迫ってくると、そのエンジン音が真横の斜め上から聴こえてくる。「CORAL」とは異なり、広い空間の中で音が鳴っているように聴こえるため、臨場感の高さを感じた。ライバルカーが後方から前方へ通り過ぎると、エンジン音は真横の斜め上から、前方に移動する。横から前方への音の流れ方は「CORAL」とほぼ同等だ。

 「バトルフィールド2 モダンコンバット」のデモ版ではどうだろうか。前方の音と後方の音を別々に聴くと、「PGR3」でテストしたときにもわかったことだが、後方の音は真横の斜め上から、前方の音は前方から聴こえるように感じるため区別が付く。しかし、後方からの音と真横からの音の区別は付けにくい。また、激戦になり3つ以上の方向から同時に音が発せられると音像がぼやけてしまう。音だけに頼ってプレイしていたところ、余計に混乱してしまった。しかし、広い音場が再現されており、距離感はつかみやすい。このように比較してみると、「CORAL」は音場が狭く、音の方向は認識しやすいものの、距離感は音の強弱のみで認識していたことがわかる。「CORAL」は移動感、「MDR-DS1000」は距離感の再現が得意という印象だ。


 「CORAL」と「MDR-DS1000」を使ってゲームをプレイしてきたが、「CORAL」はセンター、フロント、リアスピーカーから発せられる音を、耳を研ぎ澄まして積極的に聴き分けることで、音の方向を認識できる。音に対して能動的に捕らえる必要があるということでもあるが、特にFPSでは実際にゲームのスコアが上がるという効果を得られた。一方、バーチャルサラウンドヘッドフォンとなる「MDR-DS1000」は、音を聞き分けると言うよりも、臨場感を感じ取れるヘッドフォンだと感じられる。音の方向は「CORAL」ほどはっきりしないが、BGMや効果音、セリフなど、様々なサウンドでゲームの雰囲気を盛り上げてくれるゲームタイトルでは「MDR-DS1000」を使用したいと感じた次第だ。



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□オールエイのホームページ
http://www.alla.co.jp/
□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/

(2006年4月20日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]



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