★PCゲームレビュー★
アカデミー賞映画「ゴッドファーザー」をゲーム化
主演男優マーロン・ブランドの遺作、ここに
THE GODFATHER THE GAME |
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ジャンル:クライムアクション
開発/発売元:Electronic Arts
価格:39.99ドル(輸入版のみ、7,000円前後)
対応OS:Windows 2000/XP
発売日:発売中
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「THE GOD FATHER THE GAME」はその名前の通り、マリオ・プーゾ原作、フランシス・フォード・コッポラ監督の名作映画「ゴッドファーザー」をモチーフにしたゲーム作品だ。
あまりにも有名なクラシック名画のゲーム化作品ということだけでなく、映画で主演を務め、この作品でアカデミー主演男優賞を獲得したマーロン・ブランド自身がこのゲームに肖像使用を許諾し、自らの声をゲームに提供したということで、ゲームファンだけでなく映画ファンからも熱い視線が注がれている作品となっている。なお、マーロン・ブランドは2004年7月に他界しており、このゲームが遺作として残ることになった点も感慨深い。
今回のレビューではあまりにも有名な名画である故に、ゲーム内容についての紹介はもちろん、映画とゲームの関係についての情報を多く盛り込みつつ紹介して行きたいと思う。
■ 「ゴッドファーザー」のPART1をベースにしたストーリー
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マーロン・ブランド演じるゴッドファーザーこと、ビトー・コルレオーネ |
ゲームはシリーズ中最高の名作として称えられている「ゴッドファーザー」のPART1をベースにしたストーリー設定で進行する。
舞台はニューヨーク。年代設定は1945年から50年代。第二次世界大戦後の混沌としたニューヨークをイタリアン・マフィアが牛耳始めた時代。ニューヨークを牛耳るマフィアとして登場するのは、映画でスポットライトが当てられるコルレオーネ家を含む5つのファミリーだ。コルレオーネ家の他には、映画で敵役として描かれるタッタリア家、この他、ストラッチ家、クネオ家、バルツィーニ家も登場する。ゲームの世界においても、この5大ファミリー間で、表向きは静かながらも、水面下では激しい互いの勢力争いが行われているという状況設定になっている。
映画の題名にもなっているゴッドファーザーは、コルレオーネ家のボスであり、前述したようにゴードファーザー役を務めたマーロン・ブランド自身の顔を忠実に再現したキャラクターがゲーム内に登場する。声も本人のものということになっている。
この他、劇中のトム・ハーゲン役をロバート・デュバル、ソニー・コルレオーネ役をジェームズ・カーン、サルバトーレ・テッシオ役をエイブ・ビゴダなどが役者自身の“出で立ち”でゲーム中も登場し、なおかつ自身の声が当てられている。その他の主要劇中キャラクターについても、声は物まねを起用しているようだが、肖像権使用許諾は得ているようで、グラフィックスに関しては劇中の役者そっくりの風貌に再現されている。
さらに、ゲーム中、映画のシーンの再現も数多く見られ、これもよくできている。さすがに映画と見間違うまでのリアリティはないものの、ファンが思わずニヤッとしてしまいそうなこだわりの演出が随所に見られるのだ。
本作はゲーム作品ではあるが、映画ファンをかなり意識した制作が行なわれたようだ。役者の演技そのものをみたかったり、ストーリーだけを追いたければ映画本編を見ればいいわけだが、ゲーム内で「ゴッド・ファーザー」の世界感を楽しむ上で、この「本物感」は重要だ。その意味で、このこだわりはいい方向に作用していると思う。
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アル・パチーノ演じるゴッドファーザーの息子、マイケル・コルレオーネ。映画ではゴッド・ファーザーの称号を受け継ぐはずだが……? |
ジェームズ・カーン演じるサンティノ・コルレオーネ。お調子者のようだ |
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ゴッド・ファーザーを逆恨みして窮地に陥れようとしたアル・レッティエーリ演じるバージル・ソロッツォも登場。もちろんコイツはあの方に殺されます |
映画通りのご本人キャスティングが実現できた組み合わせについて、ゲームのクレジット画面でも、ちゃんと報告されている |
■ 主人公は無名の一青年。彼に待ち受ける人生やいかに!?
ゲームでプレーヤーが演じることになるキャラクタは、劇中に登場する役ではなく、ましてやゴッド・ファーザー自身でもない。プレーヤーはコルレオーネ・ファミリーに属する、名もない一青年役を演じることになる。
ゲームのオープニングムービーではプレーヤー扮するキャラクタが、幼少時にマフィア抗争に巻き込まれて父親を失うシーンが描かれており、青年期になってもフラフラしている息子の行く末を心配した母親がマーロン・ブランド演じるゴッドファーザーに息子の身の振り方を相談するところからゲームが始まる。「ゴッド・ファーザー」とは、マフィアのドン(ボス)という称号の意味合いもあるが、それよりも一族(ファミリー)の長という認識も強く、このような親族からの相談事を聞くことも仕事であったようだ。
ゴッド・ファーザーは、この未亡人の願いを聞き入れ、名も無き青年=プレーヤーキャラを不憫に思って、映画にも登場したレニー・モンタナ演じるルカ・ブラジに教育役を命じるのである。序盤、ブラジはプレーヤーにゲーム内ルールを教える先生役として、また、プレーヤーをゲーム“ゴッド・ファーザー”の世界に引き込むための水先案内人としての役割を果たしてくれる。
さて、「プレーヤーが劇中のキャラクタになれないということはゴッドファーザーの世界観を借りただけの外伝なのか」と心配してしまう映画ファンもいるかもしれない。しかし、そのあたりは心配ない。映画で描かれた数々の名シーンは、イベントやクエストとして登場するのである。
映画で描かれていた印象的なシーンの裏側で、実はプレーヤーキャラクタがこんな冒険をしていたという切り口になっているのだ。確かに外伝といえなくもないが、映画のメインストーリーの向こうではこんなことが起こっていた……という切り口で描かれるため、ただ映画のストーリーをなぞるよりも、映画ファンとしてはマニアックな楽しみ方ができるはずだ。
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オープニングシーンより。息子の行く末を心配して未亡人がゴッドファーザーに相談する
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プレーヤーの教育係に抜擢されたのはゴッドファーザーからの人望も厚いレニー・モンタナ演じるルカ・ブラジ
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敵対ファミリーのレストランに爆弾を仕掛けるミッション。映画さながらのマフィア抗争がファミリーメンバーの視点で楽しめる
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■ 凝りに凝りまくったキャラクタ・メイキング、特徴的な操作系
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デフォルト状態のプレーヤーキャラクタ |
ゲームを開始してまず最初にプレーヤーがやることになるのは、「名もない青年キャラクタ」のキャラクタメイキング。これがやたらと凝っていて、キャラクタの風貌や体型を設定できるだけでなく、髪型、眉、目鼻顔の位置や形を細かく設定できるのだ。オンラインゲーム並、あるいはそれ以上に事細かく外見をカスタマイズできるのである。オンラインゲームでもないのにここまでキャラメイクに拘っているのは「ゴッドファーザーの世界に自分の分身を登場させてみては?」という提案なのだろう。ただ、いかんせん、北米のゲームなので、なかなか日本人っぽい東洋顔を作るのは難しかった。
ゲームは基本的には三人称視点で進行する。日本人にも取っつきやすいタイプだ。しかし操作系は少々変わっている。[W][A][S][D]キーで移動というのは一人称シューティング(FPS)タイプゲームに準拠しているが、ジャンプアクションはない。攻撃はマウス右ボタンで、対象をロックオン、この状態で素手の時に左クリックをすると相手を鷲掴みして捕獲する。ここで攻撃アクションの[E]ボタンを押すと殴るのだが、この時マウスを左右に動かすと相手を背景物に叩きつけたりの自動アクションが発生し、マウスを上下に動かすとボディブローが出たりする。移動キーでも同様の打撃アクションが自動的に発生するので、相手を掴んでからはマウスやキーボードで、ジェスチャーアクションを入力するといった感じになる。
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目鼻立ちから髪型まで自由自在に変更可能 |
体型も変更可能。ちょっと太めにするとイタリアンマフィアっぽくなる |
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自分の顔写真を見ながらできるだけ東洋人らしい顔立ちにカスタマイズしてみた。ちょっとセガの「ルーマニア」っぽい?
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右クリックで掴んで左クリックで捕獲。あとはジェスチャー入力で敵をボッコボコ。机の回り片づけるか、ジョイパッドを使うべき
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銃器を構えていたときには、マウス右ボタンで攻撃対象に照準が自動マークされ、銃撃自体はマウス左クリックで行なう。照準ロック状態から右ダブルクリックするとロック対象を順送りに切り換える操作になる。
キーボードとマウスでは両手をフル稼働しなければならず、やや取っつきにくい操作系となっている。これは、このゲームが、もともとPS2やXbox/Xbox 360といったコンソール機のために開発され、そうしたコンソール機のジョイパッド向けの操作系を無理矢理(?)キーボード/マウスに割り当てた弊害だろう。
なお、筆者の所有するMicrosoft Xbox 360 Controller for Windowsを接続してみたところ、ちゃんとこのパッドに対応しており、こちらでプレイした方が遙かにプレイしやすかったことを付け加えておく。
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マウスで自分の意志で照準を合わせることもできるが、右クリックの自動照準システムを使った方が楽 |
この半自動銃撃システムも慣れてくると、なかなか楽しい |
意味ありげに背景に給油所が。あえて自分の意志で照準を合わせてガソリンタンクに撃ち込めば敵をまとめて撃破できる |
■ あなたにもできるニューヨークでの成り上がり方
プレーヤーは、ゲーム開始直後、'50年代のニューヨークに放り出されるが、当面は親分(先生)役のルカ・ブラジに弟子入りする格好になるので、「何をしていいかわからない」ということはない。
恐喝の仕方から、銃器の取り扱い、格闘戦の進め方などなど、この町でマフィアとして生き抜くための「いろは」を、ゲーム中の操作方法と一緒に教えてくれるのでとても親切なのだ。このあたりの至れり尽くせり感は日本の万人向け作品に見劣りしない。
ゲームの究極の目的は、自分がコルレオーネ・ファミリーのトップになって、さらにはニューヨークの裏社会の全てを手中に収めること。映画ではアル・パチーノ演じる、ゴッドファーザーの息子、マイケル・コルレオーネがラストでゴッドファーザーの称号を受け継ぐが、ゲームと映画ではラストを変えている。ゲーム中盤あたりまでは映画のストーリー・イベントをなぞっていくが、後半は「if」の世界に突入していくことになるのだ。
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ゲームの保存はアジトのベッドで。セーブが随時できないのがPCゲームとしてはちょっとつらい |
ゲーム進捗度メーター。ファミリー内のランクを最高位に上げて、敵ファミリーを殲滅させればニューヨークのドンとなる |
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ランクが上がってカリスマが身に付いてくれば話しかけるだけで“みかじめ料”契約が成立することも |
では、どうやって成り上がっていけばいいのか。そのためにはコルレオーネ・ファミリーからの信頼度を上げ、ニューヨーク住民からの認知度を上げ、いわばファミリーメンバーと周辺住民への影響力を強めていかなければならない。ファミリーへの貢献度を上げるために重要となるのは、どれくらいファミリーに金をもたらすかということ。
ニューヨーク・マフィアの主収入源は日本の暴力団とあまり変わらない。縄張り内に点在する商店を訪れ、「うまく商売できるように守ってやるから金をよこせ」と言いがかりをつけて金をゆすり取っていくことになる。そう、「みかじめ料」の要求だ。
各商店には店主がおり、ゲーム後半になると、こちらの地位や影響力に恐れ入って「話す」だけでみかじめ料の約束をしてくれるが、序盤はぺーぺーの若造なので、「出て行け」と強きに出られることがほとんどだ。
そこでどうするか。恐怖を店主に植え付けてやるのである。基本戦術は「払わないとこういうことが起きるぞ」という見せしめで、店内の設備を破壊したり、店主自身に暴行を加える。店主の体力ゲージには気力ゲージが設けられており、恐怖を植え付けることで気力が下がり、店主毎に設定された観念ボーダー以下に気力が下がれば屈服したことになる。店主自身は非戦闘員で弱いのであまり直接的な暴行を加えると死んでしまうので注意したい。
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最初は説得しても無視されるので、「無視するとこうなるぜ」と言わんばかりに店内を破壊しよう
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「わかった、払うからもう辞めてくれ」と観念する店主。鬼の商売だ |
店によっては、既に敵対しているファミリーの配下となっている場合もあり、ここの店主に「みかじめ料」を要求すると、その場にいる敵対ファミリーの団員との戦闘になる。
敵配下の店の獲得は、その場にいる敵団員を全滅させなければならず、かなりの重装備であること、そして特徴的な銃撃システムに慣れていないと難しい。ちなみに目の前で敵対するファミリーとのドンパチを始め、マフィアや周囲の一般市民が次々に死んでいく姿を見せても店主の気力が下がるようだ。このあたりは「残虐」と「笑い」のスレスレの表現といえる。
さて、屈服した店主はゲーム内時間で1週間おきにある額を振り込みを行なうようになり、また、マップ上のその店の位置には配下となったことを表す、ファミリーアイコンが描き出される。マップ上にファミリーアイコンが増えていくことが実質的な縄張り拡大になり、なおかつ市民への影響力も高まっていくのだ。
縄張りを拡大し、上納金が一定額以上になるとイベントが発生し、映画で活躍するキャラクタ達からクエストを依頼されることがある。それは、敵対するファミリーのキーマンの暗殺だったり、映画で描かれたイベントにまつわる「仕事」だったりする。
たとえば、映画の中で、ゴッド・ファーザーが寵愛していた若手俳優のジョニー・フォンテインのハリウッド映画主役抜擢を拒む映画プロデューサ、ジャック・ウォルツに対し、その寝床に馬の生首を置くという衝撃のイヤガラセ・シーン。ゲーム内クエストでは、あの馬の生首を用意したり、護衛厳しいプロデューサの寝室に置いて帰ってくるといったことが体験できるのだ。
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店によってはその奥に闇カジノを運営しているところも。闇カジノの元締めを配下に買収して売り上げの上前をはねるのもひとつのビジネス
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ハリウッドにやってきたプレーヤーキャラクタ |
馬の生首を入手するミッションだ。スプリンターセルライクな潜入ゲームテイストになっている |
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潜入ミッションではもはや別ゲーム。忍び寄ってワイヤーで警備を絞殺せよ!
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馬の生首を作り出したら(!)、今度はプロデューサの寝室へ運べ! このミッションには老人の相棒が付く。見つかったらゲームオーバー |
■ 自由と縛りの調和で展開するゲーム進行
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パーティ中に悪徳警官に踏み込まれてしまう主人公。こうなってはダメだ |
ストーリーを進めていくこともこのゲームの楽しみのひとつだが、自由度の高いシステムそのものを「楽しむ」というのもこのゲームの醍醐味だ。
たとえば、町を徘徊する怪しげなトラックを試しに襲撃して見ると、中から敵対ファミリーの手下が飛び出してくる。そいつらを撃退すると、トラックのドライバに尋問が可能になり、その敵対ファミリーの新しいアジトのありかを漏らしてくれたりする。
町にいる警官に話しかけて賄賂を渡しておけば、みかじめ料請求時のちょっとした暴力による軽犯罪(?)も見逃してもらえたりもする。
ニューヨークの裏通りには闇商人も大勢いて、話しかけてみれば、銃器の改造をしてくれたり、弾薬や全く新しい武器を売ってくれたりすることもある。とにかくゲーム内に再現されたニューヨークは自由度が高く、プレイするたびに新しい発見があるのだ。
自由度が高いゲームは往々にして何をしていいかわからないという局面に遭遇することもあるが、今作の場合、ゲームの進行にかかわるヒントは、ゲーム内各所に設置されている電話機で聞くことができるし、ゲーム進行の鍵を握る脇役キャラ(NPC)には、ゴッドファーザーのロゴにある「操り人形マーク」が点灯しているので一目瞭然。
ニューヨークの裏社会生活を楽しみたければ、適当に楽しめばいいし、ストーリーを進めたければ電話機を使いまくってヒントを聞き出し、「操り人形マーク」付きのNPCに会話しまくればいい。ストーリー進行による“縛り”と高い自由度が、ほどよくバランスされており、本作は「遊びやすいゲーム」となっているのである。
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悪徳警官に賄賂を渡して買収。この町で物を言うのは金だ |
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裏通りの人通りも寂しいところに闇商人はいる。武器はここで買うべし |
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何をすべきかは電話で指示が来る。日をあけてプレイを再開したときにもこれは便利 |
ゲーム世界のニューヨークにも昼夜の概念がある。遠くに輝いて見えるのはエンパイアステートビルだ |
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'50年代のニューヨークの街並みを忠実に再現。NPCも多く、町の活気すら感じる。左奥に見えるのがゲーム進行の鍵を握る操り人形マーク付きのNPCだ |
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早朝のニューヨークを車で移動。人通りや車の数も少ない |
町には鳩が飛んでいて、ときどき舞い降りてエサを突いていたりする。細かい描写には恐れ入る |
■ キャラクタの成長、そしてカーアクション
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マイキャラのレベルアップシステム。このあたりはRPGライク |
プレーヤーキャラクタは、上納金額の向上やファミリーから依頼されたイベント・クエストのクリアなどによって、ファミリーに対する貢献度が評価され、ファミリー内ランクが向上していく。ランクが向上すると影響力も高まるので縄張り拡大がやりやすくなったり、怪しげな人物が新しく登場して新しい仕事を持ってきたりするようになる。このランクシステムは実質的なゲーム進捗度を示しているという感じだ。
また、戦闘や縄張り拡大をこなして行くにつれてスキルポイント(経験値)が蓄積され一定レベルに達すると、プレーヤーキャラクタの体力、銃撃、格闘、速度……といった任意の能力を1段階上げることができる。こちらは一般的なRPGにおけるキャラクタのレベルアップのイメージに近い。
ゲームが進むと、5大ファミリー間の抗争は激しさを増していくわけだが、敵対ファミリーに大打撃を与えるには、敵ファミリーの倉庫を攻略/占拠することだ。その護衛はすさまじく厳重で、仲間を率いて攻め込める場合もあるが、あくまで補助的な行動しか取ってくれないので、頼りになるのはマイキャラの“重装備”と、そして“それなり”のゲームプレイ技術ということになる。
ランクが上がってゲームが進むと、これまでは関係の薄かった区画での仕事も増え出し、行動範囲も次第に広くなっていく。実際、ゲーム中のニューヨークは、かなり広い。さすがにニューヨーク全域は再現されていないが、映画本編と関係の深いリトルイタリー地区を中心に、約6km×6kmからなる地区を実スケールにてゲームに実装しているのだ。しかもデータの読み込みは動的に行われるので、移動中も、そのつながりはシームレスに行なわれる。
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ニューヨークのナイトライフも経験可能。お世辞で攻めるか積極的に出るか……。ものにした女の数は周囲の尊敬を集めることができる! |
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ほぼ実寸で再現された広大なニューヨークマップ。もちろん全域ではないが映画に登場した地域はほぼすべて網羅している |
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夜のマンハッタンブリッジを爆走。ちゃんとマンハッタンブリッジを渡ればブルックリンにも行ける!! |
近場の移動は徒歩で問題ないが、この広さなので地区から地区への移動は車を利用しないと、時間が掛かって仕方がない。車はこのゲームの重要な移動手段であり、よほど近場へ向かうという場合を除き、基本的には車を利用することになるのだ。
プレーヤーは自分のアジトには最初から一台車が与えられているが、「GTA」のように路駐の車を適当に奪っても構わない。町を牛耳るマフィアなので、住民はそういったことは目をつぶってくれるのだ。ただし、買収していない警官に見られると厄介なことになるということだけは言っておこう。
車の存在が重要なゲームだけに、ゲーム中は車を使ったイベントやミッションも盛りだくさんだ。あるヘマをやらかしてパトカー軍団から逃げるミッションなどは、この広大なゲーム内ニューヨーク全域を使って、映画さながらの迫力のカーアクションが展開される。一般市民が歩き、一般車両も徘徊しているニューヨークの中を、パトカーとボディを擦りつけ合って時速100km以上で爆走するのは実に痛快。広大なゲーム内ニューヨークマップは、大都市で暮らす臨場感の演出のためだけでなく、カーアクションをダイナミックに再現するのにもなくてはならなかったのだろう。
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クエストイベントで挿入される迫力のカーチェイスシーン。目的地まで逃げればクリアとなる |
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このゲームでは警察は基本的に敵役だ。追われたらとにかくパトカーを押しやり、警察官を撃ちまくり、逃げるべし。逃げまどう一般市民を轢いても、それは「事故」だ |
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とある重要人物の逃亡を助ける主人公。“あの”脱出劇を支えていたのはプレーヤーだった! という感じで楽しみたい |
ゲームとしてのゴッドファーザー。本作は一言で言ってしまえば'50年代設定の「GTA3」タイプのクライムアクションゲームということになると思う。
ただし、EAパワーにより実現した、俳優再現キャラクタ導入と俳優本人自らのものも含まれる音声セリフの起用、そしてオフィシャルのサントラからの音楽使用も相まって、映画「ゴッドファーザー」の荘厳な雰囲気は全編を通して至る所からにじみ出ている。その甲斐あってか「GTA3」クローンというイメージはあまりない。
実際、ファミリー間抗争付きの縄張りシステムやプレーヤーキャラクタの成長システム、攻撃システム、ド派手なカーアクション要素など、ゲームシステムにもオリジナル要素が目立つ。「GTA3」タイプのゲームではあるが、GTA3クローンではない。そんな評価が妥当ではないだろうか。
ゲーム内容そのものもエンターテインメント性に富んでおり、「プレイしていて楽しい作品」になっている。しかし、やはり、今作を100%楽しむためにはPART1だけでも映画を見ていなければならないだろう。若い人であれば、このゲームをきっかけにして映画を見るのもいいと思う。
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悪徳警官を事故に見せかけて成敗するクエスト。花火の爆音にかき消される悲鳴。儚くも美しい音楽の挿入。ハードボイルドなゴッドファーザーの世界を堪能あれ |
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【THE GODFATHER THE GAME】
- CPU:Pentium 4 1.4GHz以上
- メモリ:256MB以上(512GB以上推奨)
- HDD:5GB以上の空き容量
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□Electronic Artsのホームページ
http://www.ea.com/
□「THE GOD FATHER THE GAME」の公式ページ
http://www.ea.com/official/godfather/godfather/us/home.jsp
(2006年4月20日)
[Reported by トライゼット西川善司]
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