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2007年3月までに、松下電器が開発したデジタル家電向けプラットフォーム「Unifier(ユニフィエ)」上に、スクウェア・エニックスが保有するソフトウェア技術を活用したミドルウェア「SEAD Engine」を共同で組み込むことで、デジタル家電上でのシームレス・コンテンツ利用の技術・ノウハウを構築していくとしている。 「ユニフィエ」は2004年に発表された。デジタル家電プラットフォームとして、商品分野を超えて、ソフトとハード資産を共有、従来のノンプラットフォームと比べ、開発効率が5倍に向上するというもの。ネットワークを介したコンテンツのダウンロードやアップロードに対する著作権保護やDRMといったセキュリティ機能を備え、メディアプロセッサ(共通のアーキテクチャを持つ4つの基本システムLSI)を中心としたスケーラブルなハードプラットフォームとして、TVやカーナビ、携帯電話などに利用される。実際、松下製液晶TVやカーナビ、SDカードムービーなどにすでに組み込みが始まっている。 その上に乗る「SEAD Engine(Square Enix Application on Demand Engine)」は、スクウェア・エニックス子会社のUIEvolutionが開発した「UI Engine」をベースに、「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」シリーズをはじめとするゲームコンテンツの開発とともに蓄積されたグラフィックス/GUIの製作技術やノウハウ、そしてゲーム端末を含めた組み込み機器向けシステムソフトウェアの開発技術、ミドルウェアやツールなどのアプリケーション開発能力の蓄積から、デジタル家電という新しいマーケットへ向けて多種多様な端末へコンテンツを同時提供するためのミドルウェアとなる。 「SEAD Engine」は、グラフィックス、サウンド、非同期通信機能などの双方向アプリを実行するために必要なソフトウェア、そしてPCエミュレータ、コンパイラ、デバッガ、オーサリングツールなどの開発環境が統合された形で提供される。家電メーカー側にとっても、リッチなGUIを制作したり、多方面の端末に対するソフト開発のコストを軽減するものになる。また、コンテンツプロバイダ側も、多機種からの移植が楽になるという。
両社は、2006年上半期にプロトタイプを完成させる予定。その後、開発・利用環境の構築フェーズを経て、他企業に対する提案を含めて、2007年下期にはソリューション提供を開始する予定と和田社長は述べていた。
古池氏は、「まずは環境構築という話になるが、テレビや携帯電話の一部機種にSEAD Engineを利用できるのではないか」とした。これにより、「技術的にもTVはリビングの中心になり得る製品だと考えている」と延べ、和田氏もそれに賛同。「コンテンツを同時に提供できることで、気持ちの連続性が確保できる」としていたが、具体的なコンテンツ案などは提示されなかった。
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□松下電器のホームページ (2006年4月7日) [Reported by 佐伯憲司]
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