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入学式ではまず、同校学長の平野雅一郎氏が挨拶。「この学校は厳しい面もあると思うが、学ぶのはみなさん自身。入学から4カ月でどれだけ頑張れるかが大切。素晴らしい企業の一翼を担えるクリエイターになってほしい」と入学生を激励した。
続いては、来賓と株主代表からそれぞれ2名ずつが挨拶。話の切り口こそ違うものの、内容は一様に、「世界に通用する作品を作って欲しい」、「世界の人たちと競っていることを常に意識して欲しい」といったもの。「日本のゲーム作品が、海外では縮小傾向にある」という話も聞かれるなど、国内に留まらず、海外でも認められるような作品を求める業界の声が、ダイレクトに入学生達へ伝えられた。
題目はやや堅いが、実際はゲーム制作の予備講義とでもいうようなもの。まず「ファイナルファンタジーX」を題材に、どのようなスタッフが制作に携わっているのかが紹介された。特にプロデューサー業務については、200人ものスタッフのモチベーションを保つ話や、「スタッフが多い分、制作期間が1カ月伸びるだけで、膨大な予算が必要になる」といった予算管理の話など、実際の苦労話も語られた。 さらに橋本氏は、「うちのような大規模な制作では、うんざりする人もいるだろうが、小規模でも十分にチャンスはある」と、現在のニンテンドーDSタイトルの人気を例にとって語った。ただし、「シンプルな遊びほど、世界に通用するほどのものを作るのは難しい」とも付け加えた。 次の話題として取り上げられたのが、「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」。こちらは欧州での映画祭や上映会で大いに盛り上がっている様子を撮影したビデオを見ながらコメント。「スペインやフランスでは、日本文化が人気。ゲームやマンガ、音楽など、日本のソフトは世界中で十分に認知されている。性別や年齢、国境はもう関係ない。人の心にささるものを作れば世界に通用する」と、その体験から感じたことを語った。
そしてまとめとして、「ダージュ オブ ケルベロス -ファイナルファンタジーVII-」のプロモーションビデオを上映。ゲーム画面とプリレンダリングのCGアニメーションの両方を組み合わせた映像に、Gacktさんの楽曲が乗ったもの。「これには今日言いたかったことが全て含まれている。CG技術については、今は世界に向けて十分に胸を張れるレベルだと思う。そしてGacktさんとのコラボレーションにより、効果的なプロモーションができた。ゲームは総合的な力でできているんだということをわかってほしい」と、プロデューサー的視点から入学生達に訴えた。
(2006年4月6日) [Reported by 石田賀津男]
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