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シリアスゲームとは、ゲームをエンターテイメントのみに留まらず、教育や啓蒙活動、さらには広報活動など、多方面に活用する狙いを持たせたもの。一般への認知度はまだまだ高いとはいえないものの、最近は世界的な広がりを見せており、学術的な研究会も開かれている。 SGラボは、スクウェア・エニックスが60%、学研が40%を出資して設立される。社名は、シリアスゲーム(Serious Game)の頭文字を拾ったものであるとともに、スクウェア・エニックスと学研から、頭文字のSとGを取ったものになっている。 発表会ではまず和田氏から、業務提携に至る理由が語られた。「シリアスゲームとエンターテイメントのゲームは違う。シリアスゲームの制作のために必要な知識やノウハウが必要になるが、ゲーム会社であるスクウェア・エニックスでは今から追いかけてもたいしたものにはならない。この分野で広く継続的に取り組んでいる学研さんというパートナーがいて初めて成立する」とした。 遠藤氏からは学研側の視点から、「学研が進めているクロスメディア戦略の中で、学研が持っていない表現メディアとしてのゲームの世界で、強力なパートナーが必要になっていた。スクウェア・エニックスさんは、ユーザーインターフェイスの設計、キャラクタデザイン、クロスプラットフォーム、オンラインゲームなどで卓越した技能を持っている」と提携の理由が説明された。 SGラボの業務については、当面は受注に特化してコンテンツを制作するという。現時点で確定しているタイトルはなく、これから営業をかけて受注を取るという段階とした。和田氏はこの点について、「こういった(シリアスゲームに関わるような)話は以前からよく耳にしていたが、学研やスクウェア・エニックスに対して言ってもいいかわからない状態だったと思う。今回の発表を受けて、こういう注文を受けられます、と晴れていえるようになる」と説明した。
また和田氏はシリアスゲームについて、「対象は幼児からお年寄りまで非常に幅広い。5年から10年で、メディアとしてのゲームが定着する可能性がある」と期待の高さを示した。さらに市場については、「この全てがシリアスゲーム市場になるとは思っていない」とことわりながらも、学習や研修のほか、医療や介護、企業広報、政府広報なども想定しているという。「シリアスゲームは今後、ひとつの産業になると思っているが、本業として本格的に参入する企業は世界的にもまだほとんどない。この産業ををリードしていく立場になりたい」と、大きな可能性を秘めた市場であるという考えを強調した。
□スクウェア・エニックスのホームページ http://www.square-enix.com/jp/ □学習研究社のホームページ http://www.gakken.co.jp/ □ニュースリリース http://www.square-enix.com/jp/company/j/news/2006/download/release_060322.pdf (PDF形式) (2006年3月22日) [Reported by 石田賀津男]
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