会場：めいど in じゃぱん

金子一馬氏

山井一千氏

　株式会社アトラスは、プレイステーション 2用RPG「デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団」の発売記念イベントを、3月2日に東京・秋葉原にあるアミューズメントカフェ「めいど in じゃぱん」にて開催した。

　このイベントでは、原案・アートディレクターの金子一馬氏と、ディレクターの山井一千氏が来場し、ファンの前でトークショーが行なわれた。開発陣を代表する2人だけに、ゲームの内容や開発に突っ込んだ話ももちろん聞けたが、大半はゲームを絡めたお笑いネタに。イベントは3回に分けられ、1回では40～50人くらいの参加者が入っていたが、トークショーならではの「金子ワールド」にファンも大満足という様子だった。

　トークで聞けた興味深い話を順番に紹介していきたい。まず今回、コマンド形式のRPGスタイルから、リアルタイムバトルなどより直接的な操作に変更した理由については、「自分が悪魔をこうやって使ってるんだぜ、というのをビジュアルで見せたかった」と金子氏が説明。こちらのほうがより「デビルサマナー」らしさが出せるという判断のようだ。

　舞台に大正時代を選んだ理由も金子氏が説明。「大正はロマンチックなイメージがあった。調べてみると、西洋文化と日本の文化がミックスしているけれど、どこかアンバランスという雰囲気がまたよかった」という。特にファッションについては、「着物にブーツ、といったミスマッチ感がいい。今回は落ち着いたモダニズムの中にキャラクタ性が出せればいいなと思った」とデザインのコンセプトを語った。

　デザイン面では、本作のライドウを含む、「女神転生」シリーズの主人公についても語られた。「僕の描く『女神転生』の主人公は、ぼけっとしたキャラクタが多いが、これはそこに感情移入してほしいと思っているため。ただ『デビルサマナー』は多少色が付いていて、全員ニヤッとしている」という。ちなみに着特典のCD「超力音源集」に3人のイラストが描かれているので、持っている方は3人の口元を確認してみていただきたい。

　タイトルにもなっている「超力兵団」については、「大正は時代の過渡期で、日本をよくしたいと思ってデモを起こしたりするような人がいた。でも中には迷惑な人もいたはず。それをモデルにしたわけではないけれど、『超力兵団』を組織した人も、『世の中をこうするんだ!』といって突っ走った結果、こうなった。ただ『女神転生』なので、悪魔の力を借りて色々なことをしている」という。また「超力兵団」として登場する赤い服のキャラクタは、都市伝説の「赤マント」にかけたストーリーが展開するそうだ。

　このほか、「彼らの組織は何でも『超力』がつく。戦車も『超力戦車』だし、今回のCDも『超力音源集』だし」という笑い話や、ポスターを指差して「何日か後にクリアされると思いますが、これ結構ネタバレしてますよ」という話も。

トークはいつのまにか、金子氏が喋り、山井氏が合いの手を入れるという展開に

　開発面では山井氏から、「開発期間は2年以上。その間に3本くらい、全然違うゲームを作ったようなもの」と語られた。金子氏によると、初期のバージョンは「ゾンビが街中を歩いていて、ライドウが斬ると手が切れて、その手がまた襲ってきて……」といった内容だったという。製品版でも街中で悪魔を召喚することになるのだが、その辺りには開発陣の中で線引きがあるらしい。

　ゲームから少し逸れて、メディアミックスでの展開について、「『女神転生』や『ペルソナ』をノベライズなどしても、基本は同じ話になってしまうが、ライドウなら『007』みたいなキャラクタにしてしまえば、色々な事件をまた別の話として作れると思う」と金子氏が意欲的な姿勢を示した。具体的に進んでいる話もあるそうで、「決定ではないが、じわじわ進んでいる。私も期待しているので、みなさんにも是非期待して欲しい」とも語っていた。

　イベントはトークの後も、じゃんけん大会やサイン会が行なわれ、さらにはゲームに登場する大道寺伽耶に扮した野水伊織さんの「めいど in じゃぱん」テーマ曲・デビルサマナー替え歌版が披露された。サイン会では用意されたサイン色紙にその場でサインしながら、来場したファンと直接話をして、最後まで熱気のあるイベントとなった。

じゃんけん大会は、ゲームに登場する大道寺伽耶に扮したスタッフが担当	「めいど in じゃぱん」の替え歌は「女神転生」ファンにしか通じないようなコアな歌詞だったが、野水さんの自作らしい	サイン会は用意された色紙のほか、発売イベントということで、ソフトやCDなどにお願いするファンが多かった

□アトラスのホームページ
http://www.atlus.co.jp/
□「真・女神転生」シリーズのページ
http://www.megamitensei.jp/
□「デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団」のページ
http://www.atlus.co.jp/cs/game/pstation2/summoner/
□関連情報
【2月23日】アトラス、PS2「デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団」
オープニングムービーと特典CDの楽曲を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060224/devil.htm
【2月23日】ビックカメラ、PS2「デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団」
金子氏、山井氏を招いての発売記念イベントを開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060223/devil.htm
【2月17日】アトラス、PS2「デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団」
「めいど in じゃぱん」にて発売記念キャンペーン&イベントを開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060217/devil.htm
【2月10日】アトラス、PS2「デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団」
先着購入特典の内容を公開。体験会も開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060210/devil.htm
【1月13日】アトラス、PS2「デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団」
3月2日発売決定。先着特典にシリーズ3作の楽曲CD
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060113/devil.htm
【2005年12月7日】アトラス、正式タイトル決定!
PS2「デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051207/devil.htm
【2005年9月18日】「東京ゲームショウ2005」ブースレポート
～トミー、アトラス、コーエー編～
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050918/tmatk.htm

(2006年3月2日)

[Reported by 石田賀津男]