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★オンラインゲームレビュー★

「かわいらしさ」と「手軽さ」が光る作品
MMORPG初体験にぴったりなカジュアルゲーム

「Xenepic Online」

  • ジャンル:MMORPG
  • 開発元:DNC Entertainment
  • 運営元:ゲームガーデン/NHN Japan
  • 価格:無料(アイテム課金)
  • 対応OS:Windows 98/Me/2000/XP
  • 運営開始日:11月2日(発売中)



 このところ、基本プレイ料金は無料、一部のアイテムが欲しくなった場合はアイテムを実際のお金で購入するという「アイテム課金方式」を採用したMMORPGが急増している。月額課金制からアイテム課金制に移行したタイトルも含めると、いまやポピュラーな課金スタイルのひとつといってもいいだろう。

 今回取り上げるのは、アイテム課金制のタイトルの中では、比較的カジュアルで初心者向きのMMORPG「Xenepic Online(ゼネピックオンライン 以下、XO)」。かわいらしくデフォルメされたキャラクタやモンスター、ポップで柔らかな色合いのほんわかとした雰囲気の世界、低スペックなPCでも十分に動作する良好なパフォーマンスなど、位置づけとしては非常にライトなタイトルだ。


■ 安心してプレイできるスタンダードなシステムとかわいらしいグラフィックスが魅力

淡いパステル調で描かれる世界はいずれもかわいらしい。見下ろし型の視点は360度の角度変更と、ズームイン/アウトが可能だ
 XOはNHNのゲームポータルサイト「ハンゲーム」のRPGタイトルとして「トリックスター」や「フリフオンライン」と共に運営されているMMORPGだ。ハンゲームは、自分のキャラクタにアイテムをつけて飾り付けるアバターシステムがあるが、XOもまた、気軽にプレイを楽しみ、キャラクタを育て、かわいらしいアイテムを装備させて楽しむ側面が強い。

 XOの舞台は、慈愛の女神ジュレアが作り出したというゼネピック大陸。女神に見守られながら、多くの生物と快適な気候を得て美しい大陸になっていったゼネピック大陸に、あるときモンスターが出現しはじめる。魔人と化した闘争の神ブルタンスの介入によるものだった。慈愛の女神ジュレアと戦闘の女神レルディエブという2人の女神と人々の中から登場した英雄たちの手により、ブルタンスは封印された。それから数百年後。再びゼネピック大陸にモンスターが現われはじめ、魔人の復活が人々の間でささやかれ始める。

 プレーヤーが冒険する時代は、女神と英雄たちが戦った数百年後。再びモンスターが現われ始めたところだ。ゼネピック大陸の各地には英雄たちの子孫がいる。ナイトのファウル・フォン・トラミス、魔術師のテオド・カストルレド、女神ジュレアの申し子レイナ、盗賊ギルドの後継者エステルといった彼ら子孫達も、本作のストーリーに重大な影響を及ぼす。

 本作は世界観からもわかるとおり、剣と魔法のファンタジー作品だ。ただし、中世風のがっしりとしてリアルタイプのものではなく、ポップでかわいらしいキャラクタと敵、緑の広がる世界を舞台にしたライトなファンタジーだ。

 冒険者はまず街のNPCからクエストを請け負い、フィールドで敵と戦いドロップ品を手に入れて装備を整える。レベルが上がると基本職業であるゼニアンから転職が可能。レベル31で可能になる1次転職では、武器と防具で直接的に戦うファイター、魔法による攻撃で戦うマジシャン、すばやい動きと攻撃回数が特徴のローグ、回復魔法を駆使するアコライトといった職業に転職が可能。さらに先には2次転職、公式サイトでは4次転職までが公開されており、成長に応じて枝わかれしていく。ただし、プレイした段階では2次転職までが実装されており、3次、4次転職は今後実装される見込みだ。

 基本的なキャラクタの成長システムはレベル制を採用している。これに加え、街中のNPCより購入可能なスキルがある。スキルには実行することでアクションを起こすアクティブスキルと、習得することで自動的にキャラクタを強化するパッシブスキルがある。

 戦闘システムは、マウスクリックでターゲットを選択するとあとは自動的に攻撃を行なってくれるというシンプルなもの。あとは戦闘中にタイミングを見計らってアクティブスキルを使用して、特殊な攻撃や魔法を発動させるだけ。数あるMMORPGの中でも、最も多くのタイトルに採用されているものだけに、悩むことなく、覚えることも少なく、すぐさまプレイに入ることができる。この取っつきやすさと敷居の低さがXOの強みであり魅力といえる。

上段は、スキル販売員よりスキルを購入し、別のNPCとの会話でスキルを登録しているところ。アクティブスキルはスキルウィンドウやショートカットキーで使用可能だ。下段は実際に戦闘中に使用しているところだ。戦闘は自動攻撃で行なわれ、ダメージのやりとりが視覚的に見える

最初に選択することになる街のひとつ、戦士の街「ブリンヒルド」。広場を中心に街が構成されており、剣をかたどったオブジェクトや彫像が印象的な街だ

こちらはもうひとつの街である魔術師の街「エスネ」。街の中心には宙吊りになった広場がある。広場の鎖もそうだが、武器屋の入り口にもギロチン風の飾りがあるなど、凝ったオブジェが見られる


■ かわいらしい敵と戦い転職目指してレベルアップ!

最初のゲームスタート時に訪れる場所。「インフォさん」や「ガイドさん」というNPCからレクチャーを受ける。この後に戦士の街か魔術師の街のどちらかに移動するかを選択する
 筆者は、床にWelcomeと書かれた敷物のある部屋からプレイがスタート。「インフォさん」や「ガイドくん」というわかりやすい名前のNPCが基本操作や遊び方をレクチャーしてくれる場所だ。部屋の床には階段の上へと導くかのような黒い足跡が2階に向かって伸びており、視覚的に進む方向が示されている。一通り話を終えると、戦士の街「ブリンヒルド」と魔術師の街「エスネ」のどちらかに転送してくれるという。この選択は今後の拠点、さらに転職の道を決定していくもの。慎重に決めたい。

 筆者が選択したのは魔術師の街「エスネ」。転送された先はエスネの中心にあるインテルラボルト広場という場所だ。白い風のような力が上方に吹き荒れ、鎖に繋がれたレリーフのある足場を浮かせている。街中を周ってNPCに話かける。途中いくつかクエストを依頼されかけたが、実際に受けてみようと会話の選択肢を選ぶとレベルがある程度必要なようで受けることができないものが多かった。その後プレイを進めてみると、レベルが上がることでそれまでには出現しなかったクエストが登場することもあった。

 街中を歩いてまず感じたことは、プレーヤーが多いことだ。最初にプレイを始めた時間帯は昼間だったにも関わらず、街にはバザーを出展している人も含めて、非常に多くのプレーヤーが行き来している。

 街中をあらかた見てまわった後は、外のフィールドに出て戦闘である。そしてレベルアップだ。ゼリー状の体をしているスライムや、犬のようで犬ではない愛らしい顔と体型をしたポコポコなどを次々に倒していく。近くに出現したドロップ品はAltキーで自動的に拾い集めてくれるため、敵を倒したあとに散らばったドロップアイテムをチクチクとマウスで拾い集めるような手間もない。傷つき消耗したヒットポイントは座ることでスピーディに回復される。

 ここで、少し嬉しい出来事が起こった。近くを通りかかった転職済みと思われるプレーヤーのかたが座っていた筆者のキャラクタにヒールをかけてくれたのだ。「がんばってー」と声を残してその人は走り抜けていった。これは俗に言う「辻ヒール」。オンラインならではのやりとりとして、ヒールするほうも、されるほうも嬉しいコミュニケーションの代表的なものだ。

こちらはもうひとつの街である魔術師の街「エスネ」。街の中心には宙吊りになった広場がある。広場の鎖もそうだが、武器屋の入り口にもギロチン風の飾りがあるなど、凝ったオブジェが見られる

戦闘で消耗したヒットポイントは座ることで回復を早めることができる。リラックスした姿勢で座る自分のキャラクタを見てるとなんとなくほのぼのとする


■ ゲームプレイがより楽しくなる課金アイテム

写真の中央にいるプレーヤーの足元から土煙が上がっている。移動速度アップのアイテムを使用している状態だ
クマに頭をかじられているようにも見えるが、これが課金アイテムのひとつ「マスク・オブ・クマー」だ。見た目はかわいいが防御力は結構高い
 ある程度レベルが上がり、ゲームに馴染んできた筆者が次に興味をもったのは「課金アイテム」。課金アイテムの購入はゲーム内のメニューからいつでもやりとりが可能だ。購入する通貨は「Xenepic Point」というバーチャルな通貨。このXenepic Pointは、ハンゲームで使用されている「ハンコイン」で購入可能だ。アイテムの購入はいつでも行なえるが、Xenepic Pointの追加購入を行なうには一端ログアウトする必要がある。

 アイテム購入のウィンドウを覗いてみると、時期によって変化するオススメ商品やイベント商品といったものを販売している「メイン」、ステータスブースト系のアイテムなど消耗品を扱っている「消費」、武器、防具、アクセサリを扱う「装備」といったものがある。他にも、「他」、「ペット」、「スペシャル」といった項目もあるが、プレイ時にはこの項目で販売するアイテムはまだ用意されていなかった。

 筆者がまず購入したのは、3日間取得する経験値が2.5倍にアップする「ある開拓者の記録」というもの。価格は700XP(700円)だ。さらに3日間移動速度をアップさせる「シルバーダッシュキャンディー3」も購入。こちらの価格は200XP(200円)なり。

 購入後はさっそくインベントリに入った課金アイテム2つを使用してみた。すぐに体感できたのはシルバーダッシュキャンディー3の効果だ。移動速度が9ポイントアップする、というアイテムの説明にある「9ポイント」とはどれほどのものなのだろうか? と考えていた筆者だが、これが速い。通常時の移動速度と比較して体感的に3、4倍は速くなっているのではないだろうか。グラフィック的にも通常時には見られなかった土煙が上がるようになった。

 戦闘をしてみると、取得経験値アップの効果も体感できた。2.5倍の速度でぐんぐん経験値が貯まっていく。アイテム課金のゲームでは、こうしたステータスアップ系のアイテムは主流であるのは知識としては理解していたものの、こうした方式に慣れていない筆者は「本当にこんな効果を得られていいものなのだろうか? 」とちょっと驚くほどだ。

 あらためてまわりを見渡してみると、結構な数のキャラクタが土煙をあげながら高速移動しているのがわかる。驚いたのは最初だけで、次第にアイテム課金世界の仕組みに慣れてきた。続いて頭に装備する防具「ネコ耳」300XP、同じく「マスク・ザ・クマー」というクマの被り物のような防具を300XPで購入した。購入後、早速かぶってみるとかわいらしいキャラクタがさらにかわいらしくなる。プレイ前には予想していなかったが、かわいいアイテムを装備した自分のキャラクタを見ると、けっこうな満足感がある。オンラインRPGの魅力のひとつである「自分のキャラクタをかっこよくorかわいくする」という楽しみが満たされる感触だ。

 課金アイテムの初体験を終えて、戦闘に明け暮れさらなるレベルアップを目指す。いくつものフィールドを奥へ進んでいくと敵も強く、多彩になっていく。印象深かったのはムーンベアーという命をもったクマのぬいぐるみのような敵だ。その外見のかわいらしさもあるが、戦闘を開始すると、もう一体のクマを召喚してくるのだ。ちなみにムーンベアーや召喚されたお供のクマを倒すと、背中からワタのようなものが出て倒れてしまう。やはりぬいぐるみなのだろう。

 レベルアップと共に装備可能なアイテムが増え、街のNPCやプレーヤのバザーで販売しているアイテムを購入してキャラクタを強化していく。いくつかのスキルも習得し戦いのバリエーションも出てきた。レベルが20近くなってきたあたりで見かけるようになったのは、襲い掛かってくる敵を蹴散らしている転職済みのプレーヤーだ。中でも魔法を使用して敵を倒している様は、魔法のエフェクトがかっこいいことも含めてなかなかうらやましいところだ。

こちらが課金アイテム購入用の画面。写真左と中央はそれぞれ筆者が購入した取得経験値をアップするアイテムと、移動速度を上げるアイテムだ。写真右はアイコンをクリックして試着をしているところ


■ MMORPG初心者や未経験者でもスンナリとプレイ開始できるスタンダードな手軽さが魅力

写真の右上にいるプレーヤーが着ているのはクリスマスシーズンならではの課金アイテム「サンタキャップ」と「サンタクロス」だ
 筆者が感じた本作の重要なキーワードは「かわいい」、そして「シンプルで手軽」というものだ。「かわいい」は読んだそのままの印象で、プレーヤーキャラクタやモンスター、世界観、アイテムのひとつひとつが実にかわいらしい。

 お次は「シンプルで手軽」というものだが、俯瞰視点型のMMORPGに多く採用されているシステムを採用している本作には、取っ付きやすく安心して楽しめるという利点がある。これは作品全体から感じることでもあり、MMORPG経験があまりないプレーヤーの最初の一歩としてもよさそうだ。

 もうひとつの意味合いが「プレイ料金が無料である」ということから感じる手軽さ、気軽さだ。クライアントもダウンロードするのみで無料、プレイにかかる費用も無料というのは、これに勝る手軽さと敷居の低さはない。前述した時間帯を問わずプレーヤーが多い印象というのも、これに関連している。

 雰囲気のかわいらしさ、システムの取っ付きのよさ、そして無料であることが加わり、プレーヤー層に女性が多いのではないかと感じるのだ。断言こそはできないが、主婦をしているプレーヤーも多い気がする。

 本格派MMORPGは、まずは環境を整えるところから考えなければいけない。それゆえに年齢層も高かったのだが、本作はPCのスペックもさほど要求されず、基本プレイ料金も無料だ。課金アイテムにしても買いすぎにはご注意頂きたいところだが、ひとつひとつはそれほど高価なわけでもない。家庭にあるPCでMMORPGを始めてみようかな? という人の入り口としてうってつけだろう。

 奥行きの部分やオリジナリティに関しては正直少し寂しいところもあるが、他のプレーヤーとのやりとりを楽しむというMMORPGの基本であり最大の魅力はしっかりと味わえる。なによりも安心して遊べるという印象が大きいタイトルだ。オンラインRPGへの第一歩としてオススメの一本だ。

通常の近接攻撃はダメージの表示は派手なものの比較的おとなしめ。比べて、魔法のエフェクトは派手でかっこいいものが多い。写真では、魔法のエフェクトもさることながら、いろいろなアイテムで着飾っているキャラクタもチェックして頂きたい

(C) 2005 DNC Entertainment Inc. and Game Garden Inc.
Provided by NHN Japan Corporation and Game Garden Inc.


【Xenepic Online】
  • CPU:Pentium 3 600MHz以上(Pentium 3 1.0GHz以上を推奨)
  • メモリ:128MB以上(256MB以上推奨)
  • HDD:600MB以上
  • ビデオメモリ:8MB以上(32MB以上を推奨)


□NHN Japanのホームページ
http://www.nhncorp.jp/
□ゲームガーデンのホームページ
http://www.gamegarden.jp/
□「Xenepic Online」のページ
http://www.hangame.co.jp/publish/xo/index.asp
□関連情報
【11月4日】NHN Japan、MMORPG「Xenepic Online」
アイテム販売とマップ拡張を実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051104/xene.htm
【10月27日】NHN Japan、MMORPG「Xenepic Online」
有料アイテムの販売を11月2日より開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051027/xene.htm

(2005年12月8日)

[Reported by 山村智美]



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