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【アルトネリコ 世界の終わりで詩い続ける少女】
価格:7,140円
この発表会では、本作の制作コンセプトからゲームの概要解説、挿入歌および声優陣の発表まで、プロジェクト全体にわたる発表が行なわれた。まず本作のディレクターを務めるガストの土屋暁氏と、プロデューサーを務めるバンプレストの河内厚典氏が、ゲーム内容の紹介と、開発に至る経緯などを語った。
そしてもう1つ、本作の設定の柱となるのが「レーヴァテイル」と「詩」の存在。レーヴァテイルは、ヒュムノス語という独自言語を用いて歌う(詩)ことで、魔法のような効果を発動する。そしてレーヴァテイルは、パートナーとなる主人公に心を開いていくことで、より強力な詩が使えるようになる。 具体的には、レーヴァテイルの精神世界に入って、新たな詩をつむぐ手助けをする「ダイブ」と、「グラスノ」と呼ばれる物質を体内に取り込む「インストール」という、2つの行動が存在する。「ダイブ」は他人に深層心理を見せる行為、「インストール」は有害な物質を取り込む行為で、どちらもレーヴァテイルにとっては辛い行為。そのため、心から信頼しているパートナーがいて、初めてできるものになっている。「ムスメ調合」というインパクトのあるジャンル名も、ここに由来している。 信頼度が増すほどに、これらの行為もよりバリエーションが多彩になる。「ダイブ」で見られる深層心理もより深くなり、レーヴァテイルたちの悩みや本音も見えてくるようになる。これはただキャラクタを成長させるだけでなく、そこでしか見られないさまざまなストーリーも用意されているという。土屋氏はこの部分も本作の柱となるコンセプトだとしており、「ストーリーからではなく、ゲームシステムを含めた愛情をテーマにしたゲーム」と語った。 また、複数の「グラスノ」を合成して新たなアイテムを作り出す「グラスメルク」というシステムも搭載。ガストの「アトリエ」シリーズのノウハウが生かされたものであることは言うまでもないが、土屋氏は「ただ合成するだけでは終わらない」としており、ここにも新要素を盛り込んでいるようだ。 戦闘では、3人の前衛が、1人の後衛であるレーヴァテイルを守りながら戦うというシステムになっている。レーヴァテイルは詩によって強力な魔法を使用できるが、詠唱には時間がかかり、その間に攻撃されると詩が中断されてしまう。また詩は時間をかけるほど効果が強力になる。 土屋氏は、「レーヴァテイルを守り抜いて、強力な攻撃を発動した時は非常に爽快。逆に回復もレーヴァテイルが一番上手いので、前衛に戦わせてサポートさせてもいい」と戦略の多彩さを解説。特にボス戦では、前衛が大ダメージを受けて倒されてしまう可能性があるので、どのタイミングで詩を終わらせるかというタイミングも重要になるそうだ。
最後に、本作はガストが手がける作品ということで、「アトリエ」シリーズのファンに対してどういった点で訴求していきたいかを土屋氏に尋ねてみたところ、「『アトリエ』ファンには、アイテムや様々な要素をコンプリートしたり、自分だけのアイテムを創りあげるという、やりこみ要素を大切にしている方が多い。全ての『アトリエ』シリーズでは、それぞれ独自のやりこみ要素を発案しているが、本作もそれと同じレベルで発案している。システム的には手ごたえのあるものになっていると思う」と語ってくれた。本作は完全新作ではあるが、「アトリエ」ファンにも十分満足してもらえるよう、意識して作られているようだ。
また会場には、主要キャラクタの声を担当する声優陣も来場。それぞれのキャラクタを演じた上での思いを語った。
いかにもヒーローといったキャラクタのようで、「親父に向かって喧嘩腰に向かっていくところがあるんですが、銀河万丈さんに喧嘩を売るのは凄く怖かったです」という面白いエピソードも聞かせてくれた。
オリカというキャラクタについては、「最初は明るい子というイメージでしたが、過去に辛い思いをしています。でも素の自分を徐々に取り戻して、明るくなっていきます」という。オリカは両親と死別しており、さらに寿命が極端に短い第3世代のレーヴァテイルということで、かなり不幸な境遇にいる。「ダイブ」で見られる世界がどうなっているのか、ゲームでは宮崎さんの演技とともに注目していただきたい。
ミシャはβ純血種のレーヴァテイルで、強大な力を持っている。しかしそれ故に重い宿命を背負う立場でもあるという。それを表すのが「ダイブ」した世界で、普段とは違うミシャが見られるらしく、野川さんも、「違うタイプの自分自身との掛け合いがあって、演じ分けがとても大変でした」と感想を語っている。いったいどんな姿を見せてくれるのか楽しみだ。
とはいえ最後まで謎のキャラクタで終わるわけではないようで、「周囲からも『シュレリア様』と呼ばれる強い女性ですが、心の中では色々な考えや悩みがあります。そういった気持ちがプレイした方に伝われば嬉しいです」と話してくれた。ストーリーの鍵を握るであろう彼女が何を思っているのか、その辺りも考えながらプレイすると面白そうだ。
ヒュムノス語による歌詞は、土屋氏の設定した言語体系をベースに志方さん自ら作詞した。ヒュムノス語はまるで日本語とは異なる言語で、必ず頭に感情を表す言葉が入るのが特徴だという。きちんと言語として成立するレベルまで体系ができあがっているそうで、会場では志方さんが即興でヒュムノス語の挨拶をしてみせた。サントラCDも発売予定だが、これにはヒュムノス語の歌詞と日本語の訳詞をつけるというから面白い。
志方さんは、「詩が魔法という設定が印象的。詩にこめられた思いや感情が、実際に力になっていくことを大事にしたいと思いました。ヒロインや主人公が成長していくのを、詩で演出できて嬉しいです」と、ゲームに参加できた喜びを語っていた。
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□バンプレストのホームページ (2005年12月1日) [Reported by 石田賀津男]
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