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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(約500円)
■ Nexon最強のカジュアルオンラインゲーム「Cart Rider」に見る韓国ゲーム事情
Nexonは、カジュアルオンラインゲーム分野においては先駆的メーカーで、一大ムーブメントを巻き起こした「Maple Story」や「BnB」、そして2005年のトレンドである「Cart Rider」に至るまで、すべてカジュアルオンラインゲームである。他社が2006年度に焦点を当てて、新作カジュアルゲームを投入してきたのに対し、Nexonは、すでに毎月数十億ウォン(数億円)という莫大な利益を生み出し続けている。MMORPG分野に関しては、いまだにNCsoftの一強時代が続いているが、ことにカジュアルオンラインゲーム分野においては、Nexonは他社の1歩も2歩も先を行っている感がある。 中でもNexonの勢いの原動力となっているのが「Cart Rider」である。「BnB」のキャラクタを使ったオンラインカートレースゲームで、アバターおよびカートの圧倒的なカスタマイズ性と、レース中にランダムポップするアイテムによるスリリングなゲーム性が評価されて、累計登録会員数1,300万人、同時接続者数20万人という圧倒的な成功を収めている。 アイテム課金制を採る「Cart Rider」では、キャラクタのほか、カートそのものも購入対象で、リアに飾る風船やマフラーといったアクセサリのほか、色を変えるスプレー、個性を演出するナンバープレートなど、実に細かく購入アイテムが用意されている。カートで値段は最上級で9800ウォン(約980円)といったところで、月の売り上げは50億ウォン以上(5億円)以上というから凄い。 現在、韓国のカジュアルオンラインゲーム市場は、Nexonの「Cart Rider」(カートレース)、JC Entertainmentの「Free Style」(ストリートバスケ)、Neowizの「Special Force」(FPS)の3強時代で、遙か後方にHanbitsoftの「スカッとゴルフ パンヤ」(ゴルフ)、Windysoftの「Get Amped」(アクション)、Nexonの「War Rock」(FPS)などが続く、といった感じだ。これは実際にメーカー担当者に話を聞き、さらに複数のPC房(ネットカフェ)に足を踏み入れて確認した私なりの実感である。 特に上位3タイトルは、「リネージュ」、「リネージュ II」、「World of Warcraft」といった韓国のメインストリーム系MMORPGのシェアを完全に上回っており、G★の出展模様を見る限りにおいても、今後、シェアの再逆転は起こりそうにない印象である。 「Cart Racing」は、老若男女を問わず、誰からも親しまれているのが特徴で、名実共に「リネージュ」に変わる新たな国民的ゲームになっている。Nexonの社員も、半ばプレイを義務づけられており、昼食後に一勝負というのが当たり前だという。ブースではひっきりなしに「Cart Racing」のゲーム大会イベントを開催し、常に多くの来場者が集まっていた。純粋にゲームコンテンツの魅力で来場者の足を向かせる吸引力は、Nexonが一番といった印象だ。 気になる海外展開については、韓国の次に来春を目処に中国に展開し、次いで日本が予定されている。日本への展開時期は、日本法人が決めることなので改めて発表を待たなければならないが、本社サイドでは来夏以降になるだろう、とのことだ。
■ 重厚なグラフィックスに手軽さをミックスさせた大作MMORPG「ZerA: Imperan Intrigue」
パッと目につくのは、独自のこだわりの世界観と、イメージ先行型のキャラクタ性、韓国ならではのよくこなれたキーボード&マウスインターフェイスといったところだろうか。武器の構えやモーションなどは実に凝っており、剣技が描く曲線が美しい。女ウォリアーはスカートをふわりとさせながらくるりと一回転して剣を振るう。日本でも支持されそうな、ディテールに凝ったMMORPGだ。 直接のライバルとなりそうなのは「リネージュ II」、「グラナドエスパダ」、「World of Warcraft」といった本格MMORPGタイトルだが、実際のゲーム性は両作とも異なる部分があり、試遊した限りでは「Diablo II」や「Hellgate: London」といったBlizzard Entertainment路線を彷彿とさせる、スピーディーかつ爽快感の高いゲームプレイが印象に残った。 通常攻撃で複数の敵を同時に攻撃できたり、雑魚モンスターをバッサバッサと薙ぎ倒していく感覚はMMORPGというよりアクションRPGの感覚そのままで、インターフェイスなどを見ても、「Diablo II」や「World of Warcraft」といったBlizzardタイトルをよく学んだ形跡が伺える。 職業は、ウォリアー、レンジャー、ウィザード、サモナーの4種類が用意され、それぞれ男女があり、計8種類のバリエーションが用意されている。ウォリアーは剣と盾もしくは両手武器、レンジャーはシミターの二刀流もしくはクロスボウといった具合にそれぞれ複数の攻撃手段が用意されている。ウィザードは攻撃魔法、サモナーは召喚魔法を得意とする。 グラフィックスは、ライティングとシャドウまわりをすべてリアルタイムに行なう「EverQuest II」の水準には及ばないが、フェイシャルモーションやクロスシミュレーションなど細部の演出にもこだわりが見られ、「リネージュ II」や「グラナドエスパダ」などを上回っている。まずまず韓国最高水準といっていいだろう。必要スペックが、Pentium 4 2GHz以上ということからも、グラフィックスのクオリティの高さは想像できる。 スタッフに話を聞いた限りでは、ゲームの全体像については不透明な部分が多いが、エレメントとしては、ゲーム世界には「デミプレーン」と呼ばれる無数の自動生成ダンジョンがあり、ソロやパーティーを組んで、デミプレーンを制覇していく展開になるだろうとのこと。 これらデミプレーンはインスタンス扱いになっており、自分と仲間の力だけが頼りになる。デミプレーンでは各種の仕掛けが設けられたダンジョンを巡り、石造の護衛、時間内にすべての敵を倒すといったタイムアタック、特定のボスの撃破など、明示された目標を達成していく。コンシューマライクな遊びやすそうなゲームデザインだ。
「ZerA」は、現在第3次クローズドβテストが終わった段階で、年内にオープンβテストに移行する予定だが、正式サービス開始時期は現時点ではまったく見えないという。開発上のトラブルを抱えているのか、まだ出来てない部分が多いのかは不明だが、実際プレイ中も、画面内のテクスチャが全部剥げたり、クライアントが落ちたりして、まだまだ不安定だった。完成にはもうしばらく時間がかかりそうな印象だ。
□G★ 2005のホームページ (2005年11月12日) [Reported by 中村聖司]
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