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会場:韓国国際展示場(KINTEX)
入場料:5,000ウォン(約500円) ただし、ブースで受けた印象は例年とは異なる。同社の代名詞的存在である「ラグナロク」カラーはずいぶん薄くなっており、「ラグナロクオンライン」関連コンテンツは、似顔絵等のファンサービスと新グッズの公開に留まり、期待された「ラグナロクオンライン 2」も未出展だった。 その代わりに新コーポレートロゴと共にブースを飾っていたのは、G★が初公開となる「ペーパーマン」を筆頭としたカジュアルオンラインゲーム。同社の確かな変化を感じ取れた出展内容だった。
■ 紙製のキャラクタが戦う異色の“First Paper Shooting”「ペーパーマン」に注目
その特徴は、キャラクタが1枚の紙をくりぬいた形をしていることだ。紙ゆえに、銃弾を受けるとポツポツ穴が空き、炎に触れると燃え上がり、手榴弾の爆風を受けると体が宙に煽られる。致命傷を受けると、羽毛のマクラを撃ち抜いたかのように紙くずが吹き出し、ピアノ線が切れたかのようにパタッと倒れる。また、1枚の紙で出来ているために、真横から見ると線にしか見えず、銃弾が当たらない。その戦う姿は非常にユーモラスだ。 ゲーム性そのものは、FPSの代名詞である「Counter-Strike」に近い、クラン戦を意識したチームベースのラウンド制を採用している。銃器もBB弾の模造品ではなく、実銃を採用。銃器だけはやけにリアルに描画されているため、1人称視点ではごく普通のFPSに写る。 しかし、ひとたび戦闘が始まると、ぺらぺらした文字通りの紙の体をしたキャラクタたちが、ステージを所狭しと暴れ回り、各所で銃撃戦を展開する。その姿は、街角にいそうなおしゃれな服だったり、体操服姿だったり、ネコミミメイド服だったりするわけだが、このシビアな銃撃戦と、それを演ずるキャラクタたちの可愛らしさのギャップがもの凄い。この違和感が大いにプレイ欲をそそらせてくれる。落としどころが絶妙なゲームデザインだ。 ビジネスモデルは、韓国のトレンドである、クライアント無料、基本プレイ無料のアイテム課金制を採用。プレーヤーは、男女別10種類前後のバリエーションから1キャラを選び、戦功を上げることで蓄積されていく経験値によってレベルアップを図ることができる。ただし、レベルを上げてもキャラクタの性能に変化はなく、身につけられる服装がより多くなるといったレベルに留まる。 身につけられる装備品は、銃器、ハンドガン、ナイフ、手榴弾と、そして衣服。銃器は、マシンガンやスナイパーライフルなど、プレイスタイルに応じて複数のタイプが用意されており、最大3つまで同時に携行できる。衣服に関しては、アーマーやヘルメットといった防弾アイテムは影も形もなく、ブーツまでおそろいのワンピースやゴーグル、ネコミミ、髪飾りなど、とてもFPS用のアイテムとは思えないような非実用アイテムで埋め尽くされている。 ゲームモードは、最大8対8の16人対戦までサポートし、ステージは地下鉄やカフェ、ディスコなど、一般に馴染みのある風景が採用されている。現在は3ステージのみだが、今後も続々マップを追加し、12種類程度は揃えるという。 韓国でのサービス開始時期は、年内にクローズドβテストを開始し、3月までにオープンβテスト、オープンβテストでの反応を見つつ、順調にいけば2006年上半期にも正式サービスへ移行する方針だという。気になる日本展開については「現在パブリッシャーと交渉中」とのことだ。カジュアル路線からFPS界に殴り込みをかけるというアプローチが非常に斬新。日本展開を大いに期待したい要注目のタイトルだ。
■ オンラインゲームプラットフォーム「スタイリア」はコンテンツを拡充して2006年に始動
「スタイリア」は、厳密にはゲームポータルではなく、オンラインゲームプラットフォームというべき存在で、「スタイリア」の先には、通常のゲームプラットフォームと同様に、膨大なゲームコンテンツが用意されている、というイメージだ。 「スタイリア」のプラットフォームたるゆえんは、自らの分身であるアバター(キャラクタ)を「スタイリア」で一元管理し、「スタイリア」で作成したキャラクタを、そのまま様々なゲームコンテンツで使えるというところにある。通常のゲームポータルでは、ゲームポータルのアバターと、ゲームコンテンツ内のキャラクタは別物であり、アイテム課金はそれぞれ別に発生していた。それをプラットフォームとして一元管理することで、メーカーとユーザー双方の無駄を無くそうという、他社よりさらに1歩進んだ考え方だ。 このため「スタイリア」では、アバターの服装に関しては「スタイリア」で揃え、銃器やスポーツ用品などゲーム専用アイテムはゲームコンテンツで揃えるというスタイルを採る。1stタイトルであるオンラインテニスゲーム「LOVE FORTY」を例に取ると、服装は「スタイリア」で揃え、テニスラケットやシューズは「LOVE FORTY」で揃えるということになる。「スタイリア」内のコミュニティで得た仲間と一緒に、テニスをやりに「LOVE FORTY」へ行く。試合が終わった後は「スタイリア」に戻って歓談といったプレイスタイルをイメージしているようだ。 ビジネスモデルもユニークで、アバターアイテムに関しては、各コンテンツの同時接続者数に応じて折半し、ゲーム内アイテムはGravityとコンテンツ開発側で半々となる。一見、Gravityが非常に有利なビジネスモデルのようにも見えるが、Gravity側は「スタイリア」運営者として、コンテンツ開発元に対して、「スタイリア」プラットフォームとアバターの利用権、そして開発キットを無償で提供している。まさしくオンラインゲームプラットフォームと呼ぶにふさわしい構想である。 今年9月、東京ゲームショウで出展された時点では、まだサードパーティーの参加が不鮮明で、企画倒れになる恐れがあったが、今回はプレイアブルは「LOVE FORTY」のみだったものの、すでに発表済みの「LOVE FORTY」(テニス)、「THE TV HEROES」(横スクロールアクション)、「HOOPS」(ストリートバスケ)の3タイトルに加えて、新たに5タイトルが発表された。 具体的なラインナップは「Jump Starz」(ジャンプアクション)、「Snow GT」(スノーボードアクション)、「Jelly Jelly」(クイズ)、「不良ドッジボール」(ドッジボール)、「Storm Fighter」(対戦アクション)の5タイトル。いずれも新興のメーカーが開発を手がけたサードパーティー製というところが最大の特徴で、光明が見えてきた感がある。
ゲームポータルとゲームコンテンツは、それぞれ独立した部分があるため、いずれかが優秀であれば、力押しで成功することがままありうるが、「スタイリア」は両者が直結しているため、双方の連携が欠かせない。ゲームポータルとしてはもっとも高いポテンシャルを誇る「スタイリア」がどう進展していくのか、今後も注意深く見守りたいところだ。
□G★ 2005のホームページ (2005年11月12日) [Reported by 中村聖司]
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