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G★2005現地レポート

コンシューマー、アーケード両分野をアピールする日本メーカー、
SCEK、SEGA KOREA、KONAMIブースレポート

11月10日~13日開催(現地時間)

会場:韓国国際展示場

 韓国のゲームショウ「G★2005」では、Sony Computer Entertainment Korea(以下、SCEK)、SEGA KOREA、コナミの3社が大きな規模で出展をした。オンラインのPCゲームを出展する他の韓国メーカーと全く違う戦略のもと、3社はそれぞれ特色のあるアプローチから来場者にその存在をアピールしていた。


■ PSPは学習にも最適? 韓国オリジナルタイトルも出始めたSCEKブース

 「ソウルキャリバーIII」、「ワンダと巨像」、「みんなのゴルフ4」、「SSX On Tour」、「サルゲッチュ3」、「ドラゴンボールZ スパーキング!」、「天地の門」、「サルケッチュポータブル」、「龍色花闘」……SCEKはPS2、PSPを合わせて50以上のタイトルの試遊台を出展し、来場者を迎えた。来場者は次々と様々なタイトルをプレイし、ある時は他の人のプレイを腕組みしつつ見入っていた。

50近くのタイトルを出展したSCEKブース
「ワンダと巨像」は多くの人が足を止め、画面を見入っていた
 広報部によれば、PS2の売り上げは昨年の今年に入ってから30万台以上出荷され、順調に普及しているが、昨年に比べるとのびが少し緩やかになっているという。これは、今年の5月からPSPが発売されたことが少し影響をしているのかもしれないとのこと。PSPは5月からすでに20万台を突破して、非常に好調だ。

 韓国でのPSPは「マルチメディア」の側面をより強調している。韓国のPSPはKorea Telecomが行なっている無線LANサービス「ネットスポット」に対応し、さまざまな場所からインターネットにアクセスし、ドラマの再放送なども視聴可能だ。UMDによる映像コンテンツや、メモリースティックを介したパソコンからの音楽や映像も楽しめたりといった部分もイメージとして強く打ち出している。

 ユニークなのが、韓国のPSPは「教育にも使えるハード」といったイメージを打ち出しているところだ。韓国オリジナルのPSPソフトには、英語検定の練習用ソフト「Win-TOEIC」や日本語検定向けの「Win-JPT」、辞書ソフトの「HANDDIC」といったソフトが発売され、人気があるという。日本以上に教育熱心な韓国の一面が見えるといえるかもしれない。

 ゲームの売り上げとしてはPS2の「GOD OF WAR」が4万本、「テイルズ オブ レジェンディア」が3万本を記録した。韓国では3万を超えるとヒットといえるのが現状だ。韓国オリジナルタイトルとしては「Mystic Nights」というPS2のゲームが人気を博した、最大4人でオンライン対戦ができる要素が高く評価された。PSPでも教育ソフトの他にも、「VULCANUS」という韓国発のロボットシューティングが発売される。今後も年末にかけて、9本のオリジナルソフトの発売を予定している。

 会場では小規模のクローズドブースでゲームショウで公開されていたPS3の映像を出展。またカラオケが楽しめる「LULURARA」は小さなカラオケボックスの形で出展、中で思いっきり熱唱できた。

 PS2の試遊台にはプレーヤーの他にもギャラリーも集まり、欧米のゲームも、日本のゲームも同じように人気が高い。女性の姿も目立った。特に「ワンダと巨像」は立ち止まって画面を眺める人が多かった。PS2に比べてPSPの試遊台は少し人が少なく、ゲームに興味が強いような男性の姿が目立った。会場からは、PSPはゲームファン向けのハード、というイメージがあった。

「SSX On Tour」。日本発のタイトルと同じように欧米産のゲームにも人気が集まる 「ドラゴンボールZ スパーキング!」はメッセージも含めてすべてハングルにローカライズされていた ブースで一番大きく展示されていた「ソウルキャリバーIII」
ブースではPSPのマルチメディア端末としての機能もアピールされていた 韓国オリジナルタイトルである「Win-JPT」。日本語が学べる 韓国発のロボットシューティング「VULCANUS」。


■ アーケードタイトルを特に強くプッシュするSEGA KOREAブース

 「G★2005」でのSEGA KOREAはアーケード系のゲームを多く出展し、多くの来場者を集めていた。特に人気があったのはUFOキャッチャー。来場者がプレイをする前に、希望に従ってぬいぐるみの位置を変えてくれるのだ。女の子が楽しそうに声を上げながらプレイをしていた。

アーケードタイトルを中心に出展していたSEGA KOREA
UFOキャッチャーでは、スタッフがぬいぐるみを動かしてくれる
 SEGA KOREAはソウル郊外に2カ所の直営のアミューズメントスポットをオープンさせ、アーケードゲーム事業を積極的に展開している。いままでSEGAはHYUNDAIなどの韓国でのアミューズメント事業を行なう会社と協力をしてアーケード事業を展開していたが、今後はSEGA KOREAとして独自に戦略を進めていく。価格の安い筐体を開発することで韓国の既存のゲームセンターにもアピールしていくという。

 会場で人気の高かったタイトルは「THE HOUSE OF THE DEAD 4」、「北斗の拳」、「THE KING OF FIGHTERS XI.」だった。筐体は人のたえることがなく、特に「THE HOUSE OF THE DEAD 4」とその隣の「GHOST SQUAD」はプレイ待ちの列ができていた。

 会場の1/3を使って大きく出展されていたのが「甲虫王者 ムシキング」である。しかし、他のタイトルは人気があるのに、「ムシキング」のコーナーは人が少なく感じた。広報の方に話を聞いてみると、「韓国の子供達の間では、カブトムシなどの昆虫のへ興味があまり高くないようです、もうすぐ日本で放映されていたアニメシリーズが韓国でも始まるので、人気も上がっていくと思います」とのこと。また、恐竜を題材にした「古代王者 恐竜キング」にも期待を持っているという。会場では見た目の派手さが人を引きつけるのか、「オシャレ魔女 ラブandベリー」に注目するユーザーも多かった。

 コンシューマゲームタイトルはPS2タイトルとして「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」と、「サクラ大戦V」、PSPタイトルとして「Virtua Tennis 」、「頭文字D」、「GUILTY GEAR XX」を出展していた。「Virtua Tennis 」は英語版のままで発売、一方「サクラ大戦V」はメッセージ部分をハングルにしている。今後もローカライズはタイトルに合わせて行なわれるとのこと。

 今回セガのブースでは、豊富なアーケードタイトルの出展に比べ、コンシューマタイトルは比較的少なめである。SEGA KOREAはハードの普及を視野に入れて今後の戦略を練っていくという。今のところ韓国オリジナルのタイトルは制作の予定はないとのこと。

 PCやオンラインタイトルの戦略について質問したところ、JCEntertainmentと共同で開発していた「シェンムーオンライン」は別の会社と制作することになったとのこと。「シェンムーオンライン」がどうなるかは、今後正式な発表を行なうという。これからの展開を見守りたいところだ。

「THE HOUSE OF THE DEAD 4」とその隣の「GHOST SQUAD」は多くの人がマシンガンで撃ちまくっていた 「北斗の拳」は韓国でも人気が高いようで、ギャラリーの姿も ブースの1/3のスペースで出展されていた「ムシキング」
「オシャレ魔女 ラブandベリー」は女性だけでなく男性プレーヤーの姿も メッセージはすべてハングルにローカライズされていた「サクラ大戦V」 PSPの試遊台も、多くの人がプレイしていた


■ 「ウイニングイレブン」と「メタルギア ソリッド」を前面に出したコナミブース

 コナミは「G★2005」では、「メタルギア ソリッド」シリーズと「ウイニングイレブン」シリーズをそれぞれ専用のステージでアピールを行なっていた。

「ウイニングイレブン」と「メタルギア ソリッド」をそれぞれの専用ステージイベントでアピールしていたKONAMIブース
ファンの質問に答える「ウイニングイレブン」統括プロデューサー高塚新吾氏
 「メタルギア ソリッド」ステージではTGSでも流された、「メタルギア ソリッド4」のロングバージョンのムービーが流され、ほかにも「ウイニングイレブン」では対戦大会など様々なアプローチからのイベントが行なわれていた。さらに「メタルギア ソリッド」シリーズを手がける小島秀夫監督、「ウイニングイレブン」シリーズを手がけるエグゼクティブ プロデューサー榎本真司氏と、統括プロデューサー高塚新吾氏が来場し、ファンの質問に答えたり、サイン会を行なった。

 コナミは韓国では今まで「ウイニングイレブン」や「ランブルローズ」のイベントなどを開催したことがあるが、今回の「G★2005」のような多くのメーカーが集まるイベントにブースを出展するのは初めてとのことだ。

 試遊台もまたこのふたつのシリーズの最新作を出展、PS2「メタルギア ソリッド3 サブスタンス」、PSP「メタルギア アシッド 2」、PS2「ワールドサッカーウイニングイレブン9」、PSP「ワールドサッカー ウイニングイレブン9 ユビキタスエヴォリューション」を多くの試遊台でアピールしていた。この他のタイトルとしてはPS2「Castlevania: Curse of Darkness」を出展、こちらもユーザーの注目を集めていた。

 印象に残ったのは試遊台でプレイをするユーザー、そしてイベントを見守るユーザーの熱心さだ。「ウイニングイレブン」に関しては韓国のケーブルテレビ局でトーナメントが組まれ、試合が中継されるほど。会場で韓国内でのシリーズの人気の高さを実感することができた。

 今回の出展に関して広報の方は、「韓国では『メタルギア ソリッド』シリーズ、『ウイニングイレブン』シリーズの人気と知名度が非常に高い、今回、KONAMIとしてブースを出展することで、KONAMIのゲームならば面白いに違いない、という認識をユーザーに持ってほしい」と語る。韓国のユーザーのこれからの反応も楽しみだ。

ステージではひっきりなしにイベントが開催されていた ケーブルテレビによるトーナメントの決勝戦の中継も 「メタルギア ソリッド3 サブスタンス」。シリーズ最新作をプレイ
「ウイニングイレブン」シリーズは韓国で非常に人気が高い 「メタルギア アシッド 2」PSPタイトルも人気だ 「Castlevania: Curse of Darkness」は女性プレーヤーも注目していた

□ 「G★2005」のホームページ
http://www.gstar.or.kr/>

(2005年11月11日)

[Reported by 勝田哲也]



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