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10月18日にレビュー記事を掲載したRazerの最新ゲーミングマウス「Copperhead」。レビューでは、高DPI設定時でパフォーマンスの遅延が発生すること、そしてレポートレートの結果が不安定であることなどから、将来の改善を希望すると結論づけたが、記事執筆直後に新ドライバおよびファームウェアが公開され、レビュー記事の中でレポートした不具合が大幅に改善された。 今回、この新しいドライバとファームウェアのリリースによって価値を大きく高めることとなったRazer「Copperhead」について再評価を行なうべく、再度検証してみたい。
■ 高DPI時の挙動など、これまでに報告された数々の問題が解決 まず事実関係を簡単にまとめておくと、ゲーミングマウス「Copperhead」の開発元であるRazerは、「Copperhead」用の最新ドライバ6.08とファームウェア6.16を10月17日に公開した。 事実上、製品発売後初のアップデートであり、発売直後から報告されていた数々の不具合が改善され、スペック通りのパフォーマンスを発揮することが可能になる。 特に大きな改善点として、1,600dpi以上の高DPI設定時に発生していた遅延現象が解決されたことが挙げられる。これにより、2,000dpi対応を謡う「Copperhead」の性能がフルに発揮されることとなる。 その他、新しいファームウェアでは、マウスにキーボードコマンドを割り当てた時の挙動の改善など、製品ユーザーから報告されたいくつかの大きな問題が改善された。 公開された最新ドライバおよびファームウェアでの変更点は以下の通り。今後出荷される製品は、順次このドライバとファームウェアを反映したパッケージになる見込みだが、実際に店頭に並ぶ時期については不明である。
【ドライバー6.08での変更点】
【ファームウェア6.13から6.16への変更点】
■ 最高設定で常用可能になった「Copperhead」を再評価する 「Copperhead」の形状を気に入って愛用している筆者にとっても、今回のファームウェア更新は、率直に言って非常に嬉しいニュースだ。これまで機能面ではフルに活用できなかっただけに、安心して最高DPI設定で常用できるようになったことは一ゲーマーとして重要なことだ。 以前お伝えしたレビュー記事の中で、旧ファームウェアが持っていた問題「高DPI時の遅延」について「致命的」とレポートさせていただいたが、今回のドライバとファームウェアの更新によって該当の不具合は完全に解消されたことを重ねてご報告したい。 ・レポートレートは改善されたか? 追試結果報告 レビュー記事の中でお伝えしたレポートレートの問題についても追試を行なった。ファームウェア更新内容にはレポートレートについての記述は存在しないものの、遅延問題の解決が好影響している可能性を考慮し、追試の価値があると判断した。 また、前回レポートレートのチェックに使用したmouserate.exeというアプリケーションが、高レート時に不正確な値を出力しがちであることを考慮し、今回はオリジナルのアプリケーションを作成して使用した。 筆者がDIMouseRateと名づけたチェック用のアプリケーションは、標準のマウスメッセージではなくDirectInputの入力を用いてマウスレートを計測する。DirectInputは極めてドライバに近い処理を内部で行ないマウスの出力を取りこぼすことなく追跡できるため、正確な統計ができるはずである。その上で平均値を取るための計算に供するサンプル数を多めに確保し、高周波数時も的確な数値を出力するロジックを構成した。マウスはマザーボード直結のUSB2.0ソケットに接続し、前回と同様ロジクール「G-5」とRazer「Copperhead」にて同様のテストを行なった。
結果としては、ゲーム中のマウス入力を処理するDirectInputにおいても、前回mouserate.exeで計測した結果とほぼ同様の数字を得ることができ、レポートレートではほとんど改善されていないことがわかる。ファームウェア更新後も「Copperhead」は、1,000Hz設定で平均470Hz程度とレポートレートのスペック値を満たしておらず、対照的に安定した500hzの数字を出すロジクール「G-5」に対して遅れを取っていることがはっきりした。しかし1割以下の差であり、体感上の違いはほとんど無いと考えていい。 本質的な問題は「Copperhead」がRazer自身の謡うスペックを未だ満たしていないことにある。1,000Hzを謡っているのに実際はその半分も実現されていないのだから、顧客心理として不満を感じるのは当然だ。これはぜひとも改善してもらいたい点であり、こういったポイントをきちんとケアしていくことが、Razerの長期的な評価向上につながっていくはずである。
今回のファームウェア更新により実質的な性能では申し分のないゲーミングマウスとして評価しうる状態となった「Copperhead」。 レポートレートの数値がスペック通りにならない問題についてはいまだ不安を抱えるものの、他のゲーミングマウスとの比較において、独自のスリムなデザインを魅力的に思うゲーマーにとって製品的な魅力をさらに増していることは確かだ。
今後もドライバとファームウェアの更新が続き、各種の問題が順次解決されていくことを願うばかりである。最後に、ファームウェアのアップデート手続きが少々わかりにくいため、一連の手順を説明しておきたい。 ■ ファームウェアのアップデート方法 「Copperhead」発売後、公式にファームウェアが更新されるのは今回が初となる。ファームウェアを実際に適用するための操作についてRazerの公式サイトでの説明が英文ということもあり、この場で一通りの手順を解説したい。 ファームウェアファイルはドライバパッケージに含まれるため、以下の手順を行なう前に最新ドライバをRazerの公式サイトからダウンロードし、インストールしておくことを忘れずに。
以上の手順でファームウェア更新が完了できる。パネル上で「FIRMWARE VERSION V6.16」となっていれば成功。2,000dpiのパフォーマンスを早速試してみよう。以上の情報が、これからファームウェアを更新するユーザーの方々のお役に立てれば幸いである。
□Razerのホームページ (2005年10月22日) [Reported by kaf@ukeru.jp]
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