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会場:幕張メッセ
今回この、「GRANDIA ONLINE」はまずアニメーションムービーが紹介された。大地から宇宙にのびる巨大な建造物が突然崩落し、隕石のように地表に降り注ぐ、炎を上げる地表、圧倒的な破壊の場面が描かれる。 場面が一転して密林の中に座る冒険者風の男女が登場、その瞬間BGMが「GRANDIA」のテーマに変わる。盛り上がっていく音楽に背中を押されるように前へ歩き出す二人。吹雪の中を、切り立った崖を物ともせずに、互いに助け合いながら進む。壁のような崖を登り切った彼らの前に、さらなる冒険の地が広がる……。1作目である「GRANDIA」で主人公達が“世界の果て”を越えるシーンを彷彿とさせるムービーだ。 ムービーに続いて森下氏から本作の概要が語られた。本作は「未開の地へ進む旅」、本当の冒険がテーマになっている。本作はこの「冒険」にこだわりを持って制作されており、冒険を進めていく上で試される気力や体力、共に進む仲間、地形や天候も考慮され、体感できる、感動できる冒険がまっているという。
本作は「原点回帰」を目指して制作されていく。森下氏自身も一番好きだという1作目の「GRANDIA」に連なる世界観を持つ。新大陸を発見し、人々が新しい大地へ夢を託しているそんな1作目の世界が冒険の舞台となるという。エンシュール文明や、精霊といった、「GRANDIA」のキーワードは本作でも重要な意味を持つ。また、刻々と変化する大地や天候、リアルタイム性を持たせた戦闘システム、新機軸のコミュニケーションシステムなどが盛り込まれる予定だ。
森下社長の発表の後に行なわれたのは「G対談」、森下社長、ゲームアーツ代表取締役社長宮路洋一氏、ジー・モード代表取締役社長宮路武氏、そしてガンホーの取締役であり、「GRANDIA ONLINE」の制作を担当する堀誠一氏が登壇、本作への思いを語った。
対談では宮路洋一氏と宮路武氏兄弟が初代「GRANDIA」への思い入れを語った。「GRANDIA」はセガの当時の新ハードサターン向けに、フィールドをポリゴンに、キャラクタを2Dで表現し、ファンから高い評価を得た。スタッフには「冒険者」ともいえる多数の人員が参加し、開発そのものがまさに冒険とも言える体制で制作しているという。スタッフの中には韓国の方も参加しているとこと。 制作の指揮をとっている堀氏は、「『GRANDIA』シリーズは冒険にこだわったRPGであり、『GRANDIA ONLINE』は“燃える冒険活劇”にポイントを置き、大地を歩く、起伏のある地形を踏破していくような、「歩く冒険」をフォーカスしたい」と語った。さらに「変わる世界」というキーワードが重要になっていくという。 宮路武氏が初代「GRANDIA」で一番こだわったのは「食事のシーン」だという。冒険の中での休息を描くことでより冒険の感覚を際だたせる、「GRANDIA ONLINE」にもこういった要素は盛り込まれていく。
森下氏は、「日本の国内において、オンラインゲームをもっと知ってもらいたい、もっともっと浸透して、たくさんの人にプレイしてもらいたい。「これが本当の国産オンラインRPGなんだ」と感じてもらえると思います」と語った。
■ 森下社長が語る2つの新タイトル イベントの後に、さらに森下氏に「GRANDIA ONLINE」のお話をお聞きした。実は本作に関して、宮路洋一氏と宮路武氏が奮起して作り上げた初代「GRANDIA」をテーマにしたオンラインRPGを作ろうと提案したのは、もともと森下社長であるという。
さらにその中でなおかつガンホーならではのコミュニティーをもりこんでいきたい。『ECO』でも憑依やマリオネットといった独自のシステムを作ったが、新しい『GRANDIA』らしいコミュニティーシステムを盛り込んでいきたい」と語る。さらに戦闘システムも従来のMMORPGにある「狩り」ではなく、冒険も絡めた「戦い」を感じさせるシステムを盛り込んでいくという。 「GRANDIA」はシリーズを楽しんでいるコンシューマユーザーへ強くアピールするタイトル。「ECO」や「ヨーグルティング」にもコンシューマのゲームを楽しむユーザーを取り込んでいこうというガンホーの姿勢が見て取れる。森下氏は、「頭の中の視野としては、PCにこだわるというわけではなく、マルチプラットフォームも考えている。ただ、今はユーザーがチャットをしてプレイをして遊ぶのには、PCが一番だと思う。例えばXbox360などの新ハードが広がっていけば、私達としてもビジネス的なベースとしても考えられる。あくまでサービスというところで、オンライン、ネットワークという部分があれば我々はフレキシブルに対応していける」 「すぐに、と決まっているわけではない」と言葉を足したが、森下氏の言葉としては、ここまで前向きにマルチプラットフォームへの視野を語るのは初めてなのではないだろうか。ガンホーがこれまで持っていなかったコンシューマゲームのノウハウ。「GRANDIA ONLINE」はゲームアーツとの協力により、コンシューマへのアプローチが具体的に可能になったのである。オンラインという環境が整えば、ガンホー、そして「GRANDIA ONLINE」はコンシューマへの参入が可能なのだ。「GRANDIA ONLINE」のゲームパッドへの対応も「ゲームアーツならいつでもできる」と森下社長は答えた。 「北斗の拳オンライン」に関しては、実はガンホー設立当初から、「やりたいね」と話し合われていたタイトルだという。アジアや欧米のマーケットも視野に入れ、著名なタイトルであり、「ラグナロクオンライン」とは全く違う世界観を持つ作品として候補に挙がっていた。 現在、「北斗の拳オンライン」は全く情報が明らかにされていない。プレーヤーは原作に登場するヒーロー達になるのか、モヒカン頭の悪党になるのか、悪に踏みにじられる一般市民になるのかもわからない。森下氏によると基本的にはケンシロウやラオウといったメインキャラクタになれるというわけではなく、“伝承していく”存在だという。他の質問に関しては、「どこまで話して良いかまだわからない」とのこと。想像はふくらむが、早く次の情報が欲しいところである。
□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ (2005年9月16日) [Reported by 勝田哲也]
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