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会場:スクウェア・エニックス本社ビル
■ 500年の歴史を経て、かつての人気狩り場はどう変貌したか?
EQでの「スプリットポゥのねぐら」のキャラクタの適正レベルは25レベル前後。最初の頃は爪のように見える岩の場所に現れるノールを一匹ずつ引っ張って仲間とともに叩くという狩りを行ない、30レベルくらいからはダンジョンの奥へと侵入するようになった。ダンジョンの中では狭い場所にノールがひしめいており、入り口周辺の敵を一掃してから再び現れるノールを倒していく、という方法で経験値を稼いでいった。 このダンジョンの対象レベルは非常に幅広く、奥にはレベル50のパーティーでも苦戦するような敵も登場した。ダンジョンの奥には地底湖があり、そのさらに奥に強いモンスターが待ち受けていた。そこでは戦士やシャーマン向けのレアアイテムなどが入手できた。 EQIIでは、この地域は何らかの理由でノーラスと隔絶され、500年間の間にまったく別な歴史を歩んできたという設定になっている。ノールたちは2派にわかれ、激しく争うようになってしまった。前作ではただ襲ってくるだけの怪物だった彼らも500年の間に原始的ながら文明を築き、プレーヤーたちとも会話をすることができる程度におとなしいノールたちも生まれるようになったという。 今回テストプレイとして、500年間で別の進化を遂げたという「スプリットポゥのねぐら」を訪れてみたのだが、まず、その入り口の“小ささ”に驚かされた。爪のような石柱の数は増えているのだが、ミニチュアのようでまったく迫力がない。どうやらこれは、「転送ゲート」であり、前作の入り口とはまったく違うものだった。 ゲートを作動することで洞窟に転送される。洞窟内には作動していない転送ゲートなどもあった。所々の岩の割れ目から、青いガラスか、光る水のようなものが輝きを放っているのも気になる。この場所がどんな歴史をたどってきたのか、興味がひかれる。 この転送装置からノールたちがすむ村まではまだまだ距離があるとのこと。この「スプリットポゥ サガ」で追加されるマップは前作とはまったく違う、非常に広大なダンジョンになっているようだ。村への入り口に続く道さえ非常に多くのノールたちがひしめいており、プレーヤーたちの行く手を阻む。ノールたちは両腕を後ろにして顔をつきだして走ってくる。それでいて両手のかぎ爪で攻撃してきて犬の牙をあまり使わないところなども前作同様で、少しうれしかった。 前作同様ノールは戦士タイプだけでなく、魔法を使うものなど多数の種類がある。外見は進化を遂げていて、狐のような顔をしていたり、ドーベルマンのような精悍な顔をしたノールもいて、体の大きさもまちまちであった。なれてくれば外見で敵の性格を分析し、もっと効率的に戦えそうだ。また、ノールの他に巨大な土塊の怪物などもいて、序盤から苦戦させられそうだ。 今回はテストプレイのため、群の中にあえて突っ込み、敵に殴れながら強引に奥を目指すというプレイをしながら前に進んでいったが、実際にはパーティーのフルメンバーで、一匹ずつ慎重に倒しながら前進、という方法がよいようだ。たくさんのノールが連鎖して襲ってくるので、ソロプレイでこの洞窟を抜けるのはかなり難儀だろう。
村に通じる場所にいくためには「箱」を積み上げるパズル的な仕掛けを解かなくてはいけない。敵に殴られながらも箱を積むことができるが、安全のため一掃してからの方がいいだろう。また、他のプレーヤーが箱を動かしている様子は他のプレーヤーでは確認することができず、立っているだけに見える。せっかちなプレーヤーは思わず横から手を出したくなってしまうが、1人に任せた方が効率はいい。リーダーがきちんと仕切ることが大切になるだろう。
■ 肉球の旗印からより複雑なレリーフへ。“文明的”になったノールの村。 パズルを解くとようやく村の入り口にいける。ノールは洞窟に簡素なテントを建てて生活しているようだ。ちなみに村のすぐ外には巨大な石柱が立っていて、前作までの「スプリットポゥのねぐら」を思わせる場所があった。3本のうち一本の石柱が倒壊しており、さらに肉球があった場所がすり鉢上にくぼんでいる。村にはいるためにここまでしか確認ができなかったが、空が真っ黒なのも気になるところで、詳しく調べたくなってしまう場所だ。
この村から様々なクエストが派生し、いくつかのダンジョンにいくことができる。入り口以上に広大で長大な場所が広がっているため、かなりの探検が楽しめるだろう。その際はノールの村が基点となる。クエストをこなすことでこの村に直接訪れることも可能になる。他のパーティーと出会うことがないユニークダンジョンとして設定されていながらこれだけ広いマップを持っているのは非常に思い切ったゲームデザインだと感じた。様々なダンジョン、クエスト、そしてストーリーを追っていけばかなりのボリュームになる。隅々まで探索をしようとするなら相当な日数が楽しめそうだ。
闘技場ではノール語をマスターしていないキャラクタでもノールの言葉が聞ける。うなり声が随所に混じる、俳優がノリノリで演じているセリフが非常に楽しい。常にいくつものモンスターを用意していたり、見物のノールがいるところなど、500年間ノールがどんな“娯楽”で時を過ごしてきたかもわかる。しかし、他種族でも問題なく闘技場に参加させ、たとえ恐ろしいモンスターをけしかけても、プレーヤーが勝つことができればちゃんと褒美をくれるところを見れば、それなりに文明化されていることも感じられる。ノールもずいぶん知的になったな、と改めて思った。
■ 巨大な蜘蛛に水棲ノール、キノコ人間……怪物の中には懐かしい顔も 今回のテストプレイではいくつかの場所を歩いてみた。蜘蛛の洞窟は現実の蜘蛛と比べると“腹”の部分のない、かなり生物としての不自然さを感じさせるモンスターが群をなして襲いかかってくる。口は縦にさけるが、なぜかそこはほ乳類のような赤い歯茎と白い歯があって、非常に醜悪。バインド系の魔法を得意としていて、糸ならぬ魔法の鎖でプレーヤーを足止めするところなど、いかにも蜘蛛らしい攻撃をおこなうところにニヤリとさせられた。
死霊達が漂う場所もある。ここでは透き通る白いエクトプラズムのような物質で作られた死霊が現れる。前作の「City of Mist」で登場したイクサーの死霊の様に見えたのだが、写真で確認すると、どうやらノールの霊のようだ。黒い霧の固まりのようなモンスターもいて、こいつはかなり体力が多くやっかいだった。 「スプリットポゥ サガ」のダンジョンも奧に地底湖が存在する。それを越えるとさらなる冒険が待っているという。地底湖に入る前に水中呼吸の魔法をかけてもらい、水に潜ると、エイのような魚に混じり、水棲型に進化したノールが襲いかかってきた。500年の時間は彼らにこんな進化までもたらしたのだろうか。 地下水路を抜けるとまた「再会」が待っていた。名前は違うようだが、前作のゴブリンのダンジョン「ラニーアイの開放地」に棲息していた“キノコ人間”が前作と同じように頭を振りたてて襲いかかってきたのである。かなりの強敵で、ウィザードでプレイしていた筆者はあっという間に倒されてしまった。どうやらこのキノコ人間たちは今までのEQIIの世界には存在しなかったモンスターのようで、500年の歴史を超えての再登場となる。「スプリットポゥ サガ」のダンジョンはオーストラリアのように世界から隔絶されたために、有袋類のような他の地域から隔絶されたために絶滅を逃れ、独自の進化を遂げた生物がいるようである。 このアドベンチャーパックでは、ノールだけでなく、他にも様々なモンスターがEQから“復活”しているようだ。また、地下水路から上陸という“感触”は前作のカエルがひしめくダンジョン「ガック下層部」の入口を思い起こさせるところがある。クエストにも制作者は様々な仕掛けをしており、前作をやり込んだプレーヤーならばクエストで時の流れを感じることができるという。 「スプリットポゥ サガ」というタイトルは、前作をプレイしていた人にカラナ平原に立っていた3本の爪と、肉球型の丘を思い起こさせる。実際にプレイをしてみて、今回のパックはEQのプレーヤーならばより一層楽しめる作品となっているのだな、という印象を受けた。この新しい冒険の舞台は「スプリットポゥのねぐら」だけでなく、前作の他のマップからも様々なエッセンスを抽出し、かつての冒険を思い起こさせるシチュエーションが詰まっている。短い時間のテストプレイでそれを確かに感じることができた。
発売が予定されている拡張ディスク「デザート オブ フレイム」の紹介ムービーでも冒頭に「サンドジャイアント」が登場したりと、前作にあった要素の復活をアピールするという方向性があるようだ。これからも追加要素の中で、500年の間に消え去ったと思われていたものが復活するということがありそうである。前作のプレーヤーが冒険の合間に昔の思い出を語る、ということがEQIIで今後増えてくるのではないだろうか。あまりくどくなるのは考えものだが、冒険のスパイスとして仲間の思い出話に耳を傾けるのも楽しい体験となるだろう。 EverQuest is a registered trademark of Sony Computer Entertainment America Inc. in the United States and/or other countries. (C) 2005 Sony Computer Entertainment America Inc. All Rights Reserved.
□スクウェア・エニックスのホームページ (2005年8月23日) [Reported by 勝田哲也]
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