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スクウェア・エニックス、タイトー共同記者会見
和田氏「どちらが子会社化だとか親会社とかではない!」

8月22日 発表

 株式会社スクウェア・エニックスと株式会社タイトーは、スクウェア・エニックスのタイトー株公開買付け (TOB) 開始の発表に関して共同記者会見を行なった。

 既報の通り、スクウェア・エニックスはタイトーの全発行済株式370,000株の取得を目指し8月23日から公開買い付けを開始する。公開買い付けに当たっての上限は設定されておらず、実現した場合、タイトーは連結子会社となる。逆に公開貸し付けに対して応募株券の合計が買付予定数に達しない場合は不成立になるが、すでにタイトーの取締役会において「公開買付けの賛同」を表明しており、タイトー株の36.02%を所有する京セラ株式会社も公開買付けに応募する旨を表明している。

 スクウェア・エニックスの提示する買付価格は1株あたり181,100円で、平成17年8月19日までの6カ月間におけるタイトーの終値の平均値に約20%のプレミアムが加えられた値。公開買付けについて何らかの事由により株式交換が実施できない場合においても、タイトーはスクウェア・エニックスとの間において他の方法による完全子会社化を検討していくとしており、その意志が強いことを示している。

 記者会見では主に発表されたリリースに関する内容に終始。事業計画については公開買付が実現した時点で発表するとしている。和田社長は記者会見の冒頭「スクウェアとエニックスが合併した当時から意識は変わっていない。次世代機の登場でゲーム業界は転換期を迎えている。ネットとコンテンツの融合で産業の構造的な変化をむかえ、提携の動きが早まった。そろそろ仕上げにかかりたい」と毎回話題として取り上げる産業の構造変化について触れながら挨拶。

 今回のタイトーの株式公開買付についても和田氏は「タイトーとは (事業などで) かぶるところがなく、相互補完できる。(タイトーの) 企業文化はまじめで共有するものがある」とし、「今回の公開買付けは、お互いの企業価値を高めるもの。業態や文化が違い顧客やサービスも違うので、タイトーを完全に取り込んでしまうのではなく、完全子会社としてブランドは存続させる。将来的にはグループのホールディングカンパニーを作って両社 (タイトーもスクウェア・エニックスも) ともその傘下になるといったイメージも考えている。スクウェアとエニックスが一緒になったときもさんざん言われたが、どちらが親会社でどちらが子会社といった話はまったく関係ない」と対等であることを強調した。

 今回の話について和田氏は「4月に資本提携や事業提携といった話ではなく広範囲なディスカッションを私の方から申し入れてさせていただいた。どういう価値が生み出せるのかを考えたとき、一緒になっちゃった方がいいという結論になったのがこの夏になってから。その方法論を考え始めたのが7月から8月といった間で、1カ月あるかないかといった感じ」と経過を説明。TOBについては「資本の理論だからといって、何をしてもいいのではない。価値を高めるためのひとつの方策で、いかに同じ方向を向いているかが重要。最近はTOBの印象が悪いので、(大株主の) 京セラの賛同は必須で、タイトーの社員の気持ちなども考え、一同賛同の上で今回共同記者会見というスタイルをとった」と説明した。

 前述の通り、事業計画については公開買付け後、または各事業がスタートする時点で発表するとしているが、今回触れられたのはアミューズメント事業と携帯コンテンツの2点について。

 アーケードゲームに関して、スクウェア・エニックスは手をつけていない分野だが「かなり工夫の余地はある」とコメント。「(コンシューマゲームのような) スタンドアロンのゲームは発売されたら手を出すことはできない。これは広く浅く収益をあげる手法だが、最近のユーザーはお金をかけるところにはガンガンつぎ込み、かけないところは徹底的に絞る。これにはネットワークゲームのような一種の従量課金的で対応することができるが、アミューズメント施設も一種の従量課金。産業の変革期に事業モデルとしてどうするのか。ここに余地がある」と続けた。和田氏は「アミューズメント施設のクレーンゲームにスクウェア・エニックスのキャラクタがあふれるといったキャラを使うことではない」ともっと根本的なモデルについて方向性を示していくつもりのようだ。

 また、西垣社長も「現場として変わらなければならないと考えており、悩んでいた。昨今では (アーケードゲームに) ネットワークコンテンツが増えたが、ゲーセン自体は変わっていない。ネットカフェなどの登場で兆しは見えても、変わり切れていない。スクウェア・エニックスのセンスを入れることでディメンションの変化を起こせるのか実験したい」とコメントしている。

 同様に、携帯分野について「携帯事業の分野についてタイトーは、スクウェア・エニックスの45億円の約倍の90億円。アーケードと携帯の連動も始まっているが、こういった分野でもシナジー効果は得られる」と語った。

発表会はスクウェア・エニックスとタイトーの“共同記者会見”となった スクウェア・エニックスの和田洋一代表取締役社長 タイトーの西垣保男代表取締役社長


□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/jp/
□タイトーのホームページ
http://www.taito.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.square-enix.com/jp/company/j/news/2005/download/release_050822.pdf (スクウェア・エニックス)
http://www.taito.co.jp/ir/ir_library/sonota/tob-suqeni20050822.pdf (タイトー)
http://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/taito0508.pdf (京セラ)
□関連情報
【8月22日】スクウェア・エニックス、タイトー株式の公開買い付け開始
タイトーを完全子会社化へ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050822/se_tai.htm

(2005年8月22日)

[Reported by 船津稔]



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