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【システム解説】


 システムを把握することは面倒な作業だが、キャラを問わずに影響する知識なので、勝率に直接関わってくる。今回はその中でも特に重要なシステムである「受け身」と「壁」、「起き上がり」について詳しく掘り下げてみた。きっちりと把握し、対戦に役立てて欲しい。


●【受け身のシステムと、受け身確定】

 受け身の動作には3種類あり、基本的にはリスクの少ない横転受け身を取っていくことになる。ただし、読まれた場合には大きなダメージをとられる可能性もあるので、それぞれの受け身の性質をしっかり把握してほしい。

 ■横転受け身

 パンチかキック、いずれかのボタンを押すことにより取れる受け身行動。パンチなら奥へ、キックなら手前へと受け身を取る。受け身が始まってから一定時間は無敵になり、その後行動可能になるが、行動可能になる直前の1フレームだけ「しゃがみ状態で無防備な時間」が存在する。この無防備な時間に打撃技等を重ねて確定させるのが、受け身確定と呼ばれるテクニックだ。

 代表的なものではレイヴンのハーケンキックでコンボを締めた後のサイスヒールなどが有名。このパターンの受身確定は、大抵「レバー8でその場起き→ガード」という行動でガードが間に合う。また、後述の後転受け身ならば回避できることも多い。

横転受け身の最後の1フレームはガード不能。安易な受け身は命取りだ

 他に横転受け身が取れるタイミングとしては、壁やられの後と、完全ダウン状態(寝っぱなし)に打撃を食らった後などが挙げられる。特に壁やられ後は距離が離れず、他の選択肢が少ないため受け身確定を狙われやすい。受け身を取ってから打撃を食らってしまうと地上で食らった場合と同じヒット効果になってしまうため、非常に危険。時には追撃を甘んじて受け、その後起き上がると言った行動も必要だ。

ブライアンのワンツースマッシュ~スネークエッジなどが代表例。受け身を取ると壁攻めがループしてしまう

 完全ダウン状態に打撃を食らった後も横転受け身が取れる。完全ダウン状態に打撃技を食らうと、地面をすべるように移動し、大きく距離が離れる。そのためかなり安全に起き上がることができ、有効な選択肢だ。ただしこの受け身にも当然無防備な時間は存在し、場合によっては受け身確定を狙われる。やはりワンパターンにならないことが重要だ。

寝っぱなしからの受け身はかなり安全だが、やはり受け身確定パターンも存在する。過信は禁物だ

 ■後転受け身

 レバーを4に入れることで取れる受け身行動。レバーは空中にいるうちから入れっぱなしにしておいていい。こちらは横転受け身と違い、無敵時間がない。そのためかなり長時間無防備な状態が続くことになるが、距離が離れるため多くの追撃をかわすことができる。

巌竜のヒッププレスは横転受け身に確定させやすい。これは後転受け身をすることで回避が可能

 受け身を取るとまず空中判定になり、続けて地上しゃがみ判定に移行し、その後行動可能になる。相手に読まれた場合、基本的には最後の地上判定部分に打撃を重ねられることになるだろう。横転受け身に比べて無防備な時間が長く、読まれればほぼ無制限に打撃技を食らってしまうので危険だが、横転受け身に対する受け身確定の多くはこの行動で回避することができる。最低でもこの二つは使い分けていくようにしよう。

後転受け身が読まれてしまうと、届けばほぼなんでも確定。ただししゃがみ状態なので、上段攻撃は当たらない

 ■クイック受け身

 レバーを6に入れることにより取れる受け身行動。その場でヘッドスプリングをし、素早く復帰する。足先に攻撃判定があるものの、お世辞にも強いとはいい難い。むしろ近距離で大きな隙を作ってしまうので、かなり危険な受け身だといえるだろう。

 ■その他の受け身確定と、特殊な受け身

 上記のような横転受け身の隙を狙ったものの他に、「受け身の終わり際にガード不能を重ねる」と言った受け身確定パターンも存在する。

 (ガード不能技の発生)-(横転受け身の残り硬直時間)<(最も発生の早い打撃技)

 この式が成り立つ場面では、ガード不能技が確定してしまうことになる。組み合わせによって当身で回避することは可能だが、どちらにしても安易な横転受け身は禁物だ。

横転受け身が手癖になってしまうと、万聖竜王拳のような大技ですら受け身確定してしまう。早く復帰したい一心でついボタン連打してしまいがちだが、手癖にならないように注意しよう

 その他特定の投げ後には横転受け身を、一部の吹き飛ばし系の打撃技ヒット後にはクイック受け身を取れる。これらは技によって取った方がいいものと、取らない方がいいものが分かれるので、個別に覚えるしかないだろう。

シャオユウの流星連脚は受け身を取れば宙転断空脚を回避でき、取ったとしても特定の状況を除いて確定はないので、受け身を取った方がいい

ただしジュリアの箭疾歩は全く逆。受け身を取っても傷口を広げるだけなので、おとなしくしているのがベター

 他に、ポールの裏疾風やマードックのコングラッシュ2発目、ブライアンのストマックブロー、ジャックのロケットアッパーなど一部の技は空中で当てると相手を裏返らせるという特殊な性質を持っている。これらの技を当てた後は、横転受け身の方向が片側に限定され、軸ずれの距離も小さくなるため受け身確定が狙いやすくなる。

ポールの鉄騎は横方向の判定が弱いため、普段は受け身確定が狙えないが……

裏疾風で裏返らせた後ならこの通り。比較的簡単に受け身確定させられる

 また、ここでの後転受け身は空中判定になっている時間が非常に長く、浮かせ技は狙えないものの、追いかけて行って何らかの打撃を当てれば簡単に浮かせなおすことができる。

 自分の使っているキャラがもしこれらの技を持っているのならば、ぜひそれを絡めた空中コンボを探してみよう。


●【壁付近では、追い詰めた側が圧倒的に有利!】

 鉄拳5の特徴的なシステムとして、壁がある。壁があるとその方向への移動が制限されるほか、各種壁やられの存在によりコンボの構成も普段と変わってくる。壁の効果を把握することは、本作を楽しむ上で非常に重要だ。

 ■壁やられ・小

 壁際まで相手を追い詰めて、ダウンしない打撃技をヒットさせた時に発生する壁やられ。ヒットマークに小さな火花のようなものがつく、という視覚的な効果だけで硬直やダメージに直接影響はない。ただし距離が離れないので、危険な状態に変わりはない。

壁やられ・小に特別な効果はない。距離が離れないので、地上コンボが狙いやすいぐらいか

 ■壁やられ・中

 空中コンボなどで、壁ヒットさせた時に起こるやられが壁やられ・中だ。壁ヒット時に少量のダメージが入ったあと、「壁ヒット~落下~着地~(無敵)~横転受け身or頭側うつ伏せダウン」という流れで状態が変化し、高い位置で壁ヒットさせるほど着地までの時間が長い。無敵が始まる前までは様々な技で追撃することができ、壁ヒットするたびにコンボ補正がリセットされるため、普段よりも大きなダメージが見込める。

 また、着地して無敵が切れた直後には受け身をとっても一瞬無防備な時間があり、ここに打撃技をあわせると補正が掛からず100%のダメージが入る。つなぎの早い多段技を持たないキャラには重要なテクニックだ。

補正無しのタイミングで技を当てる上で重要なのは、前の技とのつなぎのタイミング。連係技なら簡単に補正の掛からない部分に重ねられる

 ■壁やられ・強

 壁際でダウンを奪える特定の打撃技がヒットすると起こる壁やられ。キャラクタが壁に貼り付くようなモーションで、壁やられ・中との大きな違いは受け身を取るまで無敵時間がないこと。そのため低い位置で拾いなおし、壁やられ・中からの壁コンボを決めることも可能だ。

 普段は大きなダメージが取れない技でも、壁際で壁やられ・強が誘発できるならばコンボ始動技となり、有効な選択肢となる。壁コンボは総じてダメージが大きいので、壁際では多少リスクが高めでも、積極的にこれらの技を狙って行ってかまわない。

普段はリターンの小さい技でも、壁やられ・強を誘発させられるなら壁際では多大なリターンが得られる。壁がない場合とは使う技のチョイスを変えていく必要がある



●【危険なダウン状態を把握しよう】

 ■背後を取られてしまう起き上がり

 鉄拳には仰向け・うつ伏せ、相手のいる方向が頭側・足側の組み合わせで、4つのダウン状態が存在する。

 最も一般的なダウン状態は「仰向け足側ダウン」で、浮かせ技を食らった後など受け身を取らないと大抵この状態になる。

浮かせ技を食らって、受け身を取らなかったら大抵は「仰向け・足側ダウン」になる。これを基準にして覚えよう

 仰向けの場合は足側が正面になり、逆に頭側に回られた時は背後を取られた状態だ。投げ後などでなる機会の多い「仰向け頭側ダウン」でその場起きをすると、起き上がり途中は相手に背を向けた状態になり、打撃を食らうと背後ヒットしてしまうことに注意してほしい。起き蹴りを出した場合でも同様だ。

「仰向け・頭側ダウン」には注意が必要だ。素直に起きると背中をとられてしまう

 逆にうつ伏せの場合は「うつ伏せ頭側ダウン」が正面になる。その反対の「うつ伏せ足側ダウン」は起き上がり途中が相手に背を向けた状態。うつ伏せダウン自体がそう多くはないが、こちらも注意しておく必要がある。

うつ伏せダウンは多くないが、基本的には正面と一緒。安易な起き上がりは死を招く

 基本的には前転や後転などを挟んでも、正面・背面が入れ替わることはない。そのため後転を追いかけて、背後ヒットを狙うなどと言った戦術も有効。ただし横転・ダウン状態維持とした場合だけは、仰向け・うつ伏せが入れ替わり、正面・背面も入れ替わる。危険なダウン状態からは、一度横転・ダウン状態維持としてから起き上がったほうが、リスクが少なく抑えられる可能性もある。

後転を挟んでも、正面・背面は入れ替わらない。逆に大技で背後を取られてしまう可能性があるので、背面での後転はかなり危険だ

 ■起き上がり途中は空中判定

 起き上がりモーションの最初の数フレームは空中判定になっている。ここに打撃を食らうとガード不可で小さくバウンドしてしまい、さらにコンボにつなげられてしまう可能性もあるので気をつけたい。ただし空中で打撃技を食らった場合には補正がかかり、ダメージが少しだけ軽減されるので、あえて確定の打撃技を起き上がりつつ食らい、ダメージを少なく抑えるというテクニックもある。その辺は状況を判断し、使い分けてほしい。

ニーナのブレイズスティンガーでコンボを締められた後は、下手に動くとライトローキック&バックスピンチョップで再度コンボへと繋げられてしまう。このパターンだけは避けたい



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(2005年8月18日)

[Reported by 鉄拳攻略チーム]


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