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トリオ・ECO、ユーザー&プレスカンファレンスを開催
「エミル・クロニクル・オンライン」オープンβテストを8月19日より開始

8月17日開催

会場:国立科学博物館

 株式会社ブロッコリー、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社、株式会社ヘッドロックの3社による制作委員会「トリオ・ECO」は8月17日、上野にある国立科学博物館においてMMORPG「エミル・クロニクル・オンライン」(以下、ECO)のユーザー&プレスカンファレンスを開催した。このイベントでは、メディアや事業関係者のほか、抽選で選ばれた40人のユーザーを招き、ECOの今後のマーケティング戦略、さらにゲームに関する詳細や新要素の情報が公開された。

ガンホー 代表取締役社長 森下一喜氏
イベントでは動物たちの展示に合わせて、ECOのモンスターを紹介するパネルも置かれていた
 「エミル・クロニクル・オンライン」(以下、ECO)は、8月1日より第1次βテスト、10日より第2次βテストが実施された。プレーヤーが他のプレーヤーの装備品にのりうつって協力して戦うことができる“憑依システム”など、ユニークなシステムを盛り込み、通算のテスト参加者数が9万5千人を超えるという人気を博した。

 このカンファレンスでは、ECOのオープンβテストが、8月19日(金)15:00から実施されることが発表された。このテストではこれまで使用したIDとパスワードはそのまま使用できる。また、オープンβテストで育成したキャラクタデータは大きな問題が起こらない限りワイプされない。ただし、調整が入る可能性はあるという。

 イベントで挨拶に立ったガンホー代表取締役社長 森下一喜氏は「テストを実施してみて、ECOのユーザーの期待の高さを実感しています。これからオープンβテスト、正式サービスに向けてみなさんの声を作品に活かすという、国産のオリジナルタイトルならではの運営を目指していきたいと思います」と語った。

 今回、国立科学博物館がイベントの舞台に選ばれたのは、ガンホーのマーケティング部第2企画グループマネージャー小島 幸博氏の希望により実現したもの。ECOのタイトルが内包する“エコロジー”から「生命の進化と、人類と自然の共存」をアピールする国立科学博物館を選択したという。

 国立科学博物館は、生命の進化を視覚的に伝える展示品にあふれている。海から生き物が生まれる様子から、多彩な魚介類が泳ぐ様を表現し、剥製となった野生動物たちが生きていた姿そのままで来場者を迎える。地下には巨大な恐竜の化石が、生きていた頃の状態に組み合わされ、牙だらけの口を大きく開ける。今回のイベントは「エミル・クロニクル・オンライン探検ツアー」と名付けられ、さまざまな生物の展示物に囲まれて行なわれた。ちょっと不思議な雰囲気を持ったイベントであった。

ヘッドロック代表取締役社長 岡田信之氏。ユーザーの要望をどれだけゲームに活かすかが今後の課題だという ブロッコリー代表取締役社長 木谷高明氏。「すばらしいゲームができつつある、より大勢の方にこの作品を知ってもらうためにがんばっていきたい」とコメント 今回の仕掛け人である小島氏は、特製の「ECO缶」から、「オープンβ!」のかけ声と共に登場
イベントは国立科学博物館の展示ブース内で行なわれた。動物の剥製や化石が来場者を迎える


■ 新しいマリオネット、新しい服装……オープンβテストに実装される新要素

 地下1階のフロアで実施されたゲームカンファレンスでは、ガンホーコンテンツ開発部マネージャー岩田 容賢氏がゲームの概要と今後実装される新要素を語った。メディア向けの説明会の前に行なわれたユーザーカンファレンスでは、ゲームに登場するマリオネット「タイニー」が登場。岩田氏の言葉に合わせて愛嬌を振りまいていた。

ガンホー コンテンツ開発部マネージャー 岩田 容賢氏。新要素の説明の他に、クローズドβテストでのユーザー状況の説明も行なった
熊のぬいぐるみのマリオネット「タイニー」。岩田氏の説明に色々な仕草をしたり、カメラを向けるとポーズまで取るという非常にサービス精神にあふれたキャラクタだった
 カンファレンスに参加したユーザーは皆、真剣に岩田氏の言葉に耳を傾けており、岩田氏もこのイベントの後「ユーザーさんが雑談しているのを聞いていたんですけど、みんなゲームの話をしているんです。すごく真剣なのが伝わってきました」と語ってくれた。

 メディア向けカンファレンスでは、まずECOのユーザーの傾向を説明。タイタニア(天使族)の女性が一番人気が高く、それからドミニオン(悪魔族)、エミル(人間)と人気が続きこちらは男女それほど変わらず人気があったのだが、一番不人気だったのが、タイタニアの男性だったという。12種ある職業では生産系である「タタラベ」が人気がなかったようだ。

 続いて説明されたのが新要素。ECOの大きなウリである多彩な装備品に関しては、現在シャツの色などをNPCによって変えることができるのだが、これに裁縫スキルを使った「合成システム」が実装される。これにより同じ装備品でも大きく見た目が変わるようになる。

 また、スキルは見直しとバランス調整が行なわれていく。オープンβテストが始まってからしばらくしてからの実装になるが、スキルはレベル制を採用しよりわかりやすいものになる。このスキルに割り振るポイントはレベルが上昇した時以外にも得ることができるシステムが考えられている。

 現状のバランスでは魔法使い系の防御力が低く、パーティープレイでは、魔法を使ったり、回復が得意なキャラクタは肉弾系のキャラクタに憑依して戦うケースが多いのだが、魔法使い系のキャラクタもソロでもプレイができるような様々なプレイスタイルを提案していきたいということだ。

 マリオネットシステムも多くの新要素が追加される。第2次βテストですでに実装されていたのだが、ログアウト時のアイテム収集能力の見直しが行なわれ、より実用的になる。さらに新しいマリオネットが多数追加される。これらのマリオネットは材料をそろえることでプレーヤーが作成できることになる。

 ユーザーのアンケートで決定したサーバーの名前も発表された。第1サーバーはルピナス、第2サーバーはクローバー、第3サーバーはフリージア。すべて花言葉のイメージから選ばれたという。オープンβテストではこの3つのサーバーが稼働する。

 この他にも、PvPシステムや特殊ダンジョンシステムの存在が発表された。これらの詳細は東京ゲームショウで明らかにするという。

岩田氏の説明を真剣に聞くユーザー。クローズドβテスターから、抽選で40名が選ばれた サーバー名決定。オープンβテストではこの3台のサーバーが稼働する こちらはすでに実装されているカラーリングシステム。レアなカラーも用意されているという
実装予定の合成システム。性能は同じでも、大きく見た目が違う服にすることが可能に マリオネットの収集物の詳細。マリオネットの機能は現在バランスを取っているところだ 今後のアップデート。下二つは東京ゲームショウで明らかになる。PvPは1vs.1だけでなく多人数戦も視野に入れられている
ベリル。実はすでに実装されていたマリオネットで、耐久力が低いが消滅する際に一定の確率で上位型マリオネットに成長する ニンフ。精霊とも妖精ともいわれるマリオネット ピボット過去の文明の遺物だとも言われる謎のマリオネット
氷の精霊のようにも見えるマリオネット、アイシー。 ホムラ。火の鳥のような外見から、高貴な印象を受ける ピーノ。木の人形のような形をしたマリオネット
こちらのイラストはマリオネットモンスター。製造過程で材料を間違えてしまったり、持ち主に捨てられてしまい、闇の力に取り込まれてしまった危険な存在だ。左から、ダンプティー、ライギョー、モックー


■ ネットカフェなどの全国展開や“絵本”のコンテンツまで幅広いECOの新プロジェクト

 小島氏のマーケティングカンファレンスでは最初に本作のジャンルが「ハートフルオンラインRPG」に決定されたことが発表された。

ガンホーのマーケティング部第2企画グループマネージャー 小島 幸博氏は、ECOのイメージカラーである緑のスーツに身を包み、新しいプロジェクトを説明していった。
キャンペーンで各店舗からもらうことができるECO缶。先日のコミックマーケットでも登録ユーザーに配布された
 プレーヤー同士が協力し、より暖かなつながりを持った関係を目指していくのが本作の基本コンセプトである。例えば憑依システムでプレーヤーの宿る剣と共に冒険した時に、剣のプレーヤーとの二人三脚でがんばり、お互いの協力に感謝する、このような関係がECOの目指すところだ。自分だけの強さを目指さず、誰かのためにがんばることがうれしくなるような世界を目標にするというのが、制作の姿勢である。

 8月19日のオープンβテスト開始に合わせて、全国のゲーマーズ20店舗、及びワンダーコーポレーションが展開するエンタテイメントショップWanderGOO62店舗、そしてガンホーが公認するネットカフェ300店舗を対象にした「ECO缶ゲットキャンペーン」が開催される。携帯電話からECOをプレイするためのIDとパスワードを取得し、専用の待ち受け画面をキャンペーン対象の店に見せることでECO缶(お茶缶)をゲットできるというものだ。対象店舗の詳細は公式ページによって発表される。

 この他にもスタッフによる日記「ECOブログ」、インターネットLIVE放送番組「ECO放送局」、メールマガジン「ECO新聞」、ゲームのBGMをイメージイラストと共に紹介する「ECOMUSIC」などが9月にはスタートする予定だ。

 ちょっと注目したいのが「マリオネットえほんシリーズ」。ECOでプレーヤーがのりうつることができるマリオネットを主人公に、全12話が展開する。制作は玩具類デザインや企画開発する「こどもの館」が担当、9月上旬より毎週公開される。

 マリオネット誕生秘話やそれぞれのキャラクター性にちなんだストーリーが展開するという。えほんというタイトル通り児童向けの内容になっていくのか、はたまたちょっと脱力系のコミックになるのか、今回公開された“作例”では方向性が少し見えてこないところがある、どのような作品が生まれてくるか楽しみである。

予定される様々なプロジェクト。制作者の姿勢をアピールし、ユーザーとの交流を深めていく
Flash形式で提供される「マリオネットえほん」。展開するストーリーによっては、低年齢層のユーザー層を拡大する可能性を秘めたコンテンツである


■ ブロッコリーキャラクタの出演や、新エピソードも? 今後のECO

 イベントの最後にはガンホーの森下社長、小島氏、岩田氏、さらにブロッコリー代表取締役社長 木谷高明氏と、ヘッドロック代表取締役社長 岡田信之氏を交えた質疑応答が行なわれた。

森下氏は特製のうちわが非常に気に入ったようで、イベントの間中ずっと手に持っていた
 森下氏によると、オープンβテストの参加人数の目標は依然と変わらず100万人を目指すという。「ECOにはマリオネットシステムや、憑依システムといった今までにないシステムを搭載しています、どんな人にもぜひ一度触れてもらいたい」と語った。

 ECOにブロッコリーのキャラクタの出演はありうるのか、という質問に木谷氏は「ブロッコリーのキャラクタは当社が100%権利を持っているキャラクタばかりですから、当社の方針としてどこにでも気軽に出しちゃうというのはあります。ファンの希望が多ければ、ECOに出演させるのもやぶさかではありません。システム的には打ち合わせをしなくてはなりませんが、ノリとしては問題ないな、と考えています」。

 さらにブロッコリーではゲーム中に人気のあるアイテムなどを、商品として展開してほしいというユーザーの声が多く寄せられており、オープンβの会員数などを考えて予定を決めていきたいという。ECOのために描かれた羽々キロ氏のイラストも年末にかけてもっともっと露出を増やしていく予定だという。

 岡田氏はSAGA0「アクロニアの鼓動」とサブタイトルが付けられている現在のECOについて、「いまはSAGA4くらいまでは考えています。ここまでのストーリーは一応ありまして、クエストやイベントをこれから作っていきます。このSAGAは大規模アップデートにより進んでいきます。すべてのサービスが実装され、SAGA1が語られるのは正式サービス時になりそうですね」とのこと。

 制作側はオープンβテストでより多くのユーザーの声を集め、そして正式サービスへと移行する予定だ。現在の所正式サービスへ移行する時期、課金方法などはまだ発表されていない。ゲーム内容と同じように、東京ゲームショウでさらなる情報が明らかになりそうである。

(c)2005 BROCCOLI/GungHo Online Entertainment,Inc./HEADLOCK Inc.

□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ
http://www.gungho.jp/
□ブロッコリーのホームページ
http://www.broccoli.co.jp/
□ヘッドロックのホームページ
http://www.headlock.co.jp/
□「エミル・クロニクル・オンライン」のページ
http://www.econline.jp/
□関連情報
【8月3日】PCゲームファーストインプレッション「エミルクロニクルオンライン」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050810/eco.htm
【8月3日】トリオ・ECO、MMORPG「エミル・クロニクル・オンライン」
参加人数制限なしの第2次βテストを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050803/eco.htm

(2005年8月18日)

[Reported by 勝田哲也]



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