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セガ・ロジスティクス、「ASTROCROSS BB」のロケテストを実施
オンラインゲームを体感するという新しい楽しみ方に注目

8月5日~7日ロケテスト実施

会場:池袋ギーゴ

 株式会社セガ・ロジスティクスサービスは、8月5日から7日までの3日間、池袋ギーゴにて「ASTROCROSS BB」のロケテストを実施した。同社では、今回のロケテストの結果をふまえ、各コンテンツメーカーとライセンス契約を取り交わした後、今秋にもセガ直営店舗を中心に展開していく見込み。本稿では、ロケテストの模様をお伝えしたい。


■ アミューズメントスポット向けオンラインゲーム専用筐体「ASTROCROSS BB」

ロケテスト参加者はそれほど多くなかったが、常に数人は座っている状態だった
営業を頑張っていたのはガンホー。今回はガンホーとエヌ・シー・ジャパンの2社だったが、それ以外にも交渉を行なっているという
これがランチャー画面。右上には各社のプロモーションムービーが常時流されている
 「ASTROCROSS BB」は、アミューズメント関連の物流を行なっているセガ・ロジスティクスサービスと、ネットカフェ「Cafe J Net NEWNEW」を展開するデルガマダスが共同開発したアミューズメントスポット向けのオンラインゲーム専用筐体。

 外観は「体感機のセガ」らしい一般的なコックピットスタイルの筐体を採用しているが、中身は完全にPCで、ゆったりとしたテーブルにはキーボードとマウスが置かれている。マシンスペックは、Pentium 4 520 2.8GHz、メインメモリ1GB(DDR2)、GeForce6600、80GBHDDといった構成。モニタは19インチ液晶を採用。体感機らしい要素としては、正面に2スピーカー+リアにウーファーというサラウンド環境と、レザー張りのチェアに低音に反応する振動機能が付いている。

 通信環境は、セガグループが採用するオールネットではなく、USENの法人向け光接続サービス「SLSネット(100Mbps)」を別に引いている。これは対応コンテンツのゲームサーバーへの接続を確保するためで、コンテンツは外部からのライセンスを前提にしていることを伺わせる。

 液晶モニタには、常時ランチャーが起動しており、ランチャー画面には、対応コンテンツのアイコンが並び、その下には各タイトルのゲームの概要が短いテキストで示されている。そのほかにも、対応コンテンツのメンテ情報やアップデート情報といった最新情報を時系列で並べ、順繰りにプロモーションムービーを流す機能も備えているなど、ちょっとした広告塔としての役割も果たしている。

 実際のオペレーションは半分オンライン、半分オフラインという感じで、機材の搬入や新コンテンツの配信などは、セガ・ロジスティクスサービスの流通を用い、ランチャーの書き換えなどリアルタイム性の高い部分は、東京のセンターサーバーを介して直接インターネットで配信される。

 実際のプレイ方法は、コイン投入式を採用。コインを入れた状態でスタートボタンを押すと、キーボードとマウスのロックが解けて自由に操作可能になる仕組みになっている。好みのゲームのアイコンをクリックすると、ゲームが起動する。その後は完全に自宅のPCと同じように、IDとパスワードを入力してゲームをプレイするというスタイルになっている。

 今回のロケテストでは300円20分という設定だったが、ログイン手続きやその後のマクロ登録、各種オプションのカスタマイズといった煩瑣なプロセスを考えると、20分という単位は少し短すぎる印象がある。ただ、20分を過ぎてもいきなり切断されるわけではなく、数分のバッファを残しているという。ゲームに夢中になってそれと気づかなくても、係員が知らせてくれる仕組みになっていて、プレイ途中でうっかり切断ということはないようだ。

テーブルにはキーボードとマウスが置かれ、手前にはボリューム調節のつまみとヘッドフォン端子が付いている


■ オンラインゲームを体感するという新しい遊び方を提案

実際に体験してみた。十分に振動を体感するためには、頭を付けた方が良いが、それだと操作しづらくなる
 さて、今回のロケテストは、池袋ギーゴの5階フロアで行なわれた。薄暗い照明に「三国志大戦」や「WCCF」といった豪華な大型筐体がズラリと並ぶ中、大型エレベータの側に4台の「ASTROCROSS BB」が設置されていた。午前中に訪れたため、客足は今ひとつだったが、物は試しと早速プレイしているユーザーもいた。

 今回のロケテストで体験できたコンテンツは、ガンホーの「ラグナロクオンライン」と、エヌ・シー・ジャパンの「リネージュII」、「リネージュ」の計3タイトル。「ASTROCROSS BB」コーナーには、「ラグナロクオンライン」のポップやチラシが配置されており、営業担当者も現地に駆けつけているなど、今のところコンテンツプロバイダーとしてはガンホーがもっとも力を入れていることがわかる。

 席が空いていたので、さっそく体験する機会に恵まれた。今回はIDとパスワードはテスト用を利用したが、実際にはIDとパスワードは、事前に取得しておき、しっかり覚えておく必要がある。メモ等に書き出しておくという方法もあるが、プライバシーを守る仕切りなどは一切ないため、あまり推奨できない。

 これがネットカフェなら、非会員でもその場でPCのブラウザを利用して、ID等を取得することができるが、「ASTROCROSS BB」は原則としてPCとしては利用できないため、それができない。これがネットカフェとの大きな違いである。もっとも、関係者によれば、ID取得専用のPCを別途設置するというプランもあるという。

 ゲームは「ラグナロクオンライン」を選択し、既存サーバーで街やフィールドを一通り歩き回ってみたが、とにかく大音量のステレオサウンドと、尻が突き上げられるような振動に、心身両面で衝撃を受けた。担当者によれば、「アミューズメントスポットはいろいろなゲームの音が混ざり合って騒がしいので、これぐらいボリュームを上げないと聞こえない」ということだが、自宅ではとても出せない音量である。

 体感機のゆえんであるチェアの振動機能は、単純にBGMとSEの低音をすべて拾って振動させるというシンプルな仕様で、ゲームに依存せず、原則として音の鳴るすべてのゲームで振動機能を体感することができる。「ラグナロクオンライン」だと、戦闘中は絶えずズンズン来る感じで、1対1の戦いでもかなり迫力がある。

 比較的穏やかな雰囲気のプロンテラでも、BGMに合わせてズーンと来て、なかなかおもしろい。果たして平和な街で振動させる必要があるのかという気がしないでもないが、この振動要素はASTROCROSS BBでしか味わえない、言わばディズニーランドのアトラクションのような楽しさがある。これで長時間の攻城戦などに参加すると肉体疲労が凄そうだが、友人と数人で一緒に、1時間程度のプレイで好みのエリアやポイントを周回するツアーなどを組むとかなりおもしろそうだ。

 直近でASTROCROSS BBを体験できる機会としては、8月21日に開催されるガンホー主催イベント「RAGNAROK Online Japan Championship 2005(RJC 2005)」がある。フリープレイで終日公開するとのことなので、興味を覚えたユーザーはこの機会に試してみてはいかがだろうか。

 体験終了後にセガ・ロジスティクスサービスの担当者に少し話を聞くことができた。正式稼働時期は、冒頭でも触れたように今秋予定としている。対象店舗は、セガ直営店を皮切りに、徐々に個人経営を含む日本国内の全アミューズメントスポットに広げていく。設置は4台単位で、年内に100~150店舗への導入を予定。

 料金については、実はまったくの未定で、提供コンテンツについても契約はこれからだという。コンテンツの提供数については4タイトルを予定しているというが、ラインナップは現在の3タイトルからガラッと変わる可能性もある。ただ、ガンホーの営業担当者に聞いた限りでは、ガンホーは極めて前向きに取り組んでおり、「街のゲーセンでROが遊べるようになる」のはある程度堅いと見てよさそうだ。

(C)2005 株式会社セガ・ロジスティクスサービス

□セガ・ロジスティクスサービスのホームページ
http://www.sls-net.com/
□ASTROCROSS BBの公式サイト
http://www.mints.jp/
□関連情報
【2005年7月29日】ガンホー、AC用オンラインゲーム筐体「ASTROCROSS BB」で
「ラグナロクオンライン」を体験できるイベントを開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050729/ro.htm

(2005年8月9日)

[Reported by 中村聖司]



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