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★PCゲームレビュー★

ユニークな都市建設システムが魅力のRTS
枠にとらわれない、自由な発想を試そう

メディーバル ローズ
- 中世都市建国 -

  • ジャンル:リアルタイムストラテジー
  • 開発元:Monte Cristo
  • 発売元:ズー
  • 価格:8,190円
  • 対応OS:Windows 98/Me/2000/XP
  • 発売日:2005年7月22日(発売中)



 「メディーバル ローズ:中世都市建国」は、非常に自由度の高い都市建設システムをもつユニークなRTSだ。クォータービューの視点からフィールドを見下ろし、家を建て、町を作り、広げていく過程はまるで「Sim City」のようでありながらも、地面を構成する升目(タイル)のようなものに束縛されることのない自由度がある。

 町は完全な3Dグラフィックスで再現されていて、クォータービュー視点だけでなく、地面に視点を下ろし、まるでFPSのような画面から自分で作った町の雰囲気を楽しむこともできる。また、他勢力との戦争が重要な要素となっており、単なる建設シミュレーションゲームに終わらない奥深さも備えている。


■ 建て、作り、領土を広げよ!

「マス目」にとらわれない自由な形の町を建設できるのが大きな特徴のゲームだ
 本作の舞台となるのは中世。プレーヤーは1人の若き封建領主となり、自ら町を建設し、大地を自勢力の住民で満たし、領土を拡大してすべての敵対勢力を駆逐することを目的としたゲームだ。

 RTSの要素としては兵隊の生産や、敵部隊との戦闘はあるものの、そのあたりはかなり抽象化されていて、複雑で忙しい操作は必要としない。本作の主題は、あくまでも、タイトルの副題にあるとおり都市の建設と運営だ。ゲームをスタートすると、すでにいくつかの勢力が繁栄している大地にほっぽりだされ、適当な空き地を見つけてゼロから町を作りはじめることになる。

 町の中心となるのは城。これは他のRTSと同じように、敵に破壊されてしまえば即プレーヤーの敗北となる重要な拠点だ。ゲームを始めたら、まず、フィールド上の適当な地点に城を建設する。その周辺に道路を引き、道沿いに住民のための家を立てる。その上で各種設備を拡充させて魅力ある町にし、人口を増やしていく。というのが基本的なゲームプレイだ。

 本作の都市建設システムは、ゲームのメインテーマとしているだけにかなり細かい。都市に建設できる改善施設はこれらのカテゴリーに対応しており、たとえば食料なら畑、水なら井戸、治安なら処刑施設や防御用の塔や城壁、信仰は教会、健康は医者の家で余暇なら酒場、などである。

 人口の基本となる住民が住む家を機能させるためには、そこに住む住民の「食料」、「水」、「安全」、「信仰」、「健康」、「余暇」を満たす必要がある。全体として有用な施設を作るには人口や技術などの条件を満たす必要があり、段階に応じて発展していく作りになっている。さらに各施設は道路で接続されている必要があって、計画的に道路を敷くことも重要な要素だ。

 本作で特筆すべきは建物などをマップ上に置いていくときの自由度だろう。たとえば畑を作るとき、一般的な都市建設ゲームのように、あらかじめ決まったサイズのタイルを置いていくようなことはしない。図形を描くように、マウスクリックで頂点を置いていき、ある程度複雑な形であっても、プレーヤー自身の手で決定することができる。

 また道路を敷くときも、始点と終点を指定して直線を引くような方式だ。方向も完全に自由なので、直感的に自由な形の区画を作ることができる。これらのシステムおかげで町の形が非常にバリエーションに富んだものになる。まったく同じ形の町というものは、狙っても作れるものではないわけだ。このあたりの自由度は他のゲームではちょっとお目にかかれないレベルで、かなり新鮮で面白い。

都市の発展度に応じて建物のデザインも変化していく。このあたりは都市建設シミュレーションとして申し分のない出来だ


■ 都市建設は資源と土地のマネジメントがキモ。バランスはよし!

発展した都市には大面積の農場が必要となる。住宅から離れすぎると労働してくれないので、多少の集落も含めて「農村」のような形で広げていく
 本作でプレーヤーが管理する重要な資源は「食料」と「金」の二種類。食料は自国の住民を養うのに必要不可欠なもので、住民が住む家の近くに農場を作り、円滑に運営することで獲得していく。住民の人口に比して食糧生産量が少ない場合、住民は飢えてどんどん数を減らしてまう。

 農場には「コーン畑」や「ブドウ園」、「牛の牧草地」などいくつかの種類があるのだが、コーン畑は10月に収穫。ブドウ園は春先など、それぞれ収穫時期が異なっている。

 収穫された食料はいったん納屋や倉庫に集められ、保存される。これらが必要に応じて道路を通って輸送され、市場を通じて民衆に分配される。という仕組みなのだが、倉庫類は維持費がかかるのでそう多くは作れない。そのため一度に蓄えられる食糧に限りがあるのだ。

 たとえば年に一回しか収穫できないコーン畑に食料を頼っていると、大量に収穫されても倉庫に貯蔵できる以上の量は蓄積されないため、収穫のない時期に食料が欠乏して人口が低下してしまう。このため多種多様な農場をバランスよく配置することが食料管理のポイントだ。ちなみに、牧場などの食肉系は年間を通じて多くの食料が生産されるメリットがあるのだが、一定範囲内の住環境に悪影響を与えるなどのルールがあるため万能ではない。悩みどころは多い。

 これらの農業に必要な土地面積は相当なもので、だいたいの基準として、住宅面積の2~3倍が必要と考えていい。そのため土地の有効活用は絶対条件で、そこで、自由に畑などの形を決められる本作のゲーム性が光るわけだ。

 もうひとつの資源である金は、住民の納税によって得られ、各種改善設備の保守費用として消えていく。納税額はおおむね都市の人口によって決まるのだが、人口を増やすためには改善設備を置いてあげる必要があるので、なかなか黒字を維持することが難しい。


■ 住民の満足度をあげる効果を持つ各設備はすべて円形の「効果範囲」を持つ

改善設備には必ず「効果範囲」がある。できるだけ範囲内に収まるよう住宅地を作ることが収支を高める基本だ
 プレイ上のポイントは、同種の施設の範囲が重複しないように配置にして、建設数を最小にとどめること。複数の集落があるなら、それぞれ規模に合わせた設備のみを置いていく。また大規模な人口を養うためには相当な面積の農場が必要なため、当然、住民が住まない空間も相当存在することになる。設備の効果範囲の無駄をなくすために、人口密集地帯を意図的に作るわけだが、住宅地における改善設備自体も相当な面積を必要とするため、最適化された配置を作りだすのはなかなか難しい。このあたりのバランスは非常に秀逸で面白く、ついつい時間を忘れて町を最適化し続けてしまう。

 さて、町が発展していくと、発展度に応じて、石工、建築家、機械工といった、新たな補助施設を作るための改善がアンロックされていく。たとえば、石工を作れば中規模の教会が作れるようになり、当初に作れる十字架の置物よりも広い範囲に住む民衆の信仰心を満足させることができるようになる。建築家を作れば城壁を木の柵から強固な石積みの壁にアップグレードすることができ、民衆をより安心させられる、などなど。

 それを活用してさらに人口を増やしていくわけだが、人口が増えると当然、その人口が必要とする食料を確保する必要が出てくる。そのためにさらに郊外に畑を作り、牧場を作り、納屋を作って食料を蓄積できるようにし、さらなる人口を扶養する体制を整えていく。というわけだが、このプロセスはいつまでも続かない。マップ上には複数の陣営がなわばりを持っているので、勢力圏を延ばして国境線を接してしまったら、それ以上の規模に成長するためには土地を奪う必要が出てくるのだ。


■ 単純なようで意外と奥深い戦争システム

これらの「訓練施設」を使い、住民を兵士に変えることで歩兵や騎兵のユニットを作る。ルールは単純そのものだ
 本作の戦争のルールはきわめてシンプルだ。

 戦闘用のユニットは歩兵か騎兵の2種類。それぞれ歩兵の訓練所と騎兵の訓練所の施設を使って、住民の人口とひきかえに召集する。ユニットに与えられる指令は、行き先を指定しての移動だけであり、しかも、ユニットが移動している間に指令を変更することはできない。敵のユニットをターゲットにして直接攻撃させるようなことも不可能だ。

 戦争は、敵の国境線の中にユニットを配置することで開始される。といっても、即座に戦闘が始まるわけではない。領土内にユニットが到達した時点で「神の休戦」なるカウントダウンが始まり、この間、敵領土内に城壁や塔、あるいはバリスタや投石器などの攻城兵器を設置することができるし、この間に増援のユニットを移動させることもできる。

 いざ戦闘が始まったら、ここから先は半自動で決着がつく。ユニットは各自の判断で行動し、町を攻める戦闘なら敵の城にむかって突撃し、防衛戦なら敵のユニットが近づいて来次第、防御戦闘を始める。

 戦闘を始めたユニットは操作不能になり、勝利して待機状態になるか全滅するまで完全にAI任せとなる。プレーヤーは増援を送り込んだり、防御用の施設に余剰ユニットを配置したりといった戦略的な判断のみをすることになる。勝敗は、戦闘に投入した兵士の人数と「神の休戦」期間中に設置した戦闘用施設の数と配置によって決まると考えていいだろう。まさに戦略級である。

 このように、一般のRTSに比べると戦闘に際してプレーヤーが介入できる部分が少なく、意思決定の要素が戦略レベルに絞られているのが本作の特徴だ。だがしかし、単純だからといって決して浅薄なわけでもない。

 戦闘に際してプレーヤーが行なえるのは、各部隊の配置と、それを支援する攻撃・防御設備の配置に絞られているわけだが、この「配置」というのがどうしようもなく奥が深いのである。

 セオリーとしては、塔にこもって戦ったほうが、高所の利点を生かせるので射程も伸び、地べたを歩いて攻めてくる敵に対して善く戦える。したがって、防衛戦であれば敵が攻めてくるであろうルートに沿って塔や城壁を建てて兵士を駐屯させる、などの準備を行なうわけだが、この種の設備が必要とする面積がバカにならないのである。場合によっては防御のために農場や住宅地などを泣く泣く潰すハメになるため、都市建設の段階において、あらかじめ防御を考えた城壁や塔の配置をしておく必要が出てくるわけだ。

 敵の都市を攻めるときには、敵の城壁にこもる敵部隊の撃破、城壁の破壊、さらに城壁に囲まれた都市の中央部にある敵の城の破壊が必要となるわけだが、敵の城壁や塔の配置をきちんと把握した上で兵士を配置しておかないと、十分な兵士を集めたつもりでも易々と撃退されてしまうだろう。

 また、兵士の維持には金と食料を必要とする。都市の食料生産が住民をまかなうので精一杯というときには、下手に大量の兵士を招集すると住民が飢え始めて人口が減ってしまう。それにともなって税収も減るので、兵士を維持するための資金が尽き、兵士も離脱を始め……といったマイナスの連鎖が発生してしまう。いったん赤字経営になった都市は意図的に各種施設を破壊するなどして規模を縮小しないと再度黒字に転じさせることが難しいため、都市経営の段階で戦争を見越した経済構造にしておくことが何よりも大事なのである。

敵の領土内にユニットを配置した時点で「神の休戦」が始まる。この間に攻防の準備をして、開戦だ。戦闘が始まるとあとはAI任せ。勝敗を決めるのは事前の準備だけという、戦略級のゲームプレイになっている


■ 必見!! シナリオモード序盤プレイレポート

シナリオモードでは、このワールドマップ内に配置された戦場を段階的に攻略していくことになる
 本作のメインとなるゲームモードは、段階的に一連のマップを攻略していくシナリオモードだ。

 複雑でユニークなルールを備えたゲームであるだけに、シナリオモードの冒頭にはチュートリアルミッションが組まれている。チュートリアルでは基本操作から建物の建設、技術発展を含めた各種ルールについて詳しく学べるので、ルールがわからず右往左往するような心配はないと思う。

 さて本作の実際のゲームプレイの流れを紹介したい。シナリオモードでの第二段階で選べるマップ「フェルンジー諸島」を攻略していこう。このマップでプレーヤーに課せられた目的は3つ。まず人口を5,000人にすること。次にマップ西南部にある集落を併合し、石工の技術を得ること。最後に、マップ東南部のゲルマン人の町を攻め落とすこと、となっている。

ゲーム開始時に土地の広さや土壌の肥沃度をチェックしておく。これが後々の計画の基本になるため重要だ
・序盤の流れ

 まず最初にプレーヤーが行なうべきなのは、都市の中枢部となる城の建設だ。このマップは小島が多く連なる構成となっていて、都市圏を広げていくプロセスを想像しながら最適な箇所を選ぶことになる。

 今回のプレイでは、北東部にある島を選んだ。ここはなだらかな地形がある程度連続しており、中枢部として住宅密集地帯を作るのに好都合だ。食糧生産に必要な農場は橋でつないだ他の島に建設することにする。

 ただ、序盤は土地が限られていることもあって、広大な農場を作れない。このため、住宅地の近辺に鳥小屋や野菜畑などの小型の農園を作り、食料を補うことにする。このあたりは基本中の基本だ。

 ポーズした状態で必要な一通りの建築物の設置を指定したら、いよいよ時間を進めてみるのだが、ここで必ずチェックすべきは金と食料の収支だ。人口がある程度安定した段階まで待ってみて、そこで金の収支が赤字になっているようでは、既にお先真っ暗といっていい。民心を安定させる「十字架」や「木彫りの像」といった設備の範囲内にきちんと住宅地が収まっているかを確認して、必要があれば区画を整理する。黒字に乗ってきたら、まとまった金額がたまるまで時間を進めてみよう。

 設備を充実させて住環境が向上してくると、爆発的に人口が増え始める。食糧生産能力などお構いなく増えた挙げ句、勝手に飢餓状態になるので注意が必要だ。飢餓を避けるには多くの農場が必要になってくるのだが、島ひとつではとても土地が足りない。隣の島に橋を渡して、土地を確保することにする。

 農場には収穫期の異なる複数の種類があるので、なるべくすべての種類を万遍なく建設するのがコツだ。牧場などの食肉類は一定範囲内の信仰心にマイナスの効果があるので、可能な限り住宅地から遠ざけて作っておく。食糧貯蔵のための納屋や倉庫を作るのも忘れずに。これがないと、せっかく生産された食料も無駄に腐らせてしまう。

良さそうな土地を見つけ、いざ都市開発を開始。まず井戸を配置し、その効果範囲内に住宅を設置していく。土地を有効活用するため、中央部には改善施設をおくためのスペースを作っておくと後々楽になる

時間を進めるといきなり赤字。人口が増えきるまではしかたのないことだが、貯金がマイナスになってしまった。ここで主人公の「父上」とやらから金1,000の援助を受けた。これを使ってさらに改善を設置。しばらくすると完全に黒字に転ずることができた

人口増にあわせて農場を作っていくが、すぐに土地が足りなくなる。橋を作り、隣の無人島にも勢力圏を広げる。基本はこの繰り返しだが、いずれ敵に接触することになる

いきなり攻めてきた蛮族。我が方の田畑を破壊しながら進撃して来るところ、歩兵をぶつけ撃退した
・中盤は戦争で土地を拡張

 この段階に至って西にある島から蛮族が攻めてきた。蛮族の攻撃は決して強力なものではないが、こちらに備えがなければあっというまに城を破壊されてゲームオーバーだ。あらかじめ作っておいた歩兵訓練所で急ぎ歩兵を召集し、敵の進攻路に配置する。兵士3部隊(150人)を投入して無事撃退することができた。

 今度は反撃だ。さらに歩兵を召集して、そのほぼすべてを蛮族の土地に配置する。ごく一部を防御用に残すのみ。「神の休戦」が始まったら敵の領土内に軍事施設の建設が可能になるので、城壁を作り、塔に歩兵を入れて準備する。1カ月ほどの準備期間が終わるとすぐに自動戦闘が始まる。塔に入れた歩兵はすぐに全滅してしまったが、間髪いれず代わりの歩兵を塔に配備する。敵の防御はそう強力ではなく、数十秒の戦闘で勝利した。

 こうして手に入れた土地に新たな住宅地を作り、さらに無人の島に橋を渡して農場を作る。このプロセスを続けていくうちに、いつのまにか人口が4,000人を突破していた。第一目標の5,000人まであと一歩だ。

 人口に比例して召集可能な兵士も多くなるのだが、兵士が必要とする食料にも気を配ることが必要だ。食料の収支が赤字になって食料貯蔵が底をつくと、住民全体の人口が激減し始める。そうなると兵士も維持できなくなり……となるので、何事も計画的に行なおう。今回のプレイでは、石工を持つ島を攻める前におよそ10部隊500人の召集が可能になった。

敵地に歩兵を駐屯させ、「神の休戦」に入る。この間に塔を立て、歩兵を入れて敵を迎え撃つ体制を固める。この時点の戦略如何で勝敗が決まるので、周到な準備が必要だ。このケースでは楽勝することができた

このプレイでは金の収支が軌道に乗ったため、高価な攻城兵器を大量に配置することができた
・終盤は収支の最大化に勤める

 都市経営がうまくいき、毎月の利潤が金1,000を超すことができた。こうなると一度に使える金が数万単位になってくるので、攻撃に際して高価なバリスタや投石器を大量に配置してもおつりがくる。このおかげで、兵士をほとんど消費しないまま、次々に敵都市を併合するとができた。

 しかし食料生産については少し心許ない。併合した都市は土地をまったく有効活用した形になっていないので、いったんすべて破壊して、直線的な道路を敷いて区画整理。最適化してしまうことにした。食料生産は、毎月500程度の余剰が出るくらいが理想だ。穀物倉を多めに立てて多くの在庫を抱えられるようにしておけば、戦争時に多少無理な数を召集しても、飢餓を起こさずにすむからだ。

 経済構造を最適化し、大幅な黒字を確立した段階で、順調に石工を持つ町を併合することができた。ここで新たな設備である「教会」と「泉」が作れるようになったので、各住宅地のそばに建設する。さらに人口爆発。食料の収支が赤字に転落しそうになってきた。ここは速戦即決で最後の目標を達成すべきだろう。

 というわけで、召集可能な最大数の歩兵を集め、最後の敵の島に石橋を渡し、一気に攻め込んでいく。金だけは膨大にあるので、「神の休戦」期間中に大量の投石器を配置。兵士の無駄な消耗を防ぐ。戦闘が始まると、瞬く間に城を破壊することができた。

 最後の敵の町を占領すると、すぐに別の「神の休戦」期間が始まる。マップ外からゲルマン人の部隊が攻め込んでくるのだ。この戦いに敗北すると、町を奪還されてしまい、もう一度攻略しなければならなくなる。おそろしく大量に攻め込んでくるので、破壊した城壁をすべて修復し、先ほど建設した投石器に加え、城壁内に大量のバリスタを準備する。これらの維持費のため赤字に転落したが、余剰は数万単位で残っているので気にしない。

 ゲルマン人部隊による最後の攻撃が来たが、完璧な準備をしていたので易々と撃退。すべての目標を達成することができた。このマップはこれで攻略完了だ。

ゲルマン人の町に対する攻撃。歩兵を敵領内に配置し、経済力に物を言わせて大量の投石器を設置。作りすぎて赤字に転落しそうだったが気にしない。このおかげであっという間に城壁を突破することができた

城を破壊して都市を占領したら、今度はゲルマン人の大部隊がマップ外から反撃してくるのに備える。都市内にバリスタを大量設置して、兵士を城壁に配置していく

ゲルマン人が攻めてきた! ものすごい数だが、用意周到な準備が功を奏し、死体の山を築くのは敵兵のみ。数十秒の防衛戦闘を経て勝利確定。このマップを制覇した


■ 他に例のないユニークなゲームとして要チェック!

本作にはマップエディタがビルトインされている。シナリオモードを一通りクリアしたら、これでオリジナルのミッションを作ってみよう
 というわけで、本作「メディーバル・ローズ:中世都市建国」のゲームプレイを一通り紹介してみたが、どんな感想を持たれただろうか。

 筆者自身の評価はすこぶる高い。実際のところ一般的なRTS全般に厳しい目を持っている筆者としては、本作のような、こういう形のRTSは大好きなのである。

 他のRTSが、建築・生産という戦略要素に加えて、ユニット同士の戦闘という戦術要素にも細かい制御を求め、結果としてプレーヤーの「視点の混同」を招いているのに対し、このゲームは戦略要素に的を絞ったゲームプレイを持っており、プレーヤーに露骨な操作の忙しさを要求しない。

 都市建設と戦闘の要素が互いに「戦略的な」視点で結合し、プレーヤーの意思決定はすべての要素に対してシームレスに影響していく。操作的な忙しさよりは、都市を構成する建築物の配置関係や、税金の収支、食料の収支といった大局的な意思決定に頭を悩ませる。こういったゲームは、プレイしていてとても心地がよいものだ、と、少なくとも筆者はそう考えるわけである。

 いわゆる「普通の」RTSに疲れている皆さんには、ぜひこのゲームを手にして、戦略部分に視点が統一された心地よいゲームプレイを体験していただきたい。

(c) 2004 Monte Cristo Games. All rights reserved. Monte Cristo and its logo are registered trademarks of Monte Cristo Multimedia. All other trademarks and logos are properties of their respective owners.


【メディーバル ローズ - 中世都市建国 -】
  • CPU:Pentium 4 1.2GHz以上(Pentium 4 1.5GHz以上を推奨)
  • メモリ:256MB以上(512MB以上を推奨)
  • HDD:1.2GB以上の空き容量
  • ビデオカード:VRAM 64MB以上(128MB以上を推奨)


□ズーの公式ページ
http://www.zoo.co.jp/
□「メディーバル ローズ ~中世都市建国~」の公式ページ
http://gamezone.zoo.co.jp/release_medieval_lords.html

(2005年8月1日)

[Reported by kaf@ukeru.jp]


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