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China Digital Entertainment Expo現地レポート

SONY、iQue(任天堂)、セガ、ブースレポート
中国で活発な動きを見せる日本メーカー

7月21日~23日開催(現地時間)

会場:Shanhai New International Expo Center



■ ソニーはゲーマー向けに「グランツーリスモ4」を中心に出展

 China Digital Entertainment Expo(China Joy)では、中国本土でPS2を発売しているソニー (China)が毎年ブースの出展を行なっている。多くの試遊台を設置しながらも、配置に余裕を持たせ、他のブースのように高い壁や大きなステージがない構成は、洗練されたイメージがあり、他のブースにはない独特の存在感を放っていた。

ソニーは「グランツーリスモ4」のコクピット型試遊台を多く設置し大きくアピール。タイムアタックコンテストも開催した
上海でPS2を販売する正規代理店のある梅龍鎮広場。ファッションモールなどもある高級デパートだ
 ソニーは今回は「グランツーリスモ4」を中心にアピール。ハンドルコントローラの就いたコクピット型筐体を多く配置し、注目を集めていた。他にも「ウイニングイレブン8」や、「ドラゴンボールZ2」、「真・三国無双」、「サルアイトーイ 大騒ぎ! ウッキウキゲームてんこもりっ!!」などを出展、どの試遊台も順番待ちの列ができていた。

 今年、中国で非常に人気が高かったのは「ウイニングイレブン8」。ナレーションもすべて中国語にしたことが高い評価を得て、大きく売り上げを伸ばした。中国本土のユーザーは台湾と違い、日本語版が受け入れられず、ソフトは中国語版か英語版で発売される。「Formula One 2004」は英語版で発売されユーザーから喜ばれたとのこと。

 今回「グランツーリスモ4」をブースのメインにしたのは、China Joyではコアなゲーマー達が集まる傾向があるためだ。7月の最初に上海で行なわれたアニメとキャラクタのイベントでは、「ドラゴンボールZ2」の対戦大会に、参加希望者だけでなく多くのギャラリーも集まった。イベントに集まる客層に合わせて、中心としてアピールするタイトルを工夫している。

 上海でソニーはふたつの正規代理店でゲームとハードの販売を行なっている。現在、PS2の価格は1,448元(日本円に換算すると約22,500円)で、中国では高級品だ。しかし特に最近の上海では大学生が食費を切りつめてゲームにお金を使ったり、子供がお店に学校帰りに毎日通い、ついに両親を説得して購入していくという風景も見られるようになったという。市民の経済事情の発展と共に購買層が広がっているのを実感しているそうだ。

 上海でソニーは「ソニーギャラリー」という施設を持っている。この施設では通常はソニー製品を展示しているのだが、月に1度3日間、PS2のイベントを行なっており、その時にはギャラリーすべてのものがPS2関連のものに変わる。最近ではゲーマーだけでなく親子連れや女性などの姿も増えてきて、PS2が幅広い層に受け入れられていることを実感しているとのこと。

 また、現在はまだ新型である薄型のPS2は発売されていない。 今後は新型も始め、PSPも展開していきたいという。発売時期はまだ未定だ。

 取材後パンフレットに紹介されていた上海の正規代理店のひとつに行ってみた。代理店は、上海梅龍鎮伊勢丹などもあるショッピング街に立つ「梅龍鎮広場」という高級デパートの1Fにあった。店の規模は通路に5mほどのカウンターが設置されている小さなもので、10本ほどのソフトが陳列されていた。試遊台は「ヴィオラートのアトリエ」、「XIゴ」、「EYE TOY」があり、小さな子供が熱心にプレイをしていた。筆者達が見ている前で、親子連れが店員と話をしていたのだが、その親子にはお金持ちの雰囲気があって、この国ではPS2が高級品である事を改めて感じさせられた。お店の規模もまだ小さく、中国でのPS2の普及はまだまだこれからだろう。

数多くのタイトルを出展していたソニーブース。「テイルズ オブ ディスティニー2」や、「ヴィオラートのアトリエ」といったタイトルも出展されていた


■ 任天堂の合弁会社iQueは、発売直前のニンテンドーDSを強くアピール

 任天堂は中国では「iQue」という合弁会社で展開を行なっている。昨年のChina Joyではニンテンドウ64の技術を応用した中国オリジナルの新ハード「iQue Player」を大きく発表したのだが、今回は7月23日より発売されるニンテンドーDSを大きくはアピール、それと共にGBASPタイトルの出展を行なった。

iQueブースではニンテンドーDSの他に、GBA向けのタイトルも出展されていた
 中国で発売されるは、ゲームソフトを1本バンドルして販売され、価格は1,700元ほど(日本円で約2万5千円)。バンドルするソフトは「直感ヒトフデ」の中国語版オリジナル。漢字を使っての一筆書きはなかなか難しく、日本語版とはひと味違うゲーム性を生み出しているという。さらに「さわる メイド イン ワリオ」をバンドルしたタイプも販売が予定されている。

 このソフトをバンドルして販売するという手法はGBASPの販売形式から引き継がれているもので、GBASPは昨年「ワリオランド4」、「メトロイド ZERO ミッション」、「メイド イン ワリオ」などをバンドルし、非常に好評だった。これらのソフトは先月からソフト単品の発売も開始された。

 出展はブースの左右に試遊台を置き、来場者に自由にプレイをさせるとともに、ニンテンドーDSを持ったコンパニオンがブース前の来場者に声をかけ、DSを体験してもらうというアピールを行なっていた。

 ブースでは特に「直感ヒトフデ」と「さわる メイド イン ワリオ」の人気が高かった。プレイをしている人だけでなく、一生懸命タッチペンで画面をこする人を見ている人も非常に面白い。仲間でわいわいと試遊台を囲み、画面をのぞき込んだり、試遊台の上に設置されたモニタを見ながらアドバイスをする人たちもいた。

 また、発売予定である「nintendogs」は日本語版のものが出展されていた。他には、「キャッチ タッチ ヨッシー」や「スーパーマリオDS」がラインナップとして上がっている。

 PS2と比べて、ニンテンドーDSの価格設定の高さには驚かされた、ソフトがバンドルされている点を考えても、日本と比べて5,000円ほど高い。また「iQueプレーヤー」が今回China Joyでアピールされなかったところも気にかかるところだ。

コンパニオンはブース前の人にニンテンドーDSをアピール。会場では特に「直感ヒトフデ」と「さわる メイド イン ワリオ」の人気が高かった


■ SEGAは「PSO」最新作と、オンラインレースゲーム「CT-RACER」を出展

 SEGAは今夏に発売を予定している「PHANTASY STAR ONLINE BLUE BURST」と、1月から正式サービスを展開している「CT RACER」の2タイトルを出展、試遊台を多く設置し来場者にアピールしていた。

セガブースではふたつのタイトルを紹介。「PHANTASY STAR ONLINE BLUE BURST」はコアなゲームファンを思わせる思わせる人が多く、「CT-RACER」はそのハンドルコントローラに興味をひかれたのか、女性や低年齢のユーザーの姿が目立った
 「PHANTASY STAR ONLINE BLUE BURST」は、好評を博しているという「PHANTASY STAR ONLINE(以下、PSO)」シリーズのの最新作としてファンの期待度が高い。MOタイプのゲーム、アクション性のある戦闘、そして世界観。ゲーム性と作品の雰囲気が新鮮だという声が多く寄せられている。最大同時接続者数で1万5千人を超えている。

 「CT-RACER」は韓国のHyundai Digital Entertainmentと共同開発した多人数参加型レースゲーム。他のプレーヤーとレースが楽しめ、さらにパーツやステッカーなどで愛車のドレスアップ、チューニングが行なえる。上海の町並みを再現したマップや、頭文字Dに出てくる「峠」を再現したマップも登場、会員数は480万人を突破、同時接続者数でも2万人を超えている。課金はアイテム課金方式を採用している。

 中国のユーザーのSEGAの人気は非常に高く、中 裕司氏、 鈴木 裕氏といったクリエーターの名前にも敏感に反応し、期待を寄せていることに驚かされたとのこと。昨年中国で行なわれたSEGAの発表会では上記2タイトルと共に「シェンムー オンライン」の発表も行なっている。中国でのこのタイトルの期待度は特に高い。現在は「シェンムー」ならではの特色を出すべく、クオリティーを高めるために努力をしており、今回の展示は見送られた。

 現在、SEGAはPCゲームを中心に展開しているが、今後は中国のアミューズメント市場にも参入していくという。また、イベント展開も積極的に行なっていく計画で、来週上海で開催されるアニメ作品などを中心としたキャラクタイベントでもSEGA の存在をアピールしていくという。

SEGAブースでは他のブースと比べて小規模ながらイベントステージを設置、ゲーム大会などが行なわれていた

【CT-RACER】
現代デジタル エンタテインメントと共同開発した多人数型レースゲーム。上海の町並みを再現しているほか、「頭文字D」に登場する峠のコースなどを収録している
※画面は韓国語版のものです。 (C) Sega Corporation And Hyundai Digital Entertainment Co,.Ltd

□China Joyのページ
http://www.chinajoy.net/

(2005年7月23日)

[Reported by 勝田哲也]



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