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Electronic Entertainment Expo 2005現地レポート

ATARIブースレポート

ATARIブース
5月18日~20日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 ATARIブースは、昨年、意味深なコンセプトムービーだけを見せた「Getting Up」をはじめ、看板シリーズ「Test Drive」の最新作、映画「マトリックス」のゲームなどを展示。看板スタジオの「Unreal」で有名なEPIC GAMESがMIDWAYに移ってしまったことで、E3前はタイトルラインナップのパワー不足が心配もされたが、蓋を開けて見れば、パワーは例年並み。良作が目白押しであった。

昨年に引き続き、ATARIはSOUTHホールのてっぺんに大広告をうった SOUTHホールとWESTホールを結ぶプロムナードには新作アクション「Getting Up」のイメージ広告が。交通看板に落書きをしちゃったイメージ


■ TEST DRIVE UNLIMITED~Xbox 360内に再現されたハワイでMMOドライビング

「TEST DRIVE UNLIMITED」の体験コーナー
 ATARIが放つXbox 360初タイトルは名作「TEST DRIVE」シリーズ最新作。

 今作ではハワイのオアフ島を完全再現。全長約1万マイル以上の道路とそこからの景色をXbox 360に詰め込んだ。地形データは衛星写真等により再現。ディテールについても電灯からゴミ箱に至るまでを再現したという。

 ゲームの基本コンセプトは好きな車でハワイをマイペースにドライブすること。そして、車になれたら、巡り会うライバル達と、突発的な公道レースを楽しむこともできる。

 Xbox Liveを介したオンラインプレイにも対応。この場合は、ハワイ、オアフ島を流しながら走っている他プレーヤーにコンタクトを取ってその場でコースとルールを決めてレースすることができる。

 登場車種は現時点では未公開だが、高級スポーツカー以外の一般的なコンパクトカーも登場する予定だとのこと。また、四輪車だけでなく二輪車までも登場させる計画もあるとか。Xbox 360のオンラインコンテンツ導入機能であるMarketplace機能を介して新車種の配信も予定。

 発売時期は2005年第4四半期を予定。開発は「ニード・フォー・スピード」シリーズや「V-Rally」シリーズを手がけたEden Games。

その他のドライブゲームと異なり、走りだけでなく、内装の表現に凝っているのが本作の特徴。内装はただの飾りではなく、実際に窓を開けたり、ラジオを付けたり、ワイパーを回すこともできる


■ Getting Up:Contents Under Pressure
  ~抑圧された社会へ絵で抗議するアンダーグラウンドカルチャーアドベンチャー

「Getting Up」体験コーナー
 時は架空の近未来。行動が制限された抑圧社会に生きる若者達は、「落書き」(グラフィティ)を街の要所要所に描いていくことで自由への渇望を訴えていた。

 プレーヤー扮する主人公「トレーン」は、あり得ない場所に、あり得ないくらいの大きさのグラフィティを描き、街のみんなから尊敬される伝説のグラフィティ・アーティストの証、「All City King」の称号を獲得することを目指す。

 ゲームの目的は明快。各ステージごとに設定された目標の場所に落書きをすること。ただ、その場所というのが、高層ビルに掲げられた看板だったり、疾走する列車のボディにだったりと、実際問題、かなりの無理難題が与えられる。壁に上ったり、パイプを伝ったり、ロープに掴まったり……といったアクションをこなしつつ目的地を目指すわけだが、その行く手を阻む敵達も登場する。

 それは警官や清掃員といった政府の手下達やライバルグループのグラフィティ・アーティスト達。彼らは落書きをさせまいと攻撃を仕掛けてくるのだ。

 戦闘は、格闘ゲームライクなパンチとキック、そして掴んでの投げ技が基本で、そのシーンに武器となる小道具、たとえば鉄パイプなどが落ちていればそれを掴んで武器として活用できる。主人公は武闘派ではないので、そう簡単には敵を倒すことができない。そこで利用するのが地形的条件。高速道路のシーンでは敵を道路にはじき飛ばして車に轢かれさせたり、ビルの屋上などの高台シーンでは突き飛ばして転落死させたり……と、そのシーン自体を武器として活用するのだ。

戦闘シーンはキック、パンチ、掴んで投げるが基本戦法

 そして行く手を阻むのは敵キャラの存在だけではない。崩れやすい足場や迫り来る列車などなど、地形的なトラップも数多く存在するのだ。こうした障害に対しては、リズミカルなジャンプと方向入力、壁掴みのアクションを紡いでいくしかない。

 こうした街並みを使ったアクロバットアクションといえば映画「ヤマカシ」の原型にもなった、ビルからビルへ飛び移ったりしてその危険度を競う「フリーランニング」と呼ばれるアンダーグラウンドカルチャー的なスポーツを彷彿とさせる。

疾走する地下鉄列車への落書きはかなりの迫力。すれ違ってくる列車やその他の地形的障害をタイミングよく避けながらこなさなければならない

 さて、目的地に着いたら、最終目標である落書きを描くことになる。なるべく大きく描いた方が評価が高くなるが、その分、時間も掛かり、敵に見つかる可能性も高くなる。落書きの行為自体もボタンとアナログスティックを応用したミニゲームチックなデザインになっており、うまく操作しないと、色が流れたり滲んだりして評価を下げてしまう。

到達の難しい難所に大きく描くことで高い評価が得られる

 ステージは11カ所の都市ロケーションからなる全20。ゲームの世界観のプロデュースには、「Ecko Unltd」ブランドの設立者でありアメリカのファッション・カリスマのマーク・エコー氏を起用している。

 プラットフォームはPS2。北米での発売時期は2005年第4四半期を予定。開発はゲーム版「スター・ウォーズ・エピソードIII」を初めとしたルーカスアーツ関連ゲームを手がけてきたTHE COLLECTIVEが担当。

跳んで跳ねて渡って……といった、地形アクションパズルともいうべきゲーム性は「TOMB RAIDER」や「プリンス・オブ・ペルシャ」によく似ているといえる


■ THE MATRIX:PATH OF NEO~マトリックス再び! 今度はキアヌになって大暴れできる!

ついにあのネオをゲームで操作できる!
 映画の方は三部作がとりあえずの完結を見た「マトリックス」だが、ゲームの方は再放送のようなかんじで、1作目から3作目までをじっくりと振り返る内容。

 数多くのマトリックスゲームが発売された中で、今作は唯一、キアヌ・リーブス扮するネオ:トーマス・アンダーソン役になれるというのが最大の特徴。キアヌのモデリングは本人から肖像権のライセンスを受けているだけあってそっくり。ヒロインのトリニティ(キャリーアン・モス)、指導者モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)、宿敵エージェント・スミス(ヒューゴ・ウィービング)も同様に映画に出演した俳優達がそっくりの3Dモデルで登場する。

キアヌそっくりのモデルに感激

 ストーリーは冒頭でも述べたように基本的に映画一作目からのストーリーを追体験する内容。あの劇中で描かれたド派手なアクションシーンをプレーヤー自らがネオを操作して行なえるというわけだ。

 壁を駆け上がりながらのキック、側転しながらの銃撃、飛んできた弾をブリッジしながら避けたり……といったお馴染みのアクションは全てプレーヤーの操作によって出すことができる。敵を掴んでジャイアントスイングでくるくると回しながら壁や柱にぶつけて、さらにキックや銃撃でお見舞いという「デビル・メイ・クライ」的な過激な連続技も炸裂。ゲーム中のネオは映画でも見せなかった数多くのアクションコンボ攻撃を出すことが可能なようだ。

映画の中で見た印象的なアクションを今度は自分の操作で発動できるのだ!

 基本的な操作は「ENTER THE MATRIX」とほぼ同様な感覚。パンチとキックボタンの組み合わせで半自動的にかっこいいアクションが飛び出すシステムだ。劇中、トリニティやモーフィアスとの共闘シーンもあるが、本作でもちゃんと再現されており、彼らはNPCとしてプレーヤーと共に戦ってくれる。

 映画ではカー・チェイスシーンなどがあったが、本作ではそのあたりはムービーシーンなどの挿入で省略、ゲームプレイは劇中の格闘シーン、銃撃シーンに限定されている。ビル潜入時の警備隊との銃撃戦、100人のエイジェント・スミスのコピーとの乱闘……といった名物シーンはしっかりゲームシーン化されているので安心されたし。

映画の中で印象に残った名アクションシーンはもれなくゲーム化されている!

 ゲームの監修には映画の方の監督であるウォシャウスキー兄弟が務めており、まさに純血種のマトリックス・アクションゲームに仕上がっている。

 プラットフォームはPS2、Xbox、PC。欧米での発売時期は2005年第4四半期を予定。

開発元は「ENTER THE MATRIX」の開発も担当したSHINY ENTERTAINMENT


■ Indigo Prophecy~モグラたたき的なアクションミニゲームで綴られたシネマティックアドベンチャー

映画好きなカジュアルゲーマー層に訴求できそうな「Indigo Prophecy」
 主人公ルーカス・ケインは、ある日、意識が戻ると殺人現場にたたずんでいた。どうも自分が殺したらしい。同時に、予知能力が備わっている自分に気が付く。次から次へと殺人を繰り返す自分に何が起こっているのか。その理由を突きとめるために、彼は「自分が起こした連続殺人事件の捜査」を開始する。

 重苦しい雰囲気のサイコスリラー調の本作だが、ゲーム自体は実にカジュアル。キャラクタ達を捜査して正しい場所に連れて行ければ勝手に演技が始まり、そのうちにミニゲームがスタートする。各ミニゲームはマウスやコントローラ、キーボードを正しく動かせるかを競う、反射神経系のモグラたたきタイプのゲーム。

 たとえば殺人犯である自分を逮捕にきた警官隊との対峙シーン。画面上の警官隊の動きに合わせて押すべきボタンが指示されるのでその通りに押していくことができれば、ルーカスは超人的なカンフー技で警官隊をなぎ倒していける。ボタンを押していくだけのゲームなのにもかかわらず、ダイナミックなカメラワークと迫力のサウンドで、自分が映画のストーリーに参加している感覚になれるのだ。

 個人的にはアドベンチャーゲームと言うよりは「インタラクティヴ・シネマ」といった印象を持った。

 プラットフォームはPS2、Xbox、PC。開発はQuamtic Dream。発売時期は今秋を予定。

なお、このミニゲームの結果如何でストーリーが分岐していき、マルチストーリーが楽しめる
アクションはかなり派手目で迫力あり。ストーリーは進むにつれて少々オカルトめいてくる


■ DUNGEONS & DRAGONS-DRAGON SHARD~D&Dの世界観をベースにした最初のRTSゲーム

 D&Dの世界観としては全く新しい「エベロン(Eberron)」で繰り広げられるリアルタイムストラテジーゲーム。キャラクタの成長、ダンジョンでの冒険、クエストへの参加、そして技能や技術、武装のアップグレードといったRPG的な要素を多分に取り入れているのが特徴。戦場が地上と地下のマルチレイヤー構造になっているのもこの手のゲームとしては新しい試みだ。

 キャンペーンモードのシナリオはキース・べーカー作。開発スタジオは実力派LIQUID ENTERTAINMENT。

プラットフォームはPC。北米での発売時期は2005年6月を予定。マルチプレーヤーモードもあり


■ DUNGEONS & DRAGONS ONLINE~D&DのMMORPGが登場

 テーブルトークRPGの元祖「Dungeons&Dragons」の世界観をMMORPGに展開したファン待望の作品。舞台となる世界は、前出の「DRAGON SHARD」と同じ「エベロン」だ。

 冒険の舞台はD&Dらしく、ダンジョンが中心。戦闘システムはリアルタイムアクションとD&Dカードゲームの要素が融合した新しい仕組みを採用。

 プラットフォームはPC。欧米での発売時期は2005年第4四半期を予定。

開発スタジオはMicrosoft発売の「Asheron's Call2 (AC2)」の開発で知られるTURBINE ENTERTAINMENT SOFTWARE。そういわれてみるとAC2にどことなく似ている雰囲気がある


■ TYCOON CITY NEW YORK~自分だけのニューヨークを作ろう

 自分の手で自分だけのニューヨークを作ろうという、本気か冗談かわからない都市建設経営シミュレーション。一口で言ってしまえばコンセプトをニューヨークに限定したシムシティ。

 テーマを「ニューヨーク」に絞り込んでいるだけあって、街に設置できる建物や店舗は実在するものばかり。マクドナルドやスターバックスだってある。

 ひとたび街を作ればニューヨーカー達は思い思いの暮らしを始める。彼らが何を思っいどんな生活をしているのかをのぞき見して、神の視点で街の成長を楽しむ。

プラットフォームはPC。欧米での発売時期は2005年第4四半期


■ TIMESHIFT~時間を巻き戻して敵を撃て!

 一見すると普通の一人称シューティングゲーム(FPS)だが、プレーヤーは特殊な時空操作スーツ「Quantum Suit」を身にまとっており、時間の進行をスロー、巻き戻ししたりすることができる。

 敵が放つ銃弾をスローモーションにして避けたり、鍵の閉まっている扉を時間を巻き戻して開けてみたり……と、様々な障害を時間操作(TIMESHIFT)で突破していくゲーム性が新しい。

 ミッション数は11、ステージ数は34と内容密度は十分。オンライン対戦にも対応。マルチプレーヤーモードでは敵プレーヤーの操るキャラクタに対して時間操作が可能。

 プラットフォームはPCとXbox。欧米での発売時期は2005年秋を予定。開発はニューヨークにあるSABER INTERACTIVE。

時間操作を行なうとぐわっと空間が歪みながらブラーの掛かった映像になる。ゲームエンジンには「Saber3D」という名称が付けられている


□ATARIのホームページ(英語)
http://www.atari.com/
□アタリジャパンのホームページ
http://www.atarijapan.com/

(2005年5月22日)

[Reported by トライゼット西川善司]


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