発売元 CDV Software Entertainment
東欧を代表するゲームデベロッパーGSC Game Worldの人気シリーズ最新作「Cossacks II: Napoleonic Wars」のPlayable Demo。既報のように、ズーから完全日本語版の発売が予定されているタイトルである。ビジュアル面では2Dを維持しているため、インパクトには欠けるが、ゲーム性では頭ひとつ飛び抜けている感じで、このDemoでも十分な手応えを感じることができた。日本語版の発売を楽しみな作品である。
「Cossacks II: Napoleonic Wars」は、ナポレオン戦争にフォーカスを当てたミリタリーRTS。ひとくちにミリタリーRTSといっても千差万別で、ほぼ無限のバリエーションが存在する。ポピュラーな切り口としては、ゲームとして遊びやすくするために数十人、数百人を1つのユニットで表し、史実では数万の戦いをせいぜい100程度のユニットで表現したタイプのRTSである。ミリタリーRTSの全体の9割がこの切り口である。
「Cossacks」シリーズの凄みは、数万規模の戦闘を、実際に数万規模で表現しているだけでなく、陣形や士気、そして本来軍隊が備えている規律の美しさといったものまで再現しようとしているところだ。「Cossacks II: Napoleonic Wars」では、そうした戦闘のディテールの部分をディープに再現しており、大部隊がもみ合う様子や、鉄砲兵の一斉射撃、そして騎馬隊のうねるような動きを、さながら西洋の歴史画のようなリアリティで描いている。同シリーズは前作から、すでに異色の存在だったが、「Cossacks II」で孤高の地位に到達した印象がある。もはや他には真似できないゲームデザインだ。
基本的なゲームの楽しみ方も非常に細かく、決戦に至るまでのプロセス、決戦直前の布陣、戦局が動いた際の判断といった具合に細かく判断を迫られる。戦力が同等でも、その指揮によって戦局の展開は大きく変わってくる。わかりやすい例で言えば、歩兵部隊に対して、鉄砲でいくのか、直接攻撃に備えさせるのか、陣形はどうするのか、といった具合に1部隊の指揮においても複数のバリエーションが存在する。読みが外れたときの自軍の無様な潰走ぶりには思わず笑ってしまうが、そこに学ぶべき要素があるというのは、RTSとしてあるべき姿だと思う。
Demoでは、いわゆるチュートリアルに相当するミリタリーアカデミーが2ステージ(Sergeant Course、Officer Course)と、スカミッシュモードがプレイできる。ミリタリーアカデミーは、シンプルだが良くできていて、同作の奥深さの一端を知ることができる。スカミッシュは、陣営はフランス限定、オフライン限定となっているが、短く見積もっても2、3時間は平気でかかるぐらいのボリュームたっぷりのマップが舞台になっているため、大規模な野戦を存分に楽しめる。RTSファンにお勧めのDemoだ。
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