開発元 United Nations World Food Programme
国連食糧計画(WEP)が公開した食糧支援シミュレーション「Food Force」のクライアント。結果をスコアで出力してくれるゲーム仕立てのシミュレーションソフトで、最小限の予算で開発されたらしく、ゲームデザインやグラフィックスなどは評価対象外の内容だが、状況説明はプリレンダーのCGムービーを使って音声込みで行なわれるなど、シミュレーションソフトとしては必要十分な内容が詰め込まれている。興味のある人は一度体験してみてはいかがだろうか。
「Food Force」は、WEPの食糧支援活動をそのままシミュレーションゲームにしたもので、Sheylanという架空の島での活動を描いている。最初、“シェイロン”という言葉はセイロン島で、てっきりスリランカを舞台にしたリアルシミュレーターかと思ったら、スマトラ沖地震による津波被害での救護活動をモデルとした架空シミュレータということだ。
ゲームは6つのミッションに分かれており、それぞれベストを尽くした働きが求められる。といってもクリア条件などはなく、気軽に救護活動を楽しめる。以下、いくつか紹介しておこう。
「Air Surveillance」は、「バンゲリングベイ」のような真俯瞰ビューから、救護が必要な人々の群れをひとつずつカウントしていくという内容。「Energy Pacs」は、バランスの取れた食事を予算内に作り上げるというもの。計5つのスライドを動かしてバランスをとっていくのだが、すべての条件を満たすのはなかなか難しい。
3つめの「Air Drop」は、食料の空中投下にチャレンジするという内容で、「Locate and Dispatch」は、配る食料を世界中から無駄なく調達していくという内容。共にタイミング重視のゲームだ。
個人的に楽しかったのは、5つめの「Food Run」。食料を積んだトラックをマウスクリックで操作して、目的地まで送り届けるという内容で、途中で複数の道に枝分かれしており、その先にはさまざまな難関が待ちかまえている。最悪の結果としてはテロリストの検問があり、「食料をわけろ」といった無理難題を突きつけられる。
そのほかにも落ちた橋を修復して通れるようにしたり、地雷を除去しながら道を通過したりなど、食糧支援活動の苦労がよく伝わってくる。もう少しゲーム性があっても良かったように思うが、公的機関の教材としては、これぐらいでちょうど良いのかもしれない。
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