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運営停止の理由は、「銀河英雄伝説 VII」の直接のモチーフとなっている「銀河英雄伝説」の著作権を持つ有限会社らいとすたっふに、版権許諾契約を解除されたため。らいとすたっふのお詫び文によれば、「ボーステック側が無断で商標を登録しようとしたり、外国企業に勝手に版権を許諾したとみられる行為を行なったりといった、契約違反もしくはライセンシーとしての信義にもとる行為を行なうのみならず、ユーザーさまへの背信行為を繰り返し、再三の警告にも改善の様子が見られなかったのが理由です」と、ボーステック側の契約違反事例を挙げ、やむを得ない選択であったことを強調している。 無断で商標登録、ユーザーへの背信行為といった部分の具体的な内容については不明だが、「外国企業に勝手に版権を許諾」については、中国の盛大ネットワークと、韓国プレナスへのライセンスを指している。「銀河英雄伝説 VII」は、開発は日本で行ない、ローカライズを施した上で、各国に展開する方式を採用していたため、今回ボーステックが大本のライセンスを失ったことで、「銀河英雄伝説 VII」の海外展開も事実上停止されることになりそうだ。 ボーステックに「銀河英雄伝説 VII」の運営停止の理由を電話取材してみたが、「版権許諾契約を解除されたのが理由で、それ以上のことはコメントできない」ということだった。先述したように、「銀河英雄伝説 VII」の運営は当面続ける方針とのことだが、ボーステックの「銀河英雄伝説」のライセンスはすでに3月22日で解除されており、いつ運営が終わってもおかしくない状態にある。
版権トラブルで運営が終了したMMORPGは、過去に例がない。らいとすたっふのお詫び文を一読する限り、二次ライセンスの取り決めに修復不能な見解の相違が存在したようだ。「銀河英雄伝説 VII」という抜群のネームバリューを誇るタイトルを手駒に、これから大きな飛躍を遂げようとしていたボーステックは無念だろうが、今回のケースは、ライセンス物のオンラインゲームの海外展開に一石を投じるエピソードといえそうだ。
□ボーステックのホームページ (2005年4月14日) [Reported by 中村聖司]
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