発売元 Eidos
ヒット作不在による株価低迷の煽りを受け、現在、買収騒動で揺れに揺れている英最大手Eidosの新作アクションゲーム「Project: Snowblind」のPlayable Demo。開発元のCrystal Dynamicsは、現在「Tomb Raider」の最新作を開発しているEidos傘下の米国のデベロッパー。次世代「Tomb Raider」の出来映えを占う意味でも注目されるタイトルだが、もともとコンソール向けに開発されていることを抜きにしても今ひとつピリッとしない出来だ。
「Project: Snowblind」は、人体をナノテクノロジーで改良可能という、未来世界を舞台にしたSFアクションシューティング。EidosのSFアクションといえば、なんといってもIon Stormの「Deus EX」シリーズが有名だが、こちらがナノマシンによる改良というロールプレイ要素と、プログラマブルシェーダーをふんだんに駆使したリアル感たっぷりのグラフィックスを特徴にしているのに対し、「Project: Snowblind」は、AI操作の味方たちと共にガンガン撃ちまくって、ガンガン突き進んでいくという、単純明快なシューティングアクションになっている。
プレイしてみて「おっ」と思ったのは、エフェクトの派手さ。タイトルの「Snowblind」というのは雪盲の意で、これは雪の光線反射による一時的な網膜炎症のことを指した言葉だが、これがタイトルの由来なのかと思わせるぐらい、爆発、閃光のたぐいが派手になっている。とにかく眩しいゲームである。
ゲームデザインはオーソドックスで、チームベースだが、特に隊員を操作・指揮する必要はなく、状況に応じてある程度勝手に戦ってくれる。ただし、AIは前世代の内容で、物陰から顔だけ出して偵察を行なうあたりはいい感じだが、実際に銃撃戦に突入すると、身を完全に敵にさらして立ったまま銃撃し続ける。結局はプレーヤーがガンガン突っ込んで、味方が倒れる前に、敵を倒し続けるという、“味方は添え物”のレベルに留まっている。
同作のPC版が良くないのは、ゲーム内容そのものより、むしろクライアントの不安定性にあって、発売後にリリースされたDemoであるにも関わらず、クラッシュバグが根絶できてない。ビデオカードによっては起動しないこともあるようで、これは私も遭遇した。公式サイトのQ&Aにも似た症例が報告されていて、そこに書かれているように、ビデオカードのドライバを最新にし、オプションの「Fullscreen Effects(ソフトシャドウ効果の有無ではないかと思うが、起動しないのでよくわからない)」を切ることによって、ようやくゲームがプレイできた。
しかしトラブルはこれだけに留まらず、その後もたびたびゲーム中にすとーんとプログラムが落ちた。Demoでこういうバグに遭遇してしまうと、Eidosは「Tomb Raider」の失敗から何も学んでいないように思えてならない。レベルデザインやアクションの内容そのものはしっかり楽しめるだけに残念である。
(C) 2004 Eidos Inc. Developed by Crystal Dynamics, Inc. Published by Eidos, Inc. Project: Snowblind, the Project: Snowblind logo, Eidos and the Eidos logo, Crystal Dynamics and the Crystal Dynamics logo are all trademarks of the Eidos Group of Companies.
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