発売元 Vivendi Universal Games
Vivendi Universal Gamesが欧米で4月26日に発売を予定しているリアルタイムストラテジー「Empire Earth II」のPlayable Demo。シングル、マルチの両方に対応し、ゲームデザインそのものも奥行きが深いため、たっぷり楽しめる。RTSとしては久々にメジャーシリーズの最新作ということもあり、個人的にも好きなジャンルなのでがっつり遊んでみたが、ゲームデザインとユーザビリティに乖離が感じられ、おもしろいはおもしろいが操作が煩雑すぎてひどく疲れる。スポーツ系最右翼といった感じのRTSだ。
「Empire Earth」は、初代「Age of Empires」のリードデザイナー リック・グッドマンがポスト「Age of Empires」を目指して開発されたリアルタイムストラテジー。立脚点としては、良かれ悪しかれ「Age of Empires」の延長線上にあり、ランダムマップシステムや歴史や文明の扱い方など似通った部分も多い。
ただ、リック・グッドマン率いるStainless Steel Studiosは、「Empires」という新しいRTSを立ち上げており、「Empire Earth II」の開発は、「Empire Earth」のアドオン「The Art of Conquest」を担当したMad Doc Softwareが担当している。「Empire Earth」の正当な続編というよりは、アドオンの続編といったほうがいいかもしれない。
こうしたことから、続編にふさわしいゲームデザイン上の劇的な変化というのはほとんどなく、「Empire Earth: The Art of Conquest」のスーパーバージョンとも言うべき内容になっている。グラフィックスのレベルは、「Empire Earth」以上、「Empires」以下であり、いずれにしてもDirectX 7世代から一気にプログラマブルシェーダー3.0世代へと文字通り劇的な進化を遂げた「Age of Empires III」が発表された今では「旧世代」の印象をぬぐえない。
さて、Demoでは、アメリカ、ドイツ、韓国の3カ国限定、時代は7~9(中世)で、専用マップを舞台にスカミッシュをプレイすることができる。「Empire Earth」は古代から未来までを描いたRTSだが、Demoではプレイできる年代を中世に限定しており、基本的に歩兵、騎兵、砲兵の3兵科を主戦力に、敵勢力を攻略していくことになる。
機能限定のDemoといえども、「Empire Earth II」の新要素はひととおり確認できるようになっており、RTSファンならついつい熱中してしまうこと請け合いである。中でもCitizen Manegerは、人を資源に割り当てるのではなく、資源に人を割り当てるという逆の発想で全体の効率化を計ろうというシステムで、こうしたシステムがいくつも導入されており、新鮮な感覚でゲームを楽しめるだろう。
ただ、これは逆に言えば、コマンドに対するアプローチが複雑化しているわけで、何が自分にとって適した操作方法なのかを探るだけで結構な時間が掛かってしまう。ホスト設定も、たとえばゲームスピードも、全体のスピードだけでなく、ユニットの移動スピードだけ、あるいは建物の建築スピードだけ速くするといったことも可能など、非常にカスタマイズ性が高い。プロゲーマー向けとまでは言わないが、それに近い上級者向けのRTSといえるかもしれない。
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