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★Xboxゲームレビュー★

ハバネロ級のハードテイスト3Dアクション
「スパイクアウト バトルストリート」

  • ジャンル:オンラインアクションバトル
  • 発売元:株式会社セガ
  • 価格:7,140円
  • プラットフォーム:Xbox
  • 発売日:発売中(3月24日)



 '98年にアーケードでリリースされた3Dアクションバトルゲーム「スパイクアウト」をベースに、オンラインマルチプレイなど、コンシューマならではの要素を盛り込むことで見事に生まれ変わった「スパイクアウト バトルストリート」。ここで、なぜ“生まれ変わった”と表現したかといえば、正直アーケード版は、稼動当初から“マニア受け”といったレベルで落ち着いてしまったからだ。

 「バーチャファイター」を生み出したセガ“らしい”作りが好印象だったのだが、プレイ時間、難易度、そしてなによりも“出回りが悪かった”こともあり、数多リリースされる新作の影にひっそりと埋もれていったように記憶している。そんな作品だけに、正直コンシューマ版の制作開始を耳にしたときは「えっ、マジで!?」と驚いてしまったのだが……今こうして製品版をプレイすると「アキラじゃないけど、約“10年早かった”のかなぁ」と思わずにはいられない。

 諸々あってアクションゲームが苦手な人にはオススメしにくい内容になっているが、なにはともあれ僭越ながら魅力の一端をかいつまんでご紹介していきたい。


■ アーケード版から10年後 ~主人公はスパイクの息子~

素直ではないが熱いハートは父親譲り。若き拳が悪を打ち倒す!
 ゲームの舞台は、アメリカのどこかにあるとされている架空の街“ディーゼルタウン”。熱い信念と魂をもったギャングたちが闊歩する街に、新興勢力「チーム・インフェルノ」が出現する。ボス「ミカエル」のもと、「チーム・インフェルノ」は、圧倒的な組織力と暴力を武器に、ディーゼルタウンの大部分をまたたくまに制圧してしまう。

 街全体をほぼ手中におさめかけたとき、ミカエルは「チーム・スパイク」の噂を耳にする。自尊心の強いミカエルは、自らを差しおいて“最強”といわれるチーム・スパイクの存在が許せず、スパイクたちの抹殺をはかろうとするも、激闘のすえチームを壊滅状態にさせられ、インペリアルオペラ崩壊とともに姿を消す。

 あれから10年。

 ミカエルは、再びディーゼルタウンの地を踏む。チーム・スパイクに復讐するため、超複合企業と結託し、潤沢な金と力にモノをいわせて街を狂気と混沌の渦に陥れる。

 「スパイク……片時も忘れたことはなかった。この名前だけは!!」

 復讐という情念で煽られた、暴力と粛清の炎。伝説となったチーム・スパイクは、いま何処。そんななか、素直ではないが、父親譲りの熱いハートを持った「スパイクジュニア」は、ジャッカル、フィオナとともに立ち上がる。それぞれの思惑が交錯するなか、新たなる“伝説”が幕を開ける。

10年間研ぎつづけた復讐の牙が、禍々しい輝きをもってチーム・スパイクに襲い掛かる。ジュニアたちの運命やいかに



■ マスターできない奴には死あるのみ ~操作系~

連打だけで勝てるほど甘くない。すべての基本操作をマスターするのだ
 キャラクタの移動は、スティックボタンまたは左スティックのどちらでもOK。デフォルトでは、Xボタンがビート(B)攻撃、Yボタンと右トリガがチャージ(C)攻撃、Bボタンがジャンプ、Aボタンまたは左トリガがシフト移動(押した状態で軸固定)にそれぞれ対応している。オプションメニューで変更が可能なので、自分が一番使いやすいと感じる配置を模索したほうがいいだろう。

 B攻撃は、連打することで素早い攻撃から最大6連続のコンボに派生。C攻撃は、素早く押せば3連続のコンボになるほか、ボタンを押し続けて“溜める”ことでレベル1~4までの強烈な攻撃が繰り出せる。レベルごとの違いは、LEV.1が“通常攻撃”、LEV.2がヒットすると敵が宙に舞う“浮かし攻撃”、LEV.3がヒットすると敵が一時的に行動不能に陥る“スタン攻撃”、LEVEL.4が、ヒットすると大ダメージとともに敵が吹っ飛ぶ“スーパーチャージ攻撃”となっている。

 本作は、B攻撃にC攻撃をからめた多彩なコンボ攻撃が可能。B攻撃3発からC攻撃3発(計6ヒット)をつなげたり、B攻撃と同時にチャージを開始してB攻撃の3発目をキャンセルすれば、C攻撃LEV.2までなら連続ヒットする。B攻撃3発からLEV.3~4を繰り出すのも有効。連続ヒットこそしないが、敵キャラに割り込まれることはそうそうない。慣れないうちは戸惑うかもしれないが、使いこなすほど有効性を実感できる素晴らしいシステムだ。

 特殊な操作としては、X+Yボタンの足払い、ダッシュ中にX+YまたはB+Yでダッシュ攻撃、ジャンプ中にXまたはYでジャンプ攻撃、X+Bで追い打ち、B+Yを押してすぐ離すとジャンプ攻撃、シフト移動中にXまたはYで振り向き攻撃、敵に接近して掴むと同時にXで打撃や投げ、X・Y・B同時押しでスペシャルアタックなどがある。

 一般的な3Dアクションゲームの場合、タイミングをみながらボタン連打で敵をボコるだけでなんとかなったりするが、残念ながら「スパイクアウト バトルストリート」はそんなに甘くない。基本操作をすべてアタマに叩き込めないようでは、ステージ1すらクリアできない可能性があるからだ。

B攻撃からC攻撃への移行は基本。身体に覚えこませるべし 足払いは攻撃範囲が広く使いやすい 困ったときはスペシャルアタック。迷っているとボコボコにされる



■ うまく立ち回れない奴には死あるのみ ~歯ごたえのある敵の動き~

ガードできないので、敵の攻撃を回避する一定の空間が欲しい。狭い場所では切実
 冒頭でも触れたとおり、本作はアクションゲームが苦手な人には正直オススメしにくい。というのも、初っ端のステージから、敵キャラクタの動きが実にこざかしく、手強いものになっているからだ。

 モコモコと沸いてくるザコキャラたちは、序盤こそ単に殴りかかってくるだけだが、そのうち「足払いかましてよかですか?」、「ジャンプ攻撃やっちゃいますよ?」、「コンボ上等」、「単発のC攻撃LEV.4なんてスカしちゃうよ~ん」などという困った連中が続々と出現。それぞれ“独自の味付け”がなされているのがポイントで、しかもそれらが複合して襲い掛かってくるからたまらない。そしてそれは、ステージが進むほど熾烈を極めてくる。

 こうした内容から、本作では3Dアクションのセオリーともいえる“立ち回り”がとても重要になってくる。多くの同系統タイトルでは敵キャラを誘導するだけで事足りる“立ち回り”だが、本作は有利なポジションを取るために“状況に応じて前述の操作系を駆使しなければならない”点で大きく異なる。漠然と動き回るだけでは、複数対1という状況はなかなか覆せない。

 たとえば、1対1の状況を作るために足払いで転ばせるにしても“その順番”がとても重要。まとめて転ばせてしまうと、当然ながら一斉に起き上がって反撃されてしまうし、そもそも数が多すぎるとどうにもならない。ただ敵を攻撃するにしても、位置と順番を考えるだけで、結果がガラリと変わってしまうのだ。当然、ザコひとりに時間をかけている余裕はなく、気合の入ったコンボでサックリ消していく必要があるのは言うまでもない。

 地形にしても同様で、狭い場所なら“まとめて吹き飛ばす”のがセオリー。C攻撃のLEV.4や投げなら、軸線上にいる敵キャラクタを巻き込むように攻撃できる。狭いステージほど“自由に動き回れる場所をいかに確保するか”が重要で、オブジェクトに動きを制限された状態で複数の敵に肉薄されようものなら、体力ゲージの半分くらいはアッという間にもっていかれてしまう。

 ボスに関しては、初心者ならステージ1の時点で泣きが入ること間違いなし。ボス級のキャラクタは、全員“無敵攻撃”を装備している。突然ボディがピカッと点灯したら、それは危険行為の前兆。ボスキャラごとに無敵攻撃の内容はさまざまだが、光るタイミングを熟知していないと、何もできないうちに殺されてしまうことさえ珍しくない。

 ワラワラと寄ってくるザコをC攻撃などで吹き飛ばし、スタンや掴み攻撃を意識して反撃すれば、手強いボスもなんとかなるのだが……まぁ「口で言うは易し」で、これがなかなか上手くいかない。慣れないうちは「スペシャル投げ(正面から掴んでX、Y、B同時押し)」を多用すれば何とかなるが、難易度をあげるとロジックが変化するので、そればかりに頼るのは問題あり。

 いずれにしても、基本操作をマスターしないと敵キャラクタの行動パターンにまで目がいかないはず。動きに合わせて対応できるようになるまで要(実践)練習といった感じだ。

ボス戦の悪例その1「なんか弱そうだな。へへっ、連打でボコボコだぜ」 「なめんなコラァ!(ピカーン)」、「何それってうわ何もできねぇ!」 「この口かぁ!」、「すんません! なめてましたホンマすんません!」



■ 仲間を気遣えない奴には死あるのみ ~魅惑のマルチプレイ~

 本作には、物語に沿ってプレイしていく「ストーリー」、好きなキャラクタを選んでステージクリアを目指す「バトルストリート」、キャラクタの動きや技の練習ができる「トレーニング」などの各モードが用意されている。

 「ストーリー」は、各ステージごとにプレイするキャラクタが決まっているのが特徴。難易度の設定はできないが、2回ゲームオーバーになると「難易度をEasyにしますか?」といったメニューが出現するので、上級者以外は素直に「YES」を選んでおいたほうがいいだろう。ちなみに、Easyに設定したところで、それでも平均的な3Dアクションよりもはるかに難しいことを付け加えておく。

 「バトルストリート」は、1台のXboxでプレイする「スタンドアロン」、4台までのXboxが接続可能な「システムリンクプレイ」、オンラインマルチプレイが可能な「Xbox Live」の3種類がプレイ可能。それぞれ難易度レベル、味方の巻き込み、時間制限、コンティニューの有無が設定できる。

 慣れないうちはひとりでジックリやり込むのもいいが、コツを掴んできたら「Xbox Live」に是非ともチャレンジしていただきたい。最初は「みんなそれぞれ勝手に戦って終わりじゃないのかなぁ」などと思っていたのだが(実際そうなることもあるが)、仲間との連携を意識してプレイできるようになれば“面白さのレベル”が断然違ってくる。

 たとえば、最初のうちは邪魔で仕方が無い“味方の巻き込み”。オフにしてプレイすれば気楽にガンガン楽しめるが、オンにしてプレイすると緊張感が段違い。それまで漠然とC攻撃LEV.4で吹っ飛ばしていたものが方向を気にするようになり、さらには“ここであっちに吹き飛ばせば、あそこの味方をフォローできるな”となる。

 間違って邪魔してしまったときなどは赤面かつソーリーといった感じだが、それもまたオンラインマルチプレイの醍醐味。なお、マニュアルには掲載されていないが、アーケード版に用意されていた以下のアピールアクションはXbox版でも健在。ボイスチャットが使えない人は、意志疎通の手段として活用してみてはいかがだろうか。

  • サンキュー … 方向キー右1回転+B攻撃
  • ソーリー … 方向キー左1回転+B攻撃
  • ヘルプ … 方向キー右1回転+B攻撃+C攻撃
  • アピール … 方向キー右1回転+B攻撃+C攻撃+ジャンプ(暴発するともったいないので非オススメ)
 現時点でのオンラインプレイ状況は、ボイスチャット無しでも全然OKといった感じ。ボイスチャットを接続したほうが楽しくプレイできそうなのだが、シャイな人はあえてオフにしても特に問題ないだろう。プレーヤーレベルは「初心者、上級者、レベルを問わない」の3種類が設定・検索できるので「まだオンラインデビューには早いかなぁ」といった人も気軽に参加できるはずだ。

各ステージの冒頭から参加可能。初心者も多いので「下手だから」などとしりごみせずガンガンつなげるべし。オンラインマルチプレイの楽しさを存分に味わおう



■ ハードな3Dアクションが好きなら“購入”あるのみ

ここ最近発売されたアクション系ではトップクラスの難易度
 冒頭で「約“10年早かった”のかなぁ」と書いたが、オンラインでプレイしていると、それをしみじみと感じる。アーケードでリリースされた当時、もし現在のようなアミューズメント施設向けの通信インフラが完備されていたら……“たられば”の話が無意味なことは十分理解しているのだが、やはりそういいたくなる。

 難易度に関してはハバネロ級の辛さだが、ただ辛いだけではなく、その奥に潜んでいる“旨み”に気付くとヤミツキになることは間違いなし。ひとひねり加えられた敵の動き、突き詰めがいのある爽快なコンボ、コンシューマ版ならではの多彩なキャラクタ、そして何よりも楽しいオンラインマルチプレイ。格闘アクションが好きなXboxユーザーで、これを見逃すのはもはや“罪”とさえ言える。

 唯一残念なのは、その“辛さ”でたじろいでしまう人が、少なくないであろうということ。「なにこの攻撃! 超ムズ! クソゲーじゃん!!」などといわれた日にはもったいなくて涙が出るというもので、このあたりは、往年のセガを想起させる(良くも悪くも)融通のきかない作りが、微笑ましくもあり、悩ましくもある。

コンシューマならではの多彩なキャラクタも本作における魅力のひとつ。「バーチャファイター」アキラと同じ技を使うミンファなどは動かしているだけで楽しめるキャラクタだ



■ 「スパイクアウト」ソフトとサウンドトラックCDをセットでプレゼント!

 セガ様よりXbox用「スパイクアウト」のソフトと、サウンドトラックCDをご提供いただきましたので、それぞれ3名の方にプレゼントいたします。

Xbox用ソフト「スパイクアウト」 「スパイクアウト」サウンドトラック


【応募方法】

応募締切  :4月7日 23:00 まで
当選発表  :発送をもって代えさせていただきます
応募方法  :下記のフォームに入力して、送信してください

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(C)SEGA 2005

□セガのホームページ
http://sega.jp/
□製品情報
http://spikeout.sega.jp/
□関連情報
【2004年9月26日】TGS2004ブースレポート ~Xbox編~ その5
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040926/xbox5.htm

(2005年4月1日)

[Reported by 豊臣和孝]


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