★ PCゲームレビュー ★
全ダンジョンRPGファンがプレイすべき
原点回帰を目指したシリーズ最高傑作!!
ウィザードリィ・外伝 ~戦闘の監獄~ |
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- ジャンル:ダンジョンRPG
- 開発/発売元:IRIコマース&テクノロジー
- 価格:8,610円
- プラットフォーム:Windows Me/2000/XP
- 発売日:3月25日
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「Ultima」と共にロールプレインゲームの定義を築き上げた「Wizardry」は、現在においても様々な形に姿を変え、世界中で親しまれ続けている。特に我が日本においてWizの人気は高く、独自に展開するコンソールの「外伝」シリーズ等、関連タイトルが未だに作られているのだ。
そして今回紹介するのは、これらの国内展開に携わったベテラン達が、初めてWindowsプラットフォームのために腕を振るった、完全新作のWizシリーズである。ダンジョン奥地で仲間が倒れ、呪文のストックも尽きた絶望感。そしてレアアイテムを見つけた瞬間の、天にも昇るような喜び。シンプルであるが故に剥き出しにされた、極めて純度の高いハック&スラッシュの醍醐味を、世代に関係なく一人でも多くの読者に体験してもらいたい。
■ Wizの支柱ともいうべき「1~3」シリーズをベースとした新作タイトルが登場
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RPGの原点ともいえる本シリーズが、原点回帰を目指しWindowsに新登場。余計な誇張がされていない分、RPGの本質に鋭く迫った内容だ
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「ウィザードリィ・外伝 ~戦闘の監獄~」(英題:Prisoners of the Battles)は、6人編成のチームで3Dダンジョンを探索する、RPGの原点ともいうべき「Wizardry」シリーズの最新作である。開発を行なったのは国内メーカーの株式会社IRI-CTで、コンソール機からの移植ではない、Windows専用の完全新作タイトルだ。
本作における最大の特徴は、シリーズ本来の面白さである「シンプル」かつ「奥深さ」を徹底的に追及した点にある。ここで過去のWizシリーズをおさらいしておくと、基本型ともいえる「1~3、5」と、大規模な改革を施した「6~8」、そして国内独自のアレンジ版「外伝1~4(コンソール機)」とに大別できる。本作はこの中では基本形にもっとも近く、より厳密には「1~3」をベースにした、原点回帰ともいえる内容となっているのだ。よって本稿では、これらとの相違点を重点的に話を進めていこう。
まずはキャラクタの仕様周りから説明すると、作成時に選択可能な種族及び職業は「1~3」に準拠している。つまり種族は「人間、エルフ、ドワーフ、ホビット、ノーム」の5種類。種族に関しては基本職の「戦士、魔法使い、僧侶、盗賊」、そして条件を満たすことで就ける上級職「ビショップ、ロード、侍、忍者」の計8種類がある。それぞれの特徴は今となってはもはや説明すら不要の常識レベルだが、これも元はといえばWizardryを発祥としたものだ。
次に魔法使い・僧侶の2系統ある呪文システムだが、ランク毎に使用回数がわかれているというお馴染みの形式である。そして各呪文の効果については基本的に変わっていないものの、過去のシリーズ複数から抜き出し、ランクを含めて再構築し直している。その結果バランスが全体的に良くなり、中でも特に僧侶用の攻撃呪文は大幅に充実した。よって特定ランクの呪文回数ばかりが有り余るといった、以前のシリーズではありがちだった状況は少ない。
呪文の名称については、英単語から意味を連想しやすいように変更されている。例えば回復呪文“Madi”は“Cure All”に、攻撃呪文“Tiltowait”は“Nuclear Blast”といった具合だ。これは恐らく、複数のシリーズから呪文を寄せ集めたことで、未経験者を含む幅広いプレーヤー層が、その意味を直感的に理解しやすいようにするためだと思われる。
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6人でグループを組み、3Dダンジョンを突き進む。編成時には肉弾戦等、魔法補助、罠解除といったバランスの良さが求められる |
モンスターのグラフィックは基本的に過去のWizシリーズから原画を流用。さらに新たなモンスターも登場している
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ダンジョンは正方形をした大きなフロアの中に、通路や部屋がぎっしりと詰め込まれた構造。エリアを少しづつ踏破する過程が面白い
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モンスターを倒した際は宝箱からマジックアイテムを得られることも。しかし多くの場合罠が仕掛けられており最後まで気が抜けない |
十分な経験を積んだキャラクタは拠点にてレベルアップを行なえる。ゆくゆくは上級職へのクラスチェンジも視野に含まれるようになるだろう
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本作のキャラクタ作成は2パターンから選べる。成長は緩やかになるものの、最初から上級職を作成できるため悩ましい
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呪文名称は英単語から意味を判別しやすいように変更。これは魔法使い用の一覧だが、シリーズ未経験者でもなんとなく効果はわかるだろう |
一方こちらは僧侶用呪文の一覧。ランク4以降は、グループ用攻撃呪文が1種類以上含まれている点に注目してほしい
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立派に成長したキャラクタはクラスチェンジも可能となる。各上級職専用の武具も登場し、キャラクタ育成面の楽しさは保証付き
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■ 射程距離とマジックアイテムの導入によって戦闘がより一層面白く
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画面中央の「レンジ=長距離」に注目。武器の射程範囲によっては、後衛側からも直接攻撃が行なえるようになったのだ
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続いて戦闘関連のシステムに移ると、射程距離の概念が導入されたのがもっとも大きな特徴だ。本作における6人編成のチームは、前衛と後衛が3名づつに分けられている。この際後衛側の3名も、「ハルバード」や「ロングボウ」等といった遠距離用武器を用いることで、攻撃に直接参加できるのだ。例えば「1~3」における盗賊は、後衛に位置しながらも呪文を扱えず、そのため戦闘時に手を余らせることが多かった。しかし本作では活躍の場が十分に与えられているのだ。
そして射程距離のメリットは、味方だけではなくモンスターにも同様に与えられている。敵のタイプによっては、味方の後衛キャラクタがいきなり直接攻撃を受けてしまうため気を付けなければならない。これまでのように、後衛だからといって防御面(アーマークラス、以下AC)を無視していると、ジャイアント等に一撃で葬られてしまうだろう。
もうひとつ戦闘関連で大きいのは、総ての職業が「二刀流」を行なえるようになったことだ。しかも攻撃対象が別々に判定されるため、オーバーキルの際のロスが少なく、戦闘力が増している。二刀流によってトータルでの攻撃力は倍以上となり、盾が装備できないデメリットを差し引いても非常に有効だ。
これらの戦闘に関する2つの変更点だけでも、グループ編成がかなり幅広くなったという印象である。その例として、筆者の一風変わったグループ構成を紹介しよう。本作の盗賊にとって、遠隔用武器は選択肢がそれほど多くはない。また性能が高いこれらの武器をなかなか入手できなかったこともあり、試しに盗賊に“ショートソード”を2本持たせた上で前衛で戦わせてみた。すると驚いたことに、戦士に迫る勢いの活躍をしてくれるではないか。
もっとも、盗賊を前衛で戦わせるには、ACの面もクリアしないと実用は難しいだろう。しかし筆者のグループでは盗賊が前衛で飛び回り、それに押し出される形になった戦士が後衛でハルバードを振るうという、「1~3」では考えられなかったユニークな逆転現象が暫くの間起こっていた。他にも、射程の長い武器を得意とする前衛職は、後衛に配置する選択肢が意外と実用的である。武器の射程距離と、二刀流を応用したグループ編成を考えるのが、本作ではなかなか面白い。
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全職業は何らかの武器によって長距離攻撃を行なえる。この仕様に合わせる形でグループ編成を最適化する過程が面白い |
二刀流の前衛職はかなり強烈なダメージを叩き出す。従来のシリーズよりも、直接攻撃の重要性が高まった印象である
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モンスターの種類によっては、後衛キャラクタがいきなり攻撃される危険性も。単純に前列のモンスターから殴れば良い、というわけではないのだ
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画面中央の枠内に、特殊効果が3種類記されている。武器の性能は純粋なダメージだけでなく、特殊効果の面にも注目しようだ
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武具に関してもっとも大きく変わったのは、ベースとなるアイテムに最大で6つの特殊効果を付加できるようになったことだ。付加される特殊効果はベースアイテムの種別によって分けられており、例えば武器では「攻撃時に麻痺効果」や「ダメージの10%をHPとして吸収」、防具では「ブレスによるダメージを緩和」や「先制攻撃率アップ」を初めとした、かなり多くの種類がある。これらのイメージとしては、「Diablo」シリーズのPrefix/Suffix効果に比較的近い。
そして特筆すべきは、特殊効果の付加及び消去を、ショップに金銭を払うことで何度でも繰り返し行なえることだ。支払う料金によって効果は9つのランクに分けられているが、ランダムの付加となっているため、冒険者は足繁く通うことになる。つまり、従来のシリーズではダンジョンのモンスターを延々と倒してアイテムを探し求めていたが、本作ではそれ以外にも手段が用意されているわけだ。ちなみにゲーム中で最強の攻撃力を誇り、Wizシリーズの代名詞ともいえる武器「村正」と「手裏剣」は、本作ではベースアイテムとして登場する。すなわち、これに更に特殊効果の付加が可能で、この点だけを見ても、本作の鍵を握る要素であることを理解してもらえるはずだ。
またマジックアイテムとは別系統の、「スペシャルアイテム」と呼ばれるものも登場する。これらはいわゆるユニークアイテムで、ダンジョンでの宝箱からのみ入手が可能だ。スペシャルアイテムは合計30種類以上が用意されており、筆者はまだ一部しか確認できていないが、恐らくは「ガーブオブロード」や「盗賊の短刀」といった、個別効果を持つアイテムが相当すると思われる。これらのスペシャルアイテムのドロップ率はかなり低く、アイテムコレクターにとっては存分にやりがいがあるだろう。
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武器に関してもっとも重要な効果は、最低/最大の攻撃回数アップ。これは目に見えて合計ダメージが変化するのでおすすめ |
防具に付加される効果は、他タイトルでは見受けられなかったユニークなものが多い。金銭の利用法が増した点は評価すべきポイント
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かつては最強を誇った「村正」、「手裏剣」も、特殊効果によって雲泥の差が出るように。写真の効果は総合面でかなり優秀な部類
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スペシャルアイテムは他では見受けられない特殊効果が目立つ。総てを集めるには年単位の期間が必要となるかもしれない |
これらの魅力的なアイテムを求め、冒険者はひたすらダンジョンへと潜り続ける。シンプルな内容だが何故か麻薬のようにはまってしまう
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どのような上級者のキャラクタでも、一歩間違うと瞬時に消失してしまうのがWizの怖い所。写真は岩の中へ強制転移という最悪の瞬間
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■ 難易度別に用意された3種類のダンジョン。今後はネット配信の展開も検討中
本作は外伝として位置付けられるタイトルであり、ストーリー面において過去シリーズとの関連性は無い。ここで本作のストーリーを簡単に紹介しておこう。辺境に位置する“トランプル王国”は、希少価値の高い鉱物資源の発見により、一躍世界中からの注目を集めることになった。しかし、それと同時に鉱物資源を虎視眈々と狙う近隣諸国の野望も迫りつつある。そこでトランプル王国の“ハルシュタイン”が、国を守るべく数多の冒険者を召集し、一人前の近衛兵に育て上げるというストーリーである。
冒険の主な舞台となるダンジョンは、製品版では難易度別によって3種類が用意されている。そして詳しくは後述するが、追加用ダンジョンのデータを公式サイトから配信という、意欲的な試みも今後予定されている。本稿では、現時点でプレイ可能な3種類のダンジョンについて概要を紹介していこう。
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このような形で、各ダンジョンへ攻略の指令を受ける。3ダンジョンを順番に攻略することでWiz未経験者でも躓かずにプレイできる |
各ダンジョンには拠点から直接侵入できる。攻略情報を見ずに自力で挑戦する際は、写真の推奨レベルよりも約5前後高いレベルが必要となる
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ダンジョンの道中では、随時ハルシュタインからのヒントを得られる。本作は謎解きの要素もあるためじっくりと目を通したい
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・カラムの洞窟
冒険者が最初に挑戦することになるダンジョン。地下3階までの構成で、各フロアは16×16マスとそれほど広くない。そのためWizの初級者や、久しくシリーズから離れていたプレーヤーのリハビリ用としても最適である。ダンジョン内の仕掛けも凝ったものは無く、一部でシークレットドアや回転床がある他は特に戸惑う箇所はない。攻略サイト等からの情報を入手せずにプレイすれば、誰もが程良い緊張感を満喫できるはずだ。
3Dダンジョンを攻略する本シリーズにおいて、自分の現在地を把握する作業は何よりも大切である。それをサポートするために、本作では「オートマッピング」と「ミニマップ」の2機能が用意されている。このミニマップとは、各フロアの特定箇所にあるスイッチを押すことで、5×5のウィンドウが画面内に常時表示されるというもの。どのスイッチも一筋縄ではいかない場所に隠されているが、もし見つけることができれば非常に助かる機能である。またミニマップを使える頃には、次のフロアへ挑戦できるという目安にもなるだろう。
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カラムの洞窟はWizの基本を身につけるのに最適。現在位置さえ見失わないように慎重に進めば、3DタイプのRPGが初挑戦という人でも問題はない |
中央スイッチを押すと、5×5のミニマップが表示される。これを探し出すことが、各フロア攻略の区切りとなるだろう
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シークレットドアを発見した瞬間。もし行き詰まったら、全体マップに隅々まで目を通すと抜け道が見つかる場合が多い
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・デュエルの洞窟
こちらは20×20マスのフロアが地下6階までで構成された、中級者向けのダンジョンである。たとえ同一フロアといえども壁によって区域が完全に隔てられ、一度下層へ降りてから再度登るといった構造が多い。ミニマップのスイッチを見つけるまでは、なかなか目的地へと思い通りに進むことが難しく、特に冒険者が消耗しきった帰り道だと焦りやすい。現在地を把握する魔法“ウィザードアイ”のスクロールを、複数確保してから挑戦するのをお勧めする。
また、このダンジョンからは移動床や一方通行の扉、そしてダークエリアも頻繁に登場。そのため最初の探索時は苦労するが、終盤において“エレベータ”を使えるようになると、このショートカットにより利便性が一気に高まる。また、詳しくはネタばれになってしまうので伏せるが、Wizシリーズのフリークならば、本ダンジョンの最下層の構造には思わずにやりとするはずだ。
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ダンジョンのランクに比例して、登場するモンスターも強力になっていく。中盤では範囲攻撃魔法の活用が大きなポイントとなる |
初代Wizの経験者にとっては懐かしいエレベータ。大幅なショートカットが可能となり、ここまで来れば最深部はもう少しだ
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いやらしいトラップが次第に増えてくる。ウィザードアイのスクロールは何本あってもすぐに足りなくなってしまうだろう
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・リュードの洞窟
1フロアあたりが24×24マスと広く、しかも地下10階まである上級者向けのダンジョン。仕掛けに関しても上記2ダンジョンに加え、ワープポイントや「かんぬき」によって片側から塞がれた扉が多数存在する。かんぬきは一度外した後は逆側からも通行が可能になるものの、そこへ辿り着くまでがかなり難しい。ダンジョン全体の体感としては“デュエルの洞窟”の3倍以上の広さに思えるだろう。
そしてWizシリーズの経験者にはお馴染みの“リドル”も、このダンジョンでは4つが待ち受けている。これは各地に点在するNPCから証言を聞き、解答を導き出すというシンプルな内容。しかし、実際にチャレンジするとそのシンプルさとは裏腹に、極悪ともいえる難易度である。しかもただ単純に難しいのではなく、これがいかにもWizシリーズらしい、良い意味で意地悪さに満ち溢れたものばかりなのだ。これらのリドルに関してはきっと多くのプレーヤーが、長期間頭を悩ませることに違いない。
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戦闘中は派手な攻撃魔法が飛び交い、一撃で100を越えるダメージが続出する。最終ダンジョンをクリアするには最低でもレベル15~20は必要だろう |
これがリドルを投げかけるNPC。たったこれだけの問題内容だが、実際に解くためには想像を遙かに上回る作業を要する
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本作のリドルは手強い。もしWizフリークを自認するならば、ヒントを見ずに挑戦してもらいたい
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■ 関連タイトル総てを含めてもシリーズ最高傑作。「Wiz」の名前に少しでも興味があるのなら迷わず買い
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ゲーム内の設定項目はこれだけの種類がある。これらを調整すれば、相当な拘りを持つWizフリークでも満足がいくはずだ
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試しにダンジョン描画をワイヤーフレーム、メッセージ関連を総て英語に変更。実は本作は、このまま海外輸出にも耐えうる仕様である
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本作はゲーム中のトリックやシリーズ特有のお約束等々、細かい部分にまでWizへの深い敬意を感じられる。流石としか言いようがない
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本稿の冒頭部でも触れたが、本作は初めからPC専用として開発されたタイトルである。近年にPCで発売されたWizシリーズは、第8作を除けばその多くがコンソール機からの移植作であり、この両者の違いを筆者はまざまざと見せつけられた思いだ。すなわちシステムの実に細かい部分までが、PCでの操作を前提にしっかりとチューンされているのである。
具体的には、まずインターフェイスや画面レイアウトのセンスの良さは、移植作ではなかなか到達できない高水準にある。例えば操作方法はマウスとキーボードの両方に対応。後者の場合は仮に移動時ひとつを取っても、カーソルキーとテンキーを初めとした4種類ものキーレイアウトが用意されている。戦闘や街での行動についても同様で、ありとあらゆるプレーヤーにとって操作時にストレスを感じさせない。画面レイアウトに関しても、掲載画像を見てもらえば、無駄なスペースがまったく無いことがおわかり頂けるだろう。
「Wiz」は長い歴史のあるシリーズであるため、プレーヤーによって求める趣向は様々。これらに関しては、ゲーム中の豊富なカスタマイズ項目が用意されている。例えばモンスターやアイテム名を初めとするメッセージ関連は、7種類の分類によって日本語・英語の切り替えが可能。また昔ながらのダンジョンのワイヤーフレーム表示や、オートマッピング機能のON/OFF、更には呪文詠唱やトラップ解除のタイピング入力といった、ほとんどのニーズに対応しているのだ。ただ唯一、呪文名称に限っては、過去シリーズに準拠できないのが僅かではあるが心残りである。
そして今回は音楽も素晴らしい。本作の楽曲を提供したのは、崎元仁氏が率いるベイシスケイプ。コンソール用RPG「オウガバトル」シリーズの作曲者と聞けばピンと来る読者は多いと思うが、氏の得意とするオーケストラサウンドと、格調高いWizの雰囲気は正に絶品の組み合わせである。特に戦闘用BGMの3曲については、筆者の乏しい文章力では良さを伝えられないのが情けなくなってくる程だ。
他にも日本版Wizの顔ともいえる末弥純氏によるグラフィックや、随所にシリーズへのオマージュを感じさせる徳永剛氏のシナリオ、そして未経験者からベテランまで幅広い気配りが行き届いたゲームバランス等々、本作の良さを挙げていったら本当にきりがない。率直に言えば外伝作といえども、シリーズ「1~3、5」作の流れを汲む正当な後継と呼ぶに相応しいでき映えである。初代Wizの制作者であるAndrew GreenbergとRobert Woodheadの両氏に、本作を是非ともプレイしてもらいたいとつくづく思う。
初代Wizは、発売から20年以上が経過した今でも世界中で親しまれ続けている。そして本作もそれらと同様、今後何年経っても多くの人にとって忘れられない名作となるだろう。本作の制作に携わった総ての人に対し、惜しみない拍手を贈りたい。
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追加ダンジョン用のデータ配信は、5月下旬から開始予定。初回は無料を予定しており、どのような形になるのか今から楽しみだ |
今までWizを知らなかった世代が、本作をプレイした感想はちょっと気になる。世代を越えて良さが伝わると思っているがどうだろうか
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ショップに通うことで、「AC-10」や「Heal+5」といった凄まじい魔法効果を得られる。ストイックなWizフリークは禁じ手にする必要があるかもしれない
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あらゆるモンスターを一撃で倒せるようになっても、延々とレベルアップを続けてしまうのが怖い。麻薬的な醍醐味はむしろ増している
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今回筆者はWizシリーズを久々にプレイしたが、想像以上にハマってしまった。本稿の執筆後は、再度まっさらの状態からプレイし直す予定である
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シリーズ1~3作のファンにとっては文句の付けようがないでき。まだ3月下旬だが、筆者の本年度の最高傑作は既に決まってしまった感がある
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タイトル画面では荘厳な曲をBGMに、歴代シリーズのモンスター画像が5秒間隔で切り替わる。スクリーンセーバー代わりにしたくなる人は多いだろう
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【ウィザードリィ・外伝 ~戦闘の監獄~】
- CPU:Pentium III 1GHz以上
- メインメモリ:不明
- HDD:200MB以上
- ビデオメモリ:8MB以上
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□「ウィザードリィ・外伝 ~戦闘の監獄~」のページ
http://wiz-pb.jp/
□関連情報
【2005年1月17日】IRIコマース&テクノロジー、完全新作の「Wizardry」
WIN「ウィザードリィ・外伝 ~戦闘の監獄~ Prisoners of the Battles」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050117/wiz.htm
(2005年3月24日)
[Reported by 川崎政一郎]
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