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★ PS2/PCゲームレビュー★


どこか懐かしい正統派2Dアクションゲーム
「ロックマンX 8」
  • ジャンル:アクション
  • 発売元:カプコン
  • 価格:6,090円
  • 対応OS:Windows 98SE/Me/2000/XP、プレイステーション 2
  • 発売日:2005年3月10日(発売中)

 ファミコンの名作アクションゲーム「ロックマン」から分化、発展を続ける「ロックマンX」シリーズ。キャラクタやストーリーをシリアスに、さらに派手なパワーアップ要素を取り入れた本シリーズでは、人類に反旗を翻す“イレギュラー”と、主人公エックス達“イレギュラーハンター”の終わりなき戦いが描かれる。

 シリーズ最新作である本作「ロックマンX 8」は、PS2版とPC版が同時発売された。PC版では7カ国語に対応、PS2版にはない高画質モードでプレイを楽しむことができる。アクションゲームファンだけでなく、キャラクタや世界観が気に入った人も、腰を落ち着けてたっぷりやりこんでいけば解法が見えてくる作品となっている。


■やりごたえのある硬派なアクションゲーム

エックスのド派手なため撃ち攻撃。グラフィックや演出は現代風になっているが、ゲームの感触に懐かしいものがある
 本作ではプレーヤーは主人公のエックス、彼のライバルであり親友でもあるゼロ、前作よりチームに参加したアクセルを使って各ステージに挑戦する。ステージごとにチームのメンバーの内2人を投入できる。タメ撃ちによる強力な攻撃を行なうエックス、接近戦が得意で2段ジャンプが行なえるゼロ、連射する銃をもち空中でホバリングが行なえるアクセルと、3人のキャラクタは性能も個性豊かである。

 ゲームの基本は敵の撃破と、さまざまなトラップの突破になる。トゲの生えた床を飛び越したり、壁につかまって上っていったりと、ファミコン時代から連綿と続く正統派のアクションゲームである。グラフィックは3Dの技術をふんだんに使いながら、感触は2Dアクションそのままで、3Dのアクションゲームが主体となった現代では貴重な存在ともいえるのではないだろうか。どこか懐かしい感触もある作品である。

 本シリーズは難易度が比較的高めだ。ジャンプはきっちり到達点を把握しなくてはいけないし、敵の出現位置は覚えていた方が有利になる。さらに本作ではジャンプ中にダッシュをする移動や、方向ボタンとジャンプを駆使した壁上り、ジャンプしながら攻撃といった複数のボタンを瞬時に押すアクションが求められる。武器の切り替えやメンバー交代など使用するボタンも多いため、キーボードでのプレイは非常に難しい。ゲームパッドの使用は必須であるといえるだろう。特にPS2と同じ方式のボタン設定のゲームパッドが使いやすく感じた。

 PC版では自由にボタン設定が行なえるので、まず納得できるボタン設定を探し、そして各ボタンの機能を身体で覚え込むところから本作の攻略は始まる。ちょっとしたボタンの押し間違いがミスにつながってしまうのだ。本作のキャラクタはHPが設定されており、1ステージで2人投入できるので、敵に接触してダメージを受けたり片方のキャラクタがやられてしまってもゲームは続行するが、穴に落ちたりトゲに触れるといった地形でのミスはどんなに体力が残っていても一発でゲームオーバーになってしまう。本作ならではの操作方法に一刻も早く慣れ、自由自在にキャラクタを動かせるようにならなければゲームを進めることは難しい。

 筆者がユニークに感じたのは2段ジャンプができるゼロとホバリング可能なアクセルが初心者に使い勝手が良く、主人公であるエックスをステージ攻略に使うとすこし難易度が上がるところだ。エックスはジャンプ性能が平凡であるだけではなく、タメ撃ちと連射を使いこなす必要もあり、斜めや真上の敵に攻撃することもできない。他のキャラクタ以上に繊細なキャラクタ操作を求められるのだ。キャラクタ選択はプレーヤーの任意によるものなので、ゼロとアクセルしか使わないと言う人もいるだろう。

 しかし、エックスを使うことで、プレーヤーはファミコン時代から続く「ロックマン」のエッセンスを確かに感じることができるのだ。ここではタメ撃ち、ここでは連射、ジャンプするタイミングはこう……ステージの攻略をどんどん覚えていく楽しさ。感心させられたのは、ステージの各トラップが他のキャラクタを使えば有利にはなるものの、きちんとエックスの基本性能で攻略ができるようにデザインされていることだった。この繊細なステージ設計とバランス設定がファンを魅了しているのだということを改めて感じさせられた。

ゼットセイバーを振り、すべての敵を切り裂くゼロ。接近戦に絶大な強さを誇る 連射するマシンガンを持つアクセル。ホバー能力もあり、初心者にオススメのキャラクタだ 3人のオペレーター。ボス攻略やルート攻略などそれぞれ得意分野を持っている
ムービーシーン。今回は月へと繋がる軌道エレベーター建設が事件の発端となる 敵に捕まったときは素早くメンバー交代ボタンを押すことで脱出できる ゲージが溜まることで使用できる同時攻撃。これでボスを倒すと特別な演出が入る


■各ステージに盛り込まれたさまざまなアイデア

イレギュラーが発生した8つのステージ。どの順番で攻略する?
トロイアベースで入手したゼロの技に、姿を明らかにされてしまうダークネイド・カマキール。ボスとの戦いは、キャラクタや技の組み合わせで有利に戦える
 「ロックマンX 8」では、プレーヤーは基本動作を覚えるオープニングステージの後、8つの個性豊かなステージに挑戦することとなる。今までのシリーズ同様ひとつのステージには多彩なアイデアが詰め込まれており、プレーヤーを楽しませてくれる。

 プリムローズステージでは、ボタンによってステージが回転、隠された道が明らかになる仕掛けになっている。回転によっては、トゲのある壁が床になったり、落ちてくるキューブに押しつぶされそうになったりと注意をする必要がある。

 ピッチ・ブラックステージは暗やみに包まれたステージ。敵はライトによる監視を行なっており、このライトに照らされると姿を発見され、警備員に取り囲まれてしまう。「スニーキングアクション」を取り入れたステージだ。明かりを放つ敵を間違って倒してしまうと暗闇に閉じこめられてしまうこともある。ステージの性格をちゃんと把握しておくことが大事だ。

 ブースターズ・フォレストステージでは巨大ロボットライドアーマーに乗ってステージを進む。敵の弾を寄せ付けず、強力なパンチであらゆるものを粉砕するという「無敵気分」が味わえるが、ライドアーマーは動きが鈍重で、生身の時のように自由に動けなくなる。このライドアーマーをできるだけ長持ちさせるための工夫が随所で必要となってくる。

 本作の特徴のひとつとして、3Dグラフィックスならではの演出の強化が挙げられる。ダイナスティステージは未来の都市上空を飛び回るシューティングゲームになっていて、空中を激しく行き来するエアカーや、ビルの林などが非常に美しい。メタル・バレーステージでは、巨大なロボットがエックス達の行く手を阻む。このロボットの表現もまた3Dならではの実在感と迫力を持っていて、本作の「進化」を確かに感じることができるだろう。

 8つのステージの中でドロップ・デッドステージはほかのステージに比べて非常に難しく感じた。特に地形が意地悪で、何度もトライをしなければ進むことができなかった。イージーモードでなかったら、とても最後まではいきつけなかっただろう。しかし、失敗を繰り返すことでどんどん仕掛けを覚えていく体験は非常に楽しかった。もし、コンテニューが限られているノーマルモードでここをクリアできれば、大きな達成感が味わえるだろう。

 ボスもまた個性豊かだ。パンダを思わせるちょっとかわいい外見のバンブー・パンデモニウムは竹型の巨大ミサイルを撃ってくるし、ダークネイド・カマキールは闇に紛れて攻撃を仕掛けてくる。ステージボスを倒すと彼らの使っている武器が手にはいる。この武器を使って敵を倒すのが本作の面白いところなのだ。

 どのボスにどの武器が有効か? この情報を自分だけではなく、友人と考えて攻略していく。この要素も「ロックマン」から受け継がれている要素である。本作ではさらに3人のキャラクタがいる。「あいつにはゼロの武器が有効」などなど、その情報を実践するとびっくりするほどボスが楽になる。そのためには各ボスを攻略していく順番が大事になる。

 難しいゲームを、指先のテクニックだけでなく、自分の考えや、友人と情報交換をして解いていくことを考えて本作はデザインされている。加えて現代ではネットがあり、より多くの人と情報交換が可能だ。これらの情報を得てからプレイをするのも、全部自分で見つけるために頑張るのもプレーヤーの自由である。

 筆者はどちらかというと「ニブい」人間で、現状ではイージーがやっとである。しかし、後述するやりこみ要素も含め、リトライが限られているからこそ熱いボスとの攻防など、イージーモードでは本作の真の楽しさを体験しているとは言い切れないと感じた。イージーで練習を積み、さまざまな知識を身につけた上で、ノーマルに挑戦してみたい。

最初のステージとなるノアズ・パークでは基本的な操作方法を学ぶことができる トロイアベースは本来は戦闘訓練を行なう場所。さまざまな敵が襲いかかってくる プリムローズはボタンを押すことで画面が回転する。パズル要素が強いステージだ
スニークアクションが楽しめるピッチ・ブラック。光や敵のセンサーに注意したい ブースター・フォレストではライドアーマーにのってステージを進む 逃げる敵を追って都市上空を飛び回るダイナスティステージ
メタル・バレーでは巨大な作業ロボットから逃げていかなければならない セントラル・ホワイトはライドチェイサーに乗って雪原を疾走する 意地悪な地形が多いドロップ・デッドは他のステージと比べて難易度が高い。
メタルバレーの中ボスであるロボットと戦う。ロボットの巨大感は3Dグラフイックならでは レーザー攻撃や分身など光を使って攻撃してくるオプティック・サンフラワード 暗闇に潜み攻撃をしてくるダークネイド・カマキール


■プレイ意欲を刺激するやりこみ要素

 本作は、長く楽しめるようにと多くの数多くのやりこみ要素が用意されている。各ステージはボスを倒した後も、何度でも挑戦可能だ。ダメージ率を減らし、敵を連続して倒す「コンボ数」を稼ぐことで、より優秀な成績を目指すことができる。

 ステージの再挑戦への意欲を大幅にアップさせてくれるのが隠しアイテムの存在だ。各ステージにはエックスが装備するアーマーが隠されている。これらを装備することでエックスは強力な戦士になることができる。アームパーツHを装備すればタメ撃ちが3方向に飛ぶようになり、ボディーパーツIを装備すればダメージが低減される。アーマーにはHとIの2系統があり、コンプリートすればさらなる強化が実現するという。是非ともそろえたいところだ。

 ノーマル以上の難易度から登場するレアメタルは、ゼロの武器を開発できるようになる。イージーではゼロの追加武器は敵の弾を弾き返す“Bファン”しか使用できないが、これが大幅に増える。筆者が是非とも挑戦したいと思っているのは、この要素があるからである。何とかイージーで本作の基本をマスターして、ゼロの武器を入手したい。また、ある条件でエックス達を助けるオペレーター達も使用できるようになるという。これも楽しみなところだ。キャラクタの強化と言えば、アクセルは敵のDNAをコピーして敵の能力を学習することができる。ステージ攻略に役立つだけでなく、隠しアイテム入手に非常に有用だ。

 これらのパーツは普段はわかりにくいところに隠されていて、やりこまないと入手できない。また、あらかじめボスが使う技を入手しておかなくてはいけない場合もある。ゲームをやりこんでいくことでどんどんキャラクタが強くなり、後半のステージの難易度が下がる。ゲームのクリアを急ぐために、これらの要素は後回しにしても良いし、8ステージをクリアした後に登場する後半ステージのために、キャラクタの強化を優先するのも良いだろう。また、手に入れた技をきちんと使いこなせるように練習もしておきたい。

 こういった隠しパーツの探索以外にも、ステージを再挑戦するメリットはある。ゲームの中の通過的な役割を果たす「メタル」がたっぷり入手できるのだ。メタルを消費することでアイテムを購入できる。アイテムはキャラクタの能力を強化するだけでなく、ステージ中の回復もしてくれる。ノーマル以上だと、アイテムの有用性が飛躍的に高まる。常に大量のメタル獲得を目指してプレイしていこう。

 筆者は本作にスタッフの「2Dゲームへのこだわり」を強く感じた。現在、3Dのアクションゲームが増えているが、原点回帰ともいえる2Dゲームならではの感触をもったこういった作品は今後もっともっと出てきてといいと思う。何度も失敗しながら解法を探し、ゲームの中で腕が上がっていく実感や、うまくいかない苛立ちもどこか懐かしい。この懐かしさをきちんと受け継いでいる作品があるのは、個人的にうれしかった。

 じっくり腰を落ち着けてプレイをしたい作品である。硬派なアクションゲームなため、万人にお勧めとはいいきれないが、かつてコントローラを夢中になって握っていた記憶のある人は、是非挑戦してみていただきたい。

メタルを消費してさまざまなアイテムを購入できる。ゼロの武器はここで開発する 各ステージに隠されているエックスのアーマー。各パーツをそろえることでエックスは強力なキャラクタに成長する
イージーでも入手できるゼロの武器Bファン。敵の弾を弾き返すことができる アクセルは敵のDNAをコピーすることで能力を自分のものにできる ゲームが進むことで出現するインターミッションでは記録作りに挑戦できる

(C)CAPCOM CO.,LTD.2005 ALL RIGHTS RESERVED.


【ロックマンX 8】
  • CPU: Pentium III 1GHz以上
  • メモリ:128MB以上
  • HDD:1GB以上
  • ビデオカード:VRAM 64MB以上


□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□「ロックマンX8」のページ
http://www.capcom.co.jp/rockmanx8/
□関連情報
【3月4日】3人のナビゲーターもついに参戦!
カプコン、PS2/Windows「ロックマンX8」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050304/navi.htm
【2月18日】カプコン、PS2/Windows「ロックマンX8」
新ステージとエックス達のパワーアップパーツを紹介
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050218/rox8.htm
【2月14日】カプコン、WIN「ロックマン X8」購入者を対象に
最新ゲームパッドが当たるプレゼントキャンペーンを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050214/rock.htm
【1月28日】カプコン、PS2/Windows「ロックマンX8」最新情報を公開
3つのステージと待ち受けるボスを紹介!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050128/rx8.htm

(2005年3月22日)

[Reported by 勝田哲也]


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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

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