【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

セガ、「甲虫王者ムシキング」をアニメ化。ムシキングチーム代表植村氏
「子供達を裏切れない、ゲームもアニメも続けていく」

4月6日 から順次放送開始

【「甲虫王者ムシキング~グレイテストチャンピオンへの道~」】
発売日:6月23日

価格:5,040円

19日から21日まで開催された「SEGA GameJam 2005」会場でも出展されていたGBA版「甲虫王者ムシキング~グレイテストチャンピオンへの道~」。今回も出展されていた
 株式会社セガは、同社がアーケード展開している「甲虫王者ムシキング」の世界を舞台にしたテレビアニメーションシリーズ「甲虫王者ムシキング~森の民の伝説~」の放送を4月6日から行なうと発表した。4月6日の18時からテレビ東京系列6局で放送が開始されるのを皮切りに、全国で順次放送が始まる。

 セガの常務取締役コンシューマ事業本部長の岡村秀樹氏は、「ムシキング」の勢いを指し示す数字として「3,500店舗、8,000台、200万人近い子供達が楽しんでいる」とし、「セガの中では画期的な展開」と自信たっぷりに挨拶した。「ムシキング」が持つこれまでのセガいない要素とは「セガは低年齢層が弱いというのが定説だったが、『ムシキング』は小学生の中学年以下から支持を得ている」という点がひとつ。もうひとつはマシンをすべて無償で提供するというこれまでにはないビジネスモデルを含めた市場の開拓で、これまでのアミューズメントのビジネスモデルを打ち破った点を上げた。

 その次なる展開としてアーケード部門やコンシューマ部門、セガトイズなどセガグループを横断する形で組織が立ち上げられ、「水平的に拡販を行なっていくため企画が立てられた」という。その結果が今回のアニメ化なわけだ。岡村氏は挨拶の最後に「秋口には5,000店舗で15,000台を展開」といった数字を掲げ、「ワールドワイドに展開し、ロングタームを見据えていく。テレビアニメの放映を機に新たなムシキングワールドを広げていく」と意気込みを語った。

 原作を担当するセガのムシキングチーム代表、植村比呂志氏は「リリースしてから3年経つが、アーケードゲームで2年以上活躍するタイトルは少ない」とし、長い人気を誇るタイトルであると説明。人気の秘密は「自然の生み出した“本当の虫”を使っていること」と分析。子供向けの商売では重要な要素のひとつとも言える“親の理解”も、「自然の物」という観点から、得やすかったのではとしている。そういった意味合いからも、“虫”の魅力を変にいじらないことに注意しているという。

 さらに植村氏は「商売的な意味合いではなく」と前置きをしたうえで、「5年、10年、20年と続けていきたい。それは、一生懸命カードを集めてくれている子供達の期待を裏切りたくないから。アミューズメントセンターなどで見ていると、子供達はカードの束を持っている。1回100円だからカードの束を考えると1万円も2万円もすることになる。子供達の努力の結晶なわけです。企業の利益の採算性が落ちたといって辞めるのは、子供達を裏切ることになる」と熱い想いを語った。その上で、「親子で正々堂々と楽しめるソフトであり、ここから科学に興味を持つ子が出るかもしれない。そういったソフトも大切」とコメントした。

【アニメ「甲虫王者ムシキング~森の民の伝説~」】
登場する甲虫は3DCGでリアルに描かれていて、毎回迫力のバトルを繰り広げるのだという。第1回でも後半派手な戦いが繰り広げられ、グイグイと引き込まれる展開となっていた


 テレビ東京のアニメ制作部長、岩田圭介氏は「この春放送が始まるアニメは10本だが、問い合わせが一番多いのはこの『甲虫王者ムシキング』。よく聞かれるのは『ポケットモンスターのようになるのか?』ということ。現状では『ポケモン』に近い感触を感じている」と挨拶。「ポケモン」のようになるかどうかのキーは子供にあるとし、「子供達が番組を見て感動して親御さん達が納得してくれないと良くならない」としながらも「私も監督の言うように5年、10年の番組にしていきたい」とその手応えはつかんでいるコメントを残した。

 発表会後の囲み取材において、アニメ化について植村氏は「虫をそのまま使う」という前提があったというがこれが難しかったようで、アニメの監督を務める山内重保氏との話し合いの中で「 (虫の登場は) バトルではなくてもよい」と言うことになってから話は進んでいったようだ。しかし植村氏も山内氏も「単純な昆虫バトルにはしない」と決めていたという。それは「 (そういった作品が) 求められているのかもしれないが、一時の流行りに乗ったものではなく5年~10年のスパンの作品にしたいから」だという。

 最後に今後の展開を聞かれた植村氏は「『甲虫王者ムシキング』は戦略性を持ってやってきたゲームではないんです。追いつめられて最後の望みを込めて作った。だから今の気持ちを聞かれたら『助かった…… (子供達) 救ってくれてありがとう』という気持ちなんです」と語り、「だから子供達を裏切れない。みんなありがとうという気持ち。だから、アニメにしろゲームにしろ、とにかく続けます。『ムシキング』で親と子供で楽しい思い出作りができたら、その子供が親になったときに『アーケードゲームをしちゃダメ』と言わなくなると思う。そういったことも重要」と自身のゲーム作りの想いを語り、締め括った。

セガのコンシューマ事業本部長、岡村秀樹氏。「“セガは低年齢層が弱い”というのが定説だったが、小学生の中学年以下から支持を得ている」とコメント セガ、ムシキングチーム代表の植村比呂志氏。「『ムシキング』は3年経つが、アーケードで2年以上活躍しているゲームは珍しい。人気の秘密は本当の虫をテーマにしていること」と語った 「甲虫王者ムシキング~森の民の伝説~」の監督を務める山内重保氏。「植村氏とキャッチボールしながら (やり取りしながら) それもかなり剛速球なやり取りで時には怪我をしながら」ということで制作には苦労したようだ
主人公の少年ポポ役の宮原永海さん。「最近忘れがちな気持ちをキャラクタに込めていきたい」とコメント チビキング役のTARAKOさん。「初めての昆虫役。昆虫らしくやりたい」とコメント。監督から不思議っぽくやって欲しいと注文を出され「そんなの無理」と語り笑いを誘っていた ポポの父となるペレ役の五代高之さん。「等身大の父親として語りかける」と語った
オープニングテーマ「生きてこそ」を歌うKiroroのお二人。「今の時代だからこそ伝わって欲しい“想い”を伝えたい」と意気込みを語った エンディングテーマ「Let's HappiecE Life!」を歌う3B LAB.。「姉が結婚するので、その姉に向けての歌」ということで兄弟愛、家族愛を歌った曲に仕上がっている
大きなスクリーンがかけられた劇場で行なわれた発表会。発表会の後は第1話の試写会が行なわれ テレビ東京のアニメ制作部長、岩田圭介氏。「この春始まるアニメは10本。その中で一番反響が大きいのはこの『ムシキング』」ということだ アニメの制作を担当するトムス・エンタテインメントの加藤俊三氏。ビッグプロジェクトということで「プレッシャーを感じている」とコメント

【「甲虫王者ムシキング~グレイテストチャンピオンへの道~」】
ゲームボーイアドバンス用ソフトとして発売される「甲虫王者ムシキング~グレイテストチャンピオンへの道~」。ネブ博士などが登場していることから、アニメの世界観と言うよりは、より現実の世界を舞台にしていると言える
(C)SEGA, 2005


(C)ムシキングプロジェクト・テレビ東京

□セガのホームページ
http://sega.jp/
□「甲虫王者ムシキング」のページ
http://mushiking.com/
□アニメ「甲虫王者ムシキング~森の民の伝説~」のページ
http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/mushiking/
□GBA「甲虫王者ムシキング~グレイテストチャンピオンへの道~」のページ
http://sega.jp/gba/musiking/home.html
□関連情報
【2月14日】セガ、「ムシキングミュージアム」オープン1周年を記念して
グッズを配布。早朝から3,212人の長蛇の列に!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050214/mushi.htm

(2005年3月22日)

[Reported by 船津稔]


Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c)2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.