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テーマはズバリ“合体”! 新作アニメ「創聖のアクエリオン」 |
【「創聖のアクエリオン」ゲーム版】
発売日:6月30日予定
価格:7,140円 (予価)
会場に飾られていたソーラーアクエリオン |
「創聖のアクエリオン」は、「超時空要塞マクロス」や「マクロス ゼロ」といった作品の監督を務めてきただけでなく、多数のアニメなどでメカデザインを担当し、日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を得ている河森氏が手掛ける完全新作。
同氏曰く、「テーマはズバリ“合体”」という「創聖のアクエリオン」は、3機の戦闘機“ベクターマーズ”、“ベクターソル”、“ベクタールナ”が合体することで機械天使アクエリオンとして敵と戦っていく。合体と言っても1種類だけではない。それぞれがヘッドポジションに着くことで特徴的な3種類の機体、“ソーラーアクエリオン”、“アクエリオンマーズ”、“アクエリオンルナ”となる。河森氏のすごいところはこれらの完全変型、合体にごまかしがないという点。フルCGで描かれており、どの機体がトップになってもキチンとデザインされたロボットとなる。
物語の舞台は、地軸の変動が起こり世界人口が2/3になった近未来。大災害によって南極の氷が溶け、滅びたはずのアトランティスが出現する。そこに翼を持つ堕天翅族が復活。堕天翅族は人間の生体エネルギー“プラーナ”を必要とするため、生物機械兵器“神話獣”を使い人間を襲い始める。
人類は海底遺跡から発見された3機のハイブリッド戦闘機ベクターマシンを使って反撃を試みる。このベクターマシンが合体することで伝説の機械天使アクエリオンが姿を現わすのだが、アクエリオンを操縦するにはマシンと共鳴できるエレメントという人間が必要となる。エレメントには特殊能力が必要となるため、10歳台の少年少女達がパイロットとして集められた。
救世主となるパイロットを捜索しているときターゲットとして発見されたアポロ。しかし発見されたときに突如襲いくる堕天翅族の“ケルビム兵”と“収穫獣”。緊急出動するベクターマシン! ついにアクエリオンの合体の時が来た……。
都内で行なわれた発表会では第1話と第2話が上映されたが、謎が謎を呼ぶ展開で、唐突に展開していくストーリーはスピード感のある映像でグイグイと作品世界に引き込まれていく展開となる。河森氏の作品の映像クオリティは非常に高いが、今作品でもテレビアニメーションとは思えないクオリティを実現している。
【スクリーンショット】 | ||
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アポロをメインに据えたイメージカット (左) と、3種のアクエリオンを描いたイメージショット (右) の2種類 | 第1話から。最初は圧倒的なパワーを見せるアクエリオンルナだったが…… | |
美学を重んじるシリウス・ド・アリシア。アリシア王国の王子 | アポロにより強制合体したソーラーアクエリオンのパワーが爆発する | 主人公のアポロ。野生児丸出しだが、特殊能力を持つ |
テレビ放映が開始されると同時に各種商品展開が開始されるが、ゲームソフトもすでに制作が開始されている。プラットフォームはプレイステーション 2で、発売日は6月30日を予定。価格は7,140円 (予価) 。発売元はバンダイ、開発元はスティングで、プロデューサーは後藤能孝氏と岡本吉弘氏。
ゲームソフト「創聖のアクエリオン」は、3人称視点の3Dアクションゲーム。ミッションクリアタイプだが、単純にクリアしていくだけではなく原作の作品世界を反映し、操縦するキャラクタの組み合わせや成長要素など、戦略的な要素も取り込まれている。
アクエリオンは前述の通り合体によって3種類の機体に変型するが、それぞれに特徴的な要素がある。“ソーラーアクエリオン”は格闘系の攻撃が得意で1対1の戦いに向いている。“アクエリオンマーズ”は剣を持ちある一定の範囲に対して有効な攻撃を繰り出す。このため、複数の敵に囲まれた時などに有効。“アクエリオンルナ”は、弓矢などの遠距離攻撃を得意とする。ゲームではリアルタイムに合体変型を行ない、状況に合わせた機体で戦っていく必要がある。
ステージは以下に掲載した火山、氷河、砂漠、森林といったもののほかにも、沼地や海、空中要塞など多数用意されているという。地形や気候の変動もあるようで、アクエリオンの変型合体など戦略要素は高い。
アニメでは、登場するパイロット (エレメント) 同士が喧嘩することで必殺技が出なくなったり、逆に強くなるなど、ドラマチックな場面が用意されているが、ゲームにおいても搭乗パイロットの組合せや状態は重要だ。パイロットに選ばれないと機嫌が悪くなったり、パイロット同士が仲が良かったり悪かったり……。さらに、連続して出撃すると疲労がたまるといった要素もある。
また各キャラクタには特殊能力が設定されており、「弱点発見」、「HP吸収」などそういった能力的な組合せも考慮することで、合体のバリエーションはさらに広がりを見せることになる。
会場では1分程度の映像が公開されただけだったが、アクションシーンはスピード感が溢れており、アクションロボットものとして期待できる内容だろう。操作系など気になる点はいくつかあるが、今後明かされていくことと思われる。
【完全変型シーン連族ショット】 | |||
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アクエリオンルナから完全変型を行ない、アクエリオンマーズへとチェンジするのを左上から連続ショットとして捉えたところ。それぞれ格闘系や遠距離攻撃が得意な機種など特徴があるため、戦局を見極めながら変型を繰り返して適切な機種で戦うのがゲームのポイント |
【アクエリオンモデル画像】 | ||
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ソーラーアクエリオン | アクエリオンマーズ | アクエリオンルナ |
発表会場には監督の河森正治氏、オープニングテーマ「創聖のアクエリオン」を歌うAKINOさん、そして特別ゲストとして女優の加藤夏希さんが登場。トークショーを繰り広げた。
ゲストの加藤夏希さんは1話目を見た感想として「音楽が管野よう子さんで、素晴らしい。壮大な感じで今回もやってくれたなって感じ。絵ももちろん綺麗だし、観ていて飽きない。もっと観たいという気になる」と絶賛。アクエリオンについては「普通、変型したり合体すると『 (その変型は) そりゃ無いだろう』というのが出てくるけど、この作品にはない。観ていて本当にカッコイイと思った。女の子だけど思いましたもの」と、こちらもほぼ絶賛。
バンダイの鵜之澤氏によれば、今回のプロジェクトに対して河森氏から提示された条件が「絶対『超合金』を作ること」だったという。河森氏によれば「バルキリーを作ってから20年経つんですけど、なんとかして3機合体して変型するのを実現したかった。むかし、『ゲッターロボ』とかペーパーモデルで試作しようとして、どうしても作れなかった悔しい思い出を、ここで晴らせればなぁと思います」と長年の想いの結晶のような作品になっているようだ。
超合金については秋の発売を予定して制作が進められているようだが、バンダイの泉氏によれば「部品点数が500点以上になるし、バンダイにとってもチャレンジ」とコメント。河森氏は制作にあたってレゴを使用し、その変型やデザインに破綻の無いように制作を進める。会場ではその制作中の風景もムービーで上映されたが、河森氏によればその初期の段階からバンダイの制作部のメンバーに入ってもらい、協議しながら進めていったという。
このあと加藤夏希さんはいきなり、「『スーパーロボット大戦 (スパロボ) 』にも出て欲しい」とリクエスト。司会者が「タイムリーですねぇ。会場にはバンプレストのメンバーもいますから」と語りかけると「私は今度、『スパロボ』の声優を担当するんですが、ゲームの方もぜひ」とどんどんアピール。河森氏も「 (アクエリオンが)『スパロボ』に出て、バルキリーと合体するなんていい」と夢を語った。しかし、多数のロボットが登場する「スパロボ」だけに、グループ企業での制作と言うことを考えれば、かなり確率は高いといえるだろう。
加藤夏希さんはさらに「カッコイイキャラ好きとしては、ぜひこれで恋愛シミュレーションをやって欲しい。ドンドン作って、私を喜ばしてください!!」と暴走気味にコメント。ちなみに好きなキャラは「『お兄さまカッコイイ』ということでシリウス……と言いたいところだけど、ピエールが面白い」と語った。どういった点に惹かれたかは、実際に放送を観て確かめていただきたい。
AKINOさんは第1話を見た印象を「流れがスゴクいい! 勇気とパッションを伝えてくれる。本当に面白くて映像がすごく綺麗」とコメント。好きなキャラクタは主人公の“アポロ”ということで、「アポロさんがスゴクカッコイイ」と声を弾ませて語っていた。
最後に河森氏は「テレビシリーズとは思えない、かなり大きなプロジェクトになってしまいました。でもスタッフなどいい方向で合体できていると思う」とコメント。手応えをつかんでいるようだった。
監督の河森正治氏。手に持っているのはモックアップだと思われるが、ディテールに至るまで凝った作りになっている | オープニングテーマ「創聖のアクエリオン」を歌うAKINOさん。兄弟4人組のコーラスグループ「bless4」のメンバーで、ソロでの活動は初めてとか | 特別ゲストとして登場した加藤夏希さん。「カッコイイキャラ好きとしては、このキャラクタで恋愛シミュレーションをやりたい」とコメント |
(2005年3月15日)
[Reported by 船津稔]
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