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「ローズオンライン」日本展開成功の鍵とは何か!?
フェイス ディレクター谷川ハジメ氏インタビュー

3月3日 収録

会場:フェイス東京オフィス

 3月2日、株式会社フェイスは、韓国Gravityと提携し、MMORPG「ローズオンライン」の日本展開を全面サポートすると発表した。今回弊誌はこの提携に関しフェイス東京オフィスにてディレクターを務める谷川ハジメ氏にインタビューを行なった。インタビューには韓国Gravityで「ローズオンライン」のGMをつとめていた河奉鉉氏も同席していただき、提携の背景、ローズオンラインの魅力、今後の展開などを伺った。

 「ローズオンライン」とは7つの惑星をもつ世界を舞台としたMMORPG。ファンタジー的な世界観をベースに、銃や不思議なエンジンで動く車「カート」、強力な力を持つロボット「キャッスルギア」、惑星間を飛ぶ「飛行船」などSF的なガジェットがちりばめられている。

 プレーヤーは接近戦が得意なソルジャー、魔法使いのミューズ、身軽な冒険家ホーカー、生産が得意で銃も巧みに扱うディーラーとなって冒険を進めていく。現在オープンβ中でありながら2次転職やギルド戦もすでに実装されており、プレーヤーは多彩なキャラクタ育成を楽しめる。今のところ実装されている惑星は2個。今後冒険の舞台はどんどん広がっていき、惑星間の覇権を争う「惑星戦」なども実装される予定だという。キャラクタ育成が比較的容易で、ゲームバランスの上でもユーザーの間で高い評価を得ている作品だ。

 Gravityと協力して日本で本作を展開していくフェイスという会社は、携帯電話の音声データの技術を持つ会社。i-modeやEZwebの和音着信メロディのダウンロードサービスに同社のテクノロジーが利用されている。今までは技術部門を中心に事業を行なっていたのだが、今後はソフト産業への事業の拡大を計画しているという。フェイスがゲーム事業に参入するのはこの「ローズオンライン」がはじめてとなる。

■フェイスとGravity提携の経緯と現在のユーザー状況

ディレクターを務める谷川ハジメ氏
韓国Gravityの社員であり、日本でGMを務める河奉鉉氏
河奉鉉氏に現在の「ローズオンライン」の世界を案内していただいた
Gravity河奉鉉氏のGMキャラクタ。額にGMマークの輝く特別な帽子をかぶっている
 Gravityとの間で、「ローズオンライン」の日本展開に関する交渉が持たれたのは、昨年のゲームショウの前くらいだという。現在、同作はβサービスが続けられているが、サーバー管理など運営はすべてフェイス側に移行している。フェイスは非常に本格的な姿勢でこの作品に取り組んでおり、サーバー設備もすべて自前で確保している。これはフェイスがこの「ローズオンライン」のみならず、第2、第3の作品を手がけるための戦略だという。

 東京ゲームショウの時点では、Gravityが直に「ローズオンライン」の日本での展開をすると発表していたのだが、フェイスをはじめとした数社のアプローチがあり、日本での展開はフェイスとGravityが協力した姿勢で行なわれる事が決定した。韓国でGMをつとめていたGravityの社員河奉鉉氏もフェイスに出向し、現在日本のGMとともに日本のユーザーにあったサービスを目指して活動している。日本へのサービスはフェイスが主導で行ないながら、多くのGravityの人材が協力を行なっている。

 サーバー移行に関しても大きな不具合がなく、現在もプレーヤーは増加中である。現在「ローズオンライン」のアカウント数は10万以上、同時接続数は平日の昼間でも2,000人ほど、最大同時接続数は4,000人以上とのことだ。谷川氏は「まだまだもっと行きたいですね」と語る。谷川氏の当初の目標はアカウントでも20万名超。そのためにこれまではできなかったような積極的なPRを行なっていきたいとのこと。

■正式サービス移行時期と利用料金は?

 韓国では今年の1月から有料サービスが行なわれている「ローズオンライン」。日本での有料サービスへの移行は春以降で、アイテム課金ではなく、定額課金制を予定している。値段設定としては「オーソドックスな金額を予定している」とのこと。一定の目安としては1,500円を挙げた。他にも従量制などのアイデアも検討しているという。

 フェイスが展開することの強みとして、同社グループが運営する「ウェブマネー」との積極的な活用を予定しているという。ゲーム専用のウェブマネーにアイテムなどゲーム用のおまけを付けるアイデアの他、フェイスが運営している他のコンテンツの利用にも転用できるなど、さまざまな展開を模索している。ウェブマネーに限らず、本作ならではの魅力のアピールをゲーム内容に限らず、様々なポイントで盛り込んでいくという。

 正式サービス移行時に、キャラクタのワイプは考えていないとのこと。現在多くのユーザーがレベル70~100あたりにまで成長しており、新規ユーザーと既存ユーザーの差が開きすぎてしまう問題が予想されている。この問題に対しては新サーバーの増設で、両者ともが同じスタート地点に立てる場所を用意する事を考えている。

 Gravityと現在検討しているのはキャラクタの差が広がりすぎないようなレベルキャップだが、これにはユーザーも納得できる明確な理由が必要なため難しい。谷川氏自身は「せっかく1サーバーで3人キャラクタを作れるようになっているから、それを有効に使えるようなアイデアを検討中」とのこと。

■本作の魅力と、今後のゲームの展開は?

 谷川氏が本作の魅力に一番にあげるのは「3Dグラフィックでのかわいいキャラクタ」である。特にアクセサリーや服装に注目して欲しいという。帽子や背中の羽、ジャケットなど本作には本当にたくさんのアイテムが用意されており、プレーヤーは思い思いの服装をして、自分をアピールできる。メガネひとつとってもサングラス、縁の太いめがね、ゴーグルなどとても多彩だ。各種アイテムを組み合わせてもそれなりの整合性が出てくるため、自分なりのファッションを追求できる。

 氏が何度も強調して使っていたフレーズが「おもちゃ感」。本作はキャラクタが乗る車「カート」やロボットである「キャッスルギア」が登場する。これらは各パーツを組み合わせることで様々な能力を発揮できるようになる。

 「おもちゃの『ゾイド』の感じに近いんです。武器やアイテムをいろいろくっつけて能力を強化できる。自分のお気に入りのパーツなどをガチャガチャと組み上げてロボットを作っていく感じを楽しんで欲しいですね。この『おもちゃ感』は、男の子ならば誰でもぐっと来るシチュエーションだと思います」

 ちなみにカートは「ミニ4駆やチョロQに近い」とのこと。谷川氏自身相当なおもちゃ好きなようだ。このアイテムや“おもちゃ感”に対するポイントは日本のユーザーに大きくアピールしていきたいポイントだという。

 また運営面での大きなセールスポイントとして谷川氏は「韓国のバージョンとほとんどタイムラグのないアップデート」を挙げる。本作はわずか数日のタイムラグで韓国と同じアップデートが実施される。これは日本で展開している他の韓国産MMORPGと比べきわめて速いスピードで、本作のファンも高く評価しているところである。

 このスピードの速さは、アップデートに並行してリソースの日本語化が行なわれているためだという。以前は韓日の差が1日というきわめて速いスピードで行なわれていたが、現在はデータの検討を行なうため、2~3日の試験を行なっているとのことだ。

 谷川氏はかつて「天上碑」のプロデューサーを務めた。氏はもともとはゲーム制作者としてこの業界に入ったのだが、「天上碑」で運営のノウハウ、さらに外国の人と仕事を進めるコツを得た。本作ではその経験を充分に活かすつもりだ。日本ならではのアイテムや日本スタッフが主導となって考案したアイデアを積極的にゲームに取り入れていきたいようだ。

 それは、和服や着物といった「日本色」のものではなく、日本人のセンスによるアイデアをどんどんゲームに取り入れていくことだ。現在キャッスルギアは非常に使用条件が厳しく、日本ではまだ2サーバーで5~6人しか使えない。このギアの種類を増やすとともに、入門用の条件の緩いギアも追加していきたいと語る。「ローズオンライン」を制作しているTriggersoftとはフェイスは現在、Gravityを通して話をしているが、アイデアによっては直接フェイス側がTriggersoftと話をしていきたいと考えているとのことだ。

 来日したGravityスタッフ、河奉鉉氏の第一声は「日本人のためにサービスするんだ」というものだった。河奉鉉氏は現在日本のGMのひとりとして、他の日本スタッフと積極的に業務を行なっている。Gravity側のスタッフも日本のおもちゃ文化など、日本のスタッフとの協力を期待しているという。日本の「ローズオンライン」は、韓国と違う路線を歩むのではなく、「ローズオンライン」の中に日本のセンスや、流行、価値観も反映させていきたいという。

 今回は、ゲームそのものの今後の明確なアップデート情報は得られなかった。ただし、現在第3の惑星は社内でテストされており、今後のそう遠くない未来に導入されるという。第2の惑星ルナは現在は高レベル向けのフィールドであるが、このマップも拡張される。現状ではレベル帯に合わせて狩り場が限られているが、もっと各地を冒険できるようにバランスも考えていくという。

 谷川氏は日本の正式サービス時には「惑星戦」まで入れたいと考えているようだ。現在本作のPVP要素は決められた戦闘フィールドでギルド同士の合意で行なわれる「ギルド戦」などがあるが、惑星戦はさらに大規模な、壮大なものになる予定だ。具体的な情報は得られなかったものの、河奉鉉氏の表情からは、惑星戦に対する大きな意気込みが感じられた。

 フェイスは今後正式サービス開始に向けて発表会などを行なっていく予定だ。アップデート情報なども積極的にお伝えしていきたい。

相当に強くないと行けない場所、とのこと。本作は地表など、テクスチャにスタッフのこだわりがある ゴリラ型のモンスター。赤いパンツはどうなのか? とユーザー間で議論が起きたことがあるそうだ GMキャラクタに声をかけるゲーム内の人々
惑星間の移動には飛行船を使う。美しいムービーシーンが挿入される これがキャッスルギア。現在日本では5~6人ほどしか使うことができない 腕を交換することで遠距離戦闘型に。こうしたギミックがギアの魅力だ
 

(C)2005 Published by Gravity & Developed by Triggersoft All rights reserverd.

□フェイスのホームページ
http://www.faith.co.jp/
□Gravityのホームページ
http://www.gravity.co.kr/
□Triggersoftのホームページ
http://www.trigger.co.kr/
□「ローズオンライン」のページ(Gravity)
http://www.roseon.jp/
□関連情報
【3月2日】フェイス、韓国Gravityとの提携を発表
MMORPG「ローズオンライン」の日本展開をサポート
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050302/rose.htm
【2004年11月2日】PCゲームファーストインプレッション「ローズオンライン」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041102/ros.htm

(2005年3月3日)

[Reported by 勝田哲也 / Interviewed by 中村聖司]


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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

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