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Taipei Game Show 2005現地レポート

コンシューマゲームメーカーは試遊台によるアピールを重視
Microsoftブース、金飛象有限公司ブース、XPEC他

会期:2月24日~28日 開催

開催場:世界貿易中心

■今年もたくさんのタイトルとイベントでアピールするMicrosoftブース

来場者がたっぷりした空間でゲームをプレイできたMicrosoftブース。特にXBOXのソフトは目移りするほどに多彩だ
ゲームスペースとは完全に分けられたイベントスペース、グッズを求める来場者がとてもにぎやかだった
 今回はSCEHとの兼ね合いか離れたところにブースを出展したMicrosoft。今年は昨年以上にゲームの試遊台を増やしその存在を大きくアピールしていた。Xbox試遊台を30台以上、PCの試遊台を10台以上設置、これだけの試遊台をそろえながら比較的スペースを広くとり、来場者はたっぷりとゲームを楽しむことができた。

 筆者が感心したのはブースの空間の使い方だ。Microsoftも他のゲームメーカー同様女性MCが声を張り上げ、グッズのばら巻きをするTaipei Game Showでおなじみのイベントを行なっているのだが、その空間は厳密にゲームをプレイする場所と分けられている。入り口もまったく別なものになっていて、ゲームだけを楽しみたい人は、イベントを目的で集まっている人たちに影響されずに試遊台にいける。入り口が込み合って、ブースの中の試遊台にいけないというようなことがないのだ。

 Xboxタイトルで大きく取り上げられていたのは「Halo2」と、「DEAD OR ALIVE Ultimate」。それぞれ複数台の試遊台が設置され、多くのプレーヤーがコントローラを握っていた。また後述するXPECの「HELLO KITTY MISSION RESCUE」も女の子を中心に人気があった。他にも「メタルスラッグ4」や「ウルトラパズルボブル」、「スター・ウォーズ リパブリックコマンド」など多数のタイトルが出展されていた。

 ブース中央は2階建てになっていて、そこでは新作タイトルをプレイすることができた。こちらには「メタルウルフカオス」、「トム・クランシーシリーズ スプリンターセル パンドラトゥモロー 」などを楽しむことができた。

 来場者に人気だったのは、ドライブゲーム。ここではシートにハンドルのついた豪華な試遊台でゲームをプレイできる。特に最新作の「Forza Motorsport」はその美しいグラフィックで注目を集めていた。ドライバー感覚を満喫できるこの試遊台は6台設置され、4台が「Forza Motorsport」。他の2台では「OUTRUN2」と「プロジェクト ゴッサムレーシング2」が楽しめた。

 PCコーナーでは拡張パックを同梱した「マイクロソフト エイジ オブ ミソロジー ゴールド エディション」を10台以上のPCで出展、息の長いタイトルだが、台湾では非常に人気のあるゲームだという。実際試遊台はいつもにぎわっていて、女性の姿も見受けられた。2003年の「. World Cyber Games 」において台湾プレーヤーが世界第2位という好成績を収めたのも人気に火をつける原因となったという。他にPCコーナーで出展されたのは「マイクロソフト ズータイクーン2」。こちらは動物のかわいい姿が女性や子供に人気を博している。会場でも女性プレーヤーの姿が目立った。

 物販コーナーで一番売れていたのは「ラリースポーツチャレンジ」。昨年は「ジェダイアカデミーII」が非常に人気が高かった。ちなみに日本製のゲームで好調な売り上げを記録したのは「FATAL FRAME2 Crimson Butterfly」と「ソウルキャリバーII」とのことだ。

たくさんの試遊台。最新ゲームを中心に、さまざまなジャンルの作品が取りそろえられている ドライブゲームは豪華な試遊台でアピール。ギャラリーも多かった PCゲームコーナーは人気の高いタイトルを厳選して展示。いすに座ってプレイできる
最新ゲームがプレイできる2階。入場者を管理することで、混雑を回避していた 「DEAD OR ALIVE Ultimate」はユーザーの注目が非常に高かった 今回は小規模だった物販ブースゲームのアピールを優先させたようだ


■金飛象限公司ブースではDS試遊台が大人気

タッチパネルでゲームの新しいプレイスタイルを提案するDS。笑顔でプレイするユーザーが多かった
 各ブースのグッズのばら巻きや派手なパフォーマンスで非常ににぎやかなTaipei Game Show 2005。そのイベント会場の一角でひっそりとブースを構え、GBASPやDSといった任天堂のソフトとハードの販売を行なっていたのが「金飛象有限公司」だ。この会社は台北方面の任天堂のゲームを扱う「問屋」であり、今回任天堂の台湾の代理店である「博有公司」の協力を受けて出展をしているという。

 DS本体のこちらでの発売価格は4,700元(14,100円ほど)、GBASPは2,600元(7,100円ほど)で、日本の希望小売価格よりちょっと低い価格設定で販売している。ソフトの値段も高いものでも1,400元(4,200円)とこちらも少し安い。業者が独自で輸入してくる並行輸入品との価格差も考えた設定とのことだ。

 ゲームソフトでの一番の人気は「ポケットモンスター エメラルド」、DSでは「さわるメイド イン ワリオ」が人気が高い。販売台の横に設置された2台のDSの試遊台は常に人気で、人がとぎれることがなかった。試遊台に映し出されるゲーム画面とともに、画面をこすったりつっついているプレーヤーのユニークな姿が人を呼ぶのだ。カップルではしゃぎながらプレイをするユーザーもいた。

 今回、ブースを訪れていた博有公司の方によると、任天堂では中国語版に翻訳した作品は作っていないが、にもかかわらずここ数年で中国語圏での売り上げがどんどん好調になってきているという。GBAは台湾で10万台を突破(並行輸入品を含む)、GBASP、DSもこの旧正月で非常に好調だった。特にDSのワイヤレスの通信機能は各国ごとの許可が必要であり、個人輸入で仕入れる並行輸入品では機能が働かない。正規代理店のものでなければその能力を十分に発揮できないため、多くの売り上げが見込めそうだという。

 ゲームソフトの価格設定に関しては「人気のあるソフトを値引率を低くすることで、他のソフトを値引きし、安く売る」という方式で、利益を得るようにしている。デパートなどの販売店ではさらにテナント料のため割高になってしまっているという。

 この数年で市場だけでなく、台湾の流通もまた変わりつつある。現在、台北周辺の業者とはお互いに理解を深めることもできいい関係を築けるようになってきているが、台湾中南部ではまだ海賊版の販売も活発で、今後の課題である。現在も台湾中部の問屋業者に積極的に働きかけているとのことだ。

 毎回博有公司にはには政府の方からTaipei Game Show 出展の要望が来るのだが、博有公司は出展を見送っているとのこと。市場の成熟やインフラの問題の他、ゲームイベントに対しての任天堂の姿勢も関係している。DSの体験会は以前行なっており、非常に好評を得たという。また、昨年は「ポケットモンスター」関連のイベントを行ない、こちらは日本でのイベントに匹敵するほどの来場者がつめかけた。これらのイベントで任天堂のソフトの台湾での人気をあらためて感じることができたという。「今後のアジア戦略は変化していくかもしれませんね」というコメントが印象的だった。

ちょっと地味なブース。しかし訪れるユーザーは熱心な人が多く、ガラスケースの中に熱い視線を注いでいた 大人気の「ポケットモンスター」シリーズ作品は、多めに展示して存在感をアピール 博有公司の貸し出したDSの大きな試遊台は多くのギャラリーを集めていた


■躍進のXPEC、「HELLO KITTY MISSION RESCUE」を大プッシュ

XPECはイベントは最小限に、スタッフは試遊台で待機し、積極的にユーザーのサポートを行っていた
キティーちゃんグッズをちりばめた特設コーナー。女性の注目はひときわ高かった。
 昨年は電話会社「中華電信」のブースの1コーナーとして展示していたXPEC。今年は他のゲームメーカーに劣らない大きな規模での出展をはたした。ステージイベントよりも、ゲームの試遊台のスペースを重要視するMicrosoftブースに近いコンセプトでの出展である。

 XPECは昨年台湾メーカーのXBOXオリジナルタイトルとして3Dグラフィックによるアクションアドベンチャー「Daemon Vecter」を発売。高い技術力を持った台湾のゲームメーカーとして、台湾ユーザーから一躍注目される存在となった。今回ゲームメーカーとして大きなブースで出展できたのはその実績によるものだ。その一方で、同作には「日本やアメリカのゲームと比べてアクションシーンが地味で、画面がさびしい」といった厳しい意見も寄せられたという。

 今年のXPECが大きくアピールする作品が「HELLO KITTY MISSION RESCUE」。日本でもおなじみの「ハロー キティー」のメルヘンチックな世界を丸ごと3Dグラフィックで再現した軽快なアクションゲームだ。ちょっとびっくりしたのは主人公のキティーちゃんが魔法の杖を使って敵キャラクタをなぎ倒すところ。動きはコミカルで、殺伐とした感じはないものの、キティーちゃんが敵を倒しつつ冒険する姿というのはインパクトがある。2段ジャンプも可能で、なかなか完成度の高いアクションゲームに仕上がっている。

 ユーザーの反応も面白かった。画面を見ていると大きな声で笑い、楽しそうにプレイしている人の後ろに並ぶ女の子が多かった。画面を見ていると、自分もついキティーちゃんを動かしたくなってしまうのだ。現在でもキティーちゃんは様々なグッズで各国の民族衣装を着たり、干支の着ぐるみをかぶったりと、非常に豊かなキャラクター性を発揮しているが、今作ではさらにその「芸風」を広げてくれそうだ。出展されていたのはXBOX版だが、日本でも近日PS2版が発売予定だ。

 XPECはこのソフト以外にもE3で新作を発表する予定がある。現在はまだ対応ハードもあかすことができないとのことだ。スタッフは「ぜひ期待してください」と自信に満ちたコメントをしてくれた。

XPECブースでは、「デーモンベクター」をはじめ、「創世之光」、「エクスチェイサー」など今まで発売したタイトルを展示、同社の“歴史”をアピールしていた

【HELLO KITTY MISSION RESCUE】
キティちゃんが大活躍するアクションゲーム。フィールドもかわいらしいセンスで統一されており、期待がもてる作品だ。「けろけろけろっぴ」や、「バットばつまる」などサンリオキャラクタの競演も楽しめる

【Liadinia】
LiadiniaはVivendi Universal Gamesの代理店。今回はXboxの「パニッシャー」の他、、「MEN OF VALOR」「Robots」を展示。他にも「フリフオンライン」や「EMPIRE EARTH」などVivendi以外のタイトルの紹介と販売も行っていた。

□Taipei Game Show 2005のホームページ
http://tgs.tca.org.tw/

(2005年2月26日)

[Reported by 勝田哲也]


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