株式会社セガは、ゲームを主軸の1つとした新しいコミュニケーションポータルサイト「SEGA link」をオープンする。まず、2月17日15時～3月9日15時まで、5,000人を対象にクローズドβテストを行ない、3月中旬からオープンβテストへと移行、その後、1～2カ月後に有料の正式サービスを開始する予定。βテストの募集は、「SEGA link」ページ上ですでに開始されており、募集定員になり次第終了となっている。

　セガは、今までもオフィシャルサイトで掲示板を軸にしたコミュニケーション、ゲームのプロモーションなどを中心にしたストリーミング配信などを手がけてきたが、今回、それらのテクノロジを利用した新しいコミュニケーションポータルサイトを作り上げたというわけだ。正式サービス開始後、1年程度までに会員100万人を目標としている。

　都内で開催された説明会では、同社ネットワーク戦略事業部 事業部長の森下英昭氏、そして総合プロデューサー染谷光廣氏による「SEGA link」の説明と、イメージキャラクタの発表がメインで行なわれた。

ネットワーク戦略事業部 事業部長・森下英昭氏	総合プロデューサー・染谷光廣氏

マイホームページの画面

　ユーザーはIDを取得すると、自分だけのページ(マイホームページ)を所有することになる。アバター(自分の分身をグラフィック化したもの)なども用意されたマイホームページには、ブログと同じくコメントのつけられる日記、それぞれのユーザーが友達の登録を行なうと表示されるフレンドリスト、フォトアルバム、アバターアルバム、アンケート、マイリンク(SEGA link内のブックマーク)、足跡などの機能が用意されている。登録したユーザー同士では、ゲームやチャットなどを楽しむことができるようになっているという。また、スレッド式の掲示板なども用意されており、現状実現されているコミュニティサービスはほぼ包括されている。

SEGA linkのホームページ	チャット画面	掲示板画面

ゲームのページ

　ここまで聞いた内容では、ソーシャルネットワーク、そしてブログといったネットワークコンテンツサービスの融合形かと思われる内容だが、染谷氏によれば、「今までのサービスでは、海外のものをそのまま持ってきているものも少なくないが、それでは日本人にはちょっと親しみにくいものも多い。たとえばフレンドリスト登録依頼に対して、日本人は面と向かって断りにくい、といった国民性がある。そういったところに手を入れて、日本人にも使いやすいサービスにしている」という。

　また、単なるポータルではないところはセガらしく、ゲームコンテンツには力が入っている。「バーチャファイター2」、「電脳戦機バーチャロン」といったWindows 95時代の移植作品はもちろん、「ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド2004」、「PHANTASY STAR ONLINE Blue Burst(PSO BB)」、「DERBY OWNERS CLUB ONLINE（DOCオンライン）」といったPC対応ゲーム最新作までもがダウンロードコンテンツとして「リンクコレクション」という形でプレイ可能となっている。

　ゲームカテゴリーとしては、テーブルゲームを主体とした気軽に遊べる「シンプルゲーム」、「セガゲーム本舗」でも展開中のメガドライブ時代のゲームが楽しめる「セガクラシック」と3本立ての構成だ。

　「シンプルゲーム」では、「ブラックジャック（1人～5人用）」、「7ポーカー（2人～5人用）」、「バカラ（1人～5人用）」、「７ならべ（4人用）」、「ババ抜き（4人用）」、「大富豪（4人用）」、「バックギャモン（2人用）」、「麻雀（4人用）」といったボード/パーティゲームを気軽にオンラインで楽しめるほか、自分のキャラクタを相手にぶつけてステージから押し出す、2～6名用のターン制おはじきバトルゲーム「ロケットロール」といったオリジナルタイトルの配信も予定している。

　「セガクラシック」では、初期は20タイトル、将来的には100タイトルオーバーのメガドライブ作品を楽しめるようになるという。

占いのページ

　また、本格的な占い機能も力が入ったものになっている。自分の今日の運勢、明日の運勢、今月の運勢、今年の運勢といったものから、フレンドリンクに登録したユーザーの運勢を見てみたり、他のユーザーとの相性占いまでも行なえる。

　ユーザビリティもなかなか凝ったものになっている。「SEGA link」のトップページからは、「ゲーム」、「占い」といったジャンル別にページリンクしているが、ユーザーページからも常にいろんなカテゴリへとダイレクトに飛ぶように設計されており、チャットや日記、ゲームや占いといったサービスをわかりやすく利用できるようになっている。

　課金に関しては、例えばアバターの衣装、マイホームページのスキン、占いの一部、そしてゲームごとに課金が予定されており、100円、200円、300円という単位でユーザーが自らコンテンツを購入する形態となるが、βテストの動向を見ながら課金関連の詳細を決定するようだ。月額制による「プレミアムサービス」やマイレージポイント制度などの導入も行なう予定という。なお、課金決済はサイトの通貨「セガキャッシュ」を利用する。

　また、携帯電話との連動も構想に入っているとのことだが、具体的な施策は明らかにはされていない。

　なお、βテストの募集要項には、対応OSとして日本語版Windows 98SE/Me/2000/XP、対応ブラウザとしてInternet Explorer 5.5SP2以降という指定が挙げられている。IE以外でのブラウザでの動作環境は保障できないとされているので、注意が必要だ。

■ イメージキャラクタには鈴木杏さんを起用

鈴木 杏さん

　「SEGA link」のイメージキャラクタには女優の鈴木 杏さんを起用する。鈴木さんが登場するCMも一般層向けに放映される予定。鈴木さんはすでに社内テストで「SEGA link」に触れており、プレゼンテーション会場でも実際に「SEGA link」でのマイホームページを披露。日記を流暢なタイピングで書いてみたり、チャットを申し込んできたユーザーとトークしてみせた。チャット相手の「ぐっちー」さんから「今度ダーツに行きましょう」と誘われた鈴木さんは「練習してからですね」と応えていた。

　と、先ほどまで鈴木さんとチャットしていた相手の「ぐっちー」さんが会場に登場。実は「ぐっちー」さんは同社代表取締役社長兼COOの小口久雄氏だった! というわけで、小口氏からは「この『SEGA link』には私もプロジェクト立ち上げ当初から参加している。情報のYahoo、ECの楽天のように、“遊びコミュニティのSEGA link”を目指す」と並々ならぬ意気込みを感じさせる挨拶で発表会は幕を閉じた。

「すっかりはまっている」という鈴木さん。タイピングはかなりスムーズ	日記にコメントがついている	「ぐっちー」さんにチャットに誘われた鈴木さん
染谷氏が「ぐっちー」さんを紹介。びっくりする鈴木さん	「ぐっちー」さんこと小口COOが会場に登場	「SEGA link」は小口氏の肝入りプロジェクトだという

□セガのホームページ
http://sega.jp/
□SEGA linkのページ
http://segalink.jp/
□ニュースリリース
http://sega.jp/release/nr050209_1.html

(2005年2月9日)

[Reported by 佐伯憲司]

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