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★PS2ゲームレビュー★

コマンドで変幻自在の武器を操る3Dアクション
「ナノブレイカー」

  • ジャンル:アクション
  • 発売元:コナミ株式会社
  • 価格:7,329円
  • プラットフォーム:プレイステーション 2
  • 発売日:発売中(1月27日)



【ストーリー】

 米国政府のNNI(National Nanotechnology Initiative)構想に基づき2001年に建設された実験島「ナノテクノロジーアイランド」で、ナノテクノロジーに関する総合研究が行なわれていた。短期間で飛躍的な進歩を遂げたナノテクノロジーは、一般の人々の生活にも深く浸透していたが、20年後、島内のナノマシンを集中管理していたメインコンピュータが突如暴走を始めた。

 このため、研究中のナノマシンはおろか、島の住民が体内に注入していたID識別ナノマシンまでが誤作動を始めた。人間の血液中の鉄分を吸収して増殖を繰り返すナノマシンは、機械生命体「オーガメック(organic machines)」を産み出し、人類に存亡の危機が訪れる。

 そこで、殺戮兵器として廃棄処分にされていた軍事サイボーグ「ジェイク」が政府によって再び呼び覚まされた。多彩な武器に変化するプラズマブレードを手に、機械生命体オーガメックの溢れ返った島へと降り立つ。




■ 敵を切り刻む気持ちよさが圧巻

 コナミの完全新規タイトルとして登場した「ナノブレイカー」。昨年の「東京ゲームショウ 2004」コナミブースレポートでもお伝えしたが、武器のプラズマブレードをコマンドで多彩な武器に変形させ、機械生命体オーガメックと戦っていく。冒頭のムービーシーンで、ナノテクノロジーアイランドが酷い状況に陥った経緯が語られ、島民がクリーチャーのような機械生命体オーガメックに変化する様子が展開する。これは圧倒される映像だ。

 また、サイボーグ最強戦士ジェイクを操ってオーガメックをぶった斬っていくゲーム画面は、ムービーに負けず劣らず壮絶。プラズマブレードを使えば、様々な方向から斬り刻んだり潰してオーガメックを倒すことができる。その際、大量のオイルを血しぶきのように噴出する。「こんなに放出していいのか?」というくらい、出るわ出るわの大放出(噴出したオイルの量は右下に表示される)。さらに、攻撃によって腕が千切れ飛んだり、一刀両断に真っぷたつになったり、攻撃次第でいろいろなリアクションをする様も見物だ。

グロテスク? いや、これが爽快で、新しい敵が出てくるといろいろな攻撃を試さずにはいられない。人型の敵は上下に分割すると上半身だけで這いずって攻撃してくるし、太っちょの敵を真っぷたつにすると断面の広い腹を見せて倒れるなど、見ていて「ほー」と関心する


 ジェイクの操作は、R1ボタンをSHIFTボタンとして、これと各ボタンの組み合わせで様々な基本アクションが行なえる。4種類の基本となる攻撃は、△、□の2ボタンと、SHIFTボタンを使用して、以下のようになっている。

● △ボタン……縦切り/上から下へ振り下ろす。攻撃力は標準。地面をはっているような体高の低い敵、空中など高い位置にいる敵に有効。

● R1ボタン+△ボタン……浮かせ斬り/下から上に向かって斬り上げる。攻撃力はやや高め。敵を空中に浮かせることができる。

● □ボタン……横切り/横方向に攻撃範囲が広い攻撃。攻撃力は低め。複数の敵を相手にすることが多いので、頻繁に使うことになる。

● R1ボタン+□ボタン……突き/前方にリーチの長い攻撃を出す。攻撃力が最も高いが、隙が大きい。

 これらを単発で使用することもあるが、多くの場合は4種類の攻撃を組み合わせて、特定のコマンドを入力するコンボで戦っていくことになる。コンボの最後にはプラズマブレードを大剣やハンマー、斧、槍など多彩な武器に変化させて強力な攻撃を繰り出せる。また、コンボによっては特殊効果を持つものもあって、これがかなり使える。

 最初から使えるコンボのうち特殊効果を持つのは、縦斬りから始まる「△、□、△」と横斬りから始まる「□、△、□」。縦斬りからのコンボは攻撃範囲は狭いが、最後に武器を大剣に変化させて振り下ろし、敵を一定時間気絶させる。横斬りから始まるコンボは、最後に武器を大剣に変化させて水平に振り回し、周囲の敵を吹き飛ばして転ばせる。特に横斬りからのコンボは、威力は低いが敵に間合いを詰められていても転ばせることができるので、安全重視で進みたい序盤で使用頻度が高かった。

 ステータス画面の「COMBO」を開けば、使用可能な連携のコマンドを確認できる。連携表は、最初に出す基本攻撃によって4種類に分かれていて、全てのコンボが最初から使えるわけではなく、連携表のとぎれた部分に道中で拾った連携チップを装着することで、使えるコンボを増やしていくのだ。連携チップにはレベルが設定されており、序盤では低レベルのチップしか手に入らないが、ゲームを進めてレベルの高いチップを入手すれば、強力なコンボを完成させることができる。また1度装着した連携チップも、いつでも着脱可能で、場合に応じて使いたいコンボに合わせてセットしていく。

縦斬りから始まる「△、□、△」。1体を気絶させられる 横斬りから始まる「□、△、□」。周囲の敵を転ばせるのがデカい ステータス画面で確認できる連携表。基本攻撃ごとに4画面分ある


 4つの基本攻撃はそれぞれが、コンボの最後で変形する武器に特徴がある。縦斬りからのコンボでは大剣のほか、敵を縦に真っぷたつにできる斧や、周囲の敵をダウンさせたり気絶させる効果を持つハンマーが使える。横斬りでは大剣のほか、敵を横に真っぷたつに斬る鎌が使える。突きでは斧や鎌のほか、威力の強い槍が使える。槍はより前方向にリーチが長い攻撃が可能だが隙も大きい。また、浮かせ斬りでは連携の数は少ないが敵を浮かせたあと広範囲の敵にダメージを与えるブーメランに変化させることが可能。

 複数の敵が現れる道中では取り囲まれることが多いため、最初から使える「□、△、□」の連携以外にも、横斬りからのコンボを多用して進んで行った。しかし、体高の低い敵に横斬りは当たらないし、浮かせ斬りで転ばせてからでないと攻撃を受け付けない敵なども出てくるため、こればかりでは進めない。状況に応じて、有効な攻撃方法を選んでいくことになる。連携チップがそろってきてから気持ち良く使っていたのは、LV4のハンマー。コンボの最後で振り回して敵を気絶させたりダウンさせる効果があって、かつ最後に広範囲にダメージが行き渡る攻撃をドカンと打ち下ろせる。

 個人的にはコマンドが苦手なので、当初は「LV5の連携チップを装着してようやく使える長いコマンドの連携技なんて、出せるのか?」と心配していたが、コマンド入力の受付時間が長めでコマンド入力が遅くても間に合うし、わりと一気に入力しきってもいいので、出しやすいという印象を持った。その代わりといっては何だが、周囲の状況を判断して使う必要がある。強力なコンボを出し切った後にはそれなりの硬直時間が発生するため、特にボス戦では最後まで出し切ることが逆に命取りになりかねない。

大剣は短いコマンドで出せるものが多く、序盤で最もお世話になる 敵を真っぷたつにできる斧。連携チップのレベルが上がると、複数の敵を裁断できる ハンマーは振り回す際に無防備となるが、振り回すことで周囲の敵を転ばせたり気絶させられる
鎌は横斬りの連携から最後に敵を真っぷたつにできる。横方向に範囲が大きいのがありがたい 槍は前方に繰り出す威力の強い突きを、より強力にして敵を攻撃できる。ただ相当隙が大きい 浮かせ斬りから出せるブーメランは、周囲の敵にダメージを与えるが、威力は期待しない方がいい


 例えば同じハンマーでも、レベルの高い連携チップを装着してようやく使用可能となるレベルの高いハンマーの方が威力が高いのはあたりまえ。攻撃がヒットすると、どの敵もオイルを大量に飛び散らせるため、敵にどれぐらいダメージを与えたかを見た目で判別しづらく感じられる。敵のライフゲージに注目していればわかるのだが。

 このほかで、ちょっとわかりにくく感じたのは、連続で敵にダメージを与えていくとジェイクの背中にウィングが広がる、「リミッター解除モード」。この状態になると、攻撃力が増すので、より早いテンポで敵を斬り刻んでいけるのだが、派手な効果音やエフェクトはなく、さりげなくウィングが広がるので、「よし来たー!」というような爽快感は少ない。気付けば広がっていた、という感じで慌てて敵を探して斬りまくることが多かった。

 コンボだけでも楽しいが、奥へ進めば進むほど欠かせない攻撃の要素となるのが、キャプチャーカウンターだ。○ボタンを押しっぱなしにすると敵にマーカーが出現し、放すとプラズマブレードがレーザーのように伸びて、遠くの敵を自分の目の前に引き寄せることができる。ここでタイミング良く目の前で敵を斬るとクリティカルヒットとなって、敵を一撃で倒すことが可能。これは、まだ強い連携を使用できない序盤では特に複数の敵との乱戦で効果を発揮する。

 遠方から狙っている敵がいて、斬りに行きたいが大勢の敵に囲まれて近づけない、そんな場合は遠方の敵をキャプチャーしてカウンターで倒すか、もしそれに失敗しても近くに引き寄せておけば横斬りでまとめてダメージを与えたり、ハンマーで気絶させるなど様々な方法が取れる。

ウィングオープン時のみ真っぷたつにできるなどの特殊効果が加わる武器攻撃もある 敵をキャプチャーする。マーカー出現時に左スティックでキャプチャーする敵を選べる うまくカウンターヒットすれば一撃死させることが可能。タイミングを掴めば先々役立つ


 このほかの基本動作は左スティックで走り、Xボタンでジャンプする。ゲームを進めていく中で、ダブルジャンプやグライディング(空中でスライディングのように長距離に飛ぶ)などが追加されていく。ダブルジャンプは使わなくてもあまり気にならないが、やっぱりあると便利で、1度苦労して進んできた地形を改めて行き来する際のショートカットに役立つ。グライディングは使えるようになるまでがかなり遅いので、地形を越えるために必須となる場所以外ではほとんど使用しなかった。

 R1ボタンのガードと、R1ボタン+×ボタンの緊急回避も忘れてはならない。緊急回避はボタンのみだと前方へ素早く前転し、左スティックを倒しながらR1ボタン+×ボタンで、任意の方向に回避する。このとき、背後方向に入れたときのみ後方に宙返りをする。宙返りは、他の方向へ転がるよりも移動距離が短い。また、敵の攻撃を受けたあとにタイミング良くR1ボタンを押すことで受け身も取れる。

 そして、補助的な役割りをするブースターの存在がある。R1ボタン+○ボタンでブースターゲージを消費して、そのときセットしているブースターが使用できる。ブースターには一定範囲の敵にダメージを与えるボム的役割を持つ「プラズマストーム」やガード状態で特定のレーザーを弾き返して反撃する「オートレーザーリフレクト」、キャプチャーカウンター斬りのクリティカルヒットを出しやすくする「キャプチャークリティカル」などがあり、この他にもゲームを進めていくといくつかのブースターユニットが手に入る。

 ブースターゲージは、敵を倒すと出現する赤い半透明のブースターエナジーで一定量回復する。敵を倒せばエナジーの粒が出現して勝手に少しずつ貯まっていくので、目的地へ移動している間など、気づけば満タンという感じだった。切り刻むのに一生懸命でその存在を忘れがちだったが、一定回数使えばレベルアップしていくので、ブースターゲージが貯まっていたらまめに使って、経験値を上げていった方が後々になって楽になる。

ダブルジャンプはゲームを進めれば手に入る。ジャンプ中にジャンプしてもう1段階高く飛べる ジャンプ中にSHIFT+×ボタンで、空中を滑空して遠方に飛ぶグライディング。手に入るのはゲーム後半 最初のボス戦でインフォメーションが出現する緊急回避は、危機から身を救うので絶対身に付けるべし
ブースターを発動すると少し硬直があった後、効果が発動するので敵との距離や隙を見て使う ブースターのひとつ「キャプチャークリティカル」は、キャプチャー時にクリティカルヒットが出やすくなる ブースターユニットを手に入れて使えるブースターが増えたら、R2ボタン、L2ボタンで切り替え可能



■ ステージの仕掛け、ボスの仕掛けも楽しませてくれる

 舞台となるのはナノテクノロジーアイランドの施設で、奥へと進む中には地形の仕掛けでドキドキさせるものも多い。時限式でドアが閉まる前に足場をジャンプで渡って高所を目指す場面など、どこかで見たような仕掛けもあるが、一瞬「え?」と考えさせられる仕掛けも多かったように思う。

 1本の通路で巨大ローラーに追いかけられながら、沸き続ける敵を倒して延々どこにもたどり着かない。そろそろおかしいな、と気づき始めたとき、視点を変えてローラーを見ていると「あっ」と気がつく、などといった仕掛けが面白かった。そしてこの巨大ローラーの仕掛けがまさにそうなのだが、ゲームを立ち上げたあと暫くデモ画面を見ていると種類の異なるプレイ映像を見ることができ、この中に意外とヒントが隠されている。煮詰まったら、デモ映像を眺めてみるといいかもしれない。

スイッチを機動してから、制限時間で天井が閉まる前に床をジャンプして高所の出口を目指す 飛び石上の地形をただ落ちないようにジャンプしていけばいいのだが、敵の配置がいやらしい。地形のスタート地点でブースターのひとつ、「オートレーザーリフレクト」が手に入るので有効に活用するシーンだ


 このゲーム、ストック制ではないので、地形をジャンプで越えていく、タイミングがシビアな仕掛けが用意されているのだが、そこでミスしてもライフが0=ゲームオーバーという展開にならないところがユニーク。その場合はそのエリアの特定ポイントからやり直しとなる。やり直しになった場合、ライフに関しても、特定ポイント通過時の量に戻るようになっている。この「戻るだけ」という方法は、やり直すモチベーションを高めてくれてありがたかった。ただし、ジャンプに頼って越える地形は大抵仕掛け自体がいやらしくできていて、何度もやり直すことに……。

 やり直しのスムーズさの反面、道中のセーブポイントの位置には幾度か閉口した。ボスクラスの敵と戦う場面では、他のゲームによくありがちなセーブポイントのすぐ次にボス戦、という構造ではなく、セーブポイントからある程度進んだ地点にボスがいるという配置になっていた。倒されてコンティニューした際、即、ボス戦からスタートする場合とセーブポイントからスタートする場合とがあり、後者の場合はボスに至るまでの道中をやり直すことになる。このような場面が多々あって、個人的にはちょっとツラかった。

 だが、ボスでつまずくたびに、セーブポイントからボス戦までの一定の区間を復習することで、おざなりな戦い方が矯正されていく。大剣を振り回しているだけではダメージを食らうので、遠方から慎重にキャプチャーカウンターを狙ったり、特殊効果で気絶させたり、回避したり……1ドットでも受けるダメージを減らすべく、より洗練された戦い方になっていく感覚が得られた。

 ボス戦では、まず弱点を見つけるまでが1段階。それを見つけてパターンにし、突破するのが次の段階。更に攻撃形態があれば、またそれに対する弱点やパターンを見つけて……、という感じになるので、弱点が見つけられない場合は前述のようにセーブポイントからボスに至る道中を繰り返すこととなる。この自ずと回数をこなして上達していく過程が楽しめるかがこのゲームの印象を分ける気がする。

最初に遭遇する巨大な植物のボスは、ときどき閉じる弱点をコンボで開くよう指示が出る 弱点を狙い効果的にダメージを与えることと、ボスの攻撃を把握してしっかり避けることが重要 何かをすると弱点が露出するボス。筆者は最初、弱点が現れたことに気づけず右往左往していた……



■ サイボーグ戦士は、人類の敵か味方か?

 敵となるのはオーガメックやナノマシンだけではない。島に下りて少し進んだところで、同じ軍事サイボーグであるキース・スペンサーがジェイクの行く手に立ちふさがる。

 キース戦は他の敵と違って、相手もジェイクばりのコンボ攻撃を決めてくるし、ガードをしたりキャプチャーもしてくる。同じサイボーグ戦士同士の格闘戦では、相手の大剣や鎌攻撃を避けて硬直している隙を狙ってコンボを入れたり、キャプチャーできるタイミングが相手の状況によるなど、他のザコとはまるで勝手が違う。こいつを一体どうするか、と考えて攻略していく過程を1番苦しみながら楽しめた敵だ。

 キースは登場するたびにパーツの改造を重ね、新しい攻撃を携えてジェイクの前に立ちはだかるため、最後の方は「うわー、またお前か!」という感じだった。毎回出会って最初の戦いでこてんぱんにされて、何度も戦って攻撃を覚えていき、辛抱強くダメージを与え続けて倒したときには思わずガッツポーズが出る勢いだった。

 キースの登場によって少しずつ過去の真実が紐解かれ、凶暴なキースとの対比でジェイクのキャラクタ性が照らされてくっきりと見えてくる。またジェイクが島で出会う登場キャラクタの1人、ナノテクノロジーアイランドに単身乗り込んでいる女性科学者、ミッシェル・ベイカーにも注目。ミッシェルをめぐるイベントで、ナノテクノロジーの恐怖が描かれていく。

主人公のジェイク・ウォーレン。今時のイケメン風でないところが、むしろ好感度高し。最初は、瞳のうるうるしたあごの長い男だなぁと思っていたが、彼の事情が分かるに連れてうるうるは心の内面の表現だったのか、とも思えてくる 「力こそ全て」と圧倒的パワーを誇り、自分が兵器であることに喜びを感じているキース・スペンサー。軍事サイボーグの同じ部隊ではジェイクに次いでNo.2の地位に甘んじていたため、ジェイクを妬んでいるらしい ナノテクノロジーアイランドのメインコンピュータに精通した女性科学者、ミッシェル・ベイカー。単身島に乗り込んだ豪儀な女性。だが案の定オーガメックに襲われ、そんな彼女を守るイベントで初対面する



■ カメラには不満があるが、やりこみ甲斐はあり!

 最初は敵の動きも単純で硬くないし、「バッサバッサ斬っていきゃいいや」と思っていたけど、途中から「こんなダレたやり方を続けていると、先に進めない」という感触に徐々に自分の思考が変わった。どんどん進んでみて、気がつくと体力が残りわずかとなり、セーブポイントでセーブしたはいいがそこから先へ進むに進めない。そこで注目したのはライフの増やし方だったのだが、基本的には敵を倒すしかない。ひとつは、敵を倒すと時々出現するライフサポートキットで回復する方法。これは狙って出るものではなく、回復量もかなり微量。

 もうひとつは、敵を斬ると回る画面右下の数字(敵のオイル量が蓄積される)が、一定量になると得られるボーナス。これでライフが増えたり、ライフゲージやブースターゲージの最大量が上がる。ちょっとルートを逆戻りして楽な敵を相手に戦えば、簡単にライフが回復できたので、大胆に暴れまくっていいところもあるが、激しい攻撃が予想される場所はすり足で慎重に戦って進まなくてはならないと学習。そうすると、俄然手応えが変わってきて、楽しめるようになっていった。

 しかし、気になるところがいくつかあった。1つはカメラの移動。今ひとつ法則性がつかめず、いらいらすることが多かった。R3ボタンで主人公の背後視点にリセットされるものの、走っているときにカメラを回そうとしても、主人公の前にはなかなか回らなかったり、部屋の隅などの場所によってリセットができないのももどかしかった。キャプチャーカウンターなどは特に敵との距離を測りたいのに、部屋の隅ではそれがままならない。「カメラさえもうちょっと言うことを聞いてくれたら、今のダメージは食らわずに済んだ!」という思いを込めて「カメラ!」と吠えながらダメージを食らったことも何度もあって、これは納得がいかない。

 ほかには、敵によっては倒し終えても尚「この攻撃方法で良かったんだろうか?」という感覚が残り、ゲームというよりは自分に対してちょっと不燃焼な感じがした。いろいろな攻撃方法がありすぎて、どこでどれを使えばいいのか誘導が足りないようにも感じるが、もちろんそこは「ユーザーに自由に行動を選んで遊んでもらおう」という意図なのだとも思う。ただ冒頭のボス戦で、少量のコンボと連携チップ、緊急回避の説明などがあるだけでぽーんと放り出されて、それでも最初はがむしゃらに振り回して戦っていればいい。だがその後、連携チップやブースターが増えていくに従って、迷いが生じてくる。多様な倒し方ができるキャパシティの広さがある反面、明らかにハズレ以外の、非効率な攻撃方法を取っていても、頑張ればいずれ倒せてしまうので、「一番効率が良いとは言わないまでも、果たして今の行動は、ある程度正解なんだろうか?」と、常に微量の不安が消えないまま。1周クリアまでに、いくつかの敵で、「これが正解!」という気持ちよさを感じただけに、それ以外の敵では果たしてどうなんだろう、という思いが残った。

 まあ、そうこうしてでもクリアすると、選べる要素が増え、また遊びたくなるように作られているのはさすが。クリアすると使用キャラクタとしてキースが使えるようになる。キースはジェイクとはコンボの連携表が異なり、レーザーシャワーやバルカンといったブースターが使用可能。キースのほかには、2004年11月3日に発売の「NEO CONTRA」より、2Pキャラクタ「柳生・ジャグワァ・玄兵衛」もなぜか参戦する。超人的な能力に期待がかかる。

 また、クリア後の追加要素として「スプラッターモード」が選択できるようになる。スプラッターモードではエリア内に出現する敵を制限時間内に全て倒し、オイルの量を競うというもの。連携表に連携チップが全て埋められた状態となっているので、コンボは自由に出し放題で、効率よくオイルを集める方法を探すのがポイントとなる。またこのモードでは、インターネットランキングが開催されており、期間は2月21日12:00まで。ハイスコアを競い合う形式で、PSP&新型“PlayStation 2”セットという豪華賞品をもらえるチャンスがあるほか、参加するだけでも抽選でPSPを手にするチャンスがあるので、是非参加してみては如何だろうか。

 なお、クリアしなくても「スプラッターモード」を出現させることが可能だ。条件は「敵を1,000体以上倒し、“地下排水溝”でアイテムを入手する」こと。これで、ランキングに参加することもできるので、クリアがまだでもランキングに参加してみよう。ちなみに、「柳生・ジャグワァ・玄兵衛」は、ジェイクでHARDモードをクリア、もしくはキースで「VULCAN VENTUREモード」をクリアするか、「敵を2,000体以上倒し、“地下排水溝”でアイテムを入手」すれば使用が可能になる。

キースを使うと、キース戦で困らされたガトリングガンやレーザーシャワーを、ブースターとして使用可能 日本かぶれの外国人といった風情のジャグワァが参戦。ライフゲージの異様な低さが恐いが、やはり刀の似合う漢だ スプラッターモードでは、制限時間内に出現する敵からオイルをいかにたくさん集めるかがポイント


 ハード路線のストーリーで、内容もハード。最後のほうはボスに至る道中も長くて、それをセーブなしで成功させるのは緊張感があって疲労する。敵の出現パターンや地形を覚えればダメージを抑えて進めるようになるので、コントローラーを放り投げてもやっぱりついつい「もう1回やってみよ」とコントローラーを握り直してしまう。

 どのアクションゲームにも言えることかもしれないが、ちょっと遊べない日があったりなんかして、プレイ感覚から遠のくと、改めて山を越えるために自分のモチベーションを上げるのにエネルギーをかなり消費しそうだ。そこで、放り投げっぱなしになりそうな人の為に、EASYモードがあっても良かったのでは……と、ちょっと思ってしまう。

 しかし、頑張った後には着々と上達してきたことを感じさせてくれるゲームであることは間違いないので、そういうやりがいを求める人にお勧めしたいと思う。

 最後に、開発スタッフから伝授していただいた「スプラッターモード」のコツを掲載しておく。インターネットランキングに参加するときの参考にしていだだきたい。

【スプラッターモードのコツ】
・「突き」系が有効!
「突き」系の攻撃は、縦斬りや横斬りに比べて敵のオイル放出量が多くなる。特に武器変形・槍(Lv.3)は大量にオイルを稼げるぞ。スプラッターモードではこの武器変形が基本?

・破片の始末も忘れずに!
敵を真っ二つにして仕留めると、その後の上半身/下半身/右半身/左半身からは、自動的にオイルが放出される。放置してもオイルが稼げるが、自分で破壊するとさらにオイルが稼げるので、破片も忘れずに始末したいところ。破片を始末する際は、「浮かせ斬り」が一番多くオイルを稼げるぞ。

・ブースターも効果的!
敵によっては、ブースター「プラズマボール」/「薙刀乱舞」/「プラズマストーム」で大量にオイルを放出するものがある。色々と試してみよう。

・ブースター「スピードアップ」で行ったり来たり!
複数エリアにまたがるステージでは、一旦エリアをまたぐと過去に倒した敵は全て復活する仕組みになっている。これを利用して、オイルを稼ぎ易い敵だけを集中的に狙うのだ!ブースター「スピードアップ」で移動と攻撃を早くすれば、さらに効果アリ!

・キャンセルを駆使しろ!
武器変形は威力はすさまじいが、硬直時間(出した後の動けなくなる時間)が長いのが難点。敵がいないところで出してしまった時には、カウントダウンされるタイマーを眺めるしかない……という状況になる。そういったときは、緊急回避(R1+×)で武器変形をキャンセルするのだ! 攻撃を途中でやめて、ジェイクがすぐに動けるようになるぞ。全ての武器変形攻撃ではないが、硬直時間の長い武器変形の出掛かりのほとんどは、このコマンドでキャンセル可能なのだ。




■ 「ナノブレイカー」のゲームソフトをプレゼント!

 コナミ様より、「ナノブレイカー」のソフトをご提供いただきましたので、3名の方にプレゼントいたします。ふるってご応募下さい。



【応募方法】

応募締切  :2月10日 23:00 まで
当選発表  :発送を持って代えさせていただきます
応募方法  :下記のフォームに入力して、送信してください

※ 応募フォームの送信はSSL対応ブラウザをご利用ください。SSL非対応のブラウザではご応募できません。
※ ご回答いただいた内容(データ)は、当選者の選考および、プレゼントの発送にのみ使用し、その他の目的で使用することはありません。

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□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□「ナノブレイカー」のページ
http://www.konamityo.co.jp/nb/
□関連情報
【1月27日】コナミ、PS2「ナノブレイカー」
PSPなどが当たるインターネットランキングを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050127/nano.htm
【2004年9月24日】TGS2004ブースレポート~コナミ編~その1
「ナノブレイカー」など新作タイトル多数
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040924/kona.htm

(2005年2月4日)

[Reported by 河本茉澄]


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