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ガスト、錬金術を題材にしたRPG |
価格:7,140円
イメージイラスト |
'97年に登場した「マリーのアトリエ」以後、同社はアイテムを生み出す楽しさをコンセプトにした「錬金術PRG」として数多くの「アトリエ」シリーズを発売してきたが、前作にあたる「イリスのアトリエ エターナルマナ」では、従来のシリーズから続いていたゲームのメインともなるシステム面に大幅な変更点を加え、新たな「アトリエ」シリーズとして多くのユーザーから好評を博した作品となった。
本作は「イリスのアトリエ」の続編(物語は前作よりも過去の話)として、エターナルマナの流れを汲んだ作りとなっているが、エターナルマナ以前の「アトリエ」シリーズ(ザールブルグ・グラムナート編)ファンでも十分に楽しめる世界観を作り出している。
今回、新たに採用されたのが「デュアルシナリオ」システム。このシステムは、2人の主人公がふたつの世界を舞台に、それぞれの視点で同時に物語を展開していくというもの。
エデンで生まれ育った2人の主人公「フェルト」と「ウィーゼ」。2人はエデン・ベルクハイデと呼ばれるふたつの世界でそれぞれの行動をする。フェルトはエデンの危機を救うために、1人で異世界であるベルクハイデへと旅立ち、ウィーゼはエデンに残り、「ノイアール」と呼ばれる小さな街を舞台にアイテムの調合をメインとし、フェルトの冒険に役に立つアイテムを作り出すことになる。
ストーリーは章わけされ、2人の主人公の切り替えは任意で行なうことができる。一見するとザッピングシステムのように思えるが、ザッピングシステムと異なる点は章ごとにメインとなるキャラクタが設定されていること。これにより、ザッピングシステムにありがちな複雑で難解な物語展開になるようなことはないという。
【ストーリー】 |
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何時の頃からそうであったのか、どうしてそうなのか疑問も沸かない。世界は果てあるもの。孤高世界「エデン」の人々にとってそれは常識だった。そして、マナと呼ばれる精霊、その力である源素。それらを使い、何もないところにものを創り出すことができる錬金術という技術を用い、平和で豊かな生活を送っていた。 そのエデンで唯一の街「ノイアール」。そこで錬金術を学ぶ少年と少女がいた。少年の名前はフェルト、少女の名前はヴィーゼ。孤児であった2人は幼い頃から共に育てられてきた仲だった。 ヴィーゼがフェルトに先んじて正式な錬金術士と認められた日。2人は仲よく木のマナとの契約のため「ドゥルの大樹」と呼ばれる地へ足を運ぶ。その途中、突然の地震に襲われる2人。彼らはその先で信じられない光景を目の当たりにする。目的地あった「ドゥルの大樹」が大地ごと崩れ、消え去っていたのだ。事態の報告をするため、エデン枢機院に向かおうとする2人。森の中、フェルトは不思議な声を聞く。 「我が声に応えしものよ。永遠の誓いをもって、祖なるマナを守りぬく責務を背負う覚悟はあるか?」 誘われるまま、赤く光る不思議な剣に手をかけ、それを手にするフェルト。その剣こそ「深蒼のアゾット」と呼ばれる古代錬金技術の粋を集めて作られた聖剣だった。 2人がたどり着いたエデン枢機院。そこで2人が目にしたものは、かつてない混乱と殺伐とした雰囲気であった。先ほどの地震のため、エデンのおよそ半分が崩壊、喪失してしまったのである。エデンという世界の危機…… 対応に追われた枢機院は、その場にいた正錬金術士ヴィーゼに周囲の調査を依頼する。フェルトとともに「ベルクハイデの門」と呼ばれる古代からの封印門にたどり着いたヴィーゼ。そして、門に反応して光る剣。決して開くことのなかった封印門が、そのとき、2人を逃れ得ぬ運命という奔流へ誘うため、ゆっくりとその重い口を開くのだった。
ベルクハイデとエデン。ふたつの世界を巡る2人の錬金術士の物語が今、静かに幕を開ける……。 |
本作品の主人公。錬金術の栄えたエデンには珍しい、錬金術よりも剣術に興味を持つ男の子。エデンの消失事件をきっかけに、深蒼のアゾットとベルクハイデに旅立つ。
だが、エデンと全く違うベルクハイデの様子に困惑の色は隠せない。性格は正義感が強く、困っている人を見捨てておけない。
フェルト編では冒険がメインとなり、戦闘シーンも多い。エターナルマナシリーズを継承している |
もうひとりの主人公であるウィーゼ。フェルトとは幼なじみで、立派な錬金術士を目指している。なんに対しても一生懸命がんばるのだが、がんばりすぎて時に周りが見えないことも。
エデンの消失事件後、ベルクハイデに旅立ったフェルトのサポートに奮闘する性格はとても優しい性格だが、自分の意見をハッキリ持っている。
ウィーゼ編はアイテムの調合がメインとなる。アトリエシリーズを継承 |
フェルトが旅をするベルクハイデでは、戦闘やダンジョンの探索がメイン。ダンジョンの奥深くまで進むにはアイテムの使用は必須で、そのため、まだ入手していなアイテムが必要になる場合がある。そんなときは、フェルトが入手したレピシや材料をウィーゼが調合しアイテムを作り上げる必要もでてくる。また、逆にウィーゼをメインとし、物語が展開していくなかで、材料が足りなく物語が進まないときは、フェルトにキャラクタを変えて材料を集めるなんて場面もあるだろう。
ベルクハイデを旅するフェルト | アイテムを探して街を走り回るウィーゼ |
画面左上にあるメーターが、各キャラタクの行動速度を表したもの。通常攻撃以外にも、敵の行動を遅らせるブレイク攻撃がある。ブレイク攻撃が決まると、その後の攻撃はチェーンコンボとして攻撃が繋がる。また、必殺技などの特殊攻撃も用意されている |
冒険に役立つアイテムを作り出すのが錬金術。なかにはマナを使用したマナアイテムと呼ばれるアイテムもある。マナアイテムを使用することで簡単に複製することができ、複製元の従属効果も反映される | 武器の調合はフェルトが行なう。ただし、調合の際はウィーゼが調合したアイテムが必要となるので、ウィーゼとの共同作業だともいえるだろう |
【登場キャラクタ&マナ】
■ ノイン
シルヴァレスタ反帝国組織シルムシルトのメンバー。かわいい顔に似合わない大きな手甲で戦う女の子。慣れないベルクハイデで行き倒れていたフェルトを助けたことがきっかけで、一緒に旅をすることとなる。性格は活発で天真爛漫。少々、前後を考えず、勢いで行動することも。
エデンの枢機院に住んでいた女の子。人見知りをする性格で最初はヴィーゼにさえ警戒する。いったんうち解けると普通の女の子と同じよう、目に映る様々なことに興味津々。今は錬金術の調合をするヴィーゼを見ているのが大好きなようだ。性格は人見知りをする普通の女の子。ただ、時に鋭い感覚を見せることもある。
彼女は前作にある「イリスのアトリエ エターナルマナ」に登場した“イリス”と同名だが、彼女の幼少期なのだろうか?
【幻、ファウスタ】 | 【毒、ジフトス】 | 【薫、アロマ】 |
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癒し担当のかわいい生命体。幻を司るマナでその姿を見かけることはほとんどない。ちょっとイタズラ好きな面もある | 毒を司るマナ。イメージは良くないが性格が悪いというわけではない。むしろ感じのいいお姉さんタイプ | 薫素を司るマナ。花や緑を愛する女の子。木のマナ「ドゥル」や水のマナ「ニンフ」と仲がいい |
物語の舞台となる“孤高世界エデン”は、マナと呼ばれる精霊と人間が協力して暮らす平和な世界。空中に浮かんだ形の中央大陸と、その周囲に浮かんだ島々で成り立つ世界でそれほど広い世界ではない。中央大陸のスラスト山には、執行機関である「エデン枢機院」と呼ばれる神殿が建てられている。
エデン枢機院のふもとには、この世界で唯一の街「錬金都市ノイアール」があり、人間とマナが暮らしている。物語中では謎の地震で大地の一部が崩壊していまうことになってしまう。
一方の“異世界ベルクハイデ”は、多くの人間が暮らす青空と緑、自然の美しい世界。しかし、魔物や魔獣(魔法系生物)も存在している。リーゼ海と呼ばれる内海を境に東地方と西地方に分かれている。東はシルヴァレスタ地方は、水と緑が溢れた地域で交易都市グラードがある。西は乾燥したステップ、砂漠が広がる地域で、タタリア集落と呼ばれる砂漠の民が暮らす村が存在している。
このふたつの地方に加えて、リーゼ海に浮かぶ島には、巨大な人工城塞都市リーゼヴェルトが建てられている。この世界では錬金術は忘れ去られ、マナも存在しない。
孤高世界エデン | 異世界ベルクハイデ |
【スクリーンショット】 | ||
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□ガストのホームページ
http://www.gust.co.jp/
□「ザールブルグどっとこむ」のページ
http://www.salburg.com/
(2005年1月31日)
[Reported by 志賀康紀]
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