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スクウェア・エニックス、PS2「ラジアータ ストーリーズ」 |
価格:8,190円
本作のキーイラスト。ジャックとリドリーが見上げる先には街並みとそびえ立つ城。さらにその上には龍の影が浮かぶ。なかなか意味深なイラストである |
本作は「スターオーシャン」シリーズや「ヴァルキリープロファイル」などを担当したトライエースの開発による、完全オリジナルのRPG。3Dグラフィックスながら水彩画のような柔らかい雰囲気を感じさせる映像が目を引く作品だが、時間が経過することで登場キャラクタの生活までをも描くタイムスケジュールシステムや、同社の作品ではおなじみのリアルタイムバトルなど、さまざまな作りこみが見られる。
しかし本作を語る上で見逃してはならないのが、ファンタジー世界で描かれるストーリー。タイトルの「ラジアータ」とは、ゲームの舞台となるラジアータ王国のこと。直訳的に読み取れば「ラジアータ王国の物語」という意味のタイトルなのである。ゲームの登場人物は、主人公のジャックとヒロインのリドリーをはじめ、仲間になるキャラクタだけでも150人を超える。これらのキャラクタに、それぞれ設定があり、その生活が描かれるというのだから、いったいどれほどの物語が詰め込まれているのか、容易には想像がつかない。
今回はそのストーリーのもととなる舞台設定と、登場キャラクタを紹介する。もちろん全てのキャラクタを紹介するわけにはいかないが、ストーリーの広がりは感じていただけることと思う。
古の伝承に伝わる龍。塔を破壊し、逃げまどう人々を食らっている |
ところがある時、水龍が人間を襲うという事件が発生する。龍は妖精たちを守護するとされていたが、それまで人間の前に姿を見せたことはなかった。しかし古より伝わる詩に「塔の頂 天を突くとき 龍 現れ これを崩す」という一節があり、龍は畏怖の対象としてとらえられていた。その龍が現われ、人間を襲ったことに、多くの人々が恐怖をおぼえた。
そこで立ち上がったのが、人間の国、ラジアータ王国の白色近衛騎士団団長ケアン・ラッセル。単身で水龍に挑み、激闘の末に水龍を打ち倒す。しかしケアン自身も、この戦いで命を落としてしまう。
突如人間を襲った水龍と、1対1で対峙するケアン。勇敢に戦った彼は水龍と相打ち、この世を去る。ケアンは人々からは英雄として称えられることになるが、果たして妖精たちの目にはどう映るのか |
ジャックが騎士として成長していく間も、世界の流れは止まらない。友好的とはいわないまでも、うまく共存してきた人間と妖精だが、些細なことから関係が悪化。ラジアータ軍がドワーフの村に侵攻するという事態が発生してしまう。これにより人間と妖精との間の亀裂は決定的なものとなり、全面戦争へと発展していく。その戦いの中で、再び龍が現われ、人々の前に立ちはだかる。
人間と妖精の戦いが徐々に激しさを増していく中、新たな龍が現われる。王国騎士の一員であるジャックとリドリーも、否応なくこの戦いに巻き込まれていく |
世界観を紹介したところで、主人公のジャックをはじめとした登場人物を紹介していく。非常に個性の強い人物もいれば、どこにでもいそうな親しみを感じる人物もいる。ただ一様にいえることは、それぞれに「人生」が感じられること。柔らかいタッチで描かれたグラフィックから感じられる第一印象とは、大きなギャップがあるだろう。それもまた、本作の魅力といえる。
また各キャラクタの紹介と合わせて、スクリーンショットも掲載する。独特の色彩とともに、3Dのキャラクタとは思えないほどの豊かな表情にも注目していただきたい。
本作の主人公。「父のような立派な騎士になる!」という目標に、一直線に向かっていく少年。16歳になり、ラジアータ王国の騎士団入団テストを受けるが、同じく入団テストを受けたリドリーという少女を相手に、手も足も出ずにやられてしまう。しかし騎士団への入隊は果たし、新設された騎士団の桃色豚闘士団(ローズ・コション)の見習い騎士となる。
いつも元気で底抜けに明るく、どんな場面でも物事をポジティブにとらえようとする。騎士団でも周囲の重い空気を跳ね除けるムードメーカーとして活躍しながら、騎士としても成長していく。
最初は頼りないように見えるが、まっすぐに先を見据える芯の強さと持ち前の楽天的な性格で、さまざまな困難を乗り越えていく |
北方大鷹という称号を持つ、ティンバーレイク家の一人娘。幼い頃から騎士になるべく育てられた、いわば騎士のサラブレッド。ジャックと同じ16歳でラジアータ騎士団の入団テストを受け、偶然対決することになったジャックをコテンパンにのしてしまう。だが結果としてはジャックと同じく、桃色豚闘士団の見習い騎士として配属されることになる。
騎士として育てられた環境によるものか、真面目な性格で融通が効かない。また口調も男のようで、少女らしい外見とはまるでイメージが異なる。しかし一度悩みだすとそこからなかなか抜け出せないという、意外にもろい一面もある。
普段は冷静で、ジャックの底抜けな楽天的思考にあきれることもしばしば。男性のような態度と口調だが、女性らしい扱いを受けると頬を赤らめて照れることも |
ジャックより7歳年上の姉。早世した両親に代わりジャックを育ててきた。彼女自身は父のケアンから剣の手ほどきを受けており、その腕でジャックに剣を教えた。父の姿をはっきりとおぼえているだけに、父を尊敬する心はジャックよりも強い。そのためジャックを父のような立派な人間にしたいという思いが強く、厳しく当たることも多かったため、ジャックからは恐がられている。
ジャックが騎士になるため旅立つ日には、父の形見の剣を手渡して送り出した。その後もやはりジャックのことが心配でならないようだ |
新設された桃色豚闘士団の隊長。西方獅子の称号を持つロートシルト家の長男で、父は猛将として知られるガウェイン・ロートシルト。名家に違わぬ育ちのよさゆえに口調は丁寧で、常に礼儀正しい。しかし世間の裏を見ずに育ってきたためか、どこか抜けたところがある。
騎士として特に秀でた実力を持つわけではなく、騎士団を任されたのは勤続年数を認められてのこと。その上、ジャックとリドリーという2人の見習い騎士を任されることになり、何かと苦労しそうな人物である。
隊長として、常に隊の先頭に立ってジャックたちを率いる。争いを好まない優しい性格の持ち主だが、そのためか気苦労も絶えないようだ |
ラジアータ王国騎士団「紫色山猫剣士団(ヴィオレシャソバージュ)」を率いる女性騎士。剣術や指揮では並の男性騎士を凌ぎ、性格も勝気。まだ20歳と年齢も若いが、カリスマ的な魅力で周囲の騎士を引っ張る。その反面、女性的な一面も持ち合わせており、一部には熱狂的なファン(?)がいるほどの人気者のようだ。
女性ながら20歳という若さで旗騎士を務める。強気な女性で騎士としても成功しているが、彼女なりに悩みもあるようだ |
ラジアータ王国騎士団に属する騎士。見習い騎士たちが寝起きする室長を任されている。年齢は21歳と若いが、落ち着いた態度やその風貌からかなり年上に見られる。仕事振りのほうは外見どおりにしっかりしたもので、城の生活についてジャックたちに話してやるなど、とても後輩の面倒見がいい。
見習い騎士たちのよき先輩。騎士としての実力も確かなもので、周囲からの信頼も厚いようだ |
ラジアータ王国騎士団「黒色山羊槍士団(ノワール・シュベール)」の団長を務める人物。17歳で騎士団を任された天才的な騎士で、現在もまだ19歳という若さ。家柄も南方黒狼の称号を持つ上流貴族で、まさにエリート中のエリートというべき人物。性格は勇敢というよりも好戦的で、自分の力を疑うことなく邁進する。ジャックとは年齢が近いこともあり、ライバル的な存在となっていく。
自信に満ち溢れた言動は、確かな実力と才能に支えられたもの。妖精たちに対しても好戦的で、騒ぎを大きくするタイプにも見える。ジャックの敵となる人物ではないはずだが…… |
ヴァレス魔術学院に7歳という最年少記録で入学した天才魔術師。知識を得ることを最上の喜びとする彼は、必然的にその後も膨大な知識を蓄え続け、いよいよその天才ぶりを発揮する。しかしその知識量ゆえに、他人が間違えた知識を持っていると、些細なことも見逃さず突っ込みを入れる。本人に悪意はないが、やはり変わり者であることは確かなようだ。
まだ17歳と若いが、魔術師としての実力は計り知れない。仲間としては非常に心強いが、うまく付き合っていくのはなかなか苦労しそう |
ラジアータ王国の宰相と、王国騎士団参謀長を兼務する、王国内でも指折りの重要なポストにいる人物。年齢は38歳で地位に比べると非常に若いが、出生が有力な貴族や騎士というわけではなく、あくまで自らの勤勉さと博識によって現在の地位を得た。国王に対しては宰相として冷静に意見し、またジャックのような階級の低い相手にも丁寧に接する、実に紳士的かつ意志の強い人物である。
政治と軍事の両面で、ラジアータ王国には欠かせない人物。誰に対しても紳士的な態度で接するが、職務では冷静かつ厳格な態度を崩さない |
ラジアータ王国に古くから仕える貴族出身の文官。優秀な政治的手腕を買われ、家老のジャスネから絶対的な信頼を得ている。宰相のラークスを凌ぐほどの知識を持つが、特に古の伝承に通じており、龍についての伝承も王国内でもっとも詳しいと見られる。誰に対しても丁寧でいつも冷静だが、あまりに冷静すぎることから謎も多い。
王国内でも指折りの博識で知られる。今回の物語の鍵となる古の伝承についても詳しいようなので、彼の話は注意して聞く必要がありそうだ |
これらのキャラクタがそれぞれの生活を送りながら、人間と妖精たちとの戦争という大きな流れの中で、どのように生きていくのか。ファンタジーにしては重いシナリオが展開されそうだが、大人でもじっくりと楽しめるRPGタイトルとして期待していただきたい。
今回はストーリーに絞って紹介したが、明日は戦闘シーンや「タイムスケジュールシステム」などのシステム面を解説する。興味のある方はそちらも是非ご覧いただきたい。
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□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.co.jp/
□トライエースのホームページ
http://www.tri-ace.co.jp/
□「ラジアータ ストーリーズ」のページ
http://www.square-enix.co.jp/games/ps2/radiata/
□関連情報
【2004年9月10日】スクウェア・エニックス、PS2「ラジアータ ストーリーズ」
ストーリーやシステムを紹介した公式サイトを開設
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040910/radi.htm
【2004年9月26日】TGS2004ブースレポート ~スクウェア・エニックス編~
整理券も瞬く間になくなり、通路には人があふれる大混雑ぶり
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040926/se.htm
【2004年9月29日】スクウェア・エニックス、PS2「ラジアータ ストーリーズ」
TGS2004バージョンのムービーを公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040929/radi.htm
【2004年10月29日】スクウェア・エニックス、PS2「ラジアータ ストーリーズ」
2005年1月27日発売決定。価格も公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041029/radi.htm
【2004年11月11日】スクウェア・エニックス、PS2「ラジアータ ストーリーズ」
予約特典に「トライエース サウンドバトルコレクションCD」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041111/radi.htm
【2004年11月17日】スクウェア・エニックス、PS2「ラジアータ ストーリーズ」で
玉置成実とコラボレート。ゲームにも“ナミ タマキ”として登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041117/nami.htm
【2004年12月1日】玉置成実の「Fortune」が流れる特別版ムービーを公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041201/radi.htm
【2004年12月22日】スクウェア・エニックス、PS2「ラジアータ ストーリーズ」
予約特典CDの曲目を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041222/radi.htm
【1月6日】「ラジアータ ストーリーズ」テーマソング
玉置成実「Fortune」プロモ映像が7日公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050106/nami.htm
【1月14日】スクウェア・エニックス、PS2「ラジアータ ストーリーズ」
TVCMにプロダクションI.G制作によるアニメを採用
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050114/radi.htm
【1月17日】スクウェア・エニックス、PS2「ラジアータ ストーリーズ」
TVCMを今日からWEBでも配信開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050117/radiata.htm
【1月20日】スクウェア・エニックス、PS2「ラジアータ ストーリーズ」
発売直前、最新プロモーション映像を期間限定公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050120/radiata.htm
【1月24日】スクウェア・エニックス、PS2「ラジアータ ストーリーズ」
特典CDのレーベルデザイン2種類を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050120/radiata.htm
(2005年1月25日)
[Reported by 石田賀津男]
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