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ハドソン、BBサーブ、「Master of Epic」業務提携発表会を開催
Yahoo! BBで独占配信、10月28日よりオープンβを開始

10月21日開催

会場:ロイヤルパークホテル

 株式会社ハドソンとビー・ビー・サーブ株式会社は、本日都内で両社の業務提携に関する記者発表会を開催した。提携の対象となったタイトルは、かつて「ResonanceAge」というタイトルでハドソンがβテストを実施していたファンタジーMMORPG「Master of Epic: The ResonanceAge Universe」。発表会では、BBサーブという強力な投資的バックアップを得たハドソンの同作に対する仕切り直し策と今後のプランが発表された。

ハドソン代表取締役社長工藤浩氏。この発表会のために札幌からかけつけた
このところ頻繁にゲーム関連の発表会に出席しているBBサーブ孫泰蔵社長
「Master of Epic」のイメージイラスト。「ResonanceAge」を知るユーザーにとっては驚かざるを得ないイメージチェンジぶりだ
キャラクタが可愛らしくなり幾分雰囲気が柔らかくなったゲーム画面
 「Master of Epic: The ResonanceAge Universe」は、ハドソン初の本格MMORPGとして、開発期間3年、開発費用数億をかけて取り組まれてきた純国産タイトルとしては久々の大型タイトル。しかし、発表からここまでの道のりは決して平坦なものではない。

 2003年3月の公開テスト開始、12月のβテスト終了を経て、今年3月にタイトルを「ResonanceAge」から「Master of Epic」に変更。ハイファンタジーを意識した広大な世界観や、スキルベースのキャラクタ成長システムといったシステムの根幹は残しつつ、キャラクタデザインをハイファンタジー風の荒々しいモデリングから、日本を中心としたアジア市場を強く意識した可愛らしいモデリングに一変した。この急激な方向性の転換ぶりは、欧米風のハードコアなデザインから、一転してミュシャのリトグラフ風の柔らかい雰囲気になった公式サイトのデザインを見ても明らかである。

 さて、今回の発表会に出席したのはハドソン代表取締役社長工藤浩氏、BBサーブ代表取締役社長孫泰蔵氏、そしてハドソンの企画課チーフプランナーの伊藤丈夫氏の3名。

 最初に壇上に上がった工藤社長は、日本のゲーム市場においてオンラインゲームがメジャー化しつつある現状に触れ、「ボンバーマン」や「桃鉄」といった可愛らしいゲームを数多く手がけてきた同社のノウハウを結集した「Master of Epic」で、「来るべきオンラインゲーム時代に参入を果たす」と決意を披露。ただ、昨年丸1年に渡って展開された「ResonanceAge」からの方向転換については一切触れなかった。

 続いて壇上に上がった孫社長は、BBサーブについてオンラインゲームディストリビューションカンパニーと位置づけ、今回の業務提携おいて同社が果たした役割を紹介した。大別すると、投資、流通、そしてプロモーションの3つで、要するにソフトバンクグループの豊富な資金、流通、オンラインインフラを存分に活かしたコンテンツの囲い込み策である。

 「Master of Epic」をまた、先月発表された「真・三國無双 BB(仮称)」と同じようにYahoo! BB会員のみの独占供給となる。ただし、今回は抜け道を用意し、使用ISPを問わず誰でも参加できるオープンβテストに参加したユーザーに限り、正式サービス後もゲームを継続プレイできるとした。いつのまにか主客が転倒してしまっているが、それ以前の問題として、この仕様は他ISPの友人を誘いたい場合やYahoo! BBを退会したいがゲームを継続したい場合など、さまざまな疑問点を包含しており、予想通り質疑応答ではこの仕様についての質問が続出した。

 孫氏はこの問題については、(抜け道の拡大は)検討中として一切の質問をしりぞけた。孫泰蔵氏は、元ガンホー代表取締役社長として「ラグナロクオンライン」の成功への過程をつぶさに見届けているだけに、コミュニティ育成の障害となるような囲い込みを行なうことの不得策さは十分認識しているはずであり、今後の対応に期待したいところだ。おそらくネットカフェを突破口にして実質的な全ユーザー対象のサービスへとシフトしていくのではないかと思われる。

 ゲームの説明は、「Master of Epic」チーフプランナーの伊藤氏が担当した。「Master of Epic」の基本的なゲームデザインは、プロトタイプに相当する「ResonanceAge」を完全に踏襲しており、先述した純国産としては初の採用となる完全スキル性のキャラクタ成長システムをはじめ、アクション性を重視したリアルタイムバトルシステム、時代別に異なるゲームプレイを実現した複数の時代にまたがるワールド設定など、欲張りなゲームデザインが特徴的だ。

 中でも複数の時代をパラレルに取り入れたワールド設定では、プレーヤーのプレイスタイルに応じたゲームプレイが楽しめるようになっている。公開されている限りでは、スタート地点であるPresent Ageでは仲間と出会い、ロールプレイが堪能でき、War AgeではPvPが楽しめる。Future Ageではソロプレイ、Ancient Ageでは持ち家システムを実装し、Chaos Ageでは集団戦を実現する。

 この時代別のシステムは、内容そのものは普遍的だが、それぞれ独立のエリアを設けるという試みが新しい。同作においてもっとも注目される要素だろう。もっともβテストでは、Present AgeとWar Ageのみの実装で、他の時代は随時追加予定としている。

 もうひとつの注目要素であるスキルについてはその総数は不明ながら、組み合わせることで200種類以上の職業を実現するという。スキルは戦闘、熟練、基本、生産の4つのカテゴリに分けられ、刀剣、盾、採掘、包帯といった一般的なスキルから、本来はステータスのカテゴリに該当するような筋力、生命力、知能といった要素までスキルとして系統づけられている。

 最後に今後の展開についてまとめておくと、まず10月28日よりオープンβテストが開始される。これはBB Gamesへの登録(無料)を行なえばISPを問わず参加できる。βテストから2カ月の期間をおいて、Yahoo! BB会員に対して先行サービスが開始される。そして数週間後に有料サービスへ以降という流れになる。

プレーヤーの分身となるキャラクタには4つの種族が用意されている。もっとも一般的な種族が人間に似たニューター(左上)、長く延びた耳と美貌が特徴的なコグニート(右上)、勇ましい外見と凶暴さを兼ね備えるマンデモス、子供のような容姿をした温厚な種族エルモニー(左下)(右下)

大手2社の提携発表だけに会場に多くの関係者が詰めかけた。質疑応答では、「海外展開は中国が来年の夏、現在ローカライズ中、状況を判断しながら値段を決めていく」と明確なコメントを残した工藤氏に対し、孫社長の答弁は、常に歯切れが悪かった

「Master of Epic」の最新スクリーンショット。オブジェクトのモデリングは丁寧だが、数そのものは少なめで、韓国産MMORPGを彷彿とさせるシンプルなグラフィックスになっている。比較的低スペックのPCでも十分プレイできそうだ

(C) HUDSON SOFT ALL RIGHTS RESERVED.

□ハドソンのホームページ
http://www.hudson.co.jp/
□「Master of Epic: The ResonanceAge Universe」のホームページ
http://moepic.com/

(2004年10月21日)

[Reported by 中村聖司]


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